抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ごった混ぜの夢「ミュータント・タートルズ:ミュータント・パニック!」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 タートルズってなんぞや!?ミュータント・ティーンエイジ・ニンジャ・タートルズって詰め込みすぎでは!?!?などという人は2023/9/12のTBSラジオ「アフター6ジャンクション」の特集コーナーミュータント・タートルズ入門編特集を聞くか、Netflixで配信されている僕らを作ったオモチャたちシーズン3のエピソード1を見ると良いと思います。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

(以下ネタバレ有)

1.何度もしつこくて申し訳ないですがポスト・スパイダーバース

 もうこのブログ含めて、何度も世間でも言及されているとは思うんですが、スパイダーマン:スパイダーバースっていう作品は革命的だったんですよ。で、それを受けてどうするんですか、っていうターンに入ってきている訳でございます。ソニーは続発として『ミッチェル家とマシンの反乱』という快作をぶん投げ、『バッドガイズ』『長ぐつをはいたネコと9つの命』みたいな呼応する表現が出てきている。既存IPだろうとそこのベース表現に固執することなくアップデートしてくる訳で、これまで多くの映像化を経ているタートルズとて例外ではない訳です。タートルズをこれまで見たことのない人間が言うセリフではありませんが。

 んで、今回。うん、予告編で想定した通りではありましたが今回の映像表現も素晴らしかった。アメリカの大手スタジオではしっかりスパイダーバースを受け止めてどうするか、っていうことを考えているんだなって良く分かります。本作はスパイダーバースでも見られたグラフィティに近い感覚の映像をバンバン殴りつけてくる感じ。わざとコマを落としてカクカク気味にするっていう手法からまた変化を感じます。製作サイドもイメージとしてはノートの切れ端の落書きをイメージしたらしいんで少なくともその狙いは当たっている。一方で、こういう表現としては個人的にはいきすぎかも、っていう気もしているというか、結構途中までで疲れちゃったのです。スパイダーバース:アクロス・ザ・スパイダーバースにもその感はありましたが、心地よいを超えてくるとこれまた難しい。ただ、これはスラムダンクでは感じなかったので漫画・アメコミみたいな原本の媒体への慣れみたいなのもあるのかもしれません。

 で、こうしたアニメーション表現がスパイダーバース以後のものとして確立されていると同時に、ものすごく多くの映画やカルチャーからの引用がされているっていうのも挙げるべきでしょう。『バッドガイズ』でもタランティーノっぽい部分があると言った記憶がありましたが、今回の方がよりタランティーノっぽいというか、彼に感じる好きなものをガンガン引用してる感覚は近そうというか。タートルズの師匠のネズミにジャッキー・チェンを起用して訓練シーンに本当のジャッキー映画のフッテージを使うっていう判断はなかなかできないですよ。その上で、本来のタイトルに冠しているニンジャ要素なのか知らないけども、日本からの引用で進撃の巨人を出してくる。一応うなじが弱点だ!っていうので説明してくれますけど、小ネタレベルとしては「エンドゲームのハルク」と同じような扱いですからね。MCUとか、GoTとか、そういうエンタメ基礎教養の中に日本のものが入ってくるっていうのは素直に嬉しいですね。

2.人と亀の狭間で

 物語的には、変異してしまった亀4人?(単位わからん)が人間の世界に触れていくうちに、下水道の世界を飛び出して高校に通いたいと願うようになる。そんなタイミングで出会った高校生の女の子とヒーローを目指してスーパーフライと言う名の悪の根源ハエを追うって感じ。ミューテートっていう言葉、その上でカメ人間的な見た目で人間たちに恐れられるっていう設定自体はまんまX-MENに近い印象。どっちもコミック由来のものなので、どっちが先の設定化は知りませんが、まあでもプロフェッサーXとかより全然迫害されやすい見た目になっている分の説得力はありますわな。出会う高校生のエイプリルにしても、タートルズたちにしても、いわゆる「普通」の学園生活を手に入れたい、他の人に存在を認められたいっていう動機が共通していて、向こうのスーパーフライとこっちのネズミが俺に従えマインドなのも鏡にしていて分かりやすくしている。最初は敵だったスーパーフライ側のミュータントたちとも触れ合って、話し合ったことで人類滅亡を阻止する方向に動く、っていうのはこれまででもあるような流れでしたけど、エイプリルの働きによって人類側も良く知らないことによる恐怖から歩み寄っていく描写はまあ虫がいいっちゃいいんですけど、互いに歩み寄る第1歩としては悪くないのかな、って。スパイダーマンの電車止めた後の民衆、とかもそうですけどこういうのはベッタベタで大好き。

 最近だと、DCスーパーペットとか、ミニオンズフィーバー近いのかもしれない。子どもに喜んで見せたいいい映画でした。