抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ブログにならなかった映画たち2022

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は映画館で見た新作だけど、なんか疲れてたり、言語化が難しかったり、配信で後追いしたりしてブログにはしなかった映画の感想のまとめうちです。

 

アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行!

アダムス・ファミリー2 アメリカ横断旅行! ブルーレイ+DVD [Blu-ray]

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 長女ウェンズデーが反抗期!どうしましょ!と思案した生瀬勝久にしか見えない吹き替えが生瀬勝久のお父さんがアメリカ横断旅行を計画!コロナ禍でなし得ないアメリカ横断観光旅行をしながら、ティーンエージャーのアイデンティティと家族とは、の話という普遍的な話をする。普遍的な話をアダムスファミリーの味付けですることでコメディとして成立するみんな安心の面白さ。ただ、普遍的なところから外れてもいいよ、それを認め合おうね、っていう話から、普通の家族の型にハマりに行ってる感はあるかも。

 シンプルに定番曲があるのは強い。曲のアレンジも良かったし。

劇場版 Free!-the Final Stroke-後編

f:id:tea_rwB:20220706024114j:image

WATCHA2.5点

Filmarks2.6点

 こんな点数で申し訳ない。初日行ったとはいえ、所詮はにわかです。

 序盤15分であまりにも退屈し、世界へ向かっていく話なのにすごく悪い意味で内向きで。後半はだいぶ好きだったFree!に近いけど、やっぱりそれは私の好きなものとは少し違ったかな、と。

 3期で感じたキャラを増やしすぎて関係性が多すぎて捌ききれていない印象は最後まで拭えず、ただただ美しい競泳シーンに心が高鳴れなかったのが悲しい。

犬王

f:id:tea_rwB:20220608013443j:image

WATCHA3.0点

Filmarks2.9点

 能楽(厳密には猿楽だが)のカウンターカルチャーとしてロックを持ち出して、室町時代にロックコンサートをやる!という読替えは面白い。平家物語には電子音楽も使われていたし、その外しはアリだ。

 だが、あまりにも話としては筋がどろろ(奇しくも主題歌は女王蜂)と同じで、どんどんと苛烈になっていくミュージカルは、苦手な人間には何も生まない時間。

 また、平家物語が絵巻物という文化の一ジャンルと時代を読み込む力が長けた作品だったのに、北山期に水墨画二条河原落書の変な改変など、歴史好きにとっても不満が残る。壇ノ浦の戦いを描くのも、平家物語と差別化したいのか、屏風風だったが、これは濃絵にも見えるし、金を貼るのは桃山期の華美な文化で、北山期には確かに通ずるので少しごにょごにょする。

 第一、カウンターカルチャーとして生き残る話が、ただのロックのフェス化でクイーンやマイケルジャクソンをやるだけなら、はっきり言って2022年にやる必要はない様に思えた。鯨はいい歌だが、We will Rock Youすぎる。平家物語はそのまま筋をやりつつ、歴史への敬意を払って更に読替えをする上手さを見せたが、そこには届かず。猿楽をロックに読み替えるのは、悪くはないが、その先を期待してしまった。

映画 五等分の花嫁

f:id:tea_rwB:20220608013448j:image

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 作画のクオリティも劇場レベルになく、話もそこまで。風太郎が選ぶ、という事実以外は話の詰め込み方を考えても第3期の方が良かったのかな、と思います。止め絵でカメラだけ動かすのとかも多くて残念。OP.EDもあったし、テレビシリーズSPのつもりで作ったんだろうな。

 中盤、文化祭を5人のifルートかのように書いておいて、ただの多視点で3日間を繰り返すだけのところも退屈で、時間経過や事物の描写で文字での情報などは排除できたはず。五月を呼び出しておいて、盗み聞きしたら用件もなく返したり、ただイベントのためにクラスが対立したりと、あまりにも漫画をそのままやっただけの感じがする脚色の出来なさが悲しい。本当の父親の話とか、入れたいならアニメで種を蒔くべきだし、っていうか四葉を選ぶ根拠も薄弱というか、ミステリとしては成立してないよね。誰を選ぶでしょう?ミステリだったのにできてない。

 少なくとも、予習する価値は無かったな…

リコリス・ピザ

リコリス・ピザ

WATCHA2.5点

Filmarks2.5点

 15歳と25歳の恋愛。行ったり来たり、寄り道だらけの恋愛、と言えば聞こえはいいけど、私が苦手な時のPTAで、シーンシーンは良いんだけど、脚本がある、というより撮りたいシーンを撮って無理やり繋げる感じに見えた。インヒアレント・ヴァイスとかね。何が良いのか、何を見せられているのか、何を求めているのか。さっぱり。

 会場で笑いが起きてた箇所もまるで笑えなかったし、終始面白くなかった。

 確かにフィルムの質感とか、古さは出てるんだけども70年代がそんなに好きなら、過去をしがんで生きてれば良いのでは。

 ただ、お前は15歳では無いぞ!と思った、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子クーパー・ホフマンは19歳だったので、彼は悪く無いです。演技がうまいとは思えませんでしたが。

