抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

「違う惑星の変な恋人」をサッカーファンが見る

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はサッカー映画ということで着目していた邦画です。これでもJは20年、プレミアもイスタンブールの奇跡から追ってる人間ですんでね、サッカーには映画よりも一家言ありますよ。ええ。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

(以下ネタバレ有)

1.確かに今泉力哉

 旧ツイッター上では監督が比較される今泉力哉監督の映画をペップ・シティの優雅なるポジショナルプレーとしたうえで、自身の映画を調子の悪い日のブライトンだと形容していました。果たして今泉力哉がペップ・グラルディオラ足る器なのか、という論点は残るにしても、まあ確かに似た系列であることは否定できないでしょう。とりとめもなさげなな群像劇的に四角あるいは五角関係を通しての変奏を見せつつ、ついに集結する気まずさコメディでもあった訳で確かに似ている。なるほど。

 その中でも、まず単純に莉子さん演じるむっちゃんが非常にキュートでした。シンプルにビジュアル好きだし、距離感のバグり方も良い。『女子高生に殺されたい』でお目にかかっていたのか。で、彼女の距離感がバグっている結果、初手で友達のいない片鱗を見抜きそれを伝えるという受けの側の芝居になった筧美和子演じるグリコの方もその段階で好きになる、ということになる。女性陣二人を好きになれば、もうこっちのものといえる中島歩の独壇場ですよ。浅いところでちゃぷちゃぷしているクズ目な男をやらせたら右に出るものがいなくなってきた中島歩のパブリックイメージとでも申しましょうか、そこを地で行く見事なクズっぷりに笑いが止まりません。ラストに髪を洗われてサラサラヘアになっているのも笑いになるし、むっちゃんの妄想の中でこれ見よがしにパンをかじりながら、傍らに漫画みたいな山盛りに梅干しと白ご飯も笑いました。ずりぃって。

2.では肝心要のサッカー要素

 さて、最も重要なのは勿論サッカー要素です。サッカー映画っていうから見に行ったんですから(半分は本当)。

 まずはキャラ名ですね。ボウリング友達が井原正巳柱谷哲二なのはもうそのまんますぎて爆笑しましたね。御存知、闘将柱谷とアジアの壁にして現・柏レイソル監督井原。まさみだから女性にしてもいける、という気づき。あとモーは、モハメド・サラーじゃないですかね。昨今モーと言われたらモ・サラーしかありえないのでは。

 ベンジーベンジーかー。最近まで清水エスパルスに所属していたベンジャミン・コロリ選手の愛称はベンジーでしたね。(調べたらキャプテン翼スペイン語タイトルにベンジーが入っているらしい。そっちかも。)

 グリコはちょっと変則的ですが、ベンジーの所属していた清水エスパルスの応援歌の代表的なものがグリコだったりします。オレオレオレオレ!

 むっちゃんは確定なんですが、ここまでと比べるとめっちゃマイナーな気がする。個人的なイメージとしては松本山雅FC愛媛FCなんかで活躍していた玉林睦実選手でしょう。清水エスパルスといい、絶妙に甲信越、あるいは絶妙にオレンジ。

 そして地味にややこしいのがナカヤマシューコで、中山雅史とか考えてたらそもそも演じた方の名前が「みらん」。もうサッカーじゃんそっちが!

 なお、やたらキャラの立ってた坂ノ上茜さん演じる店員は澤でした。澤穂希ですな。

 映画の話的には、もうちょっとカタールW杯が絡むと嬉しいなーと思ったのは正直なところで、サッカー好きなフリもなく突然サッカー見ることになった感じ。監督が好きだからそのままぶち込んだんですねって感じ。ベンジーだけ7 NAKATA着てくるのは劇中でも度々出てくるジェネレーションギャップだから分かるんですけど、他3人の着てきた5 NAGATOMOと4 HONDAに関してはもうちょっとなんとかならんかったか多分ブラジルW杯ぐらいの時のユニフォームじゃないですか。4 HONDA懐かしい。っていうかカタールに普通に出てた長友ってやっぱバケモンだな。最後のクレジットでサッカー関係でもお馴染みの女優・眞島優さんがいたし、ユニフォームは提供してもらったものなんだろうなっていう決して大きな映画でないことを思うと仕方ないかもしれません。

 バッジョの言葉は、ねぇ。今更すぎて振りかざすような言葉じゃないというか、長嶋茂雄「どうでしょう」と殆ど変わらない扱いってことでいいと思います。