どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
先月に見た過去作の記録でございます。コロナで劇場に行きにくい現在、配信があることに感謝ですね。
3月に鑑賞したのは18作品。そのうち4作品は映画祭での鑑賞です。『アルキメデスの大戦』は貴重な展示の写真なんかも貼ったり、山崎貴監督のトークの内容もあるので必見ですよ!
あれ、アニならメンバーなのにありえない気がしますが、アニメ映画は1本も見ていない!劇場でもSHIROBAKOから見てない…?いいのか?
十二人の死にたい子どもたち
WATCHA1.5点
Filmarks1.5点
これはこれは酷いぞ…怒りすら覚える。冲方丁原作なの?ホント?
十二人の怒れる男を下敷きにしてるタイトルなのにロケーションに自信が無いのかウロウロ、死にたい理由を共有することなく進むし、死にたく見えねぇ。議論で言葉のバトルして数が推移していくのを楽しむ投票システムじゃないの?
演技をちっとも抑制できてないから若手有望株こんだけ集めても見てられない。
何よりミステリとして破綻した証拠も無い推理と呼べぬ当てずっぽう。突き落とすシーンの映像的矛盾もあるし…
そして決定的に残念なのが自殺に対するメッセージ、生への賛歌をちっとも感じなかった。生きたいんじゃなくてムカついたから一旦解散程度にしか感じない。
グッドフェローズ
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
やっと見たスコセッシのエバーグリーン。
なるほど、アイリッシュマンに近いものを感じるが、そこから更に省略の美学を感じる。ルフトハンザ強奪の顛末や、カレンとの関係性など、結構大胆にえ、そこカットして時間進めるの!?という手法が逆に油断ならない。アイリッシュマン同様登場人物が多く大河ドラマ的なので、2回目がもっと面白くなるだろう。
グリーン・ランタン
WATHCA3.0点
Filmarks3.0点
失敗作とデップーちゃんに弄られ倒されているが、確かに失敗作だ。
ヒーローのオリジンの話なのに、人間の中ボスと確実に勝てそうにない大ボス、そして恋路に主人公のハル自身の成長までぶち込んでいるからすっごく薄い。その癖冒頭でいきなり設定を説明するだけの時間が虚しい。どっかで見たと思ったら「マン・オブ・スティール」で見た冒頭と似ているな。
意志の力で何でもできる割に、そのワンダーをそんなに見せてくれないし、一番大事なのは映像的になんか古いというか、ペラッペラというか、本当に2010年代の作品なのか、というCG。マトリックスの方が凄いって、それでいいのか。
ハルの甥とか、グリーン・ランタンの他の仲間とか、好きになりそうなキャラも結構いるのに、ちっとも絡んでこないからそこももどかしい。ライアン・レイノルズはデップーちゃん当たって、マジで良かったね。
激突!
