どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB) / Twitterです。
8月に見た旧作の記録になりますね。たーぶん26本見てます。数えるのも面倒だ…。
顕著な特徴としては、小津安二郎とか溝口健二とか岡本喜八とかロバート・アルトマンなんかを初めて見てみたり、「悪魔の往く街」「白蛇:縁起」は映画館での鑑賞ですね。
白蛇:縁起
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
何がどうしてそうなった!!な大怪獣バトルにまでなる驚きの展開。結構ディズニーっぽい感じはあるが、粗いアニメーションもところどころまだある感じはした。無論、その良いところが躍動感とか、逆に動きすぎて難しいカメラワークとかにでてたと思う。
国士、蛇、人間の三すくみの解決がどうなるのか、というのが楽しみだったのにそこがうまく行かなかったのが残念
殺人狂時代
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
なんなんじゃこりゃ。
瓶底メガネな仲代達也がキャラ強すぎる刺客たちを撃ち返していく。そんなバカな、といいたくなる火薬の量もびっくりだが、なんつうか全体を通して感じるヘンテコ感がたまらない
シャッター アイランド
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
スコセッシのどんでん返しモノとして有名です。ネタバレを食らってしまっていたのですっかり見てなかったわけですが、ようやく。
そのネタバレを経て見ても「モンスターとして生きるのが、善人として死ぬのか」のセリフはハッとするところのある面白さでした。
とはいえ、ネタの開示にかける時間が長すぎるような気がしてしまったり、ちょい長いかなー
ハード・コア
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
埋蔵金を掘る山田孝之と荒川良々、そして孝之の兄佐藤健。そこにオーバーテクノロジーのロボットが、とコメディっぽいんだけど、変にドライで、そして個々のエピソードがそんなに繋がってない感じの不思議な作品だった。ありえないロボの存在とエフェクトがかえってギャグみたいな空気感になって、ありえねぇよ、みたいなツッコミを封じる感じはあった
ほえる犬は噛まない
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
いやーいつ見てもぺ・ドゥナはお綺麗。
団地を舞台にした犬連続失踪事件なんだけど、完全にダークコメディ。緊迫させる気が一切なくて緩さがもたらすかけあいが面白い。
なお、GYAOで見たので途中にCMが挟まったのですが、犬の雑誌とかペットショップのCMが入ってたのは大きく間違いだと思うぞ!AIさん!犬鍋の映画だぞ!
光
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
河瀬直美監督のほうね。
映画の音声ガイドを作る女性と弱視の男性の交流を描く。時系列としては当然この映画の方が先なので、これは私の問題なのだが、TBSラジオ「アフター6ジャンクション」で幾度も映画やゲームの音声ガイドに関する特集を聴いているため、そこに視点の新しさや知見は感じず、むしろこの2人の距離感の詰め方の違和感を強くしてしまった。それこそ愛ではなく憐憫にしか思えないのだが。
ビブリア古書堂の事件手帖
WATCHA2.5点
Filmarks2.7点
古書店を舞台にしたミステリと題してはいるが、ミステリとしては殆ど機能していない。
まずいきなり本を読めない設定の野村周平がどうやって教科書読んで学校を卒業したのか、よく分からないところでノイズになる。
チェイスシーンもちんたらしてるようにしか見えないし、結末のために海辺に行ってるようにしか見えない。
そして太宰や漱石なのに、情念を感じない過去回想だった
浮草
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
はじめての小津安二郎。
カメラが動くことはない中で、独特な会話が耳に心地よい。
しかし、時代か。堪忍の一言で全部を片づけようとする無茶苦茶な座長の駒十郎だが、それを否定的どころか、当たり前な感じで、むしろ彼を祝福するかのようなラスト。そこは到底受け入れられない物語なのだ。彼の非人間性を象徴するような土砂降りの中で軒下で向かい合う夫婦のシーンは素晴らしいものだった。
悪魔の往く街
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
ギレルモ・デル・トロ監督、ブラッドリー・クーパー主演でリメイク予定。配信でもないなーと思っていたら、それが映画館でかかってるので見てきました。
旅の見せ物小屋で読心術のアシスタントをしている主人公スタン。
もともとの読心術をやるジーナ、一緒に独立したモリー、中盤以降事態を狂わせていく心理学者リリス。3人の女性と巡り合いながら、人を騙すメンタリストとしてのしあがり、そして転落するスタン。アルコール依存とかけながら、見せ物小屋のギークを使った構成のうまさが光るが、中盤の会話がとにかく地味だった
シコふんじゃった。
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
