抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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大人気ソシャゲを劇場化!「劇場版Fate/Grand Order-神聖円卓領域キャメロット-Wandering;Agateram」「劇場版Fate/Grand Order-神聖円卓領域キャメロット-Paladin;Agateram」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 大人気ソシャゲであるFGOの映画化になります。ドル箱の劇場版ですから、かなりの力を入れている…と信じていたのですが。っていうか、タイトル長いわ。

 なお、本作のために手を出さないでいたFGOを開始、映画は第6章になるので、5章のアメリカ大陸の話まではクリアしておきました。(記事執筆時点ではまだだった6.7章を3日でクリアしたぞ!)アニメは第7章らしいので、製作陣の判断は一体どうなっているのかは詰めたい気分だ。

1.Wandering;Agateram

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WATCHA2.5点

Filmarks2.5点

 まあとにかくまずもって言いたいのは動かない!止め絵を引いた絵が多いし、そこからカメラだけ動かしているのが多すぎる。同じタイミングで羅小黒戦記が劇場にかかり、同じFateブランドのHF第3章が超絶作画を見せていたその年に公開しているものとしては正直言って、物足りない。日本沈没といい君は彼方といい、なんでTOHOはこういうのを買って、ウルフウォーカーを買わなかったのか。

 特に文句を言いたいのは、戦闘シーン。前後編に分かれた本作において、戦闘の決着は後編に委ねる為に、前編での戦闘はそこまで多くないが、その分そこに注力できるはずであり、HFの第2章はほぼ1つの戦闘でそこに一点集中を見せた。ところが、本作は戦闘シーンでも動きが遅く、UBWなどのアニメシリーズを大きく下回るアクションであり、FGOのCMで見せているムービーよりも動きが遅いと言わざるを得ない。いや、そのクオリティだけは確保しないといけない最低ラインでしょう。

ソシャゲの良くないところを引き継ぐ

FGOをやっていて、これを作品として考えるには、なかなか大変だな、というところが多々ありました。まずは何といっても大目標の提示。カルデアの新米マスターであるプレイヤーは、なんやかんやで7つの特異点を修正することで世界を救うをという大命題があり、その為におかしくなってしまった歴史を元に戻すことが任務である。その提示を序章で丸々やって共通理解をしながら少しずつ世界を救っていくから面白い。

 また、各章ごとに時代をいっぱい飛んでいくので、この時代だからこのサーヴァントがいる、であるとか、この時代なのにこのサーヴァントがいる!となる面白さがあり、且つそれはガチャを引かせるキャラゲームとしては当然でもある。それだけのキャラを出せるのも、いったん止めて検索できたり、詳細表示を出来たり、あるいは各キャラがしゃべる際に必ず名前が出るから可能なのだろう。ただ、それは章だけを取り出して考えてみるとキャラの使い捨て感が出てしまう。

 以上挙げた2点は今回、劇場版にするにあたって全く考慮されることなくぶっこまれたダメな要素である。大目標の提示がないので、登場人物たちの蓄積もなく、目的もあやふや。その場の設定の説明はしているが、それはこの章の説明であって作品世界の説明としては不足している。

 また、間違いなくよくわからないレオナルド・ダヴィンチの特攻や何故か付いてきてくれて活躍する三蔵法師、自在に動く円卓の騎士たち。彼らの動き方が完全に駒のようであり、キャラに思い入れもクソもない使い方なのである。

2.Paladin;Agateram

WATCHA3.0点

 Filmarks3.1点

 とにかく前編が暗澹たる出来だった訳で、期待値をガンガン下げていたんですが、緊急事態宣言中に公開を断行、聞こえてくる評判は悪くない感じで拍子抜けでした。あ、前編は事故だったのね、と。

 そう思って見に行った後編。ちゃんとFGOはイベントと種火周回に勤しんで第6章は進めずにおいたんで、ネタバレも回避。と思ったら、7月終わりに終局特異点をさらに劇場化する、ということで、このクソ忙しい(ガンダムエウレカとフリーを見ないといけない)時期に7章のバビロニアまではやらなくてはいけないと分かって、それはそれでメンドいな、などと思ったり。

 話を本筋に戻しましょう。正直前編の記憶を消去しつつあったこともあって、イマイチどんなんだっけと思いながら見始めたんですが、意外とすんなり入ってくる。前作と大きく違うと思ったのは、とにかく移動が少ない!移動はしているんですが、その行程をちゃんとカットしていて瞬間移動をちゃんとしている。その省略できるんだったら最初からやってくれ!!そしてオジマンディアスの御前でのマシュvsランスロット。後編1発目のバトルですけど、ここで確実に前編よりもクオリティの高いバトル描写で凄くびっくりしました。ちゃんとカメラも動くし、切迫感もある描写で素晴らしい。まあ、これがピークだったような気もしてしまうんですが。んでの、マシュに宿った英霊の正体が判明する。よくぞここまでネタバレを踏まずに来たな、という初見勢だったのですが、そりゃネタバレされんわな、という地味な判明でした。円卓の人だったのね。高橋李依にお父さん、と呼ばれて照れるランスロット(私の中ではバーサーカーの人)っていうのは悪くないネタでした。

 さあ、こっからは前言撤回した小物王オジマンディアスがのちに合流することも含めて、みんなで聖都攻略戦となっていく訳ですが、うーん、ここでは構成上の難点だな、と思うところが。前編を犠牲にしてまで、各キャラの紹介を見せたわけじゃないですか。彼らが一堂に会して一気に盛り上がっていくシークエンスのはずなのに、全く盛り上がらない。戦線が肥大しすぎて場面がバンバン切り替わってしまうのが原因のように感じました。だって、一個一個の戦闘が完結していないのに次の戦いが始まって、また終わらずに戻ったりする。やたら戦線を拡大しては、毎週違う戦闘になってる最近のワンピースかよ(悪い意味で言ってます)と愚痴をこぼさざるを得ません。作画的には目を見張るようなシーンだったり、いいところもあるんですが、一方でなんかすっごい雑なところも目について。褒めていいのか、貶していいのか、難しいところでございました。

 取り敢えず終わってから6章のストーリーを読んでみたら知らないサーヴァントがちょこちょこ(シャーロック・ホームズ!!!???)が出てきたり、結構歪に映画脚本にしたんだな、と思いました。呪腕のかわいさ、静謐ちゃんのイチャイチャ、死の意味を求める意味で大変重要な俵藤太。よく頑張ったとも思うが、これまで以上にマーリン、そしてカルデアのことが大事そうになってる終局特異点。あたしゃクリアせず映画に行くよ!