どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
なんだかすっかり映画館に行っていない気がします。いや、行っていないのではないのだが。ブログにする気力があんまりないんですかねぇ。9月に鑑賞した過去作は17作品です。
AVA/エヴァ
WATCHA3.0点
Filmarks2.8点
ジェシカ・チャステインは好きなので擁護したいのだが、どうにもアクションのレベルとしてとても高いわけではなく、不必要にしか思えない家族の問題が組織から命を狙われる話と並行してしまってしかもクロスしないためどーでもええわ!となってしまう。
アイヌモシリ
WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
伝統と自己、そして社会。
阿寒にあるアイヌの村アイヌコタンを舞台に少年のアイデンティティをめぐる葛藤の作品。
中心にあるのはイヨマンテと呼ばれる儀式で、神たる仔熊を飼育し、殺すことで神の国に飼育された時の良き思い出を持ち帰ってもらい、また神が熊や梟となって降り立つ、というもの。狩猟採集民族における豊穣の儀式だ。
だが、現代において殺されると分かっている動物の飼育は、畜産業では許されても宗教行事としては許され難いのが実情。貨幣経済に溶け込み、自分たちをアイヌとして売り込んで観光資源にしている彼らにとって、社会規範と(それが最早自分たちの中からのものでなくても)先祖からの伝統との天秤は難しい。
これが主人公となる子ども世代となるともっと難しい。簡単に世界と繋がれる時代に伝統や文化で縛ることは難しく、それでも彼は家庭の問題含め悩んでいく。
安易な世代間対立に落とし込むこともなく、しかし田舎の持つ地獄感を想起させる普遍性を持ち、その上で、実はアイヌの方々をアイヌでいなければならないと思わせてしまうのは現代社会の我々の方の問題なのでは?とも思わせる作品だった。
最後に、本作においてはアイヌがアイヌを演じている。この作品を見る上で大きな助けとなったゴールデンカムイの実写版においてもある程度それが実現することを願う。
ミッドナイト・スペシャル
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
これは良いSFだ。ジェフ・ニコルズ、改めて信頼できる。
何やら怪しい"牧場"なる集団、ゴーグルをつけた子供を連れた誘拐犯の白人2人組。
ゴーグルをつけた子は、陽の光に弱く、能力を持っている。預言者のように彼を扱いつつ、明らかにおかしい熱をもった父親をテイク・シェルターよりは優しそうなマイケル・シャノンが演じれば、彼に頼られた困りきってるけど強めなジョエル・エドガートンに、魅入られる追うものアダム・ドライバー。顔が強い!芝居がうまい!
誘拐犯として報道されながらも、確かに子に対する愛を感じると共に、明らかにおかしい存在への畏敬も。
子離れの話でもあるとは思うんだけど、文字通りのSFとして受け取っても抜群に面白い。
我は神なり
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
ダムに沈む予定の村。そこに久しぶりに男が帰ると、その村は牧師と名乗る男の宗教的な支配下にあった。
そこの宗教の長老が指名手配された詐欺師だと気づいた男は、警察やかつての仲間に訴えるも、聞いてもらえない…。
俺だけが真実に気付いているのに、系の韓国映画っぽい作りではあるが、主人公が帰郷初手で娘の進学資金に勝手に手をつけて賭け事とかいうクズムーブ、全般的にざまあみろという不快感が拭えない。
宗教で命は救えないが、じゃあそれは詐欺なのか。たまたま世間を騒がさせている宗教問題を意識するタイミングでの鑑賞となった。こいつサタンとか言ってるし。
コップランド
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
警官たちが多く住まう町、それがコップランド。
組織っていうのは大概腐敗するとフィクションで学んでいる僕らは、こーれは碌なことにならんだろう、と予想するとだいたいその通り碌なことにならなくて、それをスタローンが打破する話である。
正直に言ってしまえば、誰を信じていいのか分からないサスペンス的な魅力はなく、スタローンの兄貴もっとド派手にやっちゃってくださいよ、と言いたくなるが、これは謎を解き明かす話ではなく1人の男の正義と矜持の物語なので着火するまで時間はかかるし、信じるもクソも自分のやる気次第でなんとかなっちゃうものなのだ。
燃ゆる女の肖像
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
