抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

私的映画表彰式2019

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回お送りするのは、今年の映画に与える個人賞。全体のランキングは昨日更新済みです。

tea-rwb.hatenablog.com

 必ずしも、このランキングで上位ならそのまま上位で受賞っていう訳でもないのでご注意を。昨年、一昨年の受賞は以下の通り。

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1.楽曲賞

  • 「グランドエスケープ」天気の子

     「天気の子」では「愛にできることはまだあるかい」の方がCM等で使われていたのでメジャーですが、感情が一気に爆発する瞬間のこの歌の方が好きでした。

  • 「たちまち嵐」さよならくちびる

    たちまち嵐

    たちまち嵐

    • ハルレオ
    • J-Pop
    • ¥250
    • provided courtesy of iTunes

     作詞・作曲あいみょん小松菜奈門脇麦が歌ってるんですよ。最高じゃないですか。ほぼ3曲でごり押ししてきた作品でしたが、その中でもこの曲は映画自体に推進力を与えていたし、印象的な一曲です。 

  • 「覚醒」プロメア

    覚醒

    覚醒

    • Superfly
    • ロック
    • ¥255
    • provided courtesy of iTunes

     triggerがSSSS.GRIDMANで身に着けた特撮でかける勝利の歌をここでもいかんなく発揮。完璧なタイミングでかかる「覚醒」に圧倒的声量。最高。滅殺開墾ビームですよ! 

  • 「イントゥ・ジ・アンノウン」アナと雪の女王2

    イントゥ・ジ・アンノウン

    イントゥ・ジ・アンノウン

    • provided courtesy of iTunes

     えー、エントリー上は米国版のイディナ・メンゼル&AURORA名義になってますが、吹替版の松たか子さんの絶唱ですよね。未知の旅へ、の後どんだけ伸びるのかと。高度すぎて真似できないから絶対流行らないけど、とんでもない歌でした。

  • 「Break Away」「Hollywood Ending」「Turning My Life Around」アナと世界の終わり

    Break Away

    Break Away

    • Ella Hunt, Sarah Swire & Malcolm Cumming
    • サウンドトラック
    • ¥250
    • provided courtesy of iTunes
    Turning My Life Around

    Turning My Life Around

    • Ella Hunt & Malcolm Cumming
    • サウンドトラック
    • ¥250
    • provided courtesy of iTunes
    Hollywood Ending

    Hollywood Ending

    • Cast From Anna And The Apocalypse
    • サウンドトラック
    • ¥250
    • provided courtesy of iTunes

      開幕の「Break Away」で一気につかみ、「Hollywood Ending」でビシッとミュージカルを決めつつ青春が爆発。そしてゾンビが発生しているけど気づかない中で歌う「Turning My Life Around」は、タイトルと映画の内容も一致しているし、サビで二人が歌うとこも大好きなシーン。っていうかこの映画好きな歌多すぎ!

 なお、「空の青さを知る人よ」のガンダーラが次点です。あのアレンジ大好き。曲の「空の青さを知る人よ」も好きな方だったので、アーティストに与えるなら多分あいみょんなんだと思います。

 

 えー、ということで楽曲賞ですが、まあ当然ですが

アナと世界の終わりの全曲です!!

 エントリー外だった不良の歌いながらゾンビボコす歌も、サヴェージ校長の悲しい独唱も全部入れちゃいましょう。正直いって、今年の私の映画音楽はこの作品にしか思い入れないですよ!!

2.音響賞

 「ジュリアン」は音響の設定で完全にホラー。ラスト付近の襲われる時の視点による音響の変化、それと中盤のパーティで油断させてくるあたりも最高に嫌。

 ゴジラは、まあそら怪獣ですよ!?音響が最高だったに決まってるじゃないですか。ちゃんと日本のゴジラへの敬意もビシッと決まってます。オタクがここまで全力でゴジラやってくれるなら最高ですし、ギドラとかの曲での謎の日本推しも含めて脚本の雑さとかは忘れてあげます笑

 さあ、戦闘の音といえばリアルよりなのは確実に「幼女戦記」!どうなってんねん、というぐらいの戦闘描写に加えそれに伴う音響がドガーンバキューン!と凄まじい。

 そして戦争とは程遠い戦車道からも音響はエントリー。っていうかですよ、普通に音響賞はこのすばとかも全部ひっくるめて音響監督の岩浪美和さんでいいんじゃね?ガルパンはあと4話、公開される度に見に行けば、毎回エントリーされるのがガルパンなんでしょうな。

