抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2023年上半期配信映画

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 もう年の瀬に入ってきたので年間のまとめを継続的に出していく段階に入ります。まず第1弾として、ブログには劇場公開作品を記しているので感想が漏れてしまっている配信オリジナルの作品。せっせせっせと配信予定をにらめっこしながら、配信される前に配信日とタイトルを書きこんでおいたのに、いざ配信されると後回しで上半期だけでも結局30本近くリストアップしたのに全然見れていません。

 かつてはリストアップしたものを全部見るまで更新しない記事として漬け込んでいましたが、どーせこうなると全部はみません。諦めてこの時点で見たものを残すのです。

ほの蒼き瞳

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 陸軍士官学校での殺人事件を調査することになったクリスチャン・ベール。助手役は若き日のエドガー・アラン・ポー(役名と役者名が混ざる良くない文章)!古きミステリの匂いがしますが、その通りの味のするよい作品であった。

 事件の謎がオカルトの方に寄っていった時は、あれれ?と思ったがその一旦のクライマックスはしっかりとした緊迫感を持たせつつ、残りでちゃんとどんでん返ししてくる感じ。

 ポーが助手役なのは、映画自体への関心を高める要素にはなるが、彼が犯人ということはあり得ない前提になってしまい、真犯人たるクリスチャン・ベールを疑えちゃうのが勿体無い。ミスリードとして彼が機能しないんですよねぇ。探偵役が実は…とかはミステリには良くあるし、ちょいちょい怪しい言動があるので気付きましたが、それでも良く作ってあるとは思います。

ルパン三世vsキャッツアイ

ルパン三世VSキャッツ・アイ

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 よくできたいつものルパンのテレビスペシャルって感じ。いつものゲストヒロインがキャッツアイになった感じ。ルパン組、キャッツアイ組、不二子と今回の敵、とっつぁんたち警察サイドと紹介するものが多い序盤はちょっと停滞するが、デッドレコニングがしつこいぐらいやった列車アクションもほどほどにしての展開は普通に面白い。ルパンのかっこよさだけでなく、キャッツアイたちもしっかり見せ場をもらっていて特に戸田恵子ってやっぱ凄いわと感心させられた。

 願わくばCGのクオリティがもうちょっと欲しいというか、このテイストだと五ェ門はやっぱ見栄えしない

インフィエス

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 女性の監禁事件が発覚、それを調べていく過程でどんどん他にも誘拐された女性がいることがわかり、更にその裏にでてくる別の目的が分かるラスト。このラストでこの映画がコロナ禍の緊急事態宣言下であることの意味をもたらすことになり、とても好きなタイプの映画になった。雰囲気もいい。もうちょいロックダウンを途中の追跡とか聞き込みで組み込めるともっと良かったかな。

 ただ、結果的に緊急事態宣言の出ている中で濃厚接触者の癖にマスクせずに色んなところに出入りする刑事が主役、ということになってしまうのでコロナに対する受け止め、マスクへの意識なんかが日本と違いすぎるのがノイズになる。

 っていうか忙しくて全然見れなかったとか言っておいてこんな地味なのを見ているのは何故だ

ちひろさん

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WATCHA3.5点

 Filmarks3.6点

 いきなり猫の目線になる有村架純、ブランコを立ち漕ぎする有村架純、ホームレスを風呂に入れる有村架純でこれまでの有村架純とは違う姿を見せたいのだろう、と受け取ることが出来る本作。

 不登校の子、鍵っ子、失明してしまった入院患者のお婆ちゃん、元店長、トランスジェンダー(当事者起用。素晴らしい)。街にいる色んな人たち、だけど少しこぼれ落ちてしまいそうな人たちを繋げる弱い紐帯あるいは公助のような存在が具現化、擬人化したような存在のちひろさん。あまりにも聖人(あるいは星人)なので、話を進める聖母でもあり、空虚な器でもあり。誰もを肯定する優しさと取るべきなのか、それを女性性への帰結ととって不満に思うかは人次第のラインか。個人的には、ちひろさんの死についてのとこを掘り下げるぐらいならもっと空虚な器にしていいから、オカジの家の話と学校での話をちゃんと完結させてほしかったかな。

 完璧な食卓でも飯が不味そうなオカジの家とちひろさんやマコトの食べる飯のやかましくて美味そうなこと。飯が美味そうなのが大事です。

 あと若葉竜也成田凌になるのか??なりたいのか??

ボストン・キラー:消えた絞殺魔3.17

WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

 繰り返される絞殺事件。被害者はみな女性。バラバラに見えた事件を連続絞殺事件ではないかと女性記者がスクープをし、そのまま事件の真相に迫る。

 ミステリーとしてもできてはいるが、やはり女性ばかりが狙われ、女性であることで刑事事件の記事を任せられずライフスタイル班にいろと蔑まれ、警察をはじめとした男社会からも相手にされない。そして家庭でもそのうち…。

 結局彼女たちが相対していたのは、卑劣な殺人犯じゃなくて、なあなあで済ませてきた社会そのものっていうことだ。

WILD LIFE 大自然への賛歌

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 タイトルだけ見たら大自然雄大に扱うだけのナショジオ的なドキュメンタリーに見えるがそうはいかない。

 なんせ監督がフリーソロのコンビ。今回は、ザ・ノースフェイス、エスプリ、パタゴニアといったブランドの創始者がチリ・パタゴニア地域を買い取って保全、国に寄付して国立自然公園にしていく、という金持ちによる環境保全運動はそこまでいったのか!という取り組みをダグラス・トンプキンスの生涯を通じて描き出す。やっぱりどうかしている人の魅力っていうのはたまらない。

ニモーナ

WATCHA5.0点

Filmarks4.8点

 傑作と言っていいだろう。

 身分の差を乗り越えて騎士に任命されることになった主人公だが、任命式で女王が死亡、その咎を受けて追われる身に。

 そこに現れたニモーナという少女との出会いを通して彼の持っている考え方の変化、そして女王殺害の真相へと迫っていく。

 ニモーナ自体がシェイプシフターであり、サイズも暮らし方もさまざまな動物たちに変身しながら戦い、逃げる様子それ自体がまず楽しいし、その彼女に対して向けられるモンスターという視点に対しての「私はニモーナ」という提示がサイコーである。