抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2023年4月に見た過去作の記録

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は4月に見た過去作の記録です。5月も終わるというのに。

 

ペット

ペット (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarkr3.0点

 トイストーリーじゃねぇか、というツッコミどころしかないペットが家にいない時間何をしてるんだろう…?という設定。

 ボスベイビーでドリームワークスも掘っていた愛玩対象は私だけがいい!からの新入りとのバディものになっていく様子ではある。あるんだけど、うーんシンプルに面白いとは思えないギャグが続くし、ソーセージ工場の辺りはただでさえ衛生面で人類がものすごく可哀想なのに、話運び自体も不自然な感じ。本能と理性とどっちで話を進めたいのかもよく分かんない。

ペット2

ペット2 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 前作よりは面白かった。とはいえうーむ、まだまだ。

 ペットと赤ちゃんの対立、というボスベイビー的な話かと思いきや、むしろ疑似親としてペットが機能し、マックスの乗り越え、親としての成長の話になった。

 一方で、キャプテンスノーボールと伊藤沙莉組、沢城みゆきの留守番組と3方向に話が散った進行があまりうまく感じない上に、敵とのシンプルな対決すぎる、かな。人間に飼われる、という動物としてのハードルの部分でサーカスという格好の存在がいるのに勿体なく感じてしまった

ラ・ヨローナ〜彷徨う女〜

ラ・ヨローナ ~彷徨う女~(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 アルゼンチン1985が軍事政権における虐殺を問うた裁判の映画ではあったが、中南米では割とどこの国でも似た事案が起きている。

 グアテマラの映画である本作も、反共の名の下にゲリラを弾圧する過程で多くの民間人の命が失われ、その指揮をした将軍は一度有罪となると釈放、しかしその下に過去の怨念がやってくる。

 実際に指示を出したと思われる将軍のみならず、ナチュラルに差別意識のあるその家族たちにも呪いは当然襲いかかるし、ある意味でその呪いの対象でもあり主体でもある女性たちの物語でもある。

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ [DVD]

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 私は漫画を読まない。リアルタイムでアニメもそんなに見てこなかった。NARUTOは見ていたが、BLEACHは摂取してこなかった。そんな中で振り返ってみれば世代のものを取り込んだ、と言えるのは間違いなく山田悠介ハリーポッターだったはずだ。書店で予約し、発売日を指折り待って齧り付くように読んだ記憶が今もある。ふくろう通信が懐かしい。

 そこまでハリーポッターの映画を愛してきたつもりはない。むしろ炎のゴブレットでクィディッチW杯の偉い人かなんかがオミットされていて怒った記憶があるぐらいだ。(4作目から小説は上下巻なんだから仕方ねえことは今はわかる)

 だが、このドキュメンタリーを通して、明確にハリーたちは自分の中にいて、そしてそれがどれだけ素晴らしいことだったのかを再確認させられた。

 知ってる同窓会は、楽しい。

老人Z

老人Z

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 高齢社会における介護の解決策として自己発展するAIを用いた全介護マシーンが作られる。その介護に愛はあるんか!と思った実習生や老人ハッカーの手によって、実験対象になったおじいちゃんを救う試みがなされるが段々AIが暴走していき…。

 変形したり塊魂したりするロボ描写に興奮しつつ、現代でもちっとも解決してない課題にSF設定を導入しながらとても楽しい活劇捕り物として作り上げてる。

 そりゃ面白いし、よく動き、細部まで描かれてるわ、ってのも納得のレジェンドがびっくりするほど集ってる。大友克洋江口寿史、礒光雄、今敏神山健治井上俊之沖浦啓之鶴巻和哉黄瀬和哉中澤一登…すご。

ポルト

ポルト(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 たった一夜の愛だった。

 男、女、そして男女の視点でその一夜を見せる手法は少し面倒だが、最初の時点ではやべーやつ拾っちまったにしか見えないので、そこからの回復という点ではよくやっている。

 やべーやつとの一夜、からきっと忘れない一夜に。そういう意味ではこの映画もハマる人にはそういう位置付けになるのだろうか。

アイムクレイジー

アイムクレイジー

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 今日がラストライブ。そんな主人公が桜井ユキ演じる離婚間近の女性に轢かれるところから始まる。

 「なんでお前は音楽をやめるんだよ?」という問いが突きつけられながら、偶然の出会いから生まれたつながりの物語を紡ぐ。

 荒い画質と眩しい光が印象的で、桜井ユキが素晴らしかった。もっと彼が音楽をやめるとこへの甘さとか、現実のままならなさのとこにフォーカスして欲しかったが、ある種の一晩の夢みたいな出来事、としての寓話だと思うと良い後味。

JOINT

Joint

 WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 これは面白かった!