 さあラストはギルティ。音響でこれ評価しないでどうすんねん、という作品ですね。正直映画自体には…という点もありましたが、マジで音響は素晴らしい。ミスリードが上手くいくようにする音使いは素晴らしかったと思います。これミスリードに素直に乗れてたらもっと点数高かったのかな…

 ということで、音響賞は…THE GUILTY/ギルティです。

 幼女戦記と悩みましたけど、流石にコレは音響一本勝負だな、と感じたのでコッチに軍配。この心意気には勝てないし、あと幼女戦記、っていうか岩浪さんはまだまだ受賞のチャンスあるでしょ。

3.悪役賞

 こっからは昨年同様役名(役者名敬称略)(作品名)になります。

 ELLE以降圧倒的イザベル・ユペール信者と化した私には。グレタは必見な上に凄まじいサイコパスだった。蝶のように舞い、蜂のように注射!鞄を町中にばら撒く意味不明なリスキーさも含めて最高でした。

 ジュリアンのお父さんは音響とも合わせ技で選出。DV夫を描いた作品は数あれどこんなに怖いってことありましたかね?完全にホラーの怖いアイコン役ですよ。いや、そういうホラーはそんなに見てないんですけどね。

 邦画からは新聞記者の田中哲司さんを。この上司最強に怖いでしょ。ちょっと官僚主義を露悪的に描きすぎてる気がする作品でしたが、どの職種だろうとおっそろしい奴ですよ、コイツ。彼のおかげで松坂桃李くんがカッコよく見えたってもんです。

 さあそしてアクション映画からはジョン・ウィックの寿司屋!

脇に従えたシラット使いの2人組もセットでの選出だと思っていただいて結構。キアヌとのやられたらやり返す型戦闘も含め、ジョン・ウィックのファンって感じも素晴らしかった。アクションはやっぱ抜群でしたねー。ガラス張りの部屋っていうロケーションも良かった。

 そしてヒーロー映画からはミステリオ!サノスさんは只の悪役に成り下がったので去年ノミネートしたけど今年は選外です。負け組たちにとってのヒーローであり、マルチバースを予想した観客を欺き、そして最後にとんでもない爆弾を落としていきました。ジェイク・ギレンホールジェイク・ギレンホールしてて最高でした。

 ということで、悪役賞は...スパイダーマン/ファー・フロム・ホームよりミステリオです!

 エンドゲーム後の幕引きでありながら、スパイダーマンの物語、そしてドクター・ストレンジ2での導入が予想されるマルチバースへの慣らしと多大な役割を引き受けたのでそこは激賞したいですね。

5.助演賞

 ブレイドMCUに合流することが確定したアクションの想像が全くつかないマハーシャラ・アリが昨年度のオスカー同様ノミネート。ドン・シャーリーの持つ頭の良さ、高潔さは勿論ですけど、そこに残るちょっとした面白さとか良かった。

 天気の子で小栗旬さんが声を当てた須賀は作品上において、大人でありながら子どもとの境界にいるような人物で、作劇上非常に重要な役割を演じていたと思います。

 ハッピー・デス・デイシリーズのライアンは1では周回する毎日の変化を表す面白キャラで終わってましたが、2Uでは事態の解決に尽力する主要メンバー、っていうかタイムリープの原因ですらありました。2Uではコイツが最初に周回するのでそれも含めて面白い。あと役者の名前が調べる度に違うからこれでいいのか分からん!映画見た人に分かるように言うなら金髪の織田信成さんです。

 「ひとよ」で一見真面目そうな新入りタクシー運転手を演じた佐々木蔵之介さんは、名前の通り、「どうした!?」と思うムーブをかますサブストーリーのトリックスターでした。ただ、監督の演出だとは思うんですけど、彼の食事シーンだけ極めて不穏でよく見ると目もおかしい。被害・加害、親と子というメインプロットの中で絶妙な味付けを放っていたと思います。

 蜜蜂と遠雷で確実に光を放っていたのが鈴鹿央士。無邪気で素朴な天才を完璧に演じ切りました。広瀬すずが発掘したって、彼女の凄さがまた一つ浮き彫りになってませんか。あまりに自然すぎて、無邪気な天才枠は彼以外ありえないと思うようになりましたし、逆に彼も無邪気な天才のイメージしかなくなってしまいました。

 ということで助演賞は...鈴鹿央士さんの演じた風間塵です!

