抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2020年7月に見た過去作の記録

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 7月に見た過去作の記録。7月は下高井戸シネマと下北沢トリウッドという近くにあったけど行っていなかったミニシアターに遂に足を運んだのが印象的ですね。ミニシアターエイド!

 7月に鑑賞した旧作の本数は20本。ただし、呪怨とワンピース映画は纏めてどーんのつもりなので省き、ゼメキスの短編「The Lift」も感想は省いています。あ、今気づいたけど、サスペリアPART2のオチと似てるな。ゼメキス、オマージュしたのか?

 

 

ゴッホ〜最期の手紙〜

ゴッホ 最期の手紙 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 あのゴッホの名画がそのまま動く!夜のカフェテラスタンギー爺さん、カラスのいる麦畑、星月夜、オーヴェールの教会…etc。マグリットエッシャーなどの鉛筆画やシュールレアリスムの画家と違い、印象派の油絵を動かすのはまず背景だけで凄い労力であり、その挑戦を称えずにいられない。
 ただ、ゴッホのタッチのまま、と言うことは大規模な飛躍や省略が生まれないのも事実。ストーリーとしても、会って話を聞いて回想、の一辺倒で退屈なのは否めない。この手法で描く必然性のあるストーリーが生まれた時、末恐ろしい作品が生まれるかもしれない。

サイボーグ009 超銀河伝説

サイボーグ009 超銀河伝説

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 サイボーグ戦士宇宙へ!
 いや、宇宙行ったせいでサイボーグ戦士たる特殊能力が殆ど生かせない戦闘に。見せ場の為に良く知らない星での良く知らない生き物との戦闘を見れられてもな…。個人戦闘が多く、小隊編成なのも残念だし、009を通じてしかコミュニケーション取れないのかな?というぐらいチームプレイも無かった。これ以前の2作よりはマシだが、決して褒められた出来ではない。
 挙句のラスボスとの結末には開いた口が塞がらなかった。投げすぎではないだろうか。
 当初から登場する宇宙人の裏切りパターンなども考えたが、最初から最後まで説明役。うーん。

 サイボーグ009は映画化すると外れる呪いがかかってるのだろうか。私は石森先生の原作と平成版アニメを胸に生きていこう

透明人間(1933)

透明人間(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 信頼できる男、リー・ワネルが復活させるユニバーサルモンスターズの代表選手の1人の原典を。
 70分尺にビシッと収まるサイコホラーとでも言えば良いのだろうか。透明人間となる男は悲劇の男でも無ければ天才犯罪者でも無い。ペラッペラの小物で、そんな彼でも見えないだけで此処まで無敵なのか、という恐ろしさ。まあ警察の無能感も否めないが。

イントゥ・ザ・ストーム

イントゥ・ザ・ストーム(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 生まれた地、九州が豪雨災害に見舞われてる中不謹慎かもしれませんが、見て良かったと思います。
 登場人物がしっかりとベストと思われる判断をして、未曾有の災害にリアルタイムで対処していく。 トラブルの為のトラブルは無く、考えられうる最悪が起こるけど立ち向かって行く様は素直に感動したし、父子再生のシーンはやはり泣いてしまう。大体、あんなタイタスとかいう竜巻特化マシーンを作り上げて竜巻に立ち向かうとかそんなの鬼のように燃えるじゃないですか!
 そして単なるディザスタームービーに止まらない未来より今を生きることの大切さを説けるつくりは大変良くできている。
 カメラで撮ったファウンドフッテージみたいな作りをしているのに、誰のカメラか分からない神視点が混在するのは勿体ないかな。

フォレスト・ガンプ/一期一会

フォレスト・ガンプ/一期一会 (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 普通に楽しく普通にいい話で、バカをする奴がバカ、という言葉の通り実直にある種バカ正直に生きたフォレスト・ガンプの生き様を1人称で語り続ける手法であらゆるアメリカの重要な場面に居合わせてた、という話。さらっと流れるウォーターゲート発覚とアップル株は笑ったけど、他の出来事も含めて本人は重要性を分かってないスタンスなので、なんから犯人は全部僕だけどね?と言い出しそうなほど。
 まあ本当に居合わせたわけもなく、すごく都合の良い思い込みの話、という体の近代アメリ大河ドラマ的な寓話だろう。ただ、それなら公民権運動に触れてないのがなぁ、と思わざるを得ないのが今日的な見方だろうか。
 そう考えると、フォレスト自体がアメリカそのものであり、まさに文字通り走ってきた歴史を象徴すると同時に、ヒッピーだろうと愛する国だぜ、みたいなアメリカ愛国映画にも感じる。考えすぎですかね。