 出所してから、名簿を売り捌く形で再起を図る主人公。その資金を元手に会社へ投資を行い、それが循環を生んでカタギになったつもりでいた。

 ヤクザ映画なのだが、暴対法の中でどうやってのし上がっていくのかという新しさを持った作品であると同時に、カタギだろうとヤクザだろうと半端なやつはやっぱダメだな、と思える覚悟を問われる作品。

 演技、発声に少し不満はあるが演技初挑戦が多い自主映画としては出色の出来。

ラスト・クルーズ

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 中国以外での初めての大規模感染となったダイヤモンドプリンス号。それ自体は日本にいた我々にとっては懐かしのニュースのようではあるが、世界的、特にHBO的に言えばアメリカ人にとっては東洋の端っこでよくわからない感染症の為に客船に閉じ込められる訳で。そこを当事者のインタビューや映像で語るのは無論新たな学びがあった。

劇場版 生徒会役員共2

劇場版 生徒会役員共2

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 通常営業も通常営業で1本の映画という観点からは全く合格点は与えられないが、これがこのシリーズなので仕方がない。

 とはいえ、映画作りとラジオドラマ作り、似た話題を両方やるのは原作で余っててもちょっと考えた方が良かろう。

囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather

囀る鳥は羽ばたかない The clouds gather

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 フジのBLレーベル作品だが、思ったよりハード。BLと聞いて期待する爽やかさはほとんどなく、ヤクザの世界で幹部の公衆便所と呼ばれてしまうような男と、彼に惚れた機能不全の元警察官の関係を描く。

 ヤクザの男や元警察官の妹には性的虐待を受けた過去があり、そこからの回復を描く気配はあったが基本的には完結せず、むしろ途轍もないクリフハンガーで終わった。

散歩する植物

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 なんというか、不思議な映画だった。

 植物になりたい女性が植物になりきってたら散歩している男の子と出会う。その子は根が生えてきて、植物になっていく。

 友情を水やら栄養やらに比喩させるような形で彼が植物になっていくのを見せる淡々とした作品。まるで喋っているのではなく念で会話しているかのような音響がユニーク。

アンダー・ザ・ドッグ

UNDER THE DOG

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 どうやら劇場上映時は実写とかのパートがあったようだが30分ほどのアニメーションがU-NEXTにあったのでそれです。

 兵器アクションに怪物を混ぜて、女子高生に銃器持たせてアクションしたいです!という欲望が実に漏れていたのだがそれ以上は無かった。アクション自体はちゃんと動いているが、構図とかそういうのでもっとワクワクさせてくれないとSFとしてもちょっと弱いのに長編化は厳しいのでは

狭霧の国

狭霧の國【Blu-ray】

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 特撮と人形劇のクロスオーバー。

 九州の田舎町に訪れた男。その土地に根差した神のような存在として霧の中に棲まう巨獣の特撮が存在感抜群で素晴らしい。

シュレック3

シュレック3 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 シュレックシリーズにあった革新性っていうのは少しずつ薄まっているように思える。

 ただ休出を待つ姫たちへの風刺は見られたが、そもそもそのカウンターはもうやっている。

 その上で、チャーミング王子がまたやってきての云々は若干の敗戦処理感のある魅力の足りなさがあるし、シュレックとフィオナの間の問題の解決が全体の筋から浮いていてイマイチ説得力がない。

シュレック フォーエバ

シュレック フォーエバー (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 前作でフィオナとの間の問題の解決が浮いてるなーと思ったらしっかひそこを突いてきたのでそこは見事。シュレックは3では父になることを理解してない。ドンキーが身近にいるのにも関わらず、だ。

 ということで、早すぎるマルチバース型で自分のことしか考えてないシュレックが、自分がフィオナを救っていない時間軸に移行してもう一度キスしようとする話。シュレックマルチバース理解がクソなので若干イライラしてしまうのと、現代の我々がマルチバース概念を仕込まれたからこそあの世界線無くなったらあいつらは…なとこは気になる。

 マルチバースになってフィオナが自力で塔を脱出して革命軍になっていることは面白いが、旧世界線の関係値に拘っている話でもあるので評価が難しい気もする。

ロッキー

ロッキー (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ついにロッキーを見た。ロッキー・バルボア。スタローンを代表するキャラ。

 でも正直言うほどじゃあなかった。話はかなりニューシネマな印象で、ランボー第1作にも近い。全くダメな男、アメリカでその存在を忘れられた男がアメリカそのものを体現した男に立ち向かう。勝てなくてもいい、立っていた照明が欲しい。ランボーが手に入れられなかった伴侶を手に入れた代わりに(それもエイドリアンの主体性を無視しているようには思えたが)、彼の持っていた軍隊経験に伍する納得は得られず、ただボクシングを舐めてるやつがカッコつけてるだけに見えてしまった。これはもうロッキー以降のボクシング映画の蓄積がすごいから仕方ない。世界戦に対する向き合い方が舐め腐ってる。

ゴール・オブ・ザ・デッド

ゴール・オブ・ザ・デッド 前半戦/死霊のキックオフ大乱闘編(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 フランスの田舎町に遠征に来たパリのサッカーチーム。引退間近のベテランはその街のチーム出身で…。

