抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2020年12月に見た過去作の記録

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 毎月お馴染みの過去作の振り返り。12月は28作品を鑑賞していました。うーん、年末にもっと稼げるつもりだったんですけどね。まあ年末は他の人のベストのツイキャスとかもあったのでそっちに時間を使った、というのもあるかもしれません。 

 ちなみに再度の緊急事態宣言下の1月ですが、今回は映画よりもアニメが捗っている印象なので本数はそこまでいかなそう。

 

ある優しき殺人者の記憶

ある優しき殺人者の記録(字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 いやーこれはどう評価していいんだろうか

 擬似ワンカットのPOVで27歳で27人を殺せば幼馴染が生き返ると信じる男とのリアルタイムサスペンス。

 ある優しき、という形容詞が示すようにある種の純愛映画でもあるとは思うのだが、設定されたルール(神の声)と違う手順で迎えたラストを考えるとバッドエンドなのかな…?

 

her/世界でひとつの彼女

her/世界でひとつの彼女(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 衣装や照明の明るさが非常に印象的な一作。

 ほぼ一人芝居になるホアキン・フェニックスに脱帽する。
相手が人間だろうと、OSだろうと、相互理解が極めて重要だ、という人間ドラマだったんだけど、AIとの恋愛というSF的関心を持って見ていた側としては浅瀬で遊んだなーって感じを拭えず。

 代筆業の扱い方もヴァイオレット・エヴァーガーデンを見てしまっているので…

図鑑に載ってない虫

図鑑に載ってない虫

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 ギャグがまったく合わないと三木監督の映画は虚無の時間になってしまう。

 ロードムービーなのかタイムサスペンスなのか、それらを全て否定する不条理コメディなのか、ちゃんとはっきりして欲しい反面、ジャンルの間にいるからこそ時効警察を生み出せたんだよな、とも思う

クロノス

クロノス HDニューマスター版(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 ギレルモデルトロのデビュー作。

 最初から一貫して彼は異形のものへの愛を持っていることがよくわかる吸血鬼映画。
しかし、ただの吸血鬼映画というよりも、手にしてしまった能力に振り回されながら、吸血鬼としての自分ではなく人間としての自分を本能に抗いながら見つける感じ。よって肉体強化とかのアクションはない。

時間回廊の殺人

時間回廊の殺人(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 〜の殺人、とくればミステリだろうと勝手に思い込んだらSF設定のあるミステリ、しかも事件解明型というよりは、だった。

 まあ冒頭で主人公の夫を誰が殺ったのかの推測は仕組みが分かってくると推測は簡単につくが、それにしても画面が暗すぎる気はした。

 設定が日本の陰陽師引っ張ってきてたり、韓国の除霊が観れるのは楽しい

ザ・メイヤー 特別市民

ザ・メイヤー 特別市民(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 市長選挙で起こりそうなこと詰め合わせ!みたいな感じかと思ったら意外とそうでもないし、ピカレスクロマンと言えるほど悪役としての魅力があるわけでもなく…な感じ。

 これだけのことをしていたら、信賞必罰を期待してしまうがそうはならないのは、これまでの韓国の政権や政治に対する不信がやっぱりあるんだろうな

完全犯罪クラブ

完全犯罪クラブ (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 バクマン。を読んだ人間ならこのタイトルにワクワクしないわけがない。PCPだ。
で、そういう感じを期待してみると、割と学生の完全犯罪気取りで、サンドラ・ブロックがあっさりと解いたその上で過去のトラウマを乗り越える話だった。ジュブナイルの方に寄ってて欲しかった、というのは先入観のせいだろうか

セブン・サイコパス

セブン・サイコパス(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 脚本が書けない…そうだ、サイコパスを募集して話のネタにしよう!みたいな話かと思ったらサイコパスシリアルキラーって感じだし、犬を巡って死体が山積みになるわ、でなんかパルプ・フィクションに近いかな。

 オフビートでブラックな死のジョークって意味では、監督の前作ヒットマンズ・レクイエムも思い出す。

エスター

エスター (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 うっわ怖…

 もともとどんな家庭にもある様なちょっとした火種にバッチバチに火を近づけるどころか…な子どもエスターの恐怖。何度か分岐点はあった気もするが、そこでどうにか出来るとは思えない。存在する悪意の前にはどうしようもないものだ。

 リー・ワネルの透明人間がガス燈っぽい、というのは当時誰かが言っていたが、本作もそれに近いものを感じる。泥棒は郵便配達だった!みたいな、社会的に見えない存在というか。

 しかし思ったより直接的な暴力だった

プロジェクトA

プロジェクトA  (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 恥ずかしながら、ジャッキー・チェンは初めてです(レゴニンジャはある)。ってか、サモハンキンポーもユンピョウも初めて。