ボイリング・ポイント/沸騰

f:id:tea_rwB:20220706023553j:image

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 クソ忙しい日、シェフはプライベートに問題を抱えるが、それでも開店。必要書類は書けなくて等級は落ちるし、従業員は遅刻したり、サボってたり、客は面倒な奴らばかりだし、独立前に働いていた店のシェフが評論家を連れてきて面倒ごとをまた言い出す。マネージャーは父親から店を預かった小娘で彼女もまた決して素晴らしいとは言えない働きぶり。

 ヒヤリハットの連続から遂に料理してる場合じゃない修羅場になっていくが、とにかく90分ワンカットなので死ぬほど集中させられる。個人に着目すればそうはならないのだが、次から次へとカメラが止まらず問題の所在へと移っていくから休みどころが無い。それは良いのか悪いのか。

 飲食関係で働いていた経験がある方は死ぬほど共感するか、死ぬほど辛いかになってそう

 疲れた。よってブログを書かない!

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者

f:id:tea_rwB:20220822004549j:image

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 友人と見る約束をしていたので下馬評というか、ある程度の評価が確定しているような段階で見ました。よって面倒で書き溜め行き。

 皆さま酷評でしたが、いやいや怒るほどじゃあ無いのでは?たしかに、前回の終わりからすると人類と恐竜がどう共存していくかのシークエンスを見たかったのは分かります。漁をしているところでどかーん!みたいな冒頭の感じを見たいのは間違いないです。

 ただ、メイジーと恐竜を併置した上でメイジーは殺せないので恐竜も絶滅させるわけにはいかないし、初代キャストも使うとなるとパークへのオマージュはやらなきゃいけないしで、やることが多いのは分かります。イナゴ出過ぎとか、序盤の人物紹介に30分はかけすぎとか、結局ひとところに集めてやったらワールドの意味ないやないか!とかまあ確かに言われてみればその通りなんですが、見ている時はそこまで気にならなかった、かな?アニマトロニクスに寄せたCGも好みでしたし。

 強いて言えば、メイジーと恐竜は良いけど、イナゴはダメ、っていうのは人間にとってどうか、の観点しか無いからそこはどうだろう、とは思う。人間と恐竜の相互のリスペクトで言うことを聞いてくれる、なんてオーウェンは言ったが、結局製作陣が1番恐竜をリスペクトしていなかったかもしれない。

劇場版うたの⭐︎プリンスさまっ♪スターラッシュツアーズ

f:id:tea_rwB:20220907022012j:image

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 歌詞が入ってこない人間が初見で挑む無謀をしてきました。

 BanGDreamのFILM LIVEと比較すると、本当にただライブを流す、という感じではなくアニメーション作品としてのライブになっていて、転換や演出が現実にはあり得ないものが出てきてアニメーション作品として鑑賞できた。

 全体曲→個別曲連打→グループ曲までは演出も面白いというか、マネキンと踊ってたり、ボンジュールンルンとか言ってて笑えたのだが、全体曲歌う前のトークがダラダラしていて最後にトーンダウンしてしまいました。勿体ない。

 あと、技術的には明らかにバンドリには劣っていたと思う。

 無発声応援上映だったが、いやいや無発声なのにちゃんと応援すげぇ、とはなりました。

RRR

f:id:tea_rwB:20221126221615j:image

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 うーん、ここまで大絶賛された理由はわかるような、わからないような、の手触り。こういうタイプの運命の2人の物語なら工作やプロメアとは格が違うように思えてしまった。んー、T-34でこういう映画の枠は埋まってるんで、ぐらいのメンタルっすねー。
まずもって、ダンスと歌の時間はただの待ちの時間になっちゃう私の不適性でどうしてもそこでは盛り上がらない。その上で、肉体性能や火力、賢さがかなり可変的で状況に応じて基準が変わるので真面目に見てほしいのか、ふざけて見てほしいのかが定まらない。熱くなるにしても、バカすぎて熱くなっていくパターンなのか、しっかり積み上げて熱くなるかなのに、そこはなかった。

 結局アバンまで長い、インターバルで盛り上がりすぎて、別の映画でいいじゃん、という指摘を逃れられない。

 全体的な女性の扱い、あと国威発揚っぽさ含めて、合わなかったなぁ。中国映画の国威発揚と何が違うのかはよく分からなかった。

マッドゴッド

f:id:tea_rwB:20221126221438j:image

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 ジュラシック・パークスターウォーズスターシップトゥルーパーズなどの特殊効果の名人フィル・ティペットが30年前に頓挫した企画を彼の会社の若手が素材を見つけてクラファンして映画化に成功した作品。

