抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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客だけ豪華「ザ・フラッシュ」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はザ・フラッシュ。ジェームズ・ガン体制のDCUにいよいよなっていく雰囲気が出てきていますね。雰囲気だけですけど。確か今回DCEUのロゴ出なかったですもんね??あれ、見逃しただけじゃないよね??

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WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

(以下ネタバレ有)

1.豪華客演

 取り敢えずまあなんといってもこの作品の面白いところはマルチバース要素を活用した過去作俳優盛りだくさんの客演でしょう。予告編時点で分かっていたベン・アフレック演じたブルース・ウェインが改変によってマイケル・キートン演じるバットマンとなり(そしてジョージ・クルーニーになる)、ヘンリー・カヴィル演じるカル・エル=スーパーマンは、新要素スーパーガールとしてサッシャ・カジェが演じる。マン・オブ・スティールからメインヴィランゾッド将軍が再登場。そして予告には無かったガル・ガドットワンダーウーマンジェイソン・モモア版アクアマンもポスクレ、実現しなかったニコラス・ケイジ版スーパーマンや、(見ていないからきっとそうなんだろうなと思って書く)クリストファー・リーブ版スーパーマンとか、なんか昔のドラマか映画っぽいコスチュームのフラッシュだったりと、DCのこれまでを全部総括っていう感じで、まさにこれからDCEUはDCUに変わりますよ、のスタートにふさわしい盛り上がりだったのではなかろうか。

 特に、やはり老獪というか、もうマイケル・キートンは完璧といっていい。完全にボケた老人として登場しておいて、バリー・アレンによってもういっちょやったりますかと気合を入れた上でここが死に場所と定めてつっこんでいく覚悟の決まり方。なんも戻せなかったと死を嘆くバリーに、君は戻してくれたといやいやこんなん最高じゃあないですか、っていう見せ方でした。いっちばんおいしい。サッシャ・カジェ演じたスーパーガールもクリプトン人が出てきたらフラッシュ要らないだろ、的なところに絶妙に手の届く怒り方でこの人の演じるスーパーガールはもっと見たいな、と思わせてくれました。でも確定してるDCUの映画スーパーガールに彼女起用したらそれはそれでややこしいな。

2.過去改変ものとして最悪

 とまあ、客演の豪華さを褒めてはみましたが、基本的にそれらはまやかしだと思います。いいですか、気に入らなかったとはいえ、スパイダーマンNWHでは、トムホピーターが成長するメンターとしてしっかり機能したうえで、マルチバースで過去作を救う試みまでしているのに、この作品ではこの客演連中みんな本当にただの客演。始まってから終わるまでにバリー・アレンは何にも成長していない。

 期待しているのは、スーパーマンがいないなかで、老いたバットマン、目覚めたばかりのスーパーガールにフラッシュ×2で一体どうやってゾッド将軍に勝つのか、勝ったうえでそれじゃダメだ、過去を変えてもしょうがない、をどうやるのか、なのにまさかの勝てませんでした、な上に過去を変えるのはダメ、喪失を受け入れる…けどお父さんの無実の為にちょっとだけやっぱ過去改変しまーす、だもの。そりゃブルース・ウェインジョージ・クルーニーに変わるって。なーんにも反省していない。ほんのちょっとも変えんな、ってことじゃなかったんかい。

 ということで、過去の時間に戻ってバリー・アレンは色んな人に会いましたが、それらの出会いが結局彼の成長に寄与することはありませんでした、ということになる。じゃあなんだったんだよ、マン・オブ・スティール時間軸で助けられなかった親子の父の話。別に助けなおすわけでもなく世界ごと滅ぼすのに。ちまちまこのアースのバリー・アレンに教え込んでフラッシュというヒーローは一体何が出来るんだ、という説明をしてくれる割にその経験はちっとも生かされなかった。っていうか、なんなら教える側に立つことで彼が成熟しているかのような印象すら与えようとしていて完全に失敗していると思う。ジャスティス・リーグから成長しているようにも見えるが、単に単独作を作るにあたって原作要素をいっぱい入れました、にしか見えない。そうなってくると、エズラ・ミラーもそうなんじゃない?これのプレミア出てきてたけど大丈夫?と作品外の文脈まで考えだしてしまう。マイケル・キートンバットガールでも見たかったな…