どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
夏休みだよ!ということで20本は見ていた。ひさっしぶりに早稲田松竹、いわゆる名画座に行ってハンガリー映画二本立てを見たり、クストリッツァの『アンダーグラウンド』とかジャック・リヴェットの『美しき諍い女』だったりとヨーロッパ映画づいていました。
ソウルメイト/七月と安生
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
七月と安生のふたりの女性が共に育ち、そして道を違えていく物語。それを大人になった現在視点から小説という形で回想していくので、どこまで事実でどこまで創作なのかのラインをこちら側見定めながら鑑賞していくことになる。実はこうでした!が度々起こり、少しまどろっこしいかなとは思ってしまったが、基本的には2人の関係を最後まで描き切っていて好感の持てる作品だった
来る
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
あはは、面白かった。
最初の30分ぐらいの妻夫木さんリア充見せつけパートはフリだと分かっていてもしんどかったんだけど、柴田理恵登場即の感じあたりから面白さを感じ始め、中島哲也の毒のない毒の感じの痛さが見ていて何の罪悪感も湧かないホラーエンタメとして実に丁度いい具合だった。あんだけ除霊まつりにするんだったら、もっとハレの方に振ってもいい気はしたけど楽しいのでヨシ!理屈なんかないさ。マジックワード「民俗学」で大体解決!
平成真須美 ラスト・ナイト・フィーバー
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
平成が終わり令和になる夜。それまでに曲ができなくてはならないのに、できない。3人のダンサーが踊っていないと曲が浮かばないと呼ばれた伊藤沙莉が作曲家を解放し、そして自分もまた少しだけ解放される。
古い自分を平成に置いていき、令和になったらまた新たな誕生日を迎えよう。
これ二宮健だったのか
クルードさんちのはじめての冒険
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
原始時代を洞穴にこもって「恐れ」を抱き未知を嫌って過ごすクルードさん一家。
娘が新たな、そして真反対の性格をもったガイと出会って、更に棲家の洞穴が崩壊したことで未知へと踏み出さざるを得なくなる。
頑強に未知を怖がり洞穴への帰結を目指すお父さんの物語になっているのだが、物語上の主人公を娘に置いている歪さ、進歩主義的な説教にも見えるガイと一家の立ち振る舞いの差がうーん、って感じだった。
ビッグ・リトルファーム 理想の暮らしのつくり方
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
愛犬トッドを飼うことが近隣住民との関係から難しくなった時、夫婦は思った。かねてからの妻の夢である農場経営をするべきなのでは?と。
そのから始まる農場経営はとても大変。伝統農法を重視する人物を招聘し、彼に言われるが予算を使いガンガン進めていく。
農業なのか、生態系開発なのか。生き物たちなのか、アランという人物の胡散臭さの方なのか。ドキュメンタリーとしての焦点が合ってなかったところがみられたのが残念。
良い話風ではあるが、おそらくここで作られた生態系は括弧付きの「生態系」のような、人間主体のハコニワができたに過ぎないように思えた。あくまで主体は人間だった感じ。
土地を買って耕しなおして生き物をぶち込んでいく。素敵なビオトープを作った、それが多様性の確保なのか、すごく難しい。そこに放流したのは外来者じゃ無いのか?益獣害獣の分類は?