WATCHA4.5点
Filmarks4.7点
煽り運転怖ーい映画。
殺すつもりならさっさとやれば良いわけで、そうじゃないから意図が全く読めない。そういう人間が宇宙人よりも、サメよりも、恐竜よりも怖い。まるで生きているかのように襲いかかるトレーラーにびびりっぱなしで素晴らしかった。スピルバーグの本質的な怖がらせ要素はココからちゃんとあったんだなー。
グレムリン
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
ギズモも可愛いし、グレムリンたちの悪行の数々も笑って見れる。ヒト的な知能を有する悪戯の数々は軍事転用したくなること請け合い。
ただ、単純明快な3つのルールの判定が甘い印象で、光を嫌うのに映画見たり、水で増えるのに飲酒しても飲んだくれるだけだったりと、そこは厳守して欲しかった。ルールを守りなさいよ!というある種の御伽話なのだから。
フェイス/オフ
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
相変わらず白鳩飛ばしてジョン・ウーでございます。陳腐になった演出。でもカッコいいんだから仕方ない。
わりと脱獄は大事だからもっと描いて欲しいとか、警察の健康診断とかで一撃でバレるよね、とか、そもそも顔面移植なら声帯はそのままでは?と見破れそうなのに見破らない。
まあそれでも面白い。
エリン・ブロコビッチ
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
実話ベースの裁判ものだが、法廷シーンは冒頭の関係ない裁判のみ。小難しい法律の話はなく、パッションと寄り添う心で突き進む。その思いが逆転の一手に繋がるのでご都合感が生まれず、爽快感、良かったね、という思いに。
ただ、母親としての苦悩はもう少し深掘りして欲しかった。結局彼女の言うような、自分を犠牲にさせてきたパートナーと同じことしてるからなぁ…
目撃
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
難しいことなく泥棒が大統領のスキャンダルを目撃して頑張る話。
イーストウッドが家族を気にかけてる感はあるが、運び屋レベルでは反省せず、気にかけてる俺カッコいい感が堪らない。
悪役としての大統領が実に小物でいい味をしているが、まあクリントンを揶揄したいんだろうなと直ぐに分かる
流石に警察!警備!という感じもある。
RONIN
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
まさしくマクガフィンのお手本のような正体のわからんケースを奪い合う。
カーチェイス凄い、っていうか怖い!対向車あんだけいてよく撮影したねぇ…
とは思うが、それすなわち無垢な市民が大量に死んでるわけで、デニーロそれでええんか問題を感じる。
割と裏切りの為の裏切りとか説明のない移動が多くてストーリー的には破綻を感じた。
レ・ミゼラブル(1998)
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
リーアム ・ニーソンおじさんが復讐に狂う前のお話。
ミュージカルのトム・フーパー版のイメージが強いが此方はドラマを重視。特にジャヴェールとじゃん・ヴァルジャンの対比が強目でジャヴェールの頑迷さが際立つ。
ライフ(2017)
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
おいポスター!ネタバレしてんぞ!でもこれはいい胸糞!
というのはさておいて。割と豪華なキャストで送るジャンルムービーで、中身は遊星とかとさして変わりはないが、宇宙ステーションを閉鎖空間と捉えて、この手の映画をやるのは意外と面白い。
また、ヤツの造形も結構気に入るタイプで、特にジェイクとランデブーの時のは良かった。
A.I.
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
デイヴィッドを最初に怖い相手として描写しておいて、彼が捨てられてかわいそう展開にするあたり意地が悪い。
そんなこんなで、スピルバーグはまた家庭の不和ですか、シンギュラリティとかAIの人権あたりと絡めるのかしら、あれまラッダイト運動じゃん。
と思ったら「ピノキオ」みたいに自分の体を求め出してびっくり。潜水艦でああクジラね、と思ったら時間跳躍にアカシックレコードみたいなこと言い出してもう何が何だか。
横に熊置いたり、セックスワーカーのロボ出したり、お母さん復活など、何が本物で何が複製なのか、線の引き方が難しい。
でも最後に単純に愛の双方向性の難しさの話なんだと分かった。ややこしくしやがって、キューブリックの仕業だろ。ジョーとかいらねぇじゃねぇか。
MARCH
WATCHA4.5点
Filmarks4.6点
南相馬市で被災した子どもたちによるマーチングバンドSEEDS+を描くドキュメンタリー。愛媛FCが試合に招いている。改めて、サッカーを愛するものに、Jリーグを愛するものに(基本的には)敵は無いことを実感すると共に、存在を知っていながらここまで見れなかったことに後悔を覚えた。
単に立ち上がり、試合前パフォーマンスで出来ました、で済ませずJヴィレッジの仮設住宅なんかも映し、復興への強い意志を伺わせる。
SEKAI NO OWARIの「RPG」の歌詞が胸に響く。が、結構それ一本押しなので我に帰ると少しクドさも感じる。
監督は「蹴る」の中村和彦。
ミッドナイト・エクスプレス
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
地獄の刑務所生活!そこからの脱走!生への参加と人権の大切さ!