 まあ、この後も言及することではありますが、彼も4人主演の一人では?という言及があるのは分かるんですが、それ級の存在感を発していたと思います。

5.主演男優賞

 ここから複数でのエントリーが出てきます。2020年オスカーではフォードvsフェラーリが主演でWノミネートを狙うみたいだし、2019年オスカーでは逆に女王陛下のお気に入りレイチェル・ワイズエマ・ストーンが助演でオリヴィア・コールマンを主演と分けました。個人的にこれは主演だろ、と思ったら連名での主演としました。バディものとかどうしようもないじゃん。

 まずは、イーストウッドの主演・監督作から。これまでの人生をメタ的に振り返る作品でありながら、しっかり笑わせてくる名演。「グラン・トリノ」を見ていなくて申し訳ないんですけど、ラスト、刑務所で栽培しているカットは胸に来るものがありました。

 さあ、正直オスカーはこれで確定だろ、という気のするジョーカーこと、アーサー・フレックさん。個人的解釈としてはダークナイトシリーズでのジョーカーと、アーサー・フレックさんとは別人では?という解釈なので、ジョーカーとして、ではなく、アーサー・フレックさんとしてエントリー。それにしたって主演の力は凄いんじゃないでしょうか。デニーロを殺すシーンとか最高ですよ。

 フォレスト・タッカーは、ロバート・レッドフォードの引退作。これまでの彼のフィルモグラフィをしっかり追いながら、華麗に銀幕を去っていく、ダンディな去り際でした。イーストウッドのアールと並んでおじいさんカッコイイ主人公として推したいです。また、ジュエルとの恋路も素敵。そこまでロバート・レッドフォードの映画を追ってきたわけではないですが、今年「スティング」を旧作込みでの第9位にも選んだんで。

 さあ、こっからは連名ゾーン。まずは韓国映画から北朝鮮と韓国の国境を越えた友情を演じたファン・ジョンミンとイ・ソンミン。お互い腹を探りながらスパイ的な楽しみから最後は完全にBがLしている展開に。最初はファン・ジョンミン一人主演だと思ってましたけど、金正日と面会するあたりで完全に彼らは魂で繋がれる。

 魂で繋がっている、といえばワンハリの2人は外すわけにはいきません。いい加減いい歳のはずのブラピとレオ様が脱ぐし、戦うし、ウダウダするし。タランティーノメソッドの中で輝いてましたね。マンソンファミリー要素を別の映画で補完できていたんで、この2人の関係性萌え、みたいな方にも行けたんだと思います。

 ということで…主演男優賞はファン・ジョンミン&イ・ソンミンです!!

 今年一番妄想した2人組じゃないっすかね。ファン・ジョンミンの魅力にはコクソンやアシュラ、ベテランと今年見た韓国映画の旧作で気付いてはいましたが、完全に虜ですよね。ガラスのコップ食ってた奴が北朝鮮とのスパイですよ。たまらんですよ。

6.主演女優賞

 まずは、ハッピー・デス・デイシリーズの主人公ツリー。無限の体力を持ってるのか、という活躍具合でしたけど、とにかく彼女の恐怖顔。これに尽きます。ホラーが苦手なんでそこまで見ない中でも、怖がり方が重要、というのは形式上分かっているので、それが達成されるどころか、ちゃんと2作も続いた時点で最高でした。その上での開き直った時の全裸ウォークやクソ死に顔、そしてシレっと感動させる家族ものとしての描写。なにこの人最強じゃん。

 2つ目のエントリーは、オスカーへの抗議も込めて。どう考えても「女王陛下のお気に入り」は3人主演だ!!レイチェル・ワイズエマ・ストーンも主演だし、なんならエマ・ストーンが単独主演ならまだ納得する!!それぐらいエマ・ストーンの成り上がりものとしても面白いし、とにかく3人のハーモニーが凄いんだからそれを見なさい!!