この夫婦の取り組みは素晴らしい上で、環境保護活動とはどこからなのか考えることになった。
マイル22
WATCHA2.5点
Filmarks2.7点
マーク・ウォルバーグとピーター・バーグの知ってる味を楽しみにきたら主人公がずっとピリピリしてる割に受け身一方なのに偉そうでずっと楽しくなかった。強いのはイコ・ウワイスだったし。
アトミック・ブロンドみたいなのを作りたいと思ったのかもしれないけど、あまりにも。
クルードさんちのあたらしい冒険
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
クルードさん家は呪いから解放されることには成功したが、実際問題住むとこが無いのは事実。
ということで偶然にもガイのかつての知り合いベターマン夫妻と出会い、彼らの住居で厄介になるが。
個人主義を揶揄するような感覚を見せてくるベターマン夫妻のキャラもよく、終盤には分かりやすくテンションの上がるバトルに持ち込むことに成功。実は父権主義とか男性性のくだらなさみたいなこともしっかり盛り込んだのに、とても楽しい作品に仕上がった。
映画HUGっと!プリキュア♡ふたりはプリキュア オールスターメモリーズ
WATCHA4.5点
Filmarks4.3点
これはすごい。
プリキュアたちの記憶を奪っていくミデンという敵の正体、動機づけが完全に勝っている。多様なプリキュアを登場させるにあたってタイトルとなっている当時の主役HUGプリと初代が軸。記憶を取り返すという話を進めながら、記憶を奪われて幼児化したプリキュアの面倒を見ることでHUGプリのテーマ、ひいては全ての親への賛歌を伝える。そしてその感謝と賛歌はミデンにも向かっていく。偶然にも、今年のクレしんの敵であった非理谷(即ち何も持たざるもの)に対して必要だったと思われる救済は既にここで為されていたのだ。
プリキュアたちとの思い出、というものさえあれば観客には完全に刺さるようになっている応援仕様、いやあよく出来ていた。
美しき諍い女
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
かつて妻をモデルに描いた未完の作品を新たなモデルで老画家が仕上げる。それだけの話といえばそうなのだが、画家は裸体となったモデルに骨格を捨て去り、内面だけを掬い取ることを求め、両者は互いに極度の緊張関係になっていく。
裸体こそ映りっぱなしだが、そこにエロティシズムは感じず、むしろそれが被服をもがれた人体として存在することばかりが印象づけられる。そうして掬い取られたある種の本質はとてつもなく残酷…だったのだろう。
その完成をもって両者は何かが決定的に変わってしまったように見受けられた
メトロポリス
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
完全な手塚治虫キャラたちが、まあものの見事に動いているし、メトロポリスという街そのものをよくもここまで書き込むな!というアニメーションの密度は非常に素晴らしいものがあると感じた。街そのものっていうのは構造物だけの話ではなくて、モブもよく動くし、動線がすごく考えられている。そしてそれが盛大に壊れるのだからたまらない。
一方で、街全体を世界と見立てた階級闘争と機械と人間の問題が多層的に重なり合ってちょっとスムーズにいってない感覚も。そしてそこに輪をかけるように音楽が個人的には合わなくて…。
学校の怪談
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
すっかり忘れてたが世の中は夏休みだ!ということでハードディスクに録画しておいた夏休みっぽいやつを。
旧校舎に閉じ込められた5人の生徒たち+α。最初はトイレの花子さんとかなので、いわゆる学校の怪談として認知されてる定番を詰め込んでくるのかな?と勝手に思っていたら段々ホラーアクションというか、SFXを駆使したびっくり空間が現出していくから驚いた。SFX的には遊星からの物体Xぐらいには気に入った。
彼女はひとり
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
自分が生きる意味。石を投げて波紋が誰かに当たっていかないとなんだか有意義に思えない。
自らを石にして投身した少女は、命を落とさなかったものの、波紋を次々起こして自分を確かめていく。周囲の人々は波紋を受けるか、新たに起こすことしか出来ない。
校舎の構造がすごく多層的で興味深い。
キッズ・オールライト
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
どんなセクシュアリティだろうとカップルというものの維持は常に細心の注意を払ってリスペクトし続けないとダメっていう話と併存してそのリスペクトは親子でも変わらないよ、と言ってくる。
