どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
今回は2月に見た旧作。アカデミー賞周りがちょこちょこ。
ザ・コール[緊急通報指令室]
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
ギルティにも似たような救急通報室のセンターの話ではあるが、別にあれと違ってワンシチュエーションではなく被害者視点も普通に出てくるので単純にいつ殺されるかわからない中でのサスペンスになる。
ちょっとずつ出来ることを冷静な対話によって進めていきつつ、山羊座は戦うため、と後半のちょっとした強引さに対しても言い訳の前振りが出来ている。ラストの切れ味もいいんだけど、この話の場合はもうちょっと余韻があっても良い気がした。少なくとも一緒に映画見て欲しかった…
17歳の瞳に映る世界
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
フランスで「あのこと」が作られるより前にアメリカでも妊娠中絶の現実に直面する物語があったのだな、と。しかもこっちは現代だし、最高裁の判決のアレもあって喫緊の課題でもある訳で。
とにかく男が身勝手で身体的リスクにも興味が無いしで振る舞いが嫌になる。その中で従姉妹がとっても親身になってくれて、オータムにはありがたいんだけど彼女を救うために従姉妹自身も連鎖に手を突っ込みかけてる訳で。お金さえ払えばある程度の福祉に接続できるんだけど、そのお金と地理的な差がしんどいのは世界どこも同じか。NYは大都市で、彼女たちが存在することは受け入れてくれるけど、意外と寂しい街にこの映画だと映る。
本当はピアスとか好きじゃないんだけど、妊娠したことがわかって自分の体が自分のものであると主張するための行為なのかな、とそこは理解はした。
ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
バイヤード・ラスティン。全く不勉強ながら知らなかった彼がワシントン大行進において裏方的に全力を尽くしたことを描いた作品。しっかりオバマ夫妻製作総指揮である。さすが。
彼自身が黒人であり、性的なマイノリティであったことで誰かを差別することで成立している社会への批判的な視座、誰もを救うのだ、という願いがとても強く出ていた。
そこに対して名指しでラジオでラスティンは同性愛者で共産主義者だ(だからこの行進は国家に対する反逆だ)という方向でプロパガンダを打ってくるフーバーはじめ白人国家側は本当にクソであると思わされる。
コールマン・ドミンゴが多面性があり、常に正しいとは言えないラスティンをしっかり見事に演じ切った。
余談だが、『Air』だっけ、キング牧師のI have a dreamの権利がどうたらと言っていた気がしたがしっかり本作でもそこは無かった。その後のパートでしたな。やっぱ権利とか諸々あんのかね。
伯爵
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
アウグスト・ピノチェト。チリの独裁者であった彼が実はその遥か前から生きていて吸血鬼だったら?というヘンテコ設定のブラックコメディ。マリーアントワネットの打首にまで立ち会ってる。ホアキン・フェニックス・ナポレオンも立ち会ってたし、すごいですなー
そのピノチェトがいい加減に死にたくなったので遺産整理するんだけど、その過程で新たな恋しちゃって遺産が欲しい子どもたちは困ったわとなるんだから実に不思議な論理で動く。誰が噛まれてて誰が噛まれてないのか、そしてこれを語っているナレーションが誰なのか。このナレーションの正体にはびっくりしたが、そういえばパブロ・ララインだった、前作を考えればそこを引っ張ってくるのも全くあり得なくはない、と納得。『オオカミの家』なんかもそうだけど、独裁時代をシンプルに批評するのでなくエンタメに落とし込む技術が光るフェーズにチリ映画は来ているのかもしれない
撮影賞ノミネートも納得の美しいモノクロ映像でした。
ようこそ映画音響の世界へ
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
映画音響に焦点を当てる。ジョージ・ルーカスにロバート・レッドフォードノーラン、コッポラ親子、アン・リーといった名監督たちがどう音響に敬意を払ってきたか、そして彼らのもとで活躍してきた音響の仕事とは。
