抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2020年上半期配信映画「グレイス-消えゆく幸せ-」「アンカット・ダイヤモンド」「マクマホン・ファイル」「スペンサー・コンフィデンシャル」「ロストガールズ」「ウルトラス」「その住人たちは」「ブレスラウの凶禍」「狩りの時間」「タイラー・レイク-命の奪還-」「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」「ザ・ファイブ・ブラッズ」「ヴァスト・オブ・ナイト」「泣きたい私は猫をかぶる」「WASPネットワーク」

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 緊急事態宣言中は映画館には行かないようにしよう、と思っている訳ですが延長っぽい空気も出てきて困っております。

 何より困るのはブログの種!新作映画を見たら書く!を信条でやってるので映画館にいけないと書けない!しかし、あまりに途絶すると習慣が消えそうでこれまた困る!

 そんなときに役に立つのが、本来旧年中に出しておかないといけなかったこちら!配信映画の感想まとめです!タイラー・レイクとか泣きたい私は猫をかぶる、なんかはリリースされてすぐ見ていたんですが、リストにいれっぱだったやつを消化しました。結構拾い物ありますよ。そして多国籍軍

 なお、アマプラオリジナルも入ってきたので、タイトルが昨年までのNetflix映画から配信映画に改題され、過去記事も合わせて変えております。

 

グレイス-消えゆく幸せ-

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 裁判初めてモノだと思いきや、なジャンルどんでん返し系ムービー。

 前半が接見で話を聞くだけでうーん、と思っていたら裁判が始まりややイライラ。しかしラスト30分で全部をちゃぶ台返しするジャンルの変え方は凄かった。警察や裁判の色々に疑問や矛盾は有るが、まあご愛嬌として好き

アンカット・ダイヤモンド

Uncut Gems Original Motion Picture Soundtrack [解説付 / 国内盤CD] (BRC625)

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 ずーっと何を見せられているんだろう、という感じが拭えない。クズがクズらしく振舞い、クズとして終わる。別にコメディでもないから笑えないし、アダム・サンドラー以外もまともな奴が少ないからストレスが多かった。

 まあ、主人公自体があのオパールが届いたときに「ジェム」ではなく「ストーン」「ロック」と呼んでいたように、原石じゃなくてただの石だったんだろうな。

マクマホン・ファイル

WATCHA2.5点

Filmarks2.5点

 アン・ハサウェイウィレム・デフォーベン・アフレックを揃えていながら、まるで生きてなかった…。美人モードから精悍モードのアン・ハサウェイは確かに新しかったが。

 何らかのアメリカと中米の癒着や闇を追ってるのは分かるんだけど、イマイチ何を追ってるのか分からない。分からないのに急かされてなんか大変そうには見える。で、結局闇がありました!で終わって別に報道の正義とかも無いし、重点を置かれていた気がする家族の話もしりすぼみ。

スペンサー・コンフィデンシャル

Spencer Investigates

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 いい具合のピーター・バーグとマーク・ウォルバーグ映画。ただ楽しいってやつ。

 突入シーンの絵が撮りたかっただけだろ、みたいな馬鹿馬鹿しさ(何故か敵役勢揃いしてくれてる)とか、正義と刑務所は口にするわりに法がどうとか言わないし、いい意味で雑。俺が正義、だけです笑

 もうちょっとアクションがカッコよければいいんだけど、なんかあんまり強そうに見えなかったのよね

ロストガールズ

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 娘の失踪、そこから見つかる連続殺人事件、見つからぬ娘。『スリー・ビルボード』のような話だが、実際の未解決事件を元にした作品のためスッキリしないが、それにしたって警察には文句の一つも言いたくなる。

 被害者たちが売春婦として差別されたせいで警察が本気で取り合わないこと、事象の起きた地域がゲーテッド・コミュニティであったこと、被害側の関連人物はみな女性であること。色んな問題を示唆はしているが、実話ベースゆえに示唆にとどまってはいる。

ウルトラス

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 実在のチームとは関係ありません、からのマラドーナは笑った。どう考えてもナポリラベッシカバーニ2トップでキーパーがデ・サンティクスの頃は好きでした。

 という訳でイタリア映画。
 発煙筒焚いたりする過激派フーリガン集団を群像劇的に描く。何歳になっても辞められないローカル集団の地獄感、恫喝やら大声でしかコミュニケーションを取れない感じ含めてマフィア映画の文法に近い。でも私もあんな風にチャントで送り出してほしい思いもある。時代に取り残された男たちの話だった。 この人たちはガットゥーゾにキレてるんだろうな…

その住人たちは

WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

 職を失って高級住宅の部屋を手放した男が、その部屋の新たな住民の生活を覗きながら部屋の奪還を図る。スペイン版パラサイトっぽさもある。

 視点となる主人公は完全に自分が広告デザイナーとして売っていた「夢の生活」に囚われており、その為にはあの部屋と車が必須だった。あるべきと思い込んでしまった自分の姿を変えていくのではなく、現実を捻じ曲げようとするさまはまさにサイコパスで、手段を選ばない家庭乗っ取りは寒気が走る。あるべき姿を息子にも当てはめようとするランニングのシーンは心底嫌だったが、子どもを自分の理想像に嵌めてしまう行為なんて人間一歩間違えればみんなしてしまう。だから、「ナイト・クローラー」のジェイクとかよりも現実味があるサイコだった。

