どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
今回はオンライン試写で拝見しました、アベンジャーズ/エンドゲームを超えた、なんて言われている作品でございます。中国語も英語も日本語もタイ語も出てきて要素ぐっちゃぐちゃで楽しかったです
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
(以下ネタバレ有)
1.トンデモ日本が楽しくてワッショイ
本作はシリーズの3作目。舞台が東京っていうだけで日本公開に踏み切っているのはなかなかに凄いと思います。
ということでなんでしょう、素敵な東京観光映画として見事!笑っちゃう感じで素晴らしかったと思います。っていうか、これが笑えるならこの作品を許容できるんだろうな、と。とりあえず物量で放り込む歌舞伎町(新宿駅直結で笑う)、事件の当事者はヤクザでみんな白フン・入れ墨、彼らの初登場は銭湯!中国だと湯は飲み物、っていうカルチャーギャップギャグをかましつつ、マリカー、忍者、花魁、サラリーマンにアニメとかのコスプレ、相撲、剣道、渋谷のスクランブル交差点。もう乱れ撃ちでございます。花魁とか、一瞬しか出ないのに、橋本マナミがやってましたからね。雑な日本描写とはいえ、なんていうかニッポンがこれでもかと詰め込まれてわいわいやってるのはとても楽しかったです。
この辺がとにかくヘンテコ看板とかもあんまりなく、わりとちゃんとした日本人キャスティング出来ているのも、プロデュースにビシッと川村元気&古澤佳寛の東宝コンビが入ってるんですよ。あー、なるほど、そっちで日本組は口説いたんだな、と。長澤まさみがびしょ濡れになって鎖に縛られる、みたいなのは中々今の日本では出来ないよな、と。
あと、『サイレント・トーキョー』なんかで褒められていた栃木にある渋谷のスクランブル交差点模型なんかも、この作品のおかげで作ったらしいんでね、なんかすごいですねの一言です。
最後にもう1点。音楽ですね。てらいなく日本の楽曲をバンバンかけて、開幕は三代目J Soul Brothersの「Welcome to TOKYO」だし、コスプレ画面では聖闘士星矢と踊るポンポコリン、裁判シーンでは愛聴するTBSラジオ「問わず語りの神田伯山」のOPでもある「人間の証明のテーマ」、解決した暁にはマイケル・ジャクソンの「ヒール・ザ・ワールド」ですよ。なんか曲がかかった瞬間に笑っちゃうのが多かったですね笑。
2.キャラの魅力が濃すぎ
メインどころは、密室好きの中国人探偵チン・フォンとその叔父でバカなタン・レン。日本代表妻夫木聡演じる野田、タイ代表のトニー・ジャー演じるジャック・ジャー。
こいつらのキャラを到着直後の羽田空港での戦い、トニー・ジャー参戦の京急線でメインのキャラ紹介を綺麗に終わらせる手腕は見事。タンが事件の証拠をあっさりと長澤まさみに渡してしまうところあたりは多少イラっとしてしまいますが、全体を通してみれば、不敵な笑みを浮かべ続ける妻夫木君、オーバーアクトが若干目立つ浅野忠信とかが印象に残りますね。
途中から、まさかのよくわからん探偵5人組参戦とか、一旦タンがタイに帰国して天才少女に助けてもらう、とか1.2作目で出番があったのかな?と思わしきキャラクターも出てきましたが、まあなんとかついていけるレベルだったと思います。とにもかくにも、魅力的なキャラが多いので誰かは好きになれる…のでは?
3.交わらない2つの軸
問題はですね、話が結構乖離しちゃってることでして。
中国人コンビが日本に、っていうか妻夫木君に呼ばれた理由は密室殺人を解決する為な訳ですね。オッカムの剃刀とか、ジョン・ディクスン・カーの密室分類とかをぶち込んで、ちゃんとしたミステリにしよう、という心意気は感じますけど、トリック自体はすぐ分かる、というかそれしかない。その割にそれを終盤の裁判のシーンまで引っ張るのは、引っ張るほどの話じゃないのかな、と。親子関係の話に関してはほぼノーヒントだったし。
で、その密室殺人の話を証拠収集編と解決編で頭と終わりにあるのに、途中長澤まさみが拉致される云々の話はまるまる今回の事件とは関係なかった、ということになるのが難しいところ。どうやら序盤に提示されていた探偵ランキングの1位がQという人物で、それについて及びチン・フォンの過去への言及が少しある訳ですが、その辺の話は完全に宙に浮いたまま終わるんでね。中盤の唐突なゲーム展開といい、ミステリとそっちの次作への繋ぎっぽさとのバランスが難しいかな、と思いました。多分次はQ複数とチーム探偵のアベンジャーズみたいになるんだろうな。