どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
すっかり月末ですが、2月に見た過去作の記録です。アカデミー賞がらみもあるし、昭和ガメラいっぱいもある。今年のガメラのアニメにギャオスとジャイガーが出るっぽい。見といてよかった。
大怪獣空中決戦 ガメラ対ギャオス
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
ガメラが正義か悪なのかまだ絶妙に緩い状況の中現れたギャオスに相対する人間と、その出現場所の農村が高速道路の用地買収で揉めてる話とがうまーく混ざりそうで全く混ざらない。
とはいえ回転ホテルを使った怪獣対策など、当時の世俗をうまく取り入れようとしていることは感じるし、平成ガメラのギャオス戦には劣るが一定のクオリティは保持している。
ガメラ対宇宙怪獣バイラス
WATCHA2.5点
Filmarks2.6点
露骨!露骨にフッテージを使う!ガメラ攻略のためにコイツが何をやってきた見てみよう、じゃねえよ。
と同時に子どもの味方としてのガメラというのも大きく打ち出し、大人もガメラに対して恐怖心を抱いてない。結果として全然しょうもないクソガキのクソガキムーブを許容する流れを見せられて、肝心のガメラ対バイラスが全然尺もないし面白くもない。金ないんだろうな…
花様年華
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
ずっと知らんわ、って思ってた。うーん、いい歳こいて隣同士での不倫になったけど清らかにプラトニックだったわ、あの時ああしておけば…なんていうのは碌なもんじゃないと思う。こういう綺麗事が見たけりゃ高校生の恋愛の映画でいい。
漂うものがあるのはわかるんだけど、それを読み取りたくはならなかった。
ガメラ対大悪獣ギロン
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
いよいよ子どもが宇宙船に乗って宇宙に行ってしまいました。あっさりとやられる宇宙ギャオスが可哀想ではあるが、もう見た目が独特すぎるギロンの格を上げるには仕方のないこと。バラバラになるギャオス。ギロンはここまでくると逆に好き、となるタイプの魅力があるが故に宇宙人の方のビジュアルのつまんなさが不満になる。潜水艇もバイラスでやったしな…
ガメラ対大害獣ジャイガー
WATCHA2.5点
Filmarks2.6点
前回は大車輪で東京オリンピックに乗っかったから今回は万博だ!とはなるが万博感は無かった。
ギロンは個性的すぎて気にならなかったが、ジャイガーは個性がない上での着ぐるみ感が強すぎてしんどい。個性が死んでるのに足の感じが無理。
なので、ガメラの体に入って幼体を倒す展開自体は子ども主人公でやっていくのに上手いアイデアに思えるのに幼体への関心を持てないのが残念すぎる。
オリ・マキの人生で最も幸せな日
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
ボクシングの世界戦を控えて、恋に目覚めたボクサーの物語。本当に世界で1番幸せな日ってチャンピオンになる日なの?という問いを投げかけるモノクロの映像がどこか懐かしさを漂わせた。
ただねえ、私最近あしたのジョー見ちゃってるんですよ。命を注ぎ込むその価値があるリングにはあるんですよ!そこに殉じて男でしょう!泥水啜って減量するんですよ!!!という悪しきスポ根思考が邪魔してしまいました。
スポーツにお金はかかるし、それで食っていくのがプロってもの。国民の期待を背負わないメッシに泣けるか!?
恋もボクシングも掴み取ってしまえばええのよ
ガメラ対深海怪獣ジグラ
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
大映が本当にお金がなくなり、配給はダイニチに。おまけに鴨川シーワールドの大協力というか、大広告と共にお届けする。おかげで東京でマグニチュード12だかの地震を起こされても鴨川シーワールドは無傷なのだ!そんなばかな!
ジグラーの感じもいい加減な感じで、宇宙人のくだりを含めて能力が上手いこと連結してない感じ
からっぽ
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
いくつものバイトを掛け持つまちさん。ふとした会話から絵描きと同棲し始めるが、彼女は職場ごとに仮面を掛け替えている。そんな彼女をモデルに彼は絵を描く。その中で彼女は別の男性と会うようになり、本当の自分、アイデンティティの拡散が訪れる。世界にとって自分が有用なのか疑問になる中でかろうじて見えた有用性が潰えた瞬間、彼女は必要としてくれる世界へ飛び出す。60分でしっかり描き切った!