とは思うのだが。主人公の境遇を悲惨かつ、トルコの刑務所や司法を人権意識が希薄な地獄として見せる絵と音楽だが、そもそもが理由のイマイチわからないハシシの密輸現行犯なので、そんなに同情の余地がない。
なので脱獄の爽快感も無い。っていうか別にカタルシスのある脱獄でもない感じがした。
などと思ったら脚本のオリヴァー・ストーンは脚色しすぎたとトルコ政府に謝罪してた。そーだよな、そうだとも。トルコでこの書かれ方なら極東へのイメージなんてどんなもんか、推して知るべし。
映画のまち調布シネマフェスティバル2020
キングダム
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
原作読んでないからスルーしていたけど、邦画でこの規模感なら十分な出来。特にグルングルン周って飛ぶアクションは軽快で見ていて楽しく、またしっかりフリオチもあった。
ただ、王宮でちょっとウェットになりすぎるのと、吹き矢持ってボーっと立っているのとちょっとだけした通訳以外の役目が薄い貂の必要性には少し疑問が。精鋭に選ばないって普通。薬作ってたし、後方支援タイプじゃん。
大沢たかおの無駄な大物感、そしてバカみたいな偃月刀は大好きだった。
美術監督斎藤岩男さんのトークでは、セットが撮影1週間前に火事で燃えて突貫工事した話や馬70頭、兵士300人をCGで増やした話、果てはリングの真田広之の部屋に施した工夫が聞けて貴重な機会に。
太陽を盗んだ男
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
太陽を盗んだ男。何故作るかの動機が見えないが、それは作ってしまう科学へのアンチテーゼか、あるいは考えなしか。
今じゃありえない映画なのは分かる。クラッシュに屋上から札束バラマキって。そして何より菅原文太という強さ。ジュリーは礫一つで出血するのに、何発撃たれてもジュリーと互角以上。耐久性能違いすぎて、ランペイジのロック様かと思った。大体、原爆持ってるのにそこ目掛けて発砲するなって!!
核爆弾を作るまで、と追いつ追われつになる間の第1、第2の要求辺りが少しダレたかなー。映画で150分はやっぱり長いよ。
翔んで埼玉
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
「ジョジョ・ラビット」に格差の要素を加えて、極限までローカライズし、エンタメとバカの味付けをめちゃくちゃ濃くしたらこうなるって感じ。
権力構造に多少無意識だったり、結局日本だから成立する(=翔んでカタルーニャ、翔んでカシミールとか成立しない)ロジックだな、とか思うが、まあ突っ込んだら負けだもんな…コレ
アルキメデスの大戦
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
どうしたどうした山崎貴。悪くない、むしろいいじゃないか!!
開始5分で大和沈没を見せつつ、墜落機から脱出したパイロットを救うアメリカ軍と大和で3000人を殺した日本。しっかり戦争の結果、分かっていることを突き付ける。
そこから数学で戦争を阻止する、というナイスな原作の着想から池井戸潤的泥仕合、そして会議で言葉と数式の決戦。最終的に大和が作られることを考えると、菅田将暉の勝利は日本の勝利に繋がらない、むしろ会議でも敗北エンドとすら予想される中で見事な展開。菅田将暉の勝利が地獄への道標となっていたという真実、いらなく思えた設計士同士の共感が繋がっていく大和への道、そして当初の天才から一兵卒になったラストカット。
良く出来ているだけに、唐突に出てくるモノローグの杜撰さや、受けの演技をしている柄本さんが菅田君の天才っぷりをわからせてくれているのに過剰な数式浮かぶ演出など勿体ない。まあいずれにしても、監督を見直したのは間違いない。
そして渋谷VFXディレクターと急遽山崎貴監督登壇。確実に予定時間をオーバーするトークショーで、制作秘話から白組の環境まで聞ける大豊作。席の近くに原作者の三田紀房先生までいらっしゃるいらっしゃるという。山崎さん、基本的に良い人で、興味が複数方向に向き続けてる人なんだろうな…。だから興味ないことはダメなんだろう。