抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

お家騒動って面白そうでつまんないよね「ハウス・オブ・グッチ」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 アカデミー賞がらみの映画がバンバン公開され始めています。今回はアカデミー賞主演女優賞のノミネートは確実と言われているレディー・ガガ主演作品。俳優組合の賞で『スペンサー』のクリステン・スチュワートが落選する事態になったので、個人的な本命が一気に脱落する困った事態。まさかのレディー・ガガ受賞もあるやもしれませぬ。

House Of Gucci

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

(以下ネタバレ有)

 

1.グッチと結婚した女

 本作の主人公的立ち位置はパトリツィア・レッジャーニ。演じるのはレディー・ガガ。お見事。彼女が射止めたのはアダム・ドライバー演じるグッチ家の御子息マウリツィオで、そこからアル・パチーノやらジャレッド・レトやらジェレミー・アイアンズやらの率いるグッチ・ファミリーと関わっていくよーってお話でございます。

 端的に言ってしまえば、完全にブランドとか服飾とかね、興味ないんですよね。人にあーだーこーだ言われることさえ無いのであれば、別に服着なくてもいいぐらいの勢いです。あ、防寒とかそういうのは別ね。オシャレとかより健康重視です。っていうかお洒落度外視です。いやほんと、リドリー・スコットが監督してなかったら配信まで待ちますよ。しかも160分だし。なっが。最近長い大作増えすぎでねぇか。ヴェノムを見習え、ヴェノムを。

 という訳でね、マウリツィオがグッチ家を捨てて、愛に生きている時期から父親と和解するぐらいまでの流れは面白かったんですよ。お父さん爆速で病気になって次のカットで死んでるし。まあここが見事に転換期だと思います。マウリツィオが始めは自分で運転し、デートもバイクの2ケツで前で運転していたし、伯父・パチーノから招かれたパーティにもアダム・ドライバー・ドライバー状態でやってきていた訳です。ところが、お父さんが病気と聞いて会いに行くところでは運転はパトリツィアに代わっている。彼の人生を誰がコントロールしているか、っていうことで、だから当然、離婚に向けたプロセスが始まりかける財務警察からの逃亡でアダム・ドライバー・ドライバーはまたもバイクでシングル・ドライバーになっている。

 でもこの辺から、いや、思い出してみたら全体的にそうなんですけど、マウリツィオがパトリツィアにかけられた呪いを解呪していく感じでいくのに、そもそもパトリツィアにグッチ家を乗っ取ってやる感がない。マウリツィオ、コントロールされてた側みたいな感じに見えるけど、結局はあんたも共同主体だったように見えた。その結果、良く知らんうちになんか解呪が始まってるように見えるし、その原因も浮気によるもの、(本当はそうではないっていうのは分かるんですが)にも見えてしまう。別居しだしてからは、2人の関係性の話より、グッチの行く末の方がメインになってる感じがしてどんどん興味が薄れていきました。暗殺がオチに来るんだったら、早めに殺してあの裁判シーンとかを長めにやってくれてパトリツィアの演説で終わる方が私は好みです。それにほら、なんか似た流れを最近みませんでした?最近でもないか、大塚家具のお家騒動とか結構似た構造に見えました。はい。そんなところを前半と比較してスローダウンして見せられても面白くないです。

 勿論、どんどん「グッチと結婚した女」になっていくレディー・ガガは見事ですし、一目見た瞬間から印象が変わらないまま演じきれるジャレッド・レトはやばいと思います。そういう演技点はパーフェクトに近いのでは。