どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
11月に見た過去作の記録です。まあ、W杯企画の為に見た映画が非常に多いので、そっちの記事を読んでくれても良いかも。
前回のブログの頭に「はっぴーばーすでーとぅーみー」を書いておいたのに誰も言ってくれませんでした(Twitter経由では二人いらっしゃいました)ので、誰も読んでねえ疑惑が…いやいいんだけど
静かな雨
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
仲野太賀が実に仲野太賀している作品であった。
たい焼き屋の店主と大学で研究している男の恋愛ものだが、店主が事故で記憶の上積みが出来なくなる。
毎日日記をつけていたが、60年分燃やしてしまった男の寓話が出てくるが、同様に過去しかなく未来がなくなってしまった人の人生を共に歩めるのか。
テーマ的な結論は出来上がっている定番のところだけに、演技力が光った
モラトリアム・カットアップ
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
地上波放送がデジタルに完全移行する。
アナログがデジタルに切り替わる中で、まだ時代に取り残された、「あの頃と変わらない」んじゃなくて変われない男の話。単純に懐かしくなる
タイトル通りカットアップを使いまくってくるが別段有効には感じなかったか。寸断されてばかりというか、メタと妄想は濫用してはならん。
山河の子
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
中国の辺境の学校と彼らの家庭に密着したドキュメンタリー。そうか、PFFでドキュメンタリーってパターンもあるのか。
撮影や編集にすごく秀でてる部分がある訳ではないが、あるがままを映し、中国語話者だから与えられる安心感のもと家庭に入って行って撮影したものは、中国の生活史の一部となる力が十二分にある。
ボックストロール
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
トロールと人間、ボックストロールの中で育ち自分をボックストロールだと思い込んだ少年と人間の少女。ありがちな2つの世界のもう片方を知って、融和していく物語で引っ掛かりが無さめだった。
びっくりしたり怖くなると箱に入っちゃうっていうのは可愛かった
ナイチンゲール
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
オーストラリアを舞台にした実に酷いマスキュラリティ批判と差別。女は、黒人は、先住民は。
全てを失った女性の報復劇は、想定していない形で終結を迎えたが、それは男らしさと誇りのどっちと捉えると少し難しい。ただ、シンプルに進んでしまえばそれはそれでジャンル映画的になってしまって単純消費に近くなるようにも思えるし。
まあ、悪役のホーキンスは素晴らしい悪さだったのは間違いない。
ゾンビボーダーランド〜めざせ!アンデッドのいない国境地帯へ〜
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
クロアチア産のゾンビコメディ。
国中がゾンビになっていく中で、しかしどうやらセルビア系にはゾンビに噛まれても大丈夫な抗体があるらしいとわかり…。
クロアチア、というかバルカン半島ですよね。そこの地理的な難しさ、民族主義とかの問題をゾンビっていうコーティングして見せている意欲作で、B級ど真ん中な雰囲気なのにすっごい問題意識を高く持って作ってる。
漁村の片隅で
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
カメルーン映画。日本の田舎地獄映画とはレベルの違う地獄がそこにあった。
いわゆる毒親ものなんだろうが、父は教育を敵視しており、女に教育はいらないどころか、学校に行くと怠惰になるだの、傲慢になるだのという反知性主義の塊。他の男どもも似たり寄ったりで教育者ですら、教育とは何かよりメンツを優先するくだらなさ。
そこに12歳の主人公が教育から遠ざける手段として結婚させられ、レイプされる地獄。とにかく全体を通して迫害してくるので辛すぎる。
逆に言えば、カメルーンの作り手はこれを作れる程度には自覚があると信じたい。
音楽だけはやけにポップで失敗してる
ザ・バニシング-消失-
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
TBSラジオ『アフター6ジャンクション』などでお馴染みクラベさんのお父さんが原作者。
サイコ映画にして実に胸糞映画、という話をかなり聞いていたので身構えていたがハードルを上げすぎた感があるやもしれん。最近のやつの方がインフレしてるもんね。
主人公の奥さんが突如失踪する話と、なんかヒゲのおじさんの話が交互に来て変な構成だがこのおじさんがサイコパス犯人で、彼の生涯を主人公に語って聞かせるだけの後半はこんな構成にした製作陣が1番サイコパスなんじゃないかと思った。
ただ、その構成以外は大きなびっくりはなくて滔々と述べられるサイコパスとしての強度もそこまで高くなくて。
ザ・バスタード
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
電波は資源でありインフラだ。
捨て子=バスタードと呼ばれた主人公は、業者からここに電波基地を作りたいと言われたことで村の中心を奪うことに成功する。だが、当然それを許すそれまでの村長たちではなく…という感じに進んでいく。
