抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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2匹目のどじょう「デジモンアドベンチャー02 THE BEGINING」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 デジモンのまたもやの映画化。長寿コンテンツの中でも骨の髄までしゃぶりつくそうとしている感じがプンプンするのは気のせいでしょうか。

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WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

(以下ネタバレ有)

1.もうエモは使えません

 BEGININGってつくやつって怪しいなあって思いません?私は思います。バットマンも微妙、009ノ一は最悪、るろ剣も分けなくて良かっただろ!みたいな。他なんかあったけ。あ、聖闘士星矢は見てないや。

 まあとにかく手に詰まった状態の続編がビギニングと称して前日譚を打ち出す印象が否めないのが前提で。

 その点で言うと本作はその期待に見事に応えてくれました。裏切れよ。初手ボレロ、なるほどデジモンだもんね。でもそれは一回限りのスペシャル技としてなら許容というかエモくなりますが、LAST EVOLUTION 絆でやってるんすよ、しかもパロットモン付で。そうなると、この企画自体を含めた2匹目のどじょうっぽさが出てきてどうしたって盛り上がらない。Butter-flyがなくてもちゃんとアガれる主題歌を持っているのにその前に夢が覚める。

 盛り上がらないのはここだけに限らず、まず進化ですよ。当時から技術が進歩したのもあって進化バンクはとても良くできているな!と思えたのに、進化する理由が移動っていう。1億歩譲ってそれは分かるんだけど、でもジョグレスはしなくて良かったよね、って。パイルドラモンへの感動は全部無くなってるのに、この進化バンクは再度ウッコモンへの移動タイミングで流されても退屈の上書きでしかない。なんでスティングモンがルイを助けた時は申花バンクなしで助けに来たみたいなテンポでいけなかったのだろう。

 テンポが悪いのは映画全体としても同じで、1時間経っても話らしい話が進まない。なんかデジモンの卵が出てきてそいつと関係ありそうな人が東京タワーを登りました、以降は劇的な展開は何もなく移動しながら話をしているだけ。話も必要ないだろ、というぐらいウジウジしている緒方恵美から話を聞き出すだけで知らんやつの回想メイン。どうして最後にデジ卵が動いた、でスパッと終わるみたいな演出を他で出来なかったんだろう。鬼のようにテンポが悪い。

 面白くない上に、回想シーン、ついにウッコモンを殺したと称したシーンでははっきりホラー映画のようなテイストに突然なるという意味不明さ。うーん。結局のところ、デジモンと選ばれし子どもたちの関係性も、規定されたものではないのではなく、築いてきたものだというゴール、互いに話し合っていこうよという普遍的な話…と言いたいのにただの痴話喧嘩、あるいは雑なAIモノに見えてしまう残念さ。

 そのメッセージの為にも、02が積み重ねてきたもののためにも、ラストバトル前の葛藤は大事なはずなのだが目の前のデジモンとの関係性のために右往左往したり、70億人にパートナーデジモンが配られたらマズい、という起こる問題の程度も「混乱」ぐらいに扱われて。関係値を築ける、という話なら当てがえばいい、に対してもあてがわれた先が大事、という話なのだからウッコモン即倒す、に行くのは違う気もしてしまう。っていうか02って全ての人がパートナーデジモンを手に入れたのでは??じゃ良くね?

 という訳で文句ばっかりになってきたので東京国際映画祭での作品鑑賞直前の私はしっかりと晩御飯をとる方向に舵を切りたいと思います。