肖像画。相手を見て描くものだが、モデルと正対することで画家自らもまた見られている。
家父長制に縛られる中世において、箱庭空間のような島を舞台に見ている、焦がれていると思っていたら…な展開とメッセージはとても上手かったと思う。
ただ、今日のコンディションで見るには私が悪かったか。あまりに静的で話も薄く積み重ねられていくそのスピードに我慢が足りず。最後の演奏は完全に不協和音だった。またいつか、出来れば集中が無限に出来そうなスクリーンで見て改めたい。
ジョンQ 最後の決断
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
貧困層のデンゼル・ワシントンが病院で立て篭もりを起こす。その原因は息子の心臓移植。入っていた保険が適用されずお金が足りない。
アメリカの保険制度への批判がメインテーマとなっているなかで、病院で人質になったものたちの姿でどんな人間にも平等に訪れる病や怪我、しかしそこへの医療は平等なのかと問いかける。
民衆の熱狂とメディアは「狼たちの午後」を思い出したり。
ただ、これだけ踏み込んで倫理より感情、息子の命第一、でやったのだからバッドエンドの方が良かったと思う。それでこそ投げかけるものがあるのではないだろうか。医療ドラマを見過ぎた現代日本の我々には、劇的ではあるが随分と都合が良すぎる。
トマホーク ガンマンvs食人族
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
ガンマンvs食人族とかいいながら、そんな対戦カードは非常に短い。デンジャラス・プリズンも刑務所に入るまでめちゃくちゃ長かった。
つまり本質は西部劇における未開部族との戦いではなく、キャッチーにする要因だったのだろう。
そこにあるのは男たちのメンツへの飽くなき欲求だ。夫として、男として、保安官として、補佐官として。自分が信じている矜持やメンツが全く通じない相手に対して、それを証明するために戦う。人命救助なんてどうだっていいのさ。
でも西部劇ってそういうもんだろ?
だから食人族が銃火器をマスターしようとしたり、薬品を飲んだ上で危険と認識するシーンは実にスリリングだ。彼らを野蛮だの蛮族だの差別化しているからこそ、同じ土俵に立ち得る、という事実は彼らにとって致命的なのだ
沈まない3つの家
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
喪失を抱える3つの家についての物語をオムニバス的ではあるが、一応全部繋がった形として描く。
特に1軒目の姉妹が離婚した両親のどちらについていくのかを決める話は、家族という形が法的には解散しても残るのでは?という希望的な問いかけに見えて良かった。2軒目は、太腿を触るという代償行為を、乗り越えた後もやっててちょっと気持ち悪かった。
藍色夏恋
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
グイ・ルンメイみたいな美人な子が友達の代わりに告白するっていう話だと思ったら若き日のグイ・ルンメイだった。
最近だとハーフ・オブ・イットなんかを思い出す代筆ラブストーリーだけど、ひと夏の恋物語で苦くて甘くて切ない良い作品だった
ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
とにかくナレーションとかそういうの無いタイプの疲れるドキュメンタリーでした。それでこの長時間!映画館の方が絶対にいいやつ。
さて、てっきりニューヨーク公共図書館という1つの図書館を扱って、もっとレファレンス業務とか知の結晶としての図書館の話かと思ったら、分館がたっくさんあってそれぞれ追ってるから長くなったな、という印象。もっと本館の話を見たかったというのが正直なところ。ただ、日本の図書館以上に公共のインフラとして、重要な社会資本としての図書館の意義が語られる。公共であることの意義とお金の難しさ、図書館にこれだけの役割意識を持たせるお金の使い方を日本はしているだろうか。
ワールド・オブ・ライズ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
レオナルド・ディカプリオが中東を舞台にCIAします!っていう感じでしかなかった。
基本的に地元で日常の中でディカプリオを駒としてしか扱わず面倒な指示を出しまくるラッセル・クロウにヘイトが貯まる感じでありながら、現地の作戦はまた別で動いていて中間管理職の悲哀っていう、スパイ映画のドキドキみたいなものは皆無だった。
奴らを高く吊るせ!
WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
吊るされるイーストウッド!その瞬間でるイーストウッドの名前とタイトルが赤字でぎゃーん!はい好き!!これがマカロニウエスタンから帰ってきたイーストウッド凱旋の瞬間である。タイトルより先に自分の名前出すあたり、この人は…と苦笑いしたくなる。
とまあ続荒野の用心棒級に好きなオープニングだったが、本筋がまた渋い。イーストウッドは吊るされたところを助けられるが、その復讐を行う過程で保安官となり、人を吊るす行為に対峙し続けることになる。捕まえれば死刑になることがわかっていて捕まえるほどのことなのか。吊るす主体は、逮捕した保安官か、十分とは言えぬ法治機構か、瞬間の執行人か、それとも見学で熱狂する見物人たちか。
それでもイーストウッドは馬を駈ける。その姿にダーティハリーを重ねない映画ファンはいないのではなかろうか。
ショーシャンクの空に
WATCHA4.5点
Filmarks4.5点
いやー名作って面白いんですよね。
なんかこう好きな映画を訊かれた人が人がショーシャンク!って答えると若干下に見られるというか、あーそういう感じね、みたいなムーブがあると理解していた中で、いやでも見たことないからなぁ…と肩身の狭い思いをしていましたがついに卒業です。
ジャンル的には刑務所映画、まあ原作が『刑務所のリタ・ヘイワース』だからそりゃそうだ。懐かしの『ギルダ』が流れたりと、厳しい刑務所ライフというよりは、悪いこともあるけど良いこともある感じの生活。そんな中で、自身の技能と根性で図書室の拡張やら、会計係やら刑務所の中での地位と信頼を勝ち得ていって、と進む終盤。
お見事!というか、ざまぁ!というかそういう展開。2時間20分だと長いかな?というイメージかもしれないですが劇中時間の経過はそれを遥かに超えるのでこれはもっと長くてもよかった。本当に冤罪なのか?と見終わっても疑ってる私は性悪かしら
ヒート
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
長い。長すぎた。ってことは映画館案件だったんだろうなー
たしかに非常に有名な銃撃シーンの一連は納得の素晴らしさと緊迫感があった。だが、逆にそこで一気に緊張がきてしまってあとはもう弛むだけだった。
個人的には追う・追われる関係はもっと会話が無い方が燃えるんですよね。表向きは職務を遂行することしかしてないのに、確かに2人は通じ合っている、だから闘うしかない。そういうのが欲しい。お前を捕まえたく無いとか、そういうのいらない。
mellow
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
今泉劇場の真骨頂、なんか居合わせる痴話喧嘩、を淡めというか緩めに置いておく感じのお話。
田中圭がモテる役として、彼を好きだという人の告白にその人を好きな人が付き添う場面を繰り返し、何かを突然ぽっかり無かったことにするぐらいならちゃんとあったことを伝えることの大事さ描く。でもだったらなー、最後はちゃんと面と向かって欲しいよなぁ。
きっかけになった夫婦のとこも放っておかれてる感が否めない
風の電話
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
東日本大震災で被災した女子高生が、唯一残った肉親の叔母が倒れたことで、広島から大槌まで向かうお話。
喪失を如何に受け入れて生を肯定するかは、東日本大震災を題材にする上ではまず扱わなければならないものだ。
とはいえ、一連で多くの人の助けを得て彼女が生きててもいいんだと思える流れは良かったが、だとすればそれは大槌に着いて達成されるもので、一旦の到達を経ての急遽知った風の電話での吐露はどこかズレているように思える。その段階では既に折り合っているから年下に接する態度になる訳だろう?
あと長回ししときゃいいってもんでもねえと思う