 JUNK HEADのように人類が滅亡して地下世界の地獄めぐりに…という話なんだが、途中車とか出てきて少女終末旅行感も出しつつ、基本的にはグロくて何がなんやら分からんぞ!という天才の脳内を覗くしかない。短い映画なのに死ぬほど疲れた。

やまぶき

f:id:tea_rwB:20221218013808j:image

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 これはブログを書けたのですが、すっかり眠くてめんどーになった帰結です。

 岡山を舞台にサイレントスタンディング、国籍、技能実習生、格差、暴力、地方と都市、親子。本当に多様すぎる題材を大量にぶち込んでいるので主張としてはごった煮なのは否めないが、カン・ユンスと祷キララの表情を焼き映す16mmフィルムの映像は確かな力を感じる。

 確かに、警察官の登山からの石を蹴飛ばし落石→それでチャンスが事故、人生がパー→大金を得るも…の流れは出来すぎではあるが、地方の閉塞感が人と人の関係の近さ、知り合いの知り合いは的なもので納得させられる。

 何度も繰り返される高地から低地へ石が転がっていく様子が、一度落ち始めると止まらない良いモチーフだ。やまぶきはひまわりのように太陽の方をみんなで向く花でない、半分日陰。

WANDA/ワンダ

f:id:tea_rwB:20221218013904j:image

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 1970年にこんな映画があったのか!という驚きを隠せない。一応上映は今年なのでここに。

 『俺たちに明日はない』を思い出させる逃亡劇のニューシネマだが、そこにいるワンダはボニクラのような一蓮托生は無く、まだ名前を与えられていないような女性だ。具体的には言われてことができない、それに真っ直ぐになっちゃう、あたり発達障害とか学習障害が疑われる。だから居場所を流されるまま確保するしかなく、そのままここまで来てしまう。でも、それでもいいじゃないのと言わんばかりのバーバラ・ローデンの寄り添いがそこにあった。そうやってる人にも居場所はあるんよ、名前はあるんよ、っていう寄り添いの極致だった。

 16mmで撮影されたフィルムのざらつきが70年代をそこに映す。

ナイル殺人事件

ナイル殺人事件 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ナイルに死すって読んだよな…記憶にさっぱりないんだけど、読んだのは覚えてる。
ということで、トリックどころか誰が死ぬかも覚えてないので実質初見。ポワロは覚えてるやつと覚えてないやつの差が激しくてなんかクリスティに申し訳ない。ゴルフ場の殺人とか大空を飛ぶ殺人のことも殆ど覚えてない。

 で、話としてはナイル川新婚旅行での連続殺人なんだが、ミステリとしての面白さは削ぎ落として人間関係に振ってる感じ。ケネス・ブラナー版はオリエントもそうだったけど、もう知ってるでしょ?って感じで人間を見せようとしてくる。シェイクスピア俳優だし、そうなるもんかもしれん。

 ただ、それにしても味気なさすぎる気がしてならなかった。もっと名探偵としてのお約束をふんだんにやってほしい。「集まってもらったのは他でもありません」を言ってほしい。「灰色の脳細胞が〜」とか言って周りを困らせてほしい。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊 (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 映画を雑誌に見立てることで、全く毛色の違う短編集を成立させうる、という発明とそれを達成させるだけの世界を見せつけたウェス・アンダーソンは見事であるが、結果的にウェス・アンダーソンだったなぁ、以外の感情は何も残らない作品だった。

 それぞれの短編はまどろっこしくて、何が言いたいのか、というか何も言いたいことはないし、いろんな表現手法を試せるぜ!なぜなら筆者が違うんだから!をやるならもっと前衛的にできた。

ナイトメア・アリー

ナイトメア・アリー (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 リメイク前の悪魔の往く町を見ていたのが本作においては失敗だった。

 話の筋が変わらないのに、見世物小屋としての強度、リアリティは格段に本作は劣る。

 無論、男と女の心の読み合いが見せる心理ゲームとちゃんと振っておいて落ちる心地よさはあるが、それオリジナルにあるもんなぁと思ってしまった

ボブ・スピットー人間なんてクソくらえー

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 TAAFの無料公開で鑑賞できたブラジルのストップモーションアニメ。今年のコンペ作品を無料公開してくれるの、凄い。

 内容としては、老年期に入った漫画家が、かつての自分たちのキャラクターをどう殺すか、っていう話をドキュメンタリー的に見せる。いつまでも自分の中にいちゃダメで、入れ替えないといけないんだと。だが、キャラクターたち、というかボブ・スピットはそうやって殺しにやってきたエルトン・ジョンズに対して反抗。自らが殺される運命を書き換え、創造主である漫画家のもとへとたどり着こうとする。

 パンク・イズ・ノット・デッドな精神で、流行り廃りに流されないぞ、という決心と共に、創作物は創作者の者であると同時に、一度世に出たらもうそれだけではなく読者の物でもあるんだ、的なメッセージを感じつつも、ストップモーションでこんだけ下品にできるの、っていう感じ、JUNK HEADみがあった。