 あの有名な時計落ちは勿論知ってましたが、まさか海賊退治の話だとは思ってませんでした。

 そうはいってもそんなに複雑なプロットではなく、冒頭の酒場の乱闘に始まり、色んなタイプのアクションを見せてくれる楽しい映画に。ただ、そこに殺意をあんまり感じなかったというか、アクションや暴力というより演舞のような印象を受けました。

プロジェクトA2/史上最大の標的

プロジェクトA2/史上最大の標的 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 アクションに打撃音が明確になり、より攻撃性は増したが相変わらず演舞っぽさは抜けなかった。そういう意味では、手錠で繋がれたままの逃走劇となる中盤はダンスとして素晴らしかった。

 あとは落下と看板ね。純粋たる戦争と比べてアクションって感じがやはり強くなる。
一方で、ストーリー的には横道が多く、特に清朝と革命勢力の話がスマートに出来てない。

ソーセージ・パーティ

ソーセージ・パーティー (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 ふざけまくった食べ物たちのトイストーリー。

 そりゃたしかに下ネタは酷いが、スプラッタの方が地味に指定を喰らうなー、なんて思ってました、ラストまでは。最後のは流石に酷すぎた笑

 ただ、話としては彼ら視点なら宗教とか神話の類とそれに抗う神殺しのアドベンチャーでありながら、人間視点ではマイノリティ、弱者の反逆(わざわざ独立記念日なのは意図的だろうね)を描いてもいたり、消費社会への批判にもなってて意外と興味深い。スーパー自体が多民族国家アメリカになってるし。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 全編ワンカット風なブロードウェイ物語。

 まあとにかく皆さんが達者で、ずーっとついていくカメラの割に固定したら時間がスキップされてたりといい演出も。少し飽きが来かねないところで解放感のある空飛ぶシーンがあったりと楽しめるが、大エンタメかというとそこまでではないかな。

 まあ1917と同じでこの手のは撮影と編集を楽しむものなので映画館に行ってない時点で申し訳ないとは思う。

 批評家とやりあうシーンは、コロナの渦中で演劇界から感じたことを代弁してくれてると思ってしまったのは秘密。

王立宇宙軍 オネアミスの翼

王立宇宙軍 オネアミスの翼

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 さあ、エヴァの前にガイナックスを振り返ろうじゃないか。

 歴史に残る王立宇宙軍。話としては80年代後半にも関わらず宇宙を目指すだけの話で少し遅い気もするし、科学という神話というアプローチも浅い感じは否めない。

 まして主人公の声優が森本レオで、飄々と、淡々と。命を狙われていてもどこか焦ってる気がしないので、宇宙に飛び出す夢の大きさに熱量を感じない。

 だが、それを補って余りある素晴らしい作画。特にロケットの発射シーンの豪華さ、そして飛行機での訓練でのプロペラ。たまらん。

トゥルー・ストーリー

トゥルー・ストーリー (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 真実の物語。では何が真実なのか。

 これ以上無いってほど地味に進む物語で、劇的に何かを明かされることもなく、ほぼ感情を表情で演技するジョナ・ヒルは見事。

 ただ、真実を追い求める話ではあるものの、記者として真実から目を背けた開幕なので、その帰結も別にカタルシスとか産まないんだよね。でしょうね、というか、やっぱね、程度にしか感じない。

トップをねらえ!劇場版

トップをねらえ! Blu-ray Box

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 さあエヴァの前にガイナックスを振り返ろうじゃないか、その2。庵野秀明が名乗りをあげる。

 OVA版を見ていないので怒涛のスピードで進む物語に総集編感を感じつつ(秒速で死ぬスミスとか)、それでも魅力を感じずにはいられない部分と、オマージュというか、押さえるところは押さえてくれている安心感とが同居する。

トップをねらえ!2劇場版

トップをねらえ2! Blu-ray Box

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 ガイナックスを振り返ろうじゃないかその3。

 前作と大きく違うが、確かにトップをねらえだった。確かに絵のタッチは全然違うし、グレンラガンフリクリ、あとはtrigger感も結構ある。

 相変わらずこの劇場版で初めて見たので、特にノノの離反のあたりは駆け足すぎて何が何やらだったのが悔やまれる。

恋に落ちたシェイクスピア

恋におちたシェイクスピア(字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 作品賞取ったというから見てたらつまらなくてがっかりした。

 シェイクスピアを主人公に、ロミオとジュリエットの誕生に際してリアルロミオとジュリエットがあったのだ!みたいな話だが、それゆえになんの動きもないし、濡場しか見るべきところは無かった

ウォールフラワー

ウォールフラワー(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 ウォールフラワー、壁の花。内向的で友人のいない主人公が新たに友人を得て青春を過ごしながら、セラピーされていく、そんな感じ。

 でもさ!壁にあっても花咲いてるじゃん!咲かずに終わる人生の方がね…とか思ってしまった。パーティに行けるメンタルあるだけ十分陽の者ですよ、ええ。

ナイト&デイ

ナイト&デイ (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 トム・クルーズトム・クルーズしてる、それだけの安心感で見てられるお気楽な映画。例の本気走りもあるし。