 ただ、残念かな。この手の題材は今年はパラサイトが強すぎる。笑いも社会的なメッセージ性もそれには劣るのは事実。どうせ象徴としての家なのだから5階建ての最上階とかじゃなくて、もっと高層マンションにすればよかったのにな。

ブレスラウの凶禍

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 ポーランド産サスペンス。まあ「セブン」が近い、見立て殺人みたいなもんだ。微妙なところが多いんだけど、嫌いになれない。っていうかかなり好き。偏愛ベストとか入れるなら入ってくるかも。

 牛皮にくるまれる、馬2頭で引き裂き、公演中のオペラの舞台上で炎上、ドラム缶の中でごろごろなど、多種多様な悪趣味且つグロテスクな殺し方が踊り、生首も出てくるのでセブンフォロワーなのは間違いないが、それゆえに比較して気になるところが増えてしまう。

 第3の事件あたりから随分と都合がいいぞ?などと思っていたら、犯人当ても残り30分ほどで終わらせて、そっからもっと都合のいい展開に。自分が死んでその生首を刑事に届けさせる、流石にそれは…。まあ運よく刑事が闇落ちしたからいいものの、それでも首相に渡すヘルメットに生首は警備上無理な気しかしない。

 あと自分の体が燃えても、叫ばなければ肺や喉が焼き付かず助かる可能性がある、という嘘かホントか分からないライフハックを学んだ。

狩りの時間

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 近未来韓国。ウォンが暴落し、デフォルト状態。基軸通貨はドルになってしまってる。

 そういうディストピアとしては面白かったが、そこ止まり。その状態で賭場に強盗に入った4人がヒットマンに追われる、狩られる側の話なのだが、こいつが一旦追い詰めたくせに舐めプして逃すのでそれ以降は別にサスペンスとしては成立してないと思うんですよ。ライティングとか特徴的なのに、いやでもあの時殺せたじゃん、で終わってまう。

 あと韓国映画なのに銃器ばっかりで戦うのも印象的。印象的なんだが、基軸通貨ドルでターミネーターみたいなやつと銃撃戦するならもうハリウッド作品見ますよね。

タイラー・レイク-命の奪還-

Extraction (Music from the Netflix Film)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 まさにクリヘム無双。ソーの時より強い気がするクリヘムが血だらけで戦う。

 話は単純で、バングラディッシュ麻薬王に誘拐されたインドの麻薬王の御子息を奪還&送り届ける、それだけ。連れ出してからトラックを飛び降りるまでの1連のアクションは凄まじいものがあった。何発か撃って確実に殺す、脚を撃ってから殺す、装甲のないところを狙う、などしっかり設計されていてとっても楽しい。建物の屋上から屋上に飛ぶとこってMCUでバッキーがやってたよね?

 橋の上でのラストバトルも局地戦からの各自の活躍とその収束で見事なのだが、だからこそ登場人物に与えられた休息の時間がこっちにも上がったテンションを落とさせる時間になってしまった。

ミセス・シリアルキラー

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 ヘンテコでトンチキな映画だな!でも嫌いになれない、むしろ好き!インド映画ってシリアスになるとこんなんなのか!

 テコンドー美少女のアクション、ラブロマンス、サスペンス、とにかく何でもぶち込んでるが、音楽や照明の感じからしてこれはコメディーだよ!

 そもそもからして、投獄中に事件起こせば無罪の証明になる!と言って殺人しようという発想がぶっ飛んでいる。こういうアイデアは面白い。ただ、「シックス・センス」に言及したりと、自己評価は少し高すぎる。もっと構成いじって良かったのでは。(別にシックス・センスのネタバレもされないですが)

ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 代筆と恋愛、なんてのは非常に古典的な手法だが、代筆を頼んで来た男子ではなく、手紙の送り先の女子の方に好意を向ける、というのは新しい。新しいのだが、それを特殊なこととして描くのではなく、当たり前の恋愛の悩みとして描き、LGBTQ映画というより、青春映画の趣が強い。それゆえ、様々な古典の引用がそれらの先の文脈にあることを理解させる。

 メインとなる3人とその親以外はどっちかというと田舎のバカで、地方の地獄を描いた映画でもあるが、それがゆえに、性的指向を内包したなりたい自分へのアイデンティティを探求する強い物語になっている。

ザ・ファイブ・ブラッズ

Da 5 Bloods (Original Motion Picture Score)

WATCHA4.0点

Filmarks4.2点

 ブラック・クランズマンより強烈に個性を主張している頭とラスト。地獄の黙示録見といてよかった。ジャングルに進むにつれ狂っていくプロットや途中途中の構図はまんま。

 タイミングがぴったり合ってしまったが、BlackLivesMatterをダイレクトに主張しているのは流石スパイク・リーだけど、今回は更にその先に。

 ベトナム戦争の黒人帰還兵を舞台とすることで、差別被害の対象としての黒人だけでなく、ベトナム人にとっての加害者という側面も出てくる。また、ブラッズ(=兄