どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
毎月恒例の過去作の振り返り。6月は22本鑑賞ですね。
期限が来ていた昨年のクラウドファンディング、ミニシアターエイドの返礼品、サンクスシアターで見た作品が質を見込んでみたやつは大当たりだったので、心底嬉しかったですね。
駆込み女と駆出し男
WATCHA3.0点
Filmarks2.8点
何言ってるか分からせる気がない、話が繋がってない、面白くない。
終わってみれば、大泉洋の成長という軸が出来上がるのは理解できるが、戸田恵梨香、満島ひかりのエピソード、内山理名のエピソード、鳥居耀蔵と密偵、滝沢馬琴、双子の入れ替えといった話が独立していててんでバラバラ。しかも中途半端に切り貼りしてるから益々繋がらない。2時間30分ほど共に過ごしてる筈なのに、24ヶ月を共に過ごした印象を抱かせない軽さ。
去年の冬、きみと別れ
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
雰囲気作ってどんでん返しっぽい空気にしていい感じの作品の雰囲気は作ってる。
だが、後半40分くらいずっと種明かしで進まないし、別段のサプライズでもないかなぁ、という感じ。首無し死体と焼死体なら鉄則です。あとそのタイトル回収は余計。そこをしたいなら、その前の説明がいらない。
盲目、取材、写真家など、一方的な視線の暴力性というテーマが見えそうだったのでそこをもっと深掘りしてほしかった
点
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
かつて恋人だった幼馴染がうなじの毛を剃りにくる。
気まずい、に近い空間に響く蝉の声と湿った空気。本来は人に首筋を見せるというある種権力的な空間で「信頼」のような言葉が飛び交うと途端に不思議な緊張感が出る。
愚行録
WATCHA4.5点
Filmarks4.3点
これは良く出来ている!
一家殺人事件を記者が追取材していく定型ではあるのだが、記者の妹が児童虐待で捕まっているエピソードと並行して描くことで登場人物みんなの愚かさが暴かれる。欲を言えば、一家のイメージが逆転するという感じではないので初めの1人はいい人でしたエピソードでも良かったかも知れない。
なによりも特筆すべきは冒頭のバスで席を譲るように強要されて不貞腐れて足に障害があるかの様に見せる妻夫木聡。彼自身も愚者であることを示しつつ、注意した人間まで愚かな様に思わせる、他人をどう支配するかの物語でもあることを象徴している。善悪ではなく、賢愚として描かれることで物語の判断基準がビシッと定まっていた。
機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
シャアvsアムロ、宿命の2人の対決。
ファーストとZを見てきた因縁の2人の最終決戦。各々がなんかイチャつきながら、クェスという少女がそこに絡んでいく感じ。
この度映画の主人公となるハサウェイくんの言動に、うっわとドン引き(Zのカツと同じ匂いしかしない)した挙句に、最後のシャアの台詞でさらにドン引きすることになるとは思いませんでした。なにやってんのよ!
富野由悠季の女性観と子ども観と相性最悪かもな…
ただ映像は良かった
カメラを止めるな!スピンオフ「ハリウッド大作戦!」
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
カメラを止めるな!のスピンオフ。監督上田さんじゃないのね。
縮小再生産、焼き回し、みたいなことを言われてしまうのは避けられない。構造はそのままに、あのメンバーが再び!という楽しさはあるが、本作の序盤で提示された今回の外側のテーマの扱いの軽さ、そして安易に続編・ハリウッドへ、的なところへの批判をどうかわすのかをも含んだ展開を期待してしまった
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
天才詐欺師の実話もの。
学生時代に転校先で代理教師のフリしちゃうところから片鱗は見せて、パイロット、医師、弁護士と身分を騙りお手製小切手を使いまくる。話の内容に比べるとなんかショボい犯罪な気もするが、まあいいだろう。
どんなにお金を手にしても、家族・家庭には届かなかった話なんだけど、なんか最後の方はそれが少しぼやけた気もする。
リグレッション
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
悪魔崇拝の儀式が行われた…?
父親の虐待を告発した娘から始まる大きな事件の予感、ってな話だったんですが見事に尻すぼみしちゃった。別にそういうオチでもいいんだけど、全部しゃべって教えてくれるのはどうもつまんない
68キル
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
いい意味でタランティーノっぽい、でも届かないっていうレベルでちょうどいい映画だった。
68000$を強盗するだけのはずだった男がいろんな女たちに翻弄されて血みどろ道中、ちょっと成長。塩梅とボンクラ感がふつーに好き。
断る勇気!
バンコクナイツ
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
ソフト化しないクリエイター集団空族の作品。サンクスシアターが今月中なので、まずは(まずはと言っても3時間ある作品ですが)をチョイス。
バンコク、そしてタイの田舎町、ラオスを舞台に日本人男性とタイ人女性たちの楽園をめぐる物語。誰かにとっての楽園は、誰かを搾取して成立している。そこにある愛なんて本物は無い。
長いながらも、メリハリがあってそんなに長く感じない。
字幕が方言でまるでタイ語、アサーン語が甲州弁なのでおかしみがある。あと音楽!独特の音楽(多分タイの民謡みたいなものとか)がたまらない中毒性があった
殺人の旋律
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
タイトルだけで選んで見てみたエジプト映画。
エジプトってどんな映画なんや!?と思ってたけど、本当になんなこれ…?