相撲映画。上裸がいっぱい。
ひょんなことから相撲部を助けるために素人が部員集めから始めて勝利を目指す定番のストーリーを結構コメディな感じで描く。コメディタッチが行きすぎていて、熱くなりたい試合(相撲だと取り組みか)も熱くなる前に冷めるか。
あと、単位と引き換えに相撲部に入れさせて結果これとか、色々今と価値観的にダメだよな、ってとこも多いなー
青の帰り道
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
7人の高校生。その絆は永遠で無敵と思われたけど、夢を追ったり、現実を知ったりでそれぞれがバラバラになっていくような20代前半までを描く。
彼らに訪れる悲劇が割とステレオタイプで浅めに要素をぶつけ合わせてるだけに感じてどうも乗れなかった。
山椒大夫
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
初めての溝口健二。黒澤、小津の名前は非常に有名だが、少し映画通な感じがするのが溝口、成瀬巳喜男、川島雄三あたりな感覚。この辺は黒澤明を数本見た程度の人間なので、間違ってればご指摘いただければ、と思います。
んで本編。森鴎外の『山椒大夫』の映像化な訳だ。まあ江戸時代ではないが、時代劇。それも良き生まれのものが奴婢として売られ、そこからの復讐っていう話で正当な勧善懲悪と少しの苦味。 そして圧倒的に白黒なのに美しい美術が素晴らしい。
近松物語
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
江戸の時代の悲恋、といえば近松だ。
身分を超えた悲恋に、その時代の家父長制とか、家を大事にするしきたりへの違和感をビンビンに感じさせつつ、そこの勘違いから生まれた逃避行が恋物語になり、そして
それが悲恋となっていく。
しとやかな獣
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
団地というかマンションの一室を舞台に、全員ロクデナシな一家の下を、彼らの持つトラブルの関係者が訪れていってのらりくらりとしている様子を描くブラックコメディ。
部屋からほとんど出ないで話が進むのに、カメラワークや構図含めて飽きさせない展開とおかしみ。やってくる中でもやはり抜群の美しさと悪どさを見せる若尾文子には脱帽である。
はじまりのうた
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
最初の弾き語りで別に惹かれなかったところで、そこに何度か戻る構成は巧みというより、40分経っても話がひとつも進んでないっていう不満になってしまった。
ただ、そこから先の収録シーンは楽しいし、キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロの距離感といい、バランスの取り方といい完璧に近い出来で、こう複雑な気分になってしまった
イレイザーヘッド
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
超なんじゃこりゃなカルトムービーと聞いていたんだけど、別にそこまで難しい、とまでは思わなかった。
映画を見てる順番がおかしいので、こういう言い方になってしまうが、育児が嫌いだった(あるいは不安だった)細田守ってことだろう。『おおかみこどもの雨と雪』や『未来のミライ』に投影した私小説的な部分が、本作でも同じように、しかしすっごくネガティブに見えるように投影されてるように感じた。
最後の追跡
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
銀行強盗を周到に行う兄弟と、それを追う定年間近のテキサスレンジャー。言うほど追跡はしてない。
銀行強盗が上手くいってる時の良かったことを外してしまったが故に納得の後半の展開だが、実に西部劇らしく、抜いたら終わりを徹底してる。現代になって、便利になって多様性が増したはずなのに、西部劇の時代に取り残されてしまった男たちの哀愁がたまらん。
バーニング 劇場版
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
村上春樹の『納屋を焼く』が原作だと聞いていたので、ちっとも焼かねえな、と思ってしまったが、本当に焼く話ではなく、劇中何度も指摘されるようにメタファーの話だった。
ヘミという昔懐かしの女性に声をかけられてから彼女と彼女とアフリカ旅行で知り合ったベンという男性と3人の関係が始まる訳だが、このベンから感じられる圧倒的な格差感。そして存在を消したヘミ。そもそも本当にこの女はヘミなのか?解決できないモヤモヤを抱えたまま、表向きは解決したように見せることをモヤモヤさせる終わらせ方は一級品。
トレイン・ミッション
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
リーアム・ニーソンとジャウマ・コレット=セラの仲良しコンビ!フライトゲームと何が違うんだコレ!な巻き込まれサスペンス。まあ文句はありながら見てたけど、楽しかったよ!フライト・ゲームよりは下かな、と思ったのでこの点数に。
まあ回りくどいにも程がある陰謀、リーアム・ニーソンだから、という理由以外に信じる理由が無いマイケルの振る舞いは、特にコロナ禍に見てると本当にないわ〜ではある。まあリーアム・ニーソンだからいいんだけどね!
