抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ワニは二度死ぬ「100日間生きたワニ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 そもそも原作のムーブメントにも1秒も追いついていない人間です。さてどうなる。

映画「100日間生きたワニ」オリジナル・サウンドトラック

WATCHA2.5点

Filmarks2.7点

(以下ネタバレ有)

 

1.コントロールされていない画面にがっかり

 シンプルにアニメーションとしてがっかりですよね。まず冒頭で見せられる、フリとしてのワニが死ぬ当日、花見のシーン。こんなに動かないのか、という思いもですが、エフェクトで降らせてる桜と劇中の桜に描写の差がありすぎて、かつてのflashアニメーションでも見ているかのような気分に。これは、この後の雨の描写でも同じように感じましたね。路面がちっとも濡れてないんだもん。っていうか、花見のシーンは冒頭とまるで何も変えずに再放送してましたね。うっそだろ。

 キャラクターも口と瞬き中心にしか動かないですが、まあそれは言われているほどは気にならず。むしろ、一枚絵をカメラをパンしたり、ズームするだけで動いている風にしている箇所の方が気になりました。場面転換ほぼこれでしたもんね。それで誤魔化そうっていうのは虫が良すぎるって。

 あとは、どうしても気になるのが衣服問題。ワニだけ常に上裸…と思ったら、一回だけ赤いセーター着てた。故に、じゃあ普段は本当に上裸じゃん、ってなって意味が分からないし、雨の中は裸足で歩くのに、バイクに乗るなら靴を履く、みたいな靴の描写も気になる。靴はどのキャラも履いたり履かなかったりで、本当に統一性が無い。細かいことかもしれませんが、全体を通して考えてる人がいないのだろう、と思わせてしまうとっても残念な要素です。

2.ただの代替物であるネズミ

 そうはいっても前半はダイジェスト。後半はオリジナル要素ですからね、カメ止めは後半の回収力で持って行きましたから、上田監督頼みますよ、と思っていたのもあれあれという間に進んでいき、どこから面白くなるんだろう、と思っていたら終わりました。え。

 後半は、ワニの死以降疎遠になっていた彼らに、新規転居者してカエルが絡んでいくことで、ワニの死を受け止めて、カエルが彼らを繋ぎなおす、みたいな感じを描いているとは思うんですが。思うんですが。

 本作では、結果的に、ワニが喪失ではなく、乗り越えるべきトラウマとしての存在になってしまっている。終わり方がワニのことを完全に受け止める、というよりも忘れて代わりに同じような経験をしたカエルってやつを据えればいいや、という感じなので、完全にカエルは代替物だし、ワニは思い出されることもないでしょう。いや、それでいいんですかね。それともあれですか、『100日間生きたワニ』っていうのは、死後100日で忘れ去られてしまうことを示唆してるんですか。それならこの話思いっきり悲劇だと思うんですけど、それでいいですかね。