 ただ、特別秀でてるアクションがあったとも感じないし、キャメロン・ディアスがありえないほど状況判断が悪くてずっとムカついていた。話を停滞させたり混乱させるためだけにやるなと言われたことをやり続けるのはごめんだ

エレクトラ

Elektra (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 ネトフリのデアデビルのシーズン2に出てくると聞いているがまだシーズン1の途中に配信期限が来てしまったので仕方なく。

 結構おっと思う格闘やアクションのアイデアは感じだけど、撮り方がダサかったりして勿体ない。そして思ったよりも超能力だらけの敵ですびっくりした。エレクトラの戦い方的にはもっとリアルなタイプのヴィランの方が良かったのかも。

スカーフェイス

スカーフェイス (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 アル・パチーノが演じる一代記。流石に長い気がするが。

 十分に成り上がりを堪能した後は、計画に失敗して転落していくわけですが、しっかりその落差が美しい。

 全てを失った主人公が蜂の巣に撃たれてそのまま落下して広がる鮮血の赤。最高の終わり方ですね。

未来世紀ブラジル

Brazil (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 映画を見た、というより世界を見せられた、という印象。あとクリスマス映画でした。

 とにかく配管やダクトが剥き出しな壁でハイテクなのかローテクなのか分からない書類を押し付けてくるディストピア描写は、すっかりブレードランナーフォロワーばかり見ていた自分には新しく感じた(いや、古い映画だけどさ)

 閉塞感や圧迫感を感じるカットが多く、全体としても先行きを表すかのような暗いライティング。大きく見せるときにはカメラが引いていって見せることで、夢のシーンの明るさ、開放感が際立つ。

 なるほど、デニーロ大活躍じゃん!と思っていたら混乱し始めて、最後夢オチ!という怒涛にはポカンとしてしまったが、まあ彼別に正当なことしてないし、しょうがないか

キング・オブ・コメディ

The King of Comedy (字幕版)

WATCHA4.5点

Filmarks4.3点

 「ジョーカー」で話題になってたのに今更鑑賞です。

 デニーロが演じると狂気を纏いますな。偏執的で自己分析も出来てないパプキン。去り際に必ず一言食い下がっていくしつこさは見習うべきか否か。

 乗っ取った番組での振る舞いでも笑いが取れているあたりはかなり笑いの本質が描かれている。人間は物事でも笑ってしまうが、肩書きや権力で笑わされている面も否めないのだ

閉ざされた森

閉ざされた森 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 どんでん返し映画として有名な作品。

 ジャングルで一体何が起きたのか。噛み合わない証言。

 ちょっと卑怯な気もする叙述トリックもあったけど、まあギリ許せる範囲だろうか。

 問題は、銃撃戦などが暗かったり画面構成が下手でよく分からないから、何が嘘かどうかの材料がコッチにうまく貰えないってことと、観客を騙すためのどんでん返しの為に、劇中では不自然な嘘が混じってしまっているところ。
あとジョン・トラボルタの役名がトム・ハーディ。ややこしいことこの上ない笑

遠い空の向こうに

遠い空の向こうに (字幕版)

WATCHA4.0点

 Filmarks3.8点

 宇宙を夢見るジェイク。この頃のジェイクは劇中年代同様夢と未来に溢れてる笑

 スプートニクが飛んで宇宙に羽ばたける可能性と炭鉱とアメフトに縛られてる伝統的家族観の街と父。いやー特に父親はクソでしたね。子どもを自分の所有物だと思ってる一番嫌いなタイプ。チャラに出来るかと言われると…ごめんなさい。せめて「頑張れ」と「ありがとう」と「ごめんな」が言えなきゃダメよ。

 ロケットを作る子どもたちは、線路盗んだり、危ないことをしてしまってたが、一緒に盛り上がっちゃって指導してない先生もなー。

 とまあ登場人物に文句ばかりだが、全体的には夢と希望に溢れてて楽しかった。欲を言えば、ロケットの試行錯誤をもっと見たかった。

鑑定士と顔のない依頼人

鑑定士と顔のない依頼人(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 最高の鑑定士でも、人の気持ちの真贋は見抜けなかったよ…な大どんでん返し。

 顔を見せない依頼人と壁越しに話すシーンが長く続くので、顔が割れてるヤツと喋ってるヤツが別とかそういうパターンかな?と思ったんですけど、まさかのみんなグルパターン。

 でまあ、その仕掛け自体は悪くないが、仕掛けわかってからがちょっと長いかなー。カフェの女の子が真相教えるだけの役割、ってのもイマイチかしら。

ベイブ

ベイブ [DVD]

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 2020年最後の映画は豚でした。今年も一年ありがとうございます。

 シンプルいい話。子どもも安心。でもアヒルが食われるという残酷さも持ち合わせており、命の授業みたいな側面も。

 でも羊殺された横に豚いても豚がやったと思わなくね?