抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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一握どころではない砂「デューン 砂の惑星 PART2」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 第96回アカデミー賞の授賞式同時視聴キャスをご視聴頂いた方はありがとうございました。授賞式の最中には気づかなかった色々が後から分かりました。何とも分からないことが多かったりで難しい心持ちですが、少なくともガザに平和を求めるジョナサン・グレイザー監督に何よりの敬意と賛同していたピンバッジをつけていた皆さんのことをまずは覚えておこうと思います。

 とはいえ、もう第97回のはじまりです。先行上映で見てきました。

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WATCHA4.5点

Filmarks4.3点

(以下ネタバレ有)

 

 行ってきました、デューン。先行上映で見てきましたよ、ええ。地元でもやるって聞いてほぉ、と思っていたら、IMAXだし、よく考えたら地元の映画館にIMAXが出来てから視察もしていなかったね、ってことでビシッと行ってきました。まあ流石に池袋のグラシネほどではないですが、十分良かったというか、23区内にもっと酷いとこあるし、って感じでした。

 とは言ったもののですね、もう音がバッキバキで。ドゥニだし、どうせハンス・ジマーだろ、と思っている5倍ぐらいハンス・ジマーです。重低音がうるさいうるさい。褒めてます。ということで、第97回アカデミー賞の音響賞おめでとうございます。もうそんな気分になっちゃいます。っていうか音響だけじゃなくて、撮影とか美術とか衣装デザインとか視覚効果とかその辺の技術系全部これに行くんじゃねってぐらい仕上がっていると思います。前作で砂の民たちにシャラメは合流したこともあって、今回はずーっと砂漠。ちゃんとロケしているし、それなのに全編IMAX撮影しているし、オースティン・バトラー演じるハルコネン家の新星フェイド=ラウサの登場する闘技場シーンはモノクロ撮影になっていたりしてすっごい綺麗だったし、うん、凄い。そして大画面でサンドワームを乗りこなす試練、サンドワームによる見事な急襲と闘技場シーンをサンドワームで挟むことで3時間近い話の中にも流石に盛り上げどころを作ってきました。絶対ドゥニは前作で何も進んでないって言われたことを根に持ってる。途中明らかに端折ってますからね。三部作で砂の惑星やる気だったに違いないと踏んでます。

 それと、オースティン・バトラーは良かったですね。いい悪役でした。リンチの時はスティングがやったそうです。覚えてねぇ。スカルスガルド、クリストファー・ウォーケンあたりのおっさんたちの悪役っぷりも見事なんですが、子の世代を主役として考えていくと凄く良い感じの対戦カード。ハビエル・バルデムが狂信者になってレベッカ・ファーガソン母がなんか大きなものの一部となって教母となってきな臭くなっていく。そして何よりシャラメっすわ。IMAXの大画面で結構な顔のアップがあっても全然耐えられるというか、むしろもっとくださいっていう感じ。日比さん早く堪能してくれ、いやしてるんか??ゼンデイヤもいい。橋本愛以来の不機嫌な顔の方が好き女優さんです。

 話がだいぶ脱線しましたが、本当に技術部門も素晴らしいし、そこに関わっている人たちの量がクレジットの膨大さを物語っている訳で。なんか途中で横に5列になってたぞ。そして先述のキャスト陣も超豪華。アベンジャーズクラスですな、何人見ていっても知ってるハリウッドスターばっか。ティモシー・シャラメゼンデイヤレベッカ・ファーガソンハビエル・バルデム、ジョシュ・ブリーリン、クリストファー・ウォーケンにオースティン・バトラー、デイヴ・バウティスタステラン・スカルスガルド、フローレンス・ピュー、レア・セドゥに味付けでサプライズのアニャ。すげぇ。今はもう途絶えたと思っていたオールスターですよ、凄い。ハリウッドはここにあったか。

 で、じゃあ前回何も進んでないじゃないか!とブースカ言われた訳で今回は進んだのか!?と問われると結構微妙な感覚です。なんでしょう、壮大な序章が終わっただけというか。前回は入念なお宅訪問の果てにそのお宅を舞台にシャラメが人を殺して覚悟を決める話だった訳です。で、流石に今回は貴種流離譚をちゃんとやったんですけど、砂の世界で認められるために修行パートを組み入れつつ、スパイスの影響で未来視してしまったゼンデイヤを失い戦争に突き進む未来に向けて進み、自らを予言の救世主と認める物語。結局覚悟の問題やんけ!っていう感じ。なんて言ったって、最後のセリフがレベッカ・ファーガソンによる「大いなる戦争が始まった」ですからね。300分砂の世界見せておいて「始まった…」じゃないですよ、どんな胆力だよ、好き。

 そんな中でもですね、ヴィルヌーヴってSF的な色々なガジェットに興味ないんだよねーと思っていたんですが、今回は結構入念にやってくれた感じで嬉しい。特に皇帝が砂の惑星に来るときにちゃんと大気圏突入を十秒程度でも描いたっていうのが結構嬉しかったですね。結構信仰と宗教っていう感じの観念的な方向に話がなっている中ですし。

 何よりですね、強く言いたいのはこれだけの大作ですよ。世紀の作品と言っていいでしょう。映画をちゃんと見始めて、というにしてもまあこのブログの過去ログで言っても2016、2017年ぐらいですか。そういう歴の人間からすると、歴戦の映画ファンたちが熱く語っていた「スターウォーズ」「ロード・オブ・ザ・リング」にあたる作品が私にも来たのかもしれない、時代に立ち会っているんじゃないかっていう感覚があってそれは凄くうれしい感覚です。ナルニア国物語は最初だけ映画館で見た。そういうのになりそうでならなかった。ハリポタは原作勢。1でもあったハルコネンの真っ黒入浴に始まり、バカみたいに盛り上がる群衆とか、フローレンス・ピューの衣装とか真面目にやってるとしたら阿呆に見えるものを堂々とやってちゃんと見えてるっていうのはエポックなものだと思うんです。ダースベイダーだって最初は変なやつでしょう?

 そう考えると、恥ずかしがらずにこれを出来るドゥニにはずっとDUNEを撮ってて欲しいけど、ドゥニの違うのも見たい…。悩ましい。