音響が映画にとってどれだけ大切かを示す作品ではあったが、かなり講義的になってしまいこの映画単体としての強度は落ちてしまったか。一口に音響といってもいろんな種類の仕事があることを示してくれたのは良かったが、歴史順だったから仕事の基本を示すのが後半になったのが構成としては好きでは無かった
特捜部Q 知りすぎたマルコ
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
特捜部Q一新。キャストが交代したのでなんだかなー感はあるんだけど、それはまあ慣れればいい。
未解決な事件を扱う印象の特捜部Qの割には派手で現在進行形な事件の話なんだけど、その前提のしての失踪人探しと彼のポスターを持った少年マルコの事件とその奥にある陰謀の話が絶妙にクロスしておらず、結局今は何を調べに誰に話を聞いているのか、の全体的な見通しがない行き当たりばったりな捜査に見えてしまった
マエストロ:その音楽と愛と
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
ブラッドリー・クーパーが主演・監督でレナード・バーンスタインを。すっごいイーストウッドっぽいとこが見られてさすが師弟関係だなーとは思った。
ただ、至高の天才指揮者の私生活の事情にまるで興味がないので基本的には「ふーん」で済んでしまった。勿論、夫婦という関係の中にあったのが愛なのか、信頼なのか、バーンスタインの中にあったのはなんなのか。そういう描き方は分かりますし、上手くやってるなーとは思うんだけどバーンスタインのメイクで老化していくのを表現するのが素晴らしいな、より感動することはなかった。
天才の天才たる所以を描こうとすると影の部分が描けず、私生活の方だけ描くとその悩みが陳腐になる。難しいバランスですね
オールド
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
やたら歳取る浜辺の話。子どもは成長し、大人は老化し、続々と死を迎える。
時間の有限性を示しながら、時間に伴って起こる「成長」という概念が身体的成長と精神的成長が異なることを描いている。
この浜辺がどういう仕掛けで、というよりもこの設定でどうやりますか?という話なので別に終わり方はこうでなくても良い。あまりにとっぴなことが起きると人間はキャパオーバーするのだ、という演技がみなさん大変お上手でした。ラッパーの絡み方だけもうちょっとなんとかしてほしかったかな
それを見ている立場として、シャラマンがあの役をやってるっていうのは映画と人間っていうものの関係をどう考えてるか、面白い。
黄金の棺
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
南北戦争終結後に南 南軍の再興を狙って現金強奪した一家。軍人の死体を運ぶという体で女を雇って未亡人に扮させて、棺に金を入れて運んでいる。
現金強奪をする川でのシーンは潤ってるけど湿ってはない、西部劇にはないマカロニ味がしっかりする楽しさ。当然碌なことになっていかない訳だが、この時代にある種の男尊女卑や家父長制みたいなものを取り込んでシナリオにできているのが見事であるな、と。
そして何よりこの音楽ならそうだろう、と思ったらやっぱりそうだったモリコーネさんのお仕事ぶりですよ
劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪戦杯!
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
そういえばJリーグとコラボしてた往年の仮面ライダーあったなと。中村憲剛と太田宏介が出たレギュラー放送の特別回は見た記憶があるのだが劇場版見てなかったです。コラボのタオマフまで買ってたのに(主にJリーグ用で)
戦いばかりの別世界、嫌気がさす中で命をかけないサッカーによる勝負という方法に感銘を受ける少年。一方でそれなのにライダーたちは闘争心を拗らせて闇に飲まれていく。
もう何が何だかわからないが、とにかく闇堕ちライダーが続出しながら片岡愛之助が変身してる作品。サッカーの意味は特に感じなかったけど冒頭のサッカーシーンはかなり良かった!サッカーほとんどそこだけだが!
あとなんで佐藤勇人なんだ!駒野はまだ分かるけどオシムジェフから何年経ってると思ってんだ!ちなみにゴン中山は沼津で監督してるぞ!