抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

鳥山明を通っていない人間「SAND LAND」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は鳥山明原作の短編を映画化らしいです。そうか、その手があったのか。

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WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

(以下ネタバレ有)

1.ノスタルジーより普遍性

 さて、鳥山明原作の短期集中連載の劇場映画化、っていうことですがおっそろしいことを言いますが鳥山明を通ってきていないんですねぇ。お笑い芸人のEXITだったでしょうか、先輩芸人が例えに毎回ドラゴンボール出てきてウザい、全員読んでると思うなよ、みたいなことを言っていてものすごい同意した記憶があるんですけども。Dr.スランプドラゴンボールも読んでなければ、アニメも見ていない。面倒になるのでドラゴンボールの映画もスルーしている現状ですからね。日本でもこっちが主流派になる日はあるのか。

 で、そこを踏まえて、というか。色んな感想をちらっと見た感じ、鳥山明的なギャグの質感、鳥山明の絵がそのまま動いているぞ!という感動っていうのがあったらしく、スラムダンクとかスパイダーバース的なうねりがここまで来ているんですか、とは思いつつも、そのノスタルジーにはちっとも共感できないんですよね。

 あるのはシンプルにフルじゃ無いとはいえ、3DCGすっごいやん、っていう驚きと2000年ぐらいにこれ書いていたっていう先見性というか、普遍性というか。前者に関しては皆様、昨年のドラゴンボールの映画で驚いていたらしいんで今更。とはいえ東宝配給、サンライズと神風動画でここまで出来るんだ、と。驚きをもたらしていたのは東映アニメーション組でしたからね。

 後者に関しては、ちょっと愚直なぐらい言葉にして繰り返していて、権力の欺瞞、種族(=まあ人種だな)が違うだけで偏見を持って判断してしまうこと、そして相手を信じること。すっごい真面目やん。でもそれめっちゃセリフで喋るじゃんっていう。

2.色んな映画を持ってきてない??

 全体的に気になったのは引用っぽさが多いところ。

 話的に、水の話になっていくし、ノワールを排除したチャイナタウンっぽいね、なーんて思っていた訳ですし、っていうかもうこの映画を作るにあたってマッドマックスfury roadが参考にされていない訳がないですよね、っていう。水をめぐる、砂漠での、行って帰る物語。

 でもまあそれっていうのは原作から引っ張ってきた結果そうなっちゃっただけで、しょうがないよねぇ、なんて思っていたら戦車描写がモロにT-34!戦車が出てくるということを知らなかったんで、おっ、ガルパンっぽいことするのかな?と思ったらスローモーションで弾丸飛び出て、いやいやまんまじゃないのよ!でも言うよ、全然T-34は超えてないからね!!話も引用か類似を感じるのに、映像面でそれをしてはならぬよ。

 あ、でもこれ監督COCOLORSの人か、なるほど、そうなるとある程度は今後も戦車は期待せざるを得ないかも。

 ベルゼブブの活躍をね、溜めに溜めて対虫人間っていう良く分からない相手にふわっと覚醒しただけで、それまでは実質スマホというか、拡張探査機ぐらいの扱いだったのが勿体ないなぁ、とは思いました。ワルを自認するのに正義の行いをするヒーローとしてのキャラ造形とか面白いんでもっと痛快にやっていいというか。最後あのアニメ的なぶっとびからのキラーンをやっていいんだったら、もっとできたっしょっていう。奥さんと知って驚くリアクションみたいなバカっぽさとか。あ、セクシー女優を強調してた意味は普通にわかんないです。普通に面白かったからこそ、少し思うところがあるなぁっていう感覚でした。

 夜遅いからね、寝るよ!