ある男が殺されて、容疑者はそいつの彼女なのだが、姉妹で二股してるクソ野郎だったから大変、という話なのだが。
ミステリーの割に、説明がほとんどなく、ノンバーバルで進むので油断ならない。音楽の掛け方、演出、ライティング。こんな映画あるんだ、という驚きと姉妹のどっちが、あるいは他の?のフーダニットに思わせて語り手も信用できなかったパターンで意外と良く出来ている。
ウィッチ
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
じんわり怖いが、ホラーとしての恐怖というより、信仰の怖さを感じた。
異端扱いされて追放された一家に「魔女」がやってくる。1人また1人と倒れていく中で、子どもを信じきれない親。信仰に押し潰されそうになる中で、悪魔的存在は本当にいるのか、ひいては神は存在するのか。
かなり小さい話をアニャ・テイラー=ジョイが持たせてる
インビクタス/負けざるものたち
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
まあそりゃ単純にいい話を映画化してるもんな、とは思うけどそれにしても流石である。
聖人化されきっているネルソン・マンデラとほぼ同一視していいレベルのモーガン・フリーマンは別格。
アパルトヘイトだった時の状況の提示をする冒頭、上手ではあるんだけど、そこをもっとやっとかないと融和だけになっちゃうのは勿体無い。
ラグビーの描き方は、イーストウッドが興味ないんだろうな、というとにかく横か後ろにパスしろ、というルールと肉体的なぶつかり合いにフィーチャーしてる。まあでも強いオールブラックス相手にこのしたたかな試合運び、上手くやってると思う。
戦場のピアニスト
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
ワルシャワのピアニストがホロコーストの渦中をどのようにサバイブしたかを語る。
ゆっくり、しかし確実に蝕まれる日常、散り散りになる家族、匿ってくれるたくさんの人。
音を出せない生活から、生業となるピアノを弾けない年月が続く中でも彼は常に音楽とともにあり、そしてそれが解放されるシークエンスは、それまで積み重ね、観客と共有してきた時間がのしかかる。
ポランスキー、シャロン・テート事件と彼自身の淫行の話で映画外の評価が入ってきちゃうのよ
うつくしいひと
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
いわゆるご当地映画で、熊本出身の役者が熊本で撮ってる、それだけ。探偵とか本屋とか、一応準備されてるプロットも別に面白いもんじゃない。あと行定勲のライトの使い方がどうにも苦手だ。
じゃあ何故見たかって?熊本弁を話す橋本愛が見たいからしかないでしょう!その点で大満足!
ブリムストーン
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
喋れないダコタ・ファニングにつきまとう牧師のガイ・ピアース。
つい最近見た「ウィッチ」的な歪み切ってしまった宗教観の恐ろしさ映画かな?と思いきや、ものすごい悪いやつが追っかけてくる西部劇だった。
ガイ・ピアースの神の解釈が独善的で非常に尊大なので、西部劇時代の女性の抑圧を具現化したようなキャラクターとして、どこに逃げても襲ってくる。
クワイエット・プレイス
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
90分、登場人物はほぼ一家のみのすっごい小さい話を、何らかの生物の侵略という設定、音を立てたら即死、という映像メディアなのに音を潰す、という一手で勝った作品。
ビビりでホラー苦手な人間なんですが、3をジェフ・ニコルズが撮るっていうじゃないですか。仕方ない!
不注意極まりなかったり、ある程度音を出したら、のラインが曖昧ではあるけども、シチュエーションを楽しむものとしては十分。喋ってないのに雄弁な作品だった。
電力供給だけ気になったかな
インサイド・マン
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
ちくしょう、全て見せてくれていたのにピンと来るまでかなり時間がかかったのでミステリ好きとしては好評価にせざるを得ない。気づけたはず…
とまあ大仕掛け自体は大好きだが、話的にはアンタらそれどこで知ったの?とかそんなに緊迫しない交渉模様と評価に困るところも
トップガン
WATCHA2.5点
Filmarks2.5点
いやーこれ何がいいのだろう、わたしには分からなかった。
トム・クルーズだからまだかろうじて観れるだけで、言うこと聞かないけどイケメンだから許されるマーヴェリックが、何のために訓練に出されたかも理解せずに、女だからと舐めてかかった教官を口説きにかかり、何の努力もせずに手に入れる。
一旦挫折的な出来事はあるんだけど、そこで死んだ人ガン無視でクライマックス喜んでるのでただのなろうだわ。愛と青春の旅立ちに似た嫌悪感
THE 有頂天ホテル
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
びっくりするほど面白くなかった。
グランドホテル方式で、あっちこっちで色んなことが起こっていく定番のやり方なんだが、ホテルマンの連中がほとんど仕事よりも自分やその場を優先してて、いやそれは笑えんだろ、ばっかり。変に重めな話題振っておいて何も残らないし。仕事してたのオダジョーぐらいじゃん
PASSION
WATCHA4.5点
Filmarks4.3点
濱口監督、カンヌでも受賞おめでとうございます。
クローズドな関係の中での話しか進んでない。
だが、その中であるカップルの結婚という変化をきっかけに自分たちの関係を再定義しようと試みるぶつかり合い。それは一気に中盤で引き込んでくる教室でのやりとりで顕著な"暴力"という概念でも表せる。
でも、殴り合えるって、気持ちを押しつけられるって最高の関係じゃない。暴力の後には許すことしかない、ということも含めて。
何故か心を離されない会話劇に脱帽である。濱口竜介、卒業制作かよ…
お嬢ちゃん
WATCHA4.5点
Filmarks4.6点
圧倒的な存在を見せる萩原みのり演じるみのりから目が離せない。
主に容姿をベースにした、あらゆる分類による評価を許さないむき出しの正義と正論の狂気は、彼女自身がそうなのかとすら錯覚させる凶暴性を持ち、「冗談だよ」に戦慄する。
たいていはくだらない会話なのだが、くだらないことがくだらない意味を持つ傑作だった