虫を操る女性とかなんか出てくるし、突如迷子になってしまう感は否めないが、それまで電話を占有していた連中が電波によって衰退していく様子や、しかし電波を握ったやつが権力性を帯びるという「公共」の概念の欠如がかなり鮮明に描かれる。
ホットギミック ガールミーツボーイ
WATCHA2.5点
Filmarks2.5点
困った…
まあ言ってしまえば、自己評価の低い主人公がアイドル幼馴染にメガネ秀才に義理の兄にとモテまくって、あらやだ大変です、私って、好きってなんなんですか??な物語なのだが。
あまりにもうざったいクラシック音楽の引用やら、そもそも初手で脅しをかけて人間を奴隷にしてくるようなやつが出てくるクソ世界にどう思い入れろ、というのが正直なところ。
ルパン三世 盗まれたルパン〜コピーキャットは真夏の蝶〜
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
そんなにルパンは盗まれてない。盗んだというより裏切り、かな。
でも真面目に片想いしてる次元や五ェ門に対して今回のルパンはあまり良いとは言えず、伝説のキャットの娘と不二子との扱いも上手くいってなかった気がする。
結構な大ボラを仕掛けたのだから、爽快感のある終わり方が良かった。いちいち良いタイミングでギャグがつまらなくなるようにはいっててもったいない
アトランティックス
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
セネガルを舞台にした作品だが、フランス映画でもある。カンヌでグランプリ(カンヌのグランプリは1位じゃないのが面倒だが)を獲得しただけのことはある。
主人公のエイダは結婚を控えているが相手は富豪で本当に好きなのはスレイマンという青年で逢瀬を重ねている。だが彼は賃金未払いの為に、スペインに向けて船に乗ってしまった(不法移民だろう)。残されたエイダ、しかし結婚の夜、屋敷で自然発火事件が起こり…。
あくまで恋愛映画として進みながら、サスペンス、ホラーみたいなジャンル横断型になっていく『ゴースト/ニューヨークの幻』をもっと社会派にしたような作品に。ジョーダンピールでリメイクしてみても面白いかもしれない。
フレンチ・ラン
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
パリでスリやってるアメリカ人。盗んだ鞄はガラクタだと思って捨てたら爆弾だった!
そういう導入から始まってCIAのイドリス・エルバがスリのリチャード・マッデンとバディを組むことになる。
フランス警察にも追われることになるが、実に大味で後先のことを考えない連中。だがこいつらが黒幕で分断を煽って暴徒に対する警備として銀行に潜り込んで金をふんどろうという相当な大掛かりな計画。
分断もそうだし、そもそも警察側の腐敗の原因も含めて権力への怒りをしっかり込めた、でもちゃんといい気持ちになれるアクションサスペンスに仕上がってる。100分切ってこれはこのジャンルなら満足すぎる
ホペイロの憂鬱
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
J3のビッグカイト相模原。J2昇格をかけて戦う最終戦の前。用具係、ホペイロとして勤務する主人公の奮闘を描く日常ミステリに近い感じ。様々な出来事を解決していくのだが、ホペイロ本来の仕事としてのミステリだけでなく、J3の人員の足りないチームっていうことで業務以外のこともする。選手がサッカーをできるようにそれ以外の全てをする、というのがまさにその通り。
日本でここまでサッカー、Jリーグを描いた作品も少ない。
夢があるのが、モデルになってるSC相模原はJ2昇格を一度成し遂げたこと。
アミナの運命
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
人身売買のように売られるアミナ。
お前はもう子どもじゃないといって14歳を結婚させようとする訳だが、大人なのに主体性は剥奪される存在というのが実に悲しい。おばあちゃんはそれこそが良いと信じてるのがまた辛い。結婚相手も友達の孫を嫁として要求するなよ、普通にキモい。
だが、アミナは脱走を経て自分の人生を生きていく。選べるものは少なくても生きていた、ように見えたのだが。あまりにも辛いラストだった。
暗転する編集と人間関係の説明の少なさが不満か
鉄道運転士の花束
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
鉄道の運転手に対してこの仕事は人殺しだという、この視点は無かった。それだけで面白い。
人を轢いて当たり前の世界で人を救ったイリヤが父として拾った子を鉄道運転士にしないようにするんだけど、やっぱり父の背中追っちゃうよね。
で、じゃあ最後にしてあげれることは無事故で半年経ってしまって、事故が怖くてやつれる息子のために自分が轢かれてやるしかないよね、って凄い愛だな。
結局初めての事故で命を奪うことで喜ぶ、無事故を童貞っていう言い方とか、ブラックなコメディでもあるんだけど好き。
ブルー・マインド
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
環境の変化に適応するタイミングで、自らの身体にも異変が起こっていく思春期の葛藤を、本当に身体が人魚になっていくことで表現した寓話。