 岸井ゆきのさんは、今年の大発見の1人でした。今泉監督作品ではいつもそんな気付きを与えてくれますが、今回の岸井さんの盲信、依存ぶりはすさまじく、文字通り、愛がなんだ、と愛を超越した明らかな人間的可笑しさを不自然さなく演じてくれていました。既に当ブログで述べてはいますが、成田凌に帰ってくれ、と言われてからのロング缶を呷った瞬間に彼女に惚れこみました。岸井ゆきのさん、と言わず、このテルコとなら共依存になってもいいぐらいの思いです。

 はい、でました。続いては、今年の松岡茉優案件です。「ひとよ」の好演も一応加味していますが、なんといっても「蜜蜂と遠雷」のかつての天才描写とそこからの覚醒は、もはや若手女優とすら呼ぶのを憚られる貫禄。一昨年は「勝手にふるえてろ」で主演部門優勝、去年も助演部門でエントリーですけど、それこそ岩浪音響監督のように、これからも毎年のようにエントリーする気もするし、今作が彼女のキャリアハイにもならないと信じています。

 最後にエントリーするのは、実在のジャーナリスト、メリー・コルヴィンを演じたロザムンド・パイク。「ゴーン・ガール」の奥さん役のイメージが強かったので、今作の力強く、またある種人間離れした演技はそれまでのイメージをひっくり返すびっくりしたものでした。戦場の過酷さとそこから離れられない人間としての強さなのか弱さなのか…。とにかくこれまでの彼女のイメージを一新した作品だったのは間違いないと思います。

 ということで、この中での主演女優賞は…ハッピー・デス・デイ&2Uのジェシカ・ローテさんです!!

 岸井さんのことを発見と呼びましたけど、彼女は本当に大発見。しかも日本ではほぼ連続して2作を見れたことで、同じようなシチュエーションでも彼女が何周目なのかで違うパターンの演技が見れるし、死にざまも沢山のパターンを見せてくれて。本当に素晴らしかったと思います。このシリーズ、絶妙に評価の網から漏れそうなのでここで評価したい、というのもありますね。

7.ベスト国内アニメ映画

 今年はアニメ映画が豊作すぎるので国内外で部門を分けました。素直な映画ランキングの点数順ではないので気を付けて。

 えー個別にコメントするのがめんどくさくなってきたのでこのミスの選評みたいにしますね。

 ①3DCGと手書きの融合に中島かずき節の炸裂で、大好物しかない状態。

 ②はどうかしている作画カロリーと芦田愛菜プロの好演に注目。

 ③は辛い世界から私を救ってくれた今年1番のアニメヒット作。世界か彼女か、という問いで彼女を選ぶ選択をする帆高を応援したい。

 ④京アニ事件の前日に完成した、ということもあって色んな思い入れができてしまった本作。あまりにも美麗な作画も寿美菜子悠木碧の姉妹も最高。読まれなくていい手紙なんてない。

 ⑤またも悠木碧無双。どうしてこうなったの連続と、戸松遥演じるメアリー・スーの地獄絵図。存在Xかくも恐ろしや。

 

 ということで、ベスト国内アニメ映画は…プロメアです!!

 映画ランキングでの点数自体は天気の子の方が上ですけど、偏愛なら絶対的にプロメアです。間違いない。

8.ベスト海外アニメ映画

  • ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん
  • 幸福路のチー
  • エセルとアーネスト ふたりの物語
  • スパイダーマン:スパイダーバース
  • 羅小黒戦記

 前項と同様に。疲れてきましたので。

 ①北欧アニメにして、枠線のないアニメーション。アニメ本来が持つ力を改めて感じる力作。

 ②台湾からやってきたちびまる子ちゃんの皮を被った今敏。台湾史も概観できる良作。

 ③イギリスの絵本がそのまま飛び出してきたアニメーション。第一次、第二次世界大戦をしっかり描きながらその片隅に暮らす英国の人々を示してくれる。

 ④アニメの新たな可能性を極限まで示したアメリカ、しかしディズニーではないところからやってきた衝撃の作品。異なる世界観が同居する作品世界は年間ベスト。

 ⑤日本のアニメーションの影響は中国に及び、独自の進化を遂げていた。可愛いとカッコイイを同居させながら師弟愛と現代中国へのささやかな批判も込めた屈指の名作に。

 ということで、フランス(デンマーク)、台湾、イギリス、アメリカ、中国の各国代表が戦う構図に。

 という中で、ベスト海外アニメ映画は…エセルとアーネスト ふたりの物語です!!

 点数で言えば羅小黒とスパイダーバースの一騎打ちだし、それでいいんですけど、初めて見るタッチのアニメーション映画だったこと、あまりにもこの映画を推している人が少ないことから、この受賞と相成りました。みんなこれも評価して!!