抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

私的上半期映画ランキング2023

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 上半期公開の映画ランキングです。もう上半期が終わったという事実は全力で無視していきます。

 7月公開作品もちょこちょこ試写で拝見できましたが、当然のように除外しています。また、鑑賞タイミングの関係上、上半期トップ10を狙えそうな気がする『ルックバック』『あんのこと』あたりは未鑑賞なので入っていません。

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10位 FLY!/フライ!

 イルミネーションが飛躍した、と後年記録されるのはスーパーマリオブラザーズ、そしてこの夏のミニオン超変身の2作品になりそうな気配はしているが、いやいや少なくともこの作品でドリームワークスに喧嘩を売って完勝しているレベルの立ち位置に来ていることを証明する作品としてFLY!は記憶されるべきだ。渡り鳥を通してロードムービー、もとい珍道中を見事なカメラワークやギャグ、そして家族の絆で描いた。

 

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9位 辰巳

 首根っこを掴んで相手に直接語り掛ける。それは画面の中でも、スクリーンの外に対しても。圧倒的な熱量と技術と死の匂いのするジャパニーズノワールをこの位置に。みな演技が凄まじく、その中でも再発見された森田想は本当に素晴らしかったことは記憶に新しい。

 

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8位 僕はキャプテン

 イタリア映画祭での上映。オンライン上映がなかったのでもしかしたら配給が着いたのかもしれないマッテオ・ガローネ最新作。マッテオ・ガローネではあるが、今回はセネガルの青年2人がイタリアへの上京を目指す、というほぼアフリカでの話。『ほんとうのピノッキオ』ってファンタジーじゃなくて現実でしたっけ?というぐらい酷い目にあうのだが、これが欧州を目指す若者たちの現実か。「僕はキャプテン」のタイトル回収に泣いたのでどうしても入れたかった。

 

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7位 デューン 砂の惑星 PART2

 誰かにとってのスターウォーズのように、私は今壮大なサーガの誕生を目撃しているんだ、という経験がついに私にも。その実感が何故か押し寄せた。続き作る気あるかは知らんが。ドゥニもプレッシャーがあったのか、前作よりだいぶ巻きで話を進めるし(でも終わってみれば序章完!なんだからやっぱり進んではない)、随分と見せ場になりそうなところを増やしているが、根本ではしっかりやっている。フェイド=ラウサ。素晴らしかったですね。

 

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6位 ミツバチと私

 この作品がこの位置まで降りてきて少しうれしい。当初はこれ以外トップ5に入りそうな格の作品が無かったので困っていた。バスク地方でのバカンス。そこでの体験が「私」を形作っていく。この幼き主人公を何と呼称するのか。各々のキャラクターを見ていくことでラストにあの人があの名前で呼ぶだけで涙がでてくる。

 

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5位 リンダはチキンがたべたい!

 上半期もっともスラップスティックで笑った作品だ。チキンを食べたいだけの話だが、基本的にはチキンを絞めたいだけで団地を巻き込んでドタバタ。フランス団地映画と言えば基本暗くて現実調の中で、極めてポップで明るくて笑えて、でも確かにフランス団地映画であると言える社会問題の内包の仕方が上手だった。

 

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4位 オリオンと暗闇

 ネトフリ配信のドリームワークス最新作。クオリティは見事で、夜を恐れる少年が暗闇と旅をしていくことで色んなことを「知る」ことで恐怖を克服していく。その上で、脚本がチャーリー・カウフマン御大である訳で別の軸がもう一本通って、物語というものの存在意義という段階まで作品の強度が上がっている。

3位 劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく!Re:

 総集編映画としての出来がピカイチでした。ユーフォ以来かもしれない。後藤ひとりという人物が巻き込まれからバンドを始め、何故バンドを続けるのかの理由を心に決める、という1本の映画として軸がちゃんとある状態で夏のライブまでを走り切った。

2位 ありふれた教室

 これは面白かった。あの時どうすれば良かったんだ、がちっとも分からない開始時点で積んでいたようにしか思えない地獄。拡大し続ける「教室」という空間を前に翻弄される教師と教室で対峙する相手との緊張を描き切った。1と0.99999……は同じではなかった。

 

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1位 実録マウリポリの20日

 本当は入れないはずだった作品。NHKのドキュランド、という枠で前後編に分けて放送された長編ドキュメンタリー賞の王者。緊急劇場公開されたことで、文句なしの候補リスト入りの権利を手に入れたので自動的に1位に。とにかく凄惨なウクライナの現状を伝える画面の力強さと、報道する、映画にすることの意義をこれでもかと感じる作品。

 

 

ということでリンダがチキン料理を食いたがっているのにFLYを入れる鬼畜の所業をしてしまいました。食うか食われるか。

 最後に上半期に見た旧作のベスト10を。

1.十二人の怒れる男

2.ルック・オブ・サイレンス

3.へんしんっ!

4.ナイトクルージング

5.ピカチュウのドキドキかくれんぼ

6.オーメン

7.演劇1

8.ダーティハリー4

9.オリンピア(民族の祭典/美の祭典)

10.さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち4Kリマスター