抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2023年10月に見た過去作の記録

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は10月に見た旧作の映画。10月に見た、ということはもう11月だということ。恐ろしい。10月はマラソンを走りました。仁義なき戦いラソンは完走、日活マラソンは終わりがない中でまずまず。東京流れ者は見たかったが致し方ない。クリストファー・リーヴの演じたスーパーマンシリーズマラソンはは1作目だけで途中棄権となりました。

 

モンスターズ・リーグ

モンスターズ・リーグ (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 モンスターたちがプロレスをしてるのを人間が見ている世界の映画。看板レスラーが大手に移籍するにあたって、自分たちの街のスタジアムが取り壊されてしまう!ということで、前看板レスラーのコーチの娘が新たに前看板レスラーの息子をスカウトしてきて新たなスターになろうとする。

 言ってみれば普通のスポ根なんだけど、それをモンスターでやる寓意性は殆どなく、っていうか試合内容はダンスをベースにしているのでミュージカル的な要素すら感じる。結果として、化け物が戦い人間が批評する、というちょっと見せ物小屋っぽさのある悪い方に寓話っぽさが出てしまっている

野獣の青春

野獣の青春

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 本筋を理解するのに必死になる。説明が全然無いのにすっごい編集が変だったり、話の説明が無いので置いてけぼりになっていく。

 後半になるにつれ、服役した元刑事が殺された先輩刑事の復讐をする物語であること、そしてそのために黒澤明『用心棒』的な2つのヤクザ組織の間でゆらゆらしてる感じ。

 ようやく人間関係を把握した頃合いにどんどんお亡くなりになる。無音演出、何かに映っている様子で示したり、カメラの移動だったり興味深いところはあるがそこに関心がいくと話に置いてかれる。2回目が面白いのかも
 ヤクザのボスが猫を可愛がってるのは絶対ブロフェルドなんだろうなー

理由なき反抗

理由なき反抗 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 ジェームズ・ディーン主演映画を全て答えよ「ジャイアンツ」「エデンの東」「理由なき反抗」、これがクイズのベタ問題になるという世界を私たちは生きてきます。

 『暗黒への転落』『孤独な場所で』みたいなノワールのイメージだったニコラス・レイ監督からは想像してないジェームズ・ディーンに寄り添った青春映画に。

 基本的にはなんか警察に居る主人公が転校した学校のシマ争うに巻き込まれてチキンレースをしたら相手が死んじゃう、それを警察にバラすバラさないで話がどんどん転がって友人が拳銃持って立てもこっちゃうって感じ。暴発する青春をジェームズ・ディーンが必死こいて収めようと頑張る。

殺しの烙印

殺しの烙印

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 なんなんじゃこりゃ、不思議。

 殺し屋組織のNo.3の男がNo.2とNo.4に襲われた話かと思ったら、そいつが襲われたのは置いておいて殺しの仕事をしているうちに仕損じる。依頼してきた女との愛憎になるかと思ったら組織の幻のNo.1と相対することに。

 殺し屋の映画なのか、ノワール的な男女の映画なのか、不思議な感覚に。水道管から撃ったり、殺し方大喜利は面白い。酷すぎる女性への扱いからどうしても007を想起するが、しかし締めはあしたのジョーなのだから訳がわからない。だが、それがいい

仁義なき戦い

仁義なき戦い

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 ついにワシも仁義の世界に足を踏み入れたけえ、生きて帰れるとは思うちゃりゃせんよ。

 広島弁を雰囲気だけで書いたのでもう続けられません。

 戦後のどさくさでヤクザが力を増していく中で、血で血を洗う抗争の中で、人と人との繋がりを大事に約束を守ろう、とする菅原文太が周りの人間の裏切り、傲慢、内部崩壊の中で仁義ってなんだ?ってなる

仁義なき戦い 広島死闘編

仁義なき戦い 広島死闘篇 [DVD]

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 仁義なき戦いの続編かと思いきや番外編と聞いていたけど菅原文太は結構出てくる。

 主人公は北大路欣也で、彼が広島市を舞台にした抗争に巻き込まれる、という点で結構巻き込まれ方主人公、そして大きな流れに抗う悲哀、みたいなのが美しく描かれている。ただ、全てを掻っ攫っていくのが千葉真一。第1作目の仁義なき戦いにはいなかったタイプの軽妙さと魅力を抜群に発揮している。それだけに彼の顛末が残念ではあった。いや史実を踏まえているだろう実録路線だから仕方ないけども

仁義なき戦い 代理戦争

仁義なき戦い 代理戦争 [Blu-ray]

WATCHA4.5点

Filmarks4.3点

 広島のヤクザ争いから抜け出して呉で自分の暮らしを守っていたはずの広能がどんどん呉の争いに巻き込まれる。

 その広島における対立が明石組の参入を招き、気づけば西日本を揺るがす抗争に近づいていきテンションがどんどん上がっていく。色んな裏をかこうと広能がやるけども最後には山守を破門され、寄るべない狼になることになってしまう。その象徴のように一作で燃え尽きる渡瀬恒彦のギラつきがたまらない。

仁義なき戦い 頂上作戦

仁義なき戦い 頂上作戦

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 代理戦争がとんでもなくいいところで終わってまじかよ!!となったのですかさず次へ。

 だが、ヤクザものは終わりゆく商売。去り行くものたちの物語のテンションがたまらなく高まるということは即座の破滅がすぐに迫っているということだ。ついに暴発するかと思われた菅原文太の怒りは真に武器を手に取ることなく途中退場で消化不良になり、もはや広島でも西日本でもなく、日本全体の暴力団問題にまで広がった時代の為にその機運が萎んでしまう。それは実録故に仕方ない面ではあるが、映画としてはすごく侘しい