21世紀の女の子
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
若手女優と女性監督によるオムニバス。ひと作品8分しかないので、何日かに分けて見てました。
全体的に舞台調のセリフが多かったりで、どうもハマらないのが多かったが、山中遥子・枝優花の両名の作品は注目すべきものがあったと感じたし、ラストに本作を繋げてくれる山戸結希監督はレベルが一個違う感じはした。
ギルダ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
文法としてはノワールなのかな。その割にはヒロインが美しいだけで、ファム・ファタルって程ではなかったが。
カジノの主人に助けられた主人公が補佐になったが、その妻は元恋人。そこにナチスとの密約が絡んできて人が死んだが…みたいな感じ。
主人公とヒロインの関係がヒロインと夫の関係に重なる感じで描かれてるけど、後半が急すぎて重ねただけな感じ
暗黒への転落
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
ハンフリー・ボガード演じるまあカッコよくてシブい弁護士が不良の弁護をする法廷モノ。
不良美少年の生涯を陳述として語って回想する方式なので、前半は停滞気味だが、証人喚問に向けてのアイドリングで、そっからは法廷モノ定番の証人喚問、酷い検察(あれは自白の強要といっていいのでは)、演説シーンとツボを押さえている
モスラ(1961)
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
正義の怪獣、という新しい概念が持ち込まれたモスラだが、いやー相変わらずよく出来ていると唸らざるにはいられない。
幼虫の大進撃といい、特撮的に破壊の見せ場はいっぱいあるが、だからといってモスラを巨大悪にも見えないようにされた描き方は配慮がみごと。
獄門島
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
横溝正史の原作は当然読んでるし、持ってるんですけど、読んだのもう10年ぐらい前なんですよ。釣鐘のトリックは覚えてたんですけど、犯人が誰かは覚えてなかったので楽しくみれました。
犯人当てをするにはちょっと情報の出し方が足りない感じはあるんですけど、説明になったりして話が進んでないところも飽きない作り方。
編集とか音楽もおどろおどろしくなりすぎず良し。本陣殺人事件とかならもっと怖くて良いけど、獄門島ならこんなもんでしょう!
百日紅 Miss HOKUSAI
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
驚きの美しさ。葛飾北斎の娘、葛飾応為を主人公に化政文化の時代を描いた。
雪が一面に広がり、そこで雪を木の枝に投げるシークエンスなど、目を見張るアニメーションの美しさが炸裂しているところがあり、決して大きな話ではないが着目すべき作品だ。
ただ、短編集のような作りで、大きな一つの流れが何かあるともっと良かった。
ナッシュビル
WATCHA3.0点
Filmarks3.1点
総勢24人ものメインの登場人物がナッシュビルに集っての群像劇。本当の本当に群像劇なので、主軸を置けずに見てしまったので、どうにもついていけなかった。キャラ多すぎるって!
あと、歌のシーンが結構多いので止まってる印象が強い。
内容としては、繰り返し描写されてる選挙の放送。政治と関係ない顔して楽しく音楽だけやってればいいんだ!に対してすっごい皮肉的な感じがした。その辺の考え方は私ととっても近いのは近い
モスラ(1996)
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
さあゴジラシリーズや東宝特撮で語り落とされがちな平成モスラだ!
小さいモスラ、もといフェアリーと敵の騎乗するガルガルとの屋内戦闘は合成っぷりがいいぞ!90年代!って感じだけど、その分デスギドラ復活の特撮、っていうかこれでもかの爆薬火薬の使いっぷりは気持ちがいいったらありゃしない。特技監督の川北紘一渾身の仕事ぶりである。
でもジュブナイルとファミリーに全振りした子ども向けに作っているのにモスラ幼虫が噛まれて液体が出るとか変なところに気合を入れてしまっているのはいいのか。環境問題やメディアの問題なんかも結構強引にぶち込んでるが、まあ戦闘としてはモスラの王道をしっかりやってるんだよねー