どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
今回は例年通りの季節にピットイン。名探偵コナン最新作です。コナン避けて12日前後の公開したい大作がちっともねぇ!そして五稜星とかいてみちしるべは、あまりにも読めない。魚影でサブマリンとかマシだった。
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
(以下重大なネタバレ有)
ええ、もう感想とかわっかんないっすわ。平次の告白からのaikoで勝ちを確信してエンドロールを眺めていたら池田秀一って書いてあったから来年の予告に赤井さんくんのかなーと思っていたら大泉洋の中身が池田秀一でしたオチにやりやがった!の感情しかございません。黒羽快斗と工藤新一が血縁関係にあるということが確定してしまい、名探偵コナンどころか青山剛昌ユニバースとして大転換点を迎えてしまったわけでございます。わたくしですね、異次元の狙撃手の「了解」を劇場で見ていないもんですから、はっきりこういうのに立ち会ったのが初めてでね、映画館全体を包むザワザワを共有できたことが忘れられません。スタングレネード落っことしたところで笑いが遂に漏れていたにも関わらず、ですよ。再放送されているまじっく快斗1412を1クール分見ておいたおかげでビッグジュエルがどうとか、中森青子とかを飲み込めたし、良かったと思ってたけど、池田秀一がパパだったの忘れてた。ていうかお前死んでなかったか?そして沖田とかツダケンボイスの坊主とか誰だよ、と思ったらこいつらは『YAIBA』だった。青山先生ユニバースや。
ということでサプライズで完全に中身を忘れかけてしまっているが、振り返ってみるとなかなかどうして酷い映画である。怪盗キッドが出てくるだけでコナンの持つミステリという文脈からすると非常に大きな制約がかかる。人が殺せないキッドは犯人足りえないので、人死にがあった時にその犯人からキッドが外れる上に、誰にキッドが化けているのかと事件の犯人、と2つの種明かしが必要になり結果後者において劇的に影が薄くなる印象だ。そういう点で、本作は申し訳程度に人は死ぬが十字の切り傷の時点で刀を持っている奴しか犯人足りえないとか、もうミステリ的には完全に全部捨てている。やっていることはチェックポイントを回って行う宝さがし。『迷宮の十字路』ぐらいやってくれればありがたいのだが、近年のコナンにそんなこと望む方がおかしい訳でございます…。なんとなーく函館山にお宝(戦況を一変する兵器)がありそうなのに函館山に和葉と蘭を待機させたり、街中で銃撃してくるような連中相手に気球に乗せて子どもたちを飛ばせたり、なーんか話のためにおかしい行動ばかりさせていてヒロイズムとしても物足りないどころか失格である。っていうか、その武器を滅ぼす為に武器商人を入国させてって外観誘致罪にならないのかしら、と思う前に死の商人ってあんなに能動的か??傭兵とか雇わんか?
というわけで、もうこれは言い切っていいでしょう、もうバカミスです。っていうかバカエンタメです。もうミステリではない。褒めていいのは、これまでのコナン大爆発大喜利を函館、五稜郭でどうやるんだっていうところから兵器が爆発物ではなく暗号解読装置だったよ、っていうちょっとした変化の付け方でしょうか。でもこの変化の付け方するなら、その為に満を持したプロットでやってほしかったよなぁ、っていう。その良さにしても、ゴールデンカムイじゃないか!という金塊まんまからのイミテーションゲームのアラン・チューリングが作ってた暗号解読機じゃねーかっていうのはもったいない。もうちょっとそこんとこをだね…。
バカエンタメとして全体を引っ張っていった殊勲は、から紅の恋歌で「強めにとる」を「嫁にとる」と聞き間違えてしまったかるたクイーン。あの時は『ちはやふる』ブームに乗っかっただけだろ!などととブチギレていましたが、結果的に北海道観光映画としての側面をしっかり担保しつつ、スタングレネードを平気で街中に投下する京都人という訳の分からないポジションを確立。平次に告白させまいとしていたのに、なんかいい雰囲気っぽいとこにスタングレネードをうっかり投下して邪魔するファインプレー。一応、作品を通しての達成は平次の告白というラブコメ路線に仕立て上げていた中で、またしても映画としてはお預けにして、その点ではから紅、ハロウィンの花嫁同様に非常に腹立たしい。ラブコメとして作ったんだったらラブコメとしてのゴールをやれよ、と思っていたらポスクレだったからちょっと目眩まされた。そう考えると大倉さんは福家警部補シリーズだったり、ちゃんとしたミステリ作家なのだが、から紅、紺青の拳、ハロ嫁に今回と完全にラブコメの人になっている。ラブコメ的達成はほぼゼロだが。ラブコメやるならそこのなんらかの達成はいると思うのだが、そこでミステリとして事件解決した、をゴールにするのはずるいよな
話はサプライズに結局戻っていってしまうのだが、コナンといえコンテンツの終わりをやはり意識し始めているのか…?という時計の進め方になったとは思う。あと何回キッドで映画を作れるか分かんないし、爆弾置いてっていいだろうと。と思ったら来年の予告はcv速水奨で、調べたら長野県警の刑事だった。終わらせる気はやっぱり無いかもしれない。緋色の弾丸の時の棋士みたいに弱者の私が知らんだけの重要人物なのかもしれないが。