抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

見る順番で結末が変わるらしい「君を愛したひとりの僕へ」「僕が愛したすべての君へ」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はやっべー匂いしかしない謎の2本立て。などと思っていましたが、TikTokでバズった小説の映画化をしただけなので別にそんなにヤバくはない。なんか申し訳ない。200館規模でやってるし。

1. 君を愛したひとりの僕へ

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WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 そうですね、アニメーションとしては顔がイマイチ…。暦くんの顔がホームベースすぎるように思えた。うーん、気にならない作品では気にならないんだが。制作はトムスエンターテイメントの第6スタジオ。第6ってどんなもんなんやろ。序盤子どもの頃の託児室?のところとか、床とか顔を映さないでカメラ移動だけのシーンが多かったあたり察するところはある。でも20分はもっこの作品流してるのに察されていては…。

 さて、内容としては平行世界とか、虚質科学とか、もつれとか、半径とか言ってるけどまあシュタゲよ。栞と出会った世界では栞の事故に収束するからその出来事より前にタイムトラベルして無かったことにする、未来を書き換える話。まあ事故った世界も存在するので、完全な自己満足ではある。冒頭でこの並行世界を泡に例えていたけど、泡は別に乗り移っただけで消えないからね。

 さて、演技的には、橋本愛のビールを飲み干す演技とか、宮澤氷魚の全般だとかは物足りないが、まあ芸能人声優だし…の範疇、かしら。蒔田彩珠は個人的には気にならなかった。

 あ、でも馬鹿みたいにちゃんと浮力を失うエンドロール、世界線分岐の話で映るY字交差点や線路、嫌いじゃ無いです。

2.僕が愛したすべての君へ

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WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 君愛では時間移動を目指す話だったんだけど、本作はシンプル並行世界の話。そのため、暦くんが一人の人生を生きていくよーって感じ。こっちが並行世界の話なので、なんだったら君愛の話が結構な特異点だったようにすら思えますね。

 よく知らなかったので、割とびっくりしたんですけど、ヒロインは蒔田彩珠から橋本愛に交代。なんかよくわかんないままに流れてた青春っぽいところがちゃんと流れました。橋本愛は大好きなので、基本的に彼女がしゃべっている時はルンルンなのですが、その中でも特に好きなのは不機嫌な演技をしている時の橋本愛という特殊性癖人間なので、今回のデレが少ない和音というヒロインはとても良く、そんで途中から母親になって子どもをあやす橋本愛、違う世界線から来て子どもを誘拐しようとする橋本愛など、盛り沢山で大変ご機嫌。一方で、こっちはあまりにも暦くんのナレーションとか、モノローグが多く、宮沢氷魚の声の演技は抜群とは言えないのでそこはノイズに。

 まあね、根本で言っちゃうと、ストレンジの後では並行世界の話はつまらん。所詮並行世界って言ってもお前ら人間だったじゃん。こっちはペンキになった世界とかまで見せられてんのよね、半年の半径で。

3.どちらから見てもの試み

 はっきり言って、どっちから見てもいいですよ?っていう面白い試みを仕掛けている作品ですが、どう考えても君愛から一択です。頭の中で言葉の置き換えが出来るのであればいいですが、そうでないならSF的な設定の飲み込みをして頑張って僕愛でしたのに、君愛で懇切丁寧にされるという可哀想な目に遭います。君愛は子どもに教えてる体だからね、仕方ないね。

 とはいえですね、90分強の尺のうち、多分20分ぐらいは互いの作品を流してるのがもうはっきり邪魔ですね。70分尺×2本で全然問題ないんですよ。並行世界とか、無かったかもしれない世界とか、そういう話をしているんだからぜーんぶ説明するんじゃなくて、余白を残しておいてその余白を2本見ることで脳内で完成できる、という仕組みになっていれば凄く感心できたのにな、と思います。結果として単体としては怒るほどじゃあないSF映画(『君は彼方』ぐらいを想像していたので遥かに良い)が2本出来たのに、セットではちょっと怒りたくなる出来栄えに。

 両監督が悪いというよりも、その上の両作品にまたがる作品プロデューサーとか、企画担当の人たちがそこを省く決断が出来ないと。でもそれって電通やら東映なんだよな、多分。日本のエンタメの割と真ん中の人たちがそういう感覚なら結構つらいな…。