あんたの家
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
ストーマ、いわゆる人工肛門をつけることになった老人とその妻の話。介護の辛さをドキュメンタリックに掬い取っているようでいて、夫婦という関係性において私の家ではなくあんたの家、自分の生涯が誰かの世話で搾取されて終わってしまうことに対する危機感までを射程に入れている。
その上で、それでも面倒みるもんだよね、みたいな。
ナイアガラ
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
PLAN75の早川監督、流石というかPFFの他の作品よりも結構映像として決まってる感じがある。
祖父が両親を殺して拘置所にいる、という状況の孫の話なのだが、撮影すること、録音すること、記録することに対する執着と社会の歪み、のようなものを捉えているのは確かに持続している。死刑囚やボケてしまった老人、社会とって必要とされていないような。
ルパン三世 ワルサーP38
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
やけにアニメーションがルパンのテレビスペシャ ルにしたらいいね、と思っていたら、演出水島精二!原画に今石さん!どおりで!と知ってる人がいたら途端に納得する浅薄な人間で。
話としてはルパンの中でもお気楽ムードがかなり消されており、一味はともかく他には屍臭が漂いまくってる。命、使命、そして自由。
ザ・クロッシング
WATCHA4.5点
Filmarks4.3点
Myff。新作なのか旧作なのかよう分からん。
『Flee』や『FUNAN』を思い出すタイプの凄絶すぎる状況だけどアニメーションにすることでフィクションのエンタメとして楽しめる面があるタイプの作品。lifeboatみたいなまんま映しちゃうことで強度を保つドキュメンタリーもあるが、まあそればっかりだとしんどすぎる。
作品的には、『ジュゼップ』のように画家が振り返ることによって脳内の映像が絵画的に表現されることの整合性を担保し、そしてその絵画的なアニメーションが動く快楽が堪らないタイプ。塗った白と塗ってない白、闇としての黒と色としての黒なんかの差異が印象的。
とはいえ、ヨーロッパのアニメ映画で絵画的になるとゴッホのタッチをそのまま動かした狂気の作品『ゴッホ 最期の手紙』というものがあり、エンタメ度は本作の圧勝だが、アニメーション技術だけならやはりまだそちらが強いか。まあ同じ土俵に立つだけで恐ろしい褒めだと思って欲しい。
マスク
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
ジム・キャリー劇場。思った以上にどうでもいいコメディみたいな感じになってる。
マスクを被るとなりたかった自分になれる!というのはある種のスーパーヒーローものだが、徹底的に責任を取ることから逃げ、面白おちゃらけだけからセーフ理論で何も成し遂げていないはずなのにヒーローになっているのは若干いただけない。
あとは制約として暴れまくった後に朝にベッドで目覚めてあああ、だったのに最後自分で取り外ししてるのが気に入らなかった。この辺の面倒なことを面倒でもちゃんやったのがムーンナイトか。ちゃんやりすぎではあったが。
まあそうは言ってもこの年代のアメリカのコメディは嫌いなものが多いのでまだ楽しかった
くじらの湯
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
銭湯。小さい子にとって、多くの人の裸を目にする銭湯っていうのは怖いものなのかもしれません。
担当スタッフの中には、山村浩二監督や矢野ほなみ監督がいて、確かになるほど!と思った
オーファンズ・ブルース
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
幼馴染のヤンを探す旅路。
どこか香港映画とか、その辺の匂いのする無国籍感で大学の卒業制作なのにロケーションがすごくいい。景色も光も商業レベルと言っていいのでは。
ヤンを探すエマだが、ヤンの弟バン、その彼女、ヤンの住所に住んでいた女性。探していく過程で出会う色んな人たちから少しずつ見えてくるエマの持っている秘密とヤンについてもなんとなーく分かってくるがあくまでなんとなーく。そこの説明が無い中で見せるものが良い空気を持続させる。途中から呼称のおかしさに違和感を覚えながら見ているとそれを受け入れたバンの表情、最後に乗る自転車2ケツ。何より雄弁だ。
