どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
毎度お馴染みの過去作鑑賞の記録。
既に特集してある007を合わせると36本!結構本数見てました!ここでは17本を。
結構な特徴としては、今月はアニメ作品を旧作としての鑑賞はしていないと。もうアニメ映画は劇場で手一杯なんですかね…。
コンテイジョン
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
こーれは確かに良くできたウィルスハザードのシミュレーションだ。予言的に扱われるのも納得。
ソダーバーグの作品らしく、変に情緒的になることも、ものすごくペシミスティックになることもなく淡々と進んでるが、各々がしっかり能力を発揮しようと頑張るいい話だ。
ワクチンできるの、はやいなぁ…
現実はこうだ、とかなり現場で頑張る人たちに焦点を当てた結果、指揮権の雰囲気は出なかった。そんな鑑賞日、トランプ大統領が陽性に。
39 刑法第三十九条
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
ボソボソ喋り、早口、カメラワークの独特さに顔のアップの多用。森田映画!って感じが極めて強い。
でも話として詐病か、心神喪失かを軸にしっかり捜査パートもあるミステリになってて、最後は公開精神鑑定という見せ場に。オリジナル脚本で、こういう制度論に挑むタイプのミステリを作れるのは凄い。
女殺油地獄
WATCHA4.5点
Filmarks4.5点
どうしようも無い放蕩者の油屋の息子のどうしようもない話…かと思いきや。完全にこれファムファタルだ。理屈を超えた情念の毒々しさ、湿っぽさが激しい。五社英雄の描く女性は艶かしく、でも強い。
ラストシーン、油まみれは完全にコメディの絵面なのに笑えない。むしろ怖い。そして100点の釣瓶の使い方。美しすぎる。
レッド・ドラゴン
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
ハンニバル・レクターがまたも牢の中から名探偵になる。時系列的には逮捕されるところからだが。
よくよく考えると、ハンニバルを捕まえた刑事グレアムが1番の名探偵のはずだが、まあいい。今回もレクター博士は僅かな情報で精緻なアドバイスを差し向けて、噛みつき魔に迫る。なんなら噛みつき魔をけしかけもする。グレアムへの執着が凄いので、それはそれでクラリスに鞍替えするのが納得いかない。
話としてはフツーのサスペンスかなー。別にシンプル狂人で良かった気はする。
宇宙の大怪獣 ラドン
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
ゴジラ2000で渋谷を壊滅させたメガギラスの幼生、メガヌロンが主役か!と言うほど前半はメガヌロンを引っ張りまくり、ラドンの全容が分かるのは最後30分。メガヌロンパートはほぼホラーと炭鉱労働者への社会風刺もかんじる。
ネトフリはこの調子で妖星ゴラスとか海底軍艦もよろしく!(ラドンもそうだそうだと言っています!)
真昼の決闘
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
西部劇…だと思ったか!?
西部劇の顔をしながら、銃は本当になかなか抜かないし、対決も正々堂々とは互いにほど遠い、良く言えば戦略性がある、悪く言えば卑怯。
基本的にはやってくるだろう悪人に対して準備を呼びかけ協力を要請したのに孤立無援だー、どうしよう、だけで話が進むかなり異色な印象。ただそれで面白いからすごい。
そうか、これは赤狩りを通してアメリカの正義に絶望した話だったのか。納得…
マルタの鷹
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
ハンフリー・ボガート、超かっこいいぜ。
原作はダシール・ハメットの名作。相棒の探偵が殺される。警察に疑われながらも、探っていくと鷹の像が鍵を握っていて…
とにかく次から次に人がやってきて話す。そうして情報を得ていくので、しっかり人名は覚えておきたい。字幕と発されてる名前が違くて混乱した部分もあった。
結局色々揉めた結果、事務所から名前を消させてたのに、信じているのは相棒を殺されたことへのプライド。ああ、ハードボイルドだ。
ベルリンファイル
WATCHA5.0点
Filmarks4.8点
ベルリンを舞台に北朝鮮と韓国の諜報員のスパイアクション。北朝鮮の諜報員の妻が二重スパイなのか?というサスペンスから始まって、CIAやらイスラエルやら現地ドイツやらの諜報員が入り乱れる模様は、最初は誰が誰やらで混乱してしまうが、相関関係を掴むと俄然面白い。
北のハ・ジョンウ、南のハン・ソッキュ。
とにかくアクションが秀逸で、中盤の転落のジャッキー・チェンばりのアクションでのオマケの怒涛の連打は素晴らしいし、終盤、足の長い草原での位置把握のための発砲からの白兵戦は見やすいところに出てきてくれる。撃ち合いの弾が切れれば銃は鈍器として使う。こめかみに当てた拳銃は避けれる、というドアタマのシーンまでフリに使ってくるこれがまたたまらんのだ。
韓国映画らしい湿った、痛々しいアクションなのに、ベルリンがその湿度を許さず、どこかスタイリッシュにも見えるから不思議。
悲痛な男の最後の片道切符は、涙すら誘う。
007ドラフトの監督が英語話者縛りじゃないなら、リュ・スンワン監督を確実に指名していた。
生き残るための3つの取引
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
というわけで、リュ・スンワンを指名する気でもう一本。
目下の事件の有力容疑者を射殺してしまったために、ヤクザと手を組んで犯人をでっち上げるノンキャリアの警察、それを疑う検察、そして当然大人しくしてないヤクザ。
鼎立した組織が、お互いに自分の利益の為だけに隠蔽・取引・脅し・暴力に余念のない作品。きっちり綺麗に3幕構成なのでとっても見やすい!腐敗と絶望、たまんねぇぜ!
