抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2020年8月に見た過去作の記録

  どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

  さて、8月に見た旧作の振り返りとなります。先月は19本!そのうち、パトレイバーは初見とはいえ4DXなので別物かも?また、新海作品は下北沢トリウッドでの鑑賞でした。

 

嘆きのピエタ

嘆きのピエタ(字幕)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 初めに。キム・ギドク監督作は初鑑賞ですが、幻冬舎箕輪厚介さんやアップリンク浅井隆さん、松江哲明さんなどと同様にモヤモヤするものを抱えたままではあります。ただ、そうするとポランスキー監督もジョン・ラセターも全部見れなくなってしまうので、ここではそれを念頭に置いた上で映画は映画として話します。

 悪魔を悪魔のまま殺してもそれは桃太郎でしかなくて、人並みに改心させてから殺した方が絶望は高まる。本当にいやーなタイプのストーリー。
 前半で血も涙も無い借金回収を見せておいて、後半それによってもたらされた悲劇をいちいち直視していくことになるガンドは、因果応報だが可哀想でもある。だから、母を名乗るコイツの正体が誰でも構わなくて、彼女を母と信じたガンドが地獄めぐりをしているときの表情それだけでお釣りがくる。

ヤング・アダルト・ニューヨーク

ヤング・アダルト・ニューヨーク(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 油断すると価値観が違うのに固執しちゃうね、年相応だといいね!って感じだけど、そもそも今回問題になる夫婦の話し合いは自明の課題というか、コミュニケート自体の問題だからなー。90分かけて解決する課題じゃ無い気がした。そんで解決策が報われないアフリカから養子迎えます!ってのが、なんか凄いムカついたというか。いや、やらない善よりやる偽善だとは思うんですけど、ドキュメンタリーとか撮ってる体の男が成長して得る結論がそれでいいの?と思っちゃいました。

 アダム・ドライバーは軽妙でウザい。良い。

機動警察パトレイバー THE MOVIE

機動警察パトレイバー 劇場版 [Blu-ray]

 WATCHA5.0点

Filmarks4.9点

 まずしっかり世界観を提示するオープニング、そこから特車二課のキャラも一撃でわからせてからは、拡大する都市と機械化していく未来への希望と警鐘をこめた捜査ものに。レイバーの時代に足で下町を回って帆場の想いを読み取る捜査課のパートがまたいい味を出している。21世紀へのまだみぬ期待と、ノストラダムス的終末観も感じさせる。
 そこからは見えない相手の勝負であり、影に隠れた英雄たちの戦いに。暴風雨からの朝日は最高に気分がいい。
 また、4DXで鑑賞したが、これは完全に4DX案件では!衝撃や銃撃に合わせる振動、そして何より暴風雨の中の作戦を一緒に濡れながらの共闘は自分も特車二課になったかのような気分。

 まずは冒頭、脱走したレイバーとのバトル、ここでは見事に自分が脱走した側かのような銃撃の風圧が身を揺らす。眩しい閃光がたまらない。

 そして、取り敢えずの特車二課の出動シーン。明確な出動描写はここだけだったと思うが、もうここが凄い!車からウィーンと起動するパトレイバー!そして歓声を上げる人々!ああ最高。

 現在となるともう基礎知識が入っているため、OSに仕込まれたバックドア的なウィルスによる大規模テロという設定も当時の先進性を感じる。

 そこに絡められる聖書のモチーフ。バベル、エホバ、6本柱の方舟。ITの知識が既有になった現在では、こっちの方を考えながらエンタメで見れる。

ゲット・アウト

ゲット・アウト(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

 上手すぎて引くレベルの脚本。よく考えつくわ、こんなん。

 ただカップルが実家に行って、その2日間の内容だけなのにとてつもなくサスペンスフルで面白い。まあ、その実家が生きながらえるために黒人の身体を乗っ取っていたという恐怖はあるが。

 とにかくずっと笑顔の使用人チームが不気味だし、普通の会話のはずなのに家に着いてからの会話がずっと不穏。

 あと、こんなに怖いビンゴの使い方が今まであっただろうか。なんでこんなん思いつくんだ。白いシェービングクリームでのひげそりすら意味深に感じるが、一方でいよいよという緊迫の展開で友人が警察で大真面目に相談するシーン挟んで緩和してくるのとかは、非常にずるい、というか計算されすぎ。