仁義なき戦い 完結編

【4K版】仁義なき戦い 完結篇

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 これまでの4本と比べるとどうしても一段落ちた印象を感じる。

 広能が刑務所にまだいるうちから話が始まり、そして随分と出てくるまで時間がかかる。それ故に盛り上がりもそんなに無かったか。

スーパーマン ディレクターズ・カット版

スーパーマン ディレクターズカット(字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 リチャード・ドナー版です。ザ・フラッシュでも扱われたように、こういう過去の遺産も見ておけばおくほど楽しくなるのが今後のアメコミ映画な感じがしますな。

 DCEUによるマンオブスティールにうんちゃか文句を言っていたのが懐かしい。

 あの時も始まって随分とどうでもいい話が続くと思っていたが、本作はその比ではなかった。カル=エルのクリプトン脱出だけでなく、必要なのかすらよくわからない彼の学生時代のシーンなんかを踏まえて、ようやく1時間ほど経ってスーパーマンとして登場する。

 ようやっと見れたと思ったらずーっとロイス・レーンに惚れており、お父さんに色々言われていた割にヒーローとしての自覚に乏しく彼女に色々喋っちゃう。
その上で敵対するレックス・ルーサーが完全にドタバタコメディとして描かれているので、無敵のスーパーマンに比肩する悪役というより、互いに程度の低い争いに見えてしまう

疑惑とダンス

疑惑とダンス

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 結婚前パーティで新婦をかつて抱いたと言い出した男を発端に6人がやった、やらない、言った、言わないの大騒動に。

 やったかどうか、それが不貞かどうかなんかはどうでもよくて、そのどうでもいいことに拘泥し続ける男連中がほんにしょうもない。フォントとか含めてタランティーノやりたいんだろうな、というのもすごく分かるし二宮健監督が映画が好きなのもよーく分かった。(だから真夜中乙女戦争の監督ティーチインで主演の演技のことばかり質問されてた監督が可哀想だな、と改めて思った)

13号待避線より その護送車を狙え

「十三号待避線」より その護送車を狙え

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 護送車が襲われたことで休職となった刑務官が襲撃の謎を追っていく。追っていくうちに人身売買組織がなんかこう出てきて大変だ!ってなる。なんでそんなに大変なのか、なんでそんなに大したあれじゃない犯罪者の乗ってた護送車を襲ったのかはよく分からなかったけど、取り敢えず最後にこういう黒幕がいました!どんっ!でなんかできた感じになってる。

豚と軍艦

豚と軍艦

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ここんとこ見ている日活映画、面白いけどヘンテコなのは鈴木清順のせいだと思ってた。幕末太陽傳は普通に傑作だし。でも今回の今村昌平も変だった。なんじゃこりゃ。
米国基地の横で女は娼婦、男は(というかヤクザは)軍の残飯を集めて豚に食わせる。完全に米軍に寄生して生きていく中でどん底カップルが、やはり寄生して生きていくしか無い様子を描いていく。

 米兵とのセックスの描写でカメラが上から視点で見てぐるぐる回ってはい、事後!は初めて見た気がする演出。

 ついに暴発する男性性の最中、豚たちは野に放たれ、長門裕之がたまらない芝居を見せる。当たっちゃったヨォ…を聴くだけでこの映画を見る価値がある。もっと最後スパン!といって欲しかったが、最後の画を撮りたいのも分かったので痛し痒しではある。

幕末太陽傳

幕末太陽傳 デジタル修復版

WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

 品川の相模屋に投宿するフランキー堺。いろんな客やいろんな遊女がいる中で、いやこの男口八丁で無一文なのに投宿し続ける。中盤でそれがバレてからはそこで働いて返すことになるのだが、いやいやここでも彼の弁の立つところのおかげでトラブルをどんどん解決していく。

 常に明るくコメディ役者としてのフランキー堺が抜群の光を見せていくが、その光が眩しすぎる故に時折見せる陰の部分が印象に残っていく。

名もなき野良犬の輪舞

名もなき野良犬の輪舞 [DVD]

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 インファナルアフェアです。ちがうけど。

 相反すると思われる立場の男2人の物語となると韓国映画お手のものという印象ですが、これも違わず良かった。

 刑務所に収監された野心溢れる男と、刑務所に潜入捜査に入った新人刑事。互いに背負った組織の下では、歯牙にもかけられない下っ端である2人。一体どこまで互いを信じ、疑い、晒しているのか。そもそもヒョンスが刑事であることが開始時点で観客に伏せておきつつ、それをどこまでの人間が知っているのかを伏せながら進めたりと本当に考えていることがなんなのかを隠しながらうまく進んでいる。流石に時系列を弄りすぎてはいるが、素晴らしい殺しへの躊躇のなさだった。刑務所でのビンタ合戦から吸い込まれたねえ

永遠の831

永遠の831

WATCHA0.5点

Filmarks1.0点

 いやはや、これは酷い。本当なら0.5点でも上げすぎなレベル。とにかく採点可能な中で1番低い。

 任意でないが時間を止められる男の子が止まった時間の中に同じく動ける女子高生を見つけて…と普通にやれば面白そうな気がするんだがまるでからきし。

 止まった時間を日本の停滞そのものに当てはめ、そこに対するテロリズムの話にしてるが政治信条を勝手にべらべら喋るばかりでそれをどう表現するかが作家ってものではなかろうか、と言わざるを得ない。止まる世界と対比してるんか知らないぐらい動く、というより漂っている3DCGは不気味の谷の底の底に人を突き落とし、主人公の拳銃を持つ手のように震えを与える。大体このアニメーションで新聞の料金回収見せられても心が動くわけないだろ