抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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弾丸ジャッキー「まなみ100%」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は昨年のMOOSIC LABで公開され、夏のカリコレでも特別上映され、ようやく一般公開で結構待った感のある邦画。この後公開される『サーチライト‐遊星散歩‐』が控える平波亘監督が助監督に、深川麻衣主演作が待機している穐山茉由監督が演出応援(だったけ?)でクレジットされてましたね。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

(以下ネタバレ有)

1.10年の片想い

 2010年の高3から2019年まなみちゃんの結婚式その日までを描く恋愛?物語。まなみちゃんLOVEが100%、残りの1%は他の女の子に向けるけどね!残ってねぇよ!みたいな感じ。

 主人公の青木柚演じるボクは映画冒頭2019年時点で「何人セフレがいるの?」とブチギレされ、過去に戻って体操部に入部した時も彼女の存在を忘れて待ちぼうけさせて体験入部している愚か者。徹頭徹尾このスタンスは崩さず、ちょっとだけ近づいた高校時代も、宮崎優と寝始めた大学時代も、偶然再会した瀬尾先輩にもなんかこう真摯な態度を取れずについにまなみちゃんは結婚してしまう。そこでさよなら青春とか言ってるんだけど25.6にもなってまだ青春とか言ってるのは笑える。彼は安藤先輩に呼び出されまなみちゃん目当てに同席したディナーでも服装が全く変わらない。完全に時間に取り残されている上に、文化祭なんて、受験に関係ない科目なんて、バイトなんて、と自分の人生に関係ないものを常に見下すというか、排除し続けてきた。近視眼的であり、ある意味では正しくサイコパスな存在。彼自体は、シネマロサできちんと撮影した映画が公開されていることもあり、少しはちゃんとした人間になったはずで、だからあんたの周りから人がいなくなる、というレベルではないはずなのに。そこはシナリオから削除して、むしろ徹底して道化のような存在にボクはなっている。だからボクは最後に反省を見せるシーンでも髪を切るという変わらない方法をとる。それでも最後に言葉で謝れる。ちょっとだけ青春から時間が動いたのだ。監督川北ゆめきが自分の経験を元に書いたというからそこである種の納得は生まれる。なんていうんだろう、ちょっとだけの成長を認めつつ、でも自分のことだから過度の謙虚さというか、それこそ道化が入っているというか。

 さて翻って、この自分とはまるで違うこの人生。全てのコミュニケーションを好きなの?彼氏は?結婚しようみたいな中学生かよ、みたいなノリで止まってしまい、言語化を拒否してきた彼のことを笑えるのだろうか。っていうか下手したら小学校から精神止まってね??いずれにしてもそんなボクを完璧に軽薄に演じた青木柚は見事である。