 ラスト、警察車両が着いた瞬間に放った"Help"の言葉で、ああこうやって黒人はたくさんの冤罪を受けてきたのだろうな、という最も胸糞なシーンでもあった。"Get out"も言われ続けてるんだろう…

 とはいえ、あの家において黒人をああいう風にする合理性は特に感じなかったし、来客時とはいえジジババを使用人としてこき使う形になっているあたり、なんか微妙な感じを受ける。

 盲目の画商は見えないから差別しない、みたいなパターンだと思ったら全員邪悪で夢も希望も無かったね。

ドラえもんのび太の恐竜 

映画ドラえもん のび太の恐竜

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 ドラえもん映画第1弾!まだテレビシリーズの延長感はあるが、のび太の自立が凄い。ジャイアンはまだいい奴にはなってないかな。
 かなりいろんなひみつ道具を駆使する割にタイムマシンが壊れたらダメというとこを使って無理やり冒険させているようには感じたし、道中はピー助がスモールライトで小さくなってるので単なる移動になってしまってる。

スモールフット

スモールフット(吹替版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 イエティと人間。二つの世界の交わりを描く。

 そこに悪人はおらず、優しさの食い違いとよく知らないことによる恐怖がある。互いが互いにとっての希少種であることを伝えつつ、信仰ではない部分にアイデンティティを持てるようになる非常に教育的な寓話。

 無知は幸せだが、好奇心は恐怖に勝る。

彼女と彼女の猫-There standing points-

「彼女と彼女の猫 -Everything Flows-」完全版(Blu-ray)

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 猫の視点で人間を見る。

 最初の短編にして、新海誠の作家性がみえる。猫と人間の時点でそこには超えられない壁のある愛がある。

 まだアニメーションより紙芝居が近い気もするが、それも味。

ほしのこえ

ほしのこえ

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 とにかく美麗な背景、雲。降りまくる雨と雪。

 想いが時間も空間も超える。新海誠のエッセンスの凝縮度合いがとても高い。
ただ、エヴァっぽすぎる気がするコクピットガンダム感のあるロボは魅力に欠け、戦闘面の描写は決して見やすいとは思わなかった。これより先、どんどん距離を調整しながら日常の想いにフォーカスしつつ、適度にこれのリベンジをしてるのかな、と思う。

俺たちに明日はない

俺たちに明日はない (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 カントリー調の音楽がちっとも悲愴さを感じさせない悪党もの。ニューシネマの先駆けとなったエンディングはあまりにも有名。
ボニクラの魅力的なバディ感も良かったが、クライドの男性としての不能や、ボニーのクライドとの出会いによって広がる世界の感じ方が非常に秀逸だった。これによって、ネトフリオリジナル作品「ザ・テキサスレンジャーズ」でこれでもかと遅れてしまった男性性を際立たせて描いていたのも納得である。

Mr.&Mrs.スミス

Mr.& Mrs.スミス (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.8点

 夫婦喧嘩は犬も食わない。

 互いにスパイであることを隠して結婚したアンジーとブラピが仮面夫婦から本当の夫婦になれる物語。

 互いに夫婦を演じている段階ではバレるバレないの面白さ、中盤の自宅損壊バトルは愉快で、最後はこれぞアクション娯楽作品!という感じでやりたい放題。たのしい。完全にコメディとして観ましょうね。

 あと多分全人類が太腿にガーターリング?して拳銃やらナイフやら隠してるのって大好きだよね。だよね?

コララインとボタンの魔女

コララインとボタンの魔女 (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 ライカストップモーションアニメ。まあ当然流石の技術点。ストップモーションでダークファンタジーをビシッと合わせてくる、しかも目にボタン…。

 でも全体的に話の進みが遅い。抜け出すための試練が軽い。

 あとはダコタ・ファニングのNo!!!がめっちゃ良かった。

ジェシー・ジェームズの暗殺

ジェシー・ジェームズの暗殺 (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 ジェシージェームズではなく、彼を殺した男たちの物語。

 西部のアウトローで、鼠小僧的に富める者から奪い、貧しい者に与えて大衆的に人気を博したというジェシー・ジェームズだが、この映画ではそんなところを感じなかった。ただただブラピが暗く病んでいるだけだ。もっとそこのアップダウンが欲しかった。