ストレンジャー

オーソン・ウェルズINストレンジャー [DVD]

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 戦後逃亡したナチスを追い詰めろ!
 アメリカの田舎町に別人になって潜伏したナチスとそれを追い詰める男。かつての側近がやってきたが、ナチスの彼は正体を知られないために殺害し…。
 殺人がバレるバレない、ナチスだとバレるバレないサスペンスに、終盤は命のやり取りのサスペンスも。幾度も登場する時計が焦らせる。

獣道

獣道

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 地方都市の地獄と行き止まり感。行き止まりの先に居場所を求めて進めば、それはどのみち獣道。通りたくて通るんじゃない、必死に足掻いてそうするしかなかったんだ。
 伊藤沙莉の華麗な変身アンド演技巧者ぶりを堪能しながら、意外と似合うアントニーに驚く。
ちょっとバカっぽい「そこのみにて光輝く」。

イヴの時間 劇場版

イヴの時間 劇場版

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 アンドロイドが実用化された近未来において、ロボットと人間を区別しない喫茶イヴの時間に集う人々(勿論ロボットも含まれる)を描く。
 もともと短編連作だったということもあり、群像劇的ではあるが、小噺が連なるだけで有機的な連結をしている印象は薄く、マサキのロボ嫌いの唐突さなんかの違和感と食い足りなさが勿体ない。
 ロボットの人権や心、芸術という点にフォーカスこそしているが、人間と見分けがつかない時にロボットをどう捉えるか、という問題は例えば未成年、例えば障害を持つ方、例えば外国籍、自己決定権を軽視される人たちへの目線と変わらない。

劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段

劇場版アニメ 忍たま乱太郎 忍術学園 全員出動!の段

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 お祭りオールスター映画で1年以外もいっぱい出てくるキャラの多さ、出てないのはライバル校の赤い忍者服の人たちだけ。なのにキャラ渋滞せず、話運びもテンポが良く、それでいてちゃんと見せ場や目的、戦略も真っ当なので退屈しない。
 惣村や農地に帰る侍など、地味に戦国期の時代考証もしっかりしていて、説得力を高める。
 ただ、私の地雷、教育の点でひっかかって出だしでつまづいたのも事実。夏休みの宿題を取り違えたのに突合を2学期初日にやってるってなんやねん、忍たまじゃなかったら喜三太死んでたぞ

6才のボクが、大人になるまで

6才のボクが、大人になるまで。(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 これは北の国からとか渡る世間は鬼ばかりとかの劇場版総集編だな、と直感。
 6才から大学入学までの少年時代を変わらないキャストで毎年撮り続ける狂気と挑戦には敬意を払うが、どうしても人生のダイジェスト感は否めない。特に少年時代の終わりは父との対話や母との別れで良くて、新たな門出の所までは余計だった。
 シームレスに1年経つのでキャラの顔がバンバン変わって追いつくのが大変だったりする。
 「真実」でも思ったけど、子どもをあやすイーサン・ホークは最強だな

サスペリアPART2

サスペリアPART2 (完全版)(字幕版)

WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

 サイケな「太陽にほえろ」みたいなリズムの音楽が殺しのシーンでかかり、奇天烈にして脈絡が無く、主人公は何の謎を追ってるのか分かってるのか?と笑いながら見ていたら、見事な大仕掛けにやられてしまった。巻き戻してみれば、見事、フェアにやっている!ちゃんとオバちゃん映ってた!オカルトに見えてやっぱりミステリ。ダリオ・アルジェント恐るべし!
 確かに主人公の行動や思考を先読みできるところや、そもそもの最初の殺人の動機が破綻してる気もするが、それを超える快感。