抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ユニディには何でもある。「初恋」感想

 ともだーちーではーいられないこーとーもー

 こいびとにーはもどれーなーいこーとーもー

 

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 という訳で「はつ恋」(Vo.福山雅治)ならぬ「初恋」の感想です。

はつ恋

はつ恋

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 そして、しつこいですがいよいよ翌日なので告知を!

 はい、コチラに参加しますよ!!是非ご覧ください!f:id:tea_rwB:20200304232824j:image

WATCHA5.0点

Filmarks4.9点

(以下ネタバレ有り)

 1.最高のバイオレンス&ブラックコメディ

 いや、正直言って期待してなかったんですよ。見るかもしれない映画でも、優先度を2にしてますし。それもこれも、近年の三池監督作の評価故。漫画読んでないけど「ジョジョ」は意味不明だったし、原作読んでた「ラプラスの魔女」も散々。「テラフォーマーズ」の評判が中々に悪かったですね。安易な実写化請負人のイメージが強すぎるんですよね。まあ、ってことは業界的には引き受けてくれてありがたいってことですが。

 んで、肝心の本作。いやーびっくらこきました(古い)。

 いきなり生首が吹っ飛ぶわけで、度肝抜かれるんですよ。そこからは、なんでPG12なのが嘘みたいに死体の山。射殺、絞殺、撲殺、轢殺なんでもアリ。お前が首飛ばされないように、なんて言われた染谷将太は期待通り首飛びますし、みんな死にっぷりがいい。それもこれも安易な退場じゃないんですよね。登場人物がその場を切り抜けようと、なんとかするために殺してるから、かえって生への渇望が際立つ。だから、例えば「ジョン・ウィック」とかみたいに死にすぎて笑える、みたいなフェーズではないんですよね。

 まあ中でも、みんな言うようにベッキーですよ。バールのようなものを持ったベッキーの不穏さ、ぶっ飛び具合は勿論ですが、極道に惚れた女の演技として100点満点。これから同じタイプの演技を要求されそうなのが少し不安ですが、彼女ならこれを機にもっと表舞台に戻ってこれるはず。

 個人的に最も好きだったのは内野聖陽演じる権藤。後述しますが、登場人物の中でも数少ない仁義を切るタイプの人物。基本的にはシリアスが多く、コメディ医者と易者が担う中で飛び出す、「スマホって凄いんだな...」の一言。これって、極道が時代遅れなことを象徴する台詞でもあると思うのですが、これを言っちゃうってことはですよ!刑務所に入っている間に起きた変化に、出所後いちいち戸惑いながら順応してっていることになるじゃないですか!(興奮)スマホだけじゃなくて、IoT家電とか、ワイドショーとか見てびっくりしてるかもしれない訳ですよ!「ヒロミ、テレビ復帰しているんだ...」「アメトーークがホトちゃん1人だ…」「え、次のオリンピック東京なの!?」みたいな。もう最高ですよ。萌え狂いますよ。それでカッコイイんだから反則です。

2.確かな恋愛。恋も仁義も死もある。そう、ユニディならね。

 いやー、最終決戦の舞台はまさかのユニディ。途中で気付いて、エンドロールで確認してガッツポーズですよ、勝手知ったる狛江店!いったい何度行った事でしょうか。ホームセンターと言えば、ナフコかユニディですよ(非常に偏った思い込み)

 そこそこカッコつけている癖に、大舞台だとボンクラ感が否めない演技をさせると天下一品の大森南朋さんの「なんでもあるんだな、ユニディって」の一言を貰わないとやってられないレベルの血だらけ。こんだけ死体だらけになったら営業停止ですよ。

 そんな中、ガンガン人が死んでいく中で見せ場があるのが敵対する両陣営の権藤とチアチー。高倉健の仁義に憧れて来日してがっかりしたチアチー(ディーンフジオカの妹さん!)は、主人公葛城レオに仁義を見出し、同様にレオの試合を見ていた権藤は2人を生かす。仁義に生きる彼らは仁義の下で死んでいくので死にざまが美しい。一方、仁義を無視した男たちはどうなったか。車に轢かれ、殴り殺され、首飛んでる訳です。ヤスとか警官は可哀想ですが。やっぱ、お天道様に顔向けできない生き方はしちゃダメっすね。

 んで、ここまで過激なバイオレンスとヤクザ映画しておいてのタイトル「初恋」。でもこれに嘘偽りが無いのがズルい。本当にレオもモニカも純粋で、初めての恋(モニカのは2回目じゃないか、という問いにはどっちかというと依存だったから恋じゃなかったと言いたい)ですよ。まだその感情に名前がついていない時に、ナチュラルにイヤホン分けっこからの手を繋ぐ、みたいな純粋ポイント高いことしてやがるんですよ。くっそ、幸せになれ、ちっきしょう。多くの作中の人物同様、これまで何も選べなかった、それしかなかった2人の初めての選択ですよ。ああ素晴らしい。

 更に、評価したいのはモニカの薬物依存描写。初恋の力で乗り越えられてハッピーエンドです、ちゃんちゃん。にせずに、しっかりと回復施設への接続を描写したことは本当に好感が持てます。今日、このアップデートが出来ていないテレビや表現がまだまだありますからね。薬物は気持ちが弱いから、みたいな論調滅べばいいのに。

 

 とまあ絶賛なんですよね。これで、三池が帰ってきたと言われている訳ですから、そもそもの三池監督作品チェックしなきゃなりません。嬉しい悲鳴。そーだよな、タラちゃんが三池さん好きなんだもんな…。

 と同時に、今年の選球眼がめっちゃいいのか、自分の採点感覚がマヒしているのか不安になってきました。今年外れ殆ど無いんだけど!?