お母さん、その問いかけに対して私も本当の娘かわかんなくなってきたわ、とか返しちゃダメよなんて思いつつ。
行き場のない戸惑いと、でもその中で出会えた本当の大切な人と。とても質の良い青春映画だったと思う。
サウスパーク/無修正映画版
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
サウスパーク、噂には聞いていたが本当に酷い笑
下ネタ、Fワードを連発しつつ、でもこの映画のようなバカで下品なものを排除していくとこうなりますよ??みたいな地獄の描き方は実に風刺に富んでいる。
下賤な映画を巡ってアメリカとカナダの全面戦争になり、そこに地獄からサタンとサダム・フセインがやってくる。なんやねんそれ。しかもミュージカル映画じゃん…
マサーミール〜ダナとおかしな3人組〜
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
サウジアラビアのテレビアニメの映画化、らしい。サウジアラビアのアニメがあるのがそもそもよく知らなかったが。
内容としては完全に社会風刺型のナンセンスコメディで、住居を追われホームレスになっちゃった3人組がスーパーヒーローの面接を受けるが失敗、自分たちでヒーロー協会を立ち上げて生物兵器を奪った悪役に立ち向かう、というもの。
だが、こいつらはちっともヒーロー然としておらず、むしろ社会の被害者のふりをしていじめる役。女性蔑視、自己中心的なのを振り撒きながら、最終的には無常感も漂う。
スーパーヒーローには衣装が不可欠だと語られるが、アラブの女性はビジャヴによって既にコスチュームが出来ているとも言える。
バック・ノール
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
警察視点で団地に巣食うギャングを撲滅する前半、そして裏切られていく後半。ジャンルが変わることはよくあるが、どうしてもアクションが中盤ピークにくるとその後ろがトーンダウンしたように思えてしまう。
ずっと前から好きでした。告白実行委員会
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
ベッタベタだが、それが良い。
バカみたいにペラペラ喋って歌詞のまんまみたいなことを言うのにこっちが照れなければ純粋な恋愛群像劇として見れる。いいじゃないですか、告白の予行練習とかいうわかりきったイベント!
戸松さん阿澄さん豊崎さん、というとこに時代を感じつつでもまだ7年しか経ってない、なのか7年も経った、なのか。そう考えるとホリミヤでまたツンデレしてた戸松さんすげえな
好きになるその瞬間を。告白実行委員会
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
いや続編って世代と時制がそんなぐちゃぐちゃになるんかいな。
全員片想いな真っすぐさは感じるのだが、前作と比べるとロクでもねえやつらが多いのでそんなに応援する気にならん。その上での帰結もそんなにちゃんとしてなかったように思えた。
取り敢えず中学生にもなって人のことを「こんなやつ」呼ばわりするやつはしらん
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト
WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
圧巻。オープニングこれでもかとゆっくり見せておいてのプロローグだけで面白すぎる。
そこからの群像劇は西部劇でありながら鉄道の時代の到来によって取り残されていく男たちの悲哀になる。新時代のために踏み躙られるのは女や子どもだ。だがハードボイルドな旧時代にロマンを見出すなら、彼らには彼らの矜持がある。あがく。だから美しいし、だから儚い。このおじさんたちの顔がもう!圧!
あと音楽。モリコーネ。実に良い。
パラレルワールド・ラブストーリー
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
あれ、俺は吉岡里帆と付き合っていたはずなのに吉岡里帆が染谷将太と付き合っている気もするぞ…という世界観。
こうなると世界の仕組みが大謎にきそうなものだが、割とその辺は早々に想像できて大仕掛けではない。軸は吉岡里帆と玉森裕太のラブ、というか感情の行き違いなんだがいかんせんこの2人が渋めなので染谷将太がいるパートとの演技の落差がつらい。
ユー・ガット・メール
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
いやこれはひどい!と思ったら『めぐり逢えたら』のメンツでアレがダメならこうしましょうか?と見せてくれるラブストーリーに。
犬猿の仲だったけど、正体を知らない状態では通じ合ってて、というのは98年時点ではメールが新鮮なメディアだと思われて採用されたのだと思うが、まあ文通でもSNSでもなんでもいい。
大書店の本屋には心がない、みたいな雑な対立構造には辟易したが、まあええか
サマー・オブ・84
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
ひと夏の大冒険…?
隣人の警察官がシリアルキラーなのでは??と思った少年たちがこっそり調べていくうちに怪しい…のか?怪しくないのか?みたいなこう不思議な時間が続く。
結局のところ犯人が誰なのか、というのはまあどうでもいいというか、少年たちがやっちゃいけないことを自分たちの正義のためにやる、っていう好奇心と青春の危うさなんだと思う。