どうも、抹茶マラカス（@tea_rwB)です。
今回はプリキュア映画。オールスター作品ということもあるのか、親子連れだけではなく若い女性客が連れ立っている様子もかなり見受けられました。即ち男一人の私ちょっと居づらい！いや別にいいんですけど！
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
（以下ネタバレ有）
1.プリキュアってなんですか？
今回の映画公開に合わせてYoutubeで無料公開されていた大傑作『HUGっと！プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターメモリーズ』をしっかり見て劇場鑑賞に臨んだ訳です。いやーこれ大変だぞ、超えるハードルとして高すぎね？？って思いました。
で、迎えた今回。一応今年のひろがるスカイ！プリキュアはちゃーんと毎週見ているのでそこそこの思い入れはありつつ、過去のプリキュアはそこまでちゃんと分からないし、やっぱオールスター作品で終盤はおそらくは各作品の名場面集を用いて観客を泣かせに来ていたあたりは万全に楽しめていないとは思うんですが、それでも胸を張って言える良い作品だったと言えると思います。
開幕いきなりなーんかやられたキュアスカイ、そこから目を覚ますと知らない世界で…っていう展開、4人×4チームになってこの世界の中枢っぽい城を目指すっていう前半パート、そして正体を現したボス、キュアシュプリームことシュプリームさんとの対決とこの世界の理っていう後半パートの構成。前半、っていうかキュアスカイとの戦闘に参戦したトロピカルージュなファイルーズあいとデリシャスマイルな人のシークエンスはいきなり派手にやりますなぁ！という感心が出てしまう高クオリティ。直近3作品の主役級が揃ったときにカラフルになるっていうのは、今回も描かれるプリキュアの多様性（人魚がいて、宇宙人小原好美がいて、大人がいて、赤ちゃんがいて、男の子もいる）っていう表象としてすごくいい画だなっていう感覚。いや宇宙人プリキュアとかいたんだ、人魚は知ってたけども。各チームがキャラを見せながらチームごとに仲良くなりつつ、雑に悠木碧と合流したりしてたり、空飛ぶチームは楽しく飛んでただけでは？一回ましろとソラを合わせてから別れさせたとこはちょっと下手では？みたいなのはあるけど、基本的には満足で。
で、この辺でというか、普通の人間（NPC感強め）がいる時点でこの世界って創られたパターンかな？って思っていたら、宇宙最強の座を求めたシュプリームがプリキュアの生態に興味を持って作り上げた世界でした、っていう一旦敗北していたという衝撃な事実と、じゃあシュプリームがキュアシュプリームとして登場していた中で問うた「プリキュアって何なの？」っていう問いがクリティカルな問いになるっていう展開。ヒーローってなんだ？をやっている現行プリキュアに重なりつつ、単にプリキュアと同等の能力を持っていても、それは外形的には完全にただの暴力装置でしかないということを心強い仲間として強者だったことで示している。で、そこでオールスター映画として描いてきた手をつなぐ描写の強調＝協調でプリキュアの持つ内面性を高らかに称え、そしてそれを一緒に見てきたゆるキャラの方とも共有して、敵にもミラーリングする。結構なレベルの高いことをしています。種崎さんは凄いな…。
2.多分ケヴィン・ファイギを先取っている
映画の感想としては、エンドゲームですよ、っていうのが多い気がします。勝手に予想しているだけですが。ただ、エンドゲームと違って全員に見せ場があったわけじゃなくて、全プリキュアにセリフがあったわけでもない。そこでふと浮かび上がったのが、むしろこれからのMCUでやりたいことをやってしまったのでは？感。
私の雑なアメコミ知識だと、マーベルにはバトルワールドという世界が存在していると。すべてのユニバースからヒーローもヴィランも関係なく召集されて様々な世界をパッチワークして作られた世界。そこで最強を決める戦いが始まる、と。この次のサーガのメインヴィランじゃないかとか、次のファンタスティック・フォー映画で出るだの言われているドクター・ドゥームが作ったこの世界でうんぬんかんぬんっていうのは、これまでのプリキュアユニバースを飛び越えて召集され、世界を作った強大な敵と戦うっていう展開はそのものじゃないですか。ああ、あと最強を欲して宇宙作ったのはハイエボリューショナリーっぽさもありますねー。基本的にはまだ実写化されていないとはいえ、コミックスではやってる展開だからマーベル印なのは間違いないですよ、でもこれ先に映画でやったらマーベル涙目ですよ。しかもこの映画70分代ですよ？？MCUがそのランタイムに抑えるのは不可能じゃないですか？短ければいいんじゃないけど、とはいえ長い映画は長くなるこの時代、凄いことです。