 サッカーに殉じるゾンビエンタメ。前後半に分けるし、ちゃんとハーフタイムにはハイライトあるし。ヨーロッパサッカーにはつきものと言える代理人ビジネス、発煙筒、口の悪いチャント、みたいなものをしっかり混ぜ込みながら決して広がりすぎないサイズのゾンビパニックになっている。前後半で監督が違うのでかなりテイストが違う気もするが、まあ楽しかったしおっけー。これのおかげで最強B級映画決定戦の初戦を突破できました。

秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE 〜総統は二度死ぬ〜

秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE~総統は二度死ぬ~

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 鷹の爪団の危機は世界の危機!家賃が払えず夜逃げした先の宇宙で助けてもらったコロニーは地球征服を企む悪の本拠地!そこで邂逅したのは総統の息子…?

 という大真面目なスペースオペラみたいなストーリーはあるが、しかし!画面右端に取り付けられた予算ゲージによって一体どれぐらいで予算が尽きてしまうのか、製作側のストーリーが生まれる。告白タイムの設定も含めて、なんかもうパロディとメタネタでやりすぎてるぐらいだが、映画を作ること、アニメを作ることをこんなに面白く愛を持って表現する作品もなかなかあるまい。この映画のおかげで最強B級映画決定戦の準決勝を突破できました!

レイジング・ブル

レイジング・ブル (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 なーにがブロンクスの怒れる牡牛だよ、だった。

 やはりもうどうしてもプロスポーツ化の進む現在視点で見ると、どうしてもこうした向き合いの足りないボクサーには苛立ちを感じてしまう。スコセッシが騙し騙され裏切り合いのマフィアの世界の文法を持ち込んでる感じがして、(いや興行とそこは切っては切れないのは分かるんですけど)ただボクシングに不真面目なだけに見える。妻にも見放され、最後はクソ面白くもないジョークを言うコメディアンへと身を落とすデニーロ、彼を良しと描いてないのは分かるが、そもそもその妻だって既に結婚してるのに手を出した結果の結婚であり、人を裏切る奴は裏切られるし、信じられない、というだけでそれがボクシングとミックスされてはいなかったかなー。拳の価値も勝負の価値も自分の価値も分かってない男だった。人に手をあげるボクサーに魅力はない。いやでもそれごその男の不屈感になってるのがまたもう。

 あくまでこの先のキングオブコメディグッドフェローズとかへ続く道の一つ。

ソウ

ソウ (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 目が覚めると手錠に繋がれた部屋にふたり。目の前には死体。生を大切にしない奴に鉄槌を下すデスゲーム。誰が黒幕か、は正直死体が映るファーストカットで怪しい…と思ったので、そこのどんでん返しは得点にならず。死体の顔を潰すのは身元不明にしたい時、入れ替えたい時。そして密室トリックの1番単純なのは最初っから最後までいるパターン。作りとしてフードニットではあるので、シックスセンスほどの強度は無いか。

 とはいえ、回想を用いながら密室でのデスゲームと警察の捜査を見せていく手法は低予算とは思えぬクオリティがあった。

 好事家の話を聞く感じだと、この準備をせっせとした黒幕については今後に深堀があるらしいが、この映画としては、特にどう足がつかずに準備したのかあたり、ちょっと説明が欲しいところもある印象。

 大体てめーの命が有限になってから命を無駄にする奴を許せなくなる段階で若干の二流感がある。死が迫らなくても気付いて天罰下すような感じでいってほしい。なんの希望だ。

朝が来る

朝が来る

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 特別養子縁組。

 子どもができない夫婦が子どもを迎え、育てられない出産をした母親が子どもを他者に託す。この仕組みを託された側と託した側の二視点、割とビシッと分けてしまって描写する。子どもを返してください、という電話を折り返し地点に。

 子を求めてる段階では親じゃなくて、子とともに親となる、なーんて思っている人間には、子を求める養子縁組の夫婦は少し危なかっしく思え、でも制度としてはすごく必要だな、ベイビーブローカーみたいになるよりね…、などと考えていたが、存外終わってみれば、もうちょっと目の前の人を信じてあげようね、みたいな優しい話に落ち着いてそこの強さに負けた。

 広島パートの謎に取材されてる体の演出や、河瀬直美感満載の光の面倒さはマイナスだったのが勿体無い。

ニューヨーク東8番街の奇跡

ニューヨーク東8番街の奇跡 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 地上げ、再開発が進み取り残されたボロアパート。立ち退かない彼らに悪辣な地上げの手が迫るが、そこにやってきた宇宙人、とでもいうのだろうか、円盤生物の発するフィクサービームでやいのやいのなる話。

 基本的な構造はドラえもんだな、と思って見ていたので思ったよりハートフルな着地になった印象。昨年公開された「ぼくらのよあけ」にも近い雰囲気がある。無論、その原型に近い話で全然中身は違うが。