ちなみに、本作にはまだ逞しすぎないマブリーが出ているが、序盤にファンジョンミンにビンタされる描写があるので強くなくても問題ないのだ。
この辺りで隠し球をファンジョンミンとハジョンウのどっちにするか悩み出しています。
FLU 運命の36時間
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
こうなったら最悪!の感染症シミュレーション。コンテイジョンもよく出来ていたが、本作もそういう点ではよく出来ている。
だが、この手の作品はドラマとしては個々がプロフェッショナルとして事態に立ち向かうことで打開を図るから面白いのにヒロインが医療従事者としての自分より母としての自分を優先させてる以上そこにドラマは無い。っていうか権力があるかどうかの差があるとはいえ、どっちも公ではなく私を優先してるから悪者として描かれる側だけを責めるのは無理筋なんだよね。擁護できない。
んで、ここまでミクロを描いた上でのマクロの決断は響かないよね。シンゴジラはこうなったかもしれん。
ルイの9番目の人生
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
これアレクサンドル・アジャとか嘘だろwと思ってたら中盤に一瞬だけ本気出してました。
何度も瀕死の事故を乗り越えてきたすんげー賢くて達観してる少年ルイ。彼の崖からの転落、そして植物人間になってから話は始まる。
彼を担当する医師を狂言回しにして、行方不明にった父となんか親密にしてくる母、そしてルイを担当していた精神科医との回想なんかが入りながら何故彼がこんなにも事故に遭ってたのかが語られる。
昏睡状態のルイの視点の回想だったり、モノローグが入ったりするので、結構そこが面倒だが、全体としては良くできていると思うし、代理ミュンヒハウゼンにも納得はする。まあ種明かしの方法とか、もっとスマートに出来たところはある気はする。
放課後ソーダ日和
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
少女邂逅のスピンオフですが、先にこっちを見てしまいました。
3人の女子高生がクリームソーダを求めて飲み歩く。それぞれに課題パートが準備されていて、30分尺の連ドラで見たかった気分。
校外での活動が中心だっただけに、終盤で家庭と学校をドカンと押し出してきたのは少し違和感があり、また全て喋っちゃうのは能がない、勿体無いかな
チェイサー
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
容赦ない暴力。犯人の選ぶ凶器はノミとハンマーで生きたまま頭にアタック。どうやったら思いつく。
いわゆる韓国映画の持つ暴力と湿気、血が張り付く雰囲気を持続させる異様な執着は、多少の違和感なら振り捨てて走りすぎていく。
ただ、行方不明者の捜索という点で警察が既に死んだと決め打ちで、車の場所からローラーかけることもなく言われるがまま適当に掘り返す場当たり的対応はファンタジーがすぎるか。
裏切りのサーカス
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
今はこの点数で。
顔面とキャラ名覚えられないマンには厳しすぎるイケオジ祭りは、二重スパイ探しより難航した。あげく話はスパイ探しが軸ではあるが、もっと奥の人の思いが大切なテーマであり、そうなると人間関係を把握しての二度目が必至の作品だろうな。
女は二度決断する
WATCHA4.5点
Filmarks4.3点
ドイツに、いや、未だ全世界に蔓延る差別と偏見の悲劇だ。被害者であり、被害者遺族であるのに責められる。法の裁きを逃れる。
第1の決断は、全てを終わらせて死ぬことにした、自殺未遂。第2の決断は、一旦辞めた復讐を完遂し、自爆する決断。死ぬ決断ではありますが、生理が再び始まった描写を挟むことで、あれが彼女が生に戻る道だった、という風に解釈しました。
本当は、クソみたいな被害者愚弄を繰り返したあの弁護士にも鉄槌を下したいのですが、そこまでするとライリー・ノース復讐の女神のように最高のエンタメになってしまってこの映画の持つメッセージが埋まってしまいそうなのでこれでよかったと思います。
ジャドヴィル包囲戦 6日間の戦い
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
コンゴ内戦にPKOとして派遣されたアイルランドの部隊の戦いを描く。
なぜコンゴでアイルランド人とフランス人が銃撃戦になるのか、欧州情勢は実に複雑怪奇。包囲戦なので常に迎撃、相手の撤退を祈るしかなく弾薬や資源の限界もあるのに応援が来る気配もなく見捨てられる。
戦争映画としてフレッシュな表現や極限のゴア描写がある訳ではないが、決して外さずに状況を描くことに徹底してる。必要以上に重くない作品。
国連から現地に飛んだオブライエンという外交官が超絶無能でこんな目に遭うのだが、コイツ調べたらその後もIRA憎しで色々やらかしており、史実の方が酷い人物かもしれない。
そしてまさかのダグ・ハマーショルド案件でもあった。
ウインド・リバー
WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
暴力ですべてを解決してきたアメリカのある種の原罪を西部劇的に描く非常につらい話だった。ダーティハリーとか真昼の決闘とかにちょっと近いものを感じた。
ミステリとしては非常にしょうもないし、分かりようがない結末なので、そこではなく居場所を奪われ押し込められたインディアン居留地でこの手の犯罪が行われる、という最悪さですよ。エリザベス・オルセンの役だって、そこに片足突っ込んでるのも上手い。
あと撮影がすんげー大変だろうなと。木村大作さんが八甲田山で雪の足跡がついてないのを撮るのにめっちゃ苦労した、みたいな話を聞いたことがあるので、それを思い出す。