 あとは西部劇なのにちっとも乾いてない。でもコルブッチのようなジメジメでもなく、ねっとり嫌な感じの湿り方。陰湿の方が近いかもしれない。

映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生

映画ドラえもん 新・のび太の日本誕生

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 うーん、旧作も見てないので改変なのか前からなのか分からんがイマイチ。

 タイムパトロールの絡む時間の話になるのは理解できるのだが、そうなると悪役以上に時間犯罪な気がする勝手な日本移住や道具使用、のび太の想像力で生まれてしまう架空の生き物たちも、そりゃそうだろ、としか思わない結果に。亜空間なんとか装置を起動する理由も弱いし、全体的に結末のために動いているところが多い。

COP CAR

COP CAR/コップ・カー(字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 家出少年2人が空のパトカーを盗んだら、持ち主の警察官が追いかけてくる…という話だと理解していたが、思ったより浅かった。車を盗んだ軽めなスタンドバイミー。

 警官の悪徳さがもっと映えてもいいだろうし、そこを使ってのアクションももっと欲しかった。クソガキ感が強くなりすぎたかなー。

名探偵コナン 紺青の拳

劇場版名探偵コナン 紺青の拳 (豪華盤) (BD+DVD2枚組) [Blu-ray]

WATCHA3.0点

Filmarks3.1点

 うーん、シンガポールぶっ壊したい、というかマーライオンの口から赤いのを吹き出させたかっただけでシンガポールになった気がしてならない。それほどまでに雑な出入国管理。

 そして謎のマインドコントロールを受けて戦えなくなる京極さん。強すぎて持て余すなら出すな、としか言えない。

 他にも、視聴者は知っていても当人たちは知らないことがいつのまにか共通理解になってたり、そもそも犯人側の計画の杜撰さ、偶然の頼り方がどうかしてる。いくらコナンでも酷い。別にアクション方向はいくら荒唐無稽でもいいし、派手なら派手なりに楽しいんだけど、明らかにミステリの部分が年々弱くなってる。

 折角キッドが出ても、新一として出続けなくちゃいけないので、そっちで謎は引っ張れないし…

モアナと伝説の海

モアナと伝説の海 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 ミュージカルしながら思ったよりアドベンチャー映画だった。珊瑚を超えるな、からのあっさり超えるのにはびっくりしたが、なんでもありな釣り針と最終兵器海があるのでそんなに苦戦も感じず。いや、モーゼ出来るなら最初からしなさいよ、と。海が助けるルールや場面が曖昧で結局船から落とす天丼がいちばん生きてたのが残念。我愛羅の絶対防御ぐらいしてほしい。まあ単純に守鶴が好きすぎるのは否めない。あれはロマンだ。

 途中ディズニー映画やプリンセスを相対化しようとしてはいたが、意外とその枠にハマってしまった印象。あと少しジャンプっぽいかね

スナッチ

スナッチ (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 ガイ・リッチー!って感じが凄いスタイリッシュな演出が光るノワールコメディって感じ。ダイヤモンドを盗む冒頭の鮮やかさ、そしてダイヤとボクシングの八百長を巡る小悪党たちの右往左往が痛快でたまらない。その中でかなりの存在感を見せる不死のトニーのあっけなさもまたこの映画での命の軽さを思い知らせる。

 語り部となるステイサムも良かったし、ブラピはホントに何言ってるのか分かんなかった。そしてカッコ良かった

パコと魔法の絵本

パコと魔法の絵本

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 超豪華キャストで中島哲也のポップさが強すぎるレベルででいて癖が凄い。ただ、この作品においては当時の全力CGとかとも相性が良く、大仰な語り口に寒目なギャグなのにどこか見ていられる。

 話としてはそんなに捻りもないし、キャラがかなり類型的で深みもないが、それもポップさとはかなり相性がいい。

ゴーストライダー2

ゴースト・ライダー2 (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ゴーストライダーの造形はご存知でしょ?という具合に設定は飲み込ませておいて、結構前作からチェンジしてる本作。褒められた作品じゃないとは思う。CGももっと出来る気がするし、アクションの撮り方は確実に上手くない。

 でもさ、乗ったら何でも炎に包まれて兵器と化すゴーストライダーが最高にカッコいいし、守る為のダークヒーロー。ヒーロー映画としては十分だと思うんですよ。あの炎の掘削車見て燃えないヤツいないっしょ!