親の心子知らずでこの心親知らずなんだけど、子離れの話でもある。初めはアネット・べニングの方が感じ悪く映るんだけど、ジュリアン・ムーアの方が決定的なことをしちゃったりでダブルでダメな人たちに見える。とはいえ、そこに輪をかけてダメな人(でもいい人に見える)マーク・ラファロがMVPかしら。
タイトル的にもっと子どもの話をするのかな、と思っていたので少し当てが外れた感じはある
ひまわり
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
戦争が2人を別つ。
結婚したら12日は出征しなくていいとか言い出すから戦争から逃げていちゃいちゃしてんのかなぁと思ったら、それはその後のためのフリだった。
あまりに緩いビーチでの結婚宣言から、八甲田山大好き人間からしたらサプライズな雪山地獄描写。時間と距離は人を離れ離れにするに十分だった。再燃することなく、いや、していたとしても理性を優先させることであれは結婚ではなく恋愛だったのかもしれない、などと思わせる
アンダーグラウンド
WATCHA5.0点
Filmarks4.8点
いやあ、こういう配信終了のタイミングじゃないと手を出さないタイプの映画なのが勿体無いと改めて感じる作品でした。3時間、1941年、WWⅡでナチスの迫害から逃れるために地下生活を始めたクロたちだったが、その家の主で親友のマルコによって戦争の終結を知らされることなく戦前生活を20年以上続ける。
外の世界に出たクロの息子がさまざまな対象を学んでいく過程など、はっきりいって非道で悲劇的な出来事のはずなのに終始コメディとして描き続け、そしてそれがきちんとポイントポイントで笑えて、悲壮感がなく、でもしっかり嫌な気持ちになる。そしてこの映画終わらない。多分まだ終わってもいない。
ナイン・マンス
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
工場に勤務することになった主人公は早速の上司からの言い寄られに辟易。ところが段々2人の中は近づいていき…というラブロマンスの見た目こそしているが、言い寄り続ける男の狂気と、女性への抑圧を表現しながら最後は現実はこうだとそのままを映すシーンには絶句だった。こんなにも残酷に見える祝福のシーンがあるか。
アダプション/ある母と娘の記録
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
またしても工場勤務の主人公は夫を亡くし、妻子ある男性と恋愛をしている。彼に子どもが欲しいと訴えるが、無碍にされる。一方、近辺の寄宿学校の生徒アンナとの交流が始まる。
女性同士の連帯、社会全体からの抑圧を描きながら、目線や表情で常に牽制し威嚇し続ける顔面を注視し続ける作品で片時も目を離せない印象だ。
全体を通しての課題であったアンナの処遇に一定の目処が着いての式典シーンはハッピーエンドのはずなのに、アンナの目は。
ノスタルジア
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
タルコフスキーでも今の私なら行けるっしょ!みたいな謎なポジティブで挑んだけどダメだった…
どうやら音楽家の足跡を追ってイタリアに来た、みたいな展開はわかったんだけども、それが分かるまで長い上にわかってからもなんも進まない。
進んでいるのか自分が寝たのか分からないぐらい五里霧中だった。映画をある程度見て分かったような口をきいていてすいませんでした
ユナイテッド93
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
9.11のあの日、ハイジャックされてしまったけど目的地に辿り着かずに墜落したユナイテッド航空93便の物語。
何が起きるか知っているからこそのスリリングさが全編を通して緊張感をもたらし、いざ貿易センタービルに突っ込んだ時のリアクションなんかは当時の中継を見てきた自分も思い出す。
まるでドキュメンタリーかのような持続するテンションに編集の上手さとポール・グリーングラスののちの作品『7月22日』を思い出した。
建築学概論
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
良くも悪くも普通の恋愛ものというか、面白みは特になかった。
建築家となった主人公の元に訪れた女性はかつての大学の同級生で互いに初恋の人。運命的な再会かと思ったが、彼はもう結婚間近。
建築という生活を支配していくものが題材にされているのだから、そこから想いのパワーゲームを見繕ったりできるのかと期待したが別に仕事と学問がセットだったらなんだって良いぐらいの感じ。