ダーティハリー3
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
1.2と比較するとなんか金目当ての集団の犯行なのでハリーに伍する悪役はいなかった。
代わりに女性刑事、それも記録係でキャリア形成してきた人物が彼の新しいパートナーとして登場する。イーストウッドの横に新人刑事となるとルーキーって映画もあったな、あれより随分早い。男社会の警察機構にあって、女性の社会進出を反映しようとする製作陣には嬉しい気持ちもあるが、完全にミソジニストであるハリーの考えを改めさせる訳でもなく、んー引き立て役にしかならなかった上に、少なからず認められてた彼女の意味も最後のバズーカで吹っ飛んだ気がする。アルカトラズってあんな自由に制圧できるのか…?というか、イーストウッドアルカトラズから脱獄するな、この先
ジャンゴ 繋がれざる者
WATCHA4.5点
Filmarks4.5点
奴隷制度を明確に批判し、っていうか今もあるよ??と言わんばかりのタランティーノ節。序盤の殺し屋としての口八丁な感じの1時間ぐらいがめちゃくちゃ楽しく、あーこっからシリアスかな、とミシシッピに来てからちょっと落ちた気がしたが、怒涛のラストへの展開血みどろの感じでもっかい急上昇。人を所有するという感覚のあり得なさと骨相学とかいう似非科学の酷さ。
イングロも好きだが、それ以上の爽快感があった。白人から黒人が学び取って奴隷支配を解放し、最終的に白人を内面化した黒人、あるいは権威を内在化した雑魚を屠る、それがまた素晴らしく。
まあ、そもそもジャンゴという名前の元ネタのセルジオ・コルブッチ『続・荒野の用心棒』が大好きなのでOPも好きになるに決まってるし、みたいなのの連打だった。
西部戦線異常なし(2022)
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
第一次世界大戦。それは歴史を変えた兵器が続々投入され戦争のあり方を変えた戦争。
その象徴ともいえる塹壕を舞台にしたドイツ軍兵士の物語。無論、ウクライナに端を発する現在の戦争に対する痛烈な批判でもあるのだが、それ以上にやはり戦争、そして人間の在り方、愚かさを示し続けている。
クリスマスまでには帰れる、はこの戦争の泥沼化を示す有名な文言だが、そう思ってる段階でのあの戦車の登場なんかは本当に絶望的な気持ちになる。
一方で、つい最近再放送されたNHKの「映像の世紀」を見てしまったのが運が悪かった。本物の映像の迫力、何かそこに籠る力には勝てなかった気がする
スーサイド・ショップ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
絵本みたいな、つまりはフランスだとバンドデシネ的な、なのだろう世界で綴られる自殺が上手くいくように自殺用品を売るお店。
世間の人が死にたがってる中で、店を営む彼らは死んではいけない。人生に絶望した人たちに接していく中で生まれた末の子は、この店の文化と馴染まないポジティブで生きることに前向き。そんな彼によって一家の運命を解放していく。明るく楽しいミュージカル、なのが私には合わないが命題としてはとても趣深い作品だ
わたしは金正男を殺してない
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
金正男暗殺事件。安倍晋三元首相の事件もあってすっかり忘れられてるかもしれないが、これはこれで大事件。イタズラ動画の撮影と聞かされた2人の女性の実行犯、背後にいる北朝鮮籍と思われる男たち。国としてのメンツや事件の移ろいを一応は紹介しながらも、基本的には実行犯2人の物語。こと日本では馴染みのあった人物だけにそんなに新しい情報や視点は出なかった感じ。
オーヴァーロード
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
ナチスと戦う話なので、そりゃもう極悪人に仕立てられる。戦争映画に見せかけたジャンル横断型なんだけど、そういう映画だと知っていたので戦争映画としてのパートがちょっと長く感じた。
戦争に勝つために塔を爆破する、というだけの話なのだが戦争に殉じる教官と人間に殉じる主人公との対比をさせつつ、それがナチスの非人間性にも繋がっていくという。