抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

るろうに剣心最終章「The Final」「The Begining」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 1年前の自粛期間に一気見した実写版るろうに剣心の劇場版。いよいよ完結です。

 感想を書くにあたって、剣心の年齢を有識者に確認したところ、14.5で抜刀斎始めて、17.8ぐらいで巴と結婚、10年経って10程も下の神谷薫に手を出したと知ってなんやコイツ…となっています。

 

 

1.The Final

映画ノベライズ るろうに剣心 最終章 The Final (集英社オレンジ文庫)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 とにかくまず褒めたいのは美術。色んな建物から街並みから衣装から、ひっじょーにお金がかかっている。多分予算が増えた分をそこに使ったんだろうな、という感じでそれが良かった。アクションにも共通する話題ですけど、るろ剣のアクションって、ワイヤーでぐんぐん動くのも特徴的ですけど、壊す戦闘なんですよね。部屋の中、壁、屋根、柱をバンバン壊しながら戦う。剣心が逆刃刀なので、斬るというより打撃に近いアクションなのもあって、壊しっぷりが気持ちよかった。特に、浦村署長の家で戦った最初の戦闘とかは壊しっぷりが大変好きでした。あと、爆撃を食らったあとの街並みもしっかり映していたし、うん、美術にお金使っている!!

 勿論ね、これまでのるろ剣同様にアクションはかっこいいのに、ドラマパートになると鈍重。情緒的なのが過ぎるし、有村架純が斬られるところを何回見ればええねん、と。そんなに見せちゃったら、The Beginingで何をする気なのよ。原作ではみんな知ってるのかもしれませんが、かなり盛り上がったように感じたまさかの神木隆之介参戦!!(オリジナル要素らしい)あたりのテンションも、マッケンが叫び出してから冗長でかったるいし。マッケンに関しては、その前に薫を殺せなかった時点で小物になっちゃってますからね。あの場面で殺せないことよりも、あっこまで連れてきて部下に命じて殺すことも出来るのに、おとなしく寝かせている時点でどうもやる気を感じませんよ。

 あとね、すっごいしつこいこと言います。京都大火編で、対志々雄に兵を動員できない理由に内乱はまずい、というのがあったので西南戦争が存在しない世界戦だと思っていたのに、マッケンがいきなり「西南戦争以降武器がだぶついている」と言ったんでそこから2時間ずーっと引っかかってました。じゃあ志々雄相手に兵を派遣できんじゃん。そんなに必要もないセリフで引っかかりたくはないのですが、西南戦争と武士の時代の終わりっていうのはめちゃくちゃ深い関係があるのでね、ここは結構大事なんですよ。

 これはスタントの人たちのワイヤーアクションが見れるやつ。こういうの見れるの有難い。せっかくいいアクションしてるんだから、カメラ揺らしたり、カット割過ぎたりせずにもっとどっしり見せて欲しかったな。

2.The Begining

f:id:tea_rwB:20210609133401j:image

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 さて、今回は桜も雨も雪も降らせまくったBeginig。終わりはThe Finalで見せてしまった雪代巴を殺害したのち、不殺の誓いを立てるところ、というのはおおよそ把握できている状態での鑑賞です。

 こういう終わりが見えている作品は、タイムサスペンスになってハラハラドキドキさせるものになると思うんですが、本作はそっちではなく、いつまでもチンタラやってるんじゃないよーという方になってしまった。あんなに何回を見せられちゃったのをピークにされても困る。

 その上で、爆弾で派手に最終決戦を行うことで新鮮味を出したかったのも分かるが、視覚を潰してから相手に可能性の残る近接戦闘に移行するボスにはがっかりである。

 史実の取り込み方も気になるっちゃ気になる。新撰組出してきて、古高、の文字を聞けば池田屋やるのは分かるんだけど、流石に新撰組無双すぎる。沖田の喀血をああ扱うか。

 史実と言えば、桂小五郎の思わせぶりなアレは気になって仕方がない。剣心のような若者を殺戮に使うんだから、自分は綺麗な神輿でいなさい!みたいなことを高杉晋作に言われてたんだけど、おい新政府で何してた?1作目の出来事が明治11年とのこと。桂は岩倉使節団組と対立して一旦は政府を離れたが、1875年=明治8年の大阪会議で政府に復帰しているはず。と思ったら、明治10年には死んでた。なんだ。でもだったら奇兵隊で一緒だった山縣有朋がなんかもっとしつこくていいような…

 まあそれよりもっと地味に気になるのは、禁門の変池田屋事件ですら剣心はクビをつっこもうとしてたのに、久坂玄瑞とか長州の連中が一斉に京都に攻め込んだのが禁門の変ですよ。私蛤御門まで行って、銃痕見ましたもん。そん時に京都にいた剣心はいったい何をしてたんだと。なんかあっさりナレーションベースで済ましておいて、禁門の変の説明だけは食事を共にした長州藩士にさせてて、ちょっと微妙な思いでした。

 あと、これは史実とはちょっと違うかもしれませんが、新選組、特に天然理心流の面々の剣戟にはもうちょっと工夫が欲しかったかな、と。連中はもっとダイレクトに命を狙ってくる剣術のはずなので、いわゆる谷垣アクションの当てに行く攻撃ではなく殺しに行く攻撃がもっと見たかったですね。