抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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パロディこそイルミネーション「怪盗グルーのミニオン超変身」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はイルミネーション最新作にして、大人気ミニオンのお話。USJに行ったことが無いので本当に日本で人気なのか、いまいち実感がわきません。でも一応興収が週間2位にはなったのでそれなりではあるはず。

Despicable Me 4: Movie Novel (Universal)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

(以下ネタバレ有)

 

 え、この映画でブログ書くって無理でしょ??っていう作品でした。『FLY!』という作品で会社としての格をひとつあげたかに見えたイルミネーション。ドリームワークスに見事に喧嘩をふっかけておきながら、基本的には直球で素晴らしい作品だった訳ですが。えー、見事今回大人気の怪盗グルーシリーズ第4作(ミニオンズシリーズはスピンオフなので別カウントですよ)にして原点回帰、話の中身なぞ全部いらんわ!という勢い付けすぎ作戦を決行してきました。

 どうせ見に行くと思ってキャストとかをちっとも調べていなかった私が悪いんですが、いつも通りグルーに声を当てるのがスティーブ・カレルに対し、今回のヴィランであるカマキリ男さんがウィル・フェレル。大馬鹿をする気でないとこんなキャスティングできないですよね、っていう。ちなみに吹替は引き続き鶴瓶さんですが、流石に変わってあげた方がいいよなぁっていう印象は拭えず。まあノンバーバルなコメディをやるので言語的なところはどうでもいいっちゃいい、とも思うし、っていうかだからこそノンバーバルな笑いをもっと追及して欲しいというか、FLY!の時についていた月でのドッタンバッタンするベクターの短編が良かったっていう感想になってしまう。結果、ミニオンの良さを引き出してるのがエンドロールの卓球とかそういうのになってしまう。勿体無い。

 今回のパロディ対象は完全にアメコミ映画を中心とした大作系。列挙する?なんやかんやあって誕生するメガニミニオンのみなさん。ゴム人間がミスター・ファンタスティックで、スマブラカービィのB下みたいな攻撃するやつの見た目がシング。目からビームはサイクロップスだし、あと怪力はハルクでしょうか。スパイダーマン2の電車止めるシーンの完全再現パロディもやってました。そんで音楽まで借用したターミネーター2。好きね、ターミネーター2。ミッション・インポッシブルもやってたし、学校は完全にハリーポッターで、山田杏奈の衣装はキャットウーマンだったと思います。いや、学校の校長は車椅子だったし恵まれし子らの学園も混ぜてたのかもしれない。まあいいんですよ、パロディの中身は正直。今回に関してはヒーローパロディをしたくてメガミニオンを出しただけで正直話がそのために作られているというか、いや話はないんだけど、メガミニオンが何らか効果的に活用されることも無ければ、ヴィランとの戦いもずーっと放って置かれて興味ないんだろうなっていう感じ。折角ミニオン軍団とカマキリ軍団で集団戦の面白さが描けそうだったり、人間をヴィランが最強と信じる昆虫とのキメラに出来る銃まで作ったのにそれもほとんど使わないし。折角逃げた先でバレるバレないコメディするのかと思ったら、逃亡先がバレる原因もお隣さん関係ないし。お隣さんとのテニス合戦こそこの映画でいちばん笑ったところでしたが、フツーに単なるいい人だもんな、お隣さんも美容室の被害者も。これも結局学校に潜入させたいからお隣さんが必要なだけだったし、その潜入も学校で空飛べるものが欲しかっただけだったし、それってハリポタネタとミッションインポッシブルネタをしたかっただけで。ネタやりたくて話を後から作るって(よく考えたら最近のミッションインポッシブルと同じではあるが)映画がパロディの軍門に下ってしまっている。

 最後に刑務所に歴代の悪役も登場してきていること、クリス・ルノーが監督復帰していることから考えても、シリーズ4作目に何も考えないお祭り映画路線を持ってきたんだなっていう。ただ、イルミネーションというアウトローの会社で内向きのファンサービス映画を始めてしまうとそれは途端に風刺の鮮度を失うことになる、ということを理解しておかないとFLY!で得た期待感を一瞬で手放すことになるよ、と書き残しておこう。

 うん、書くことねぇよと書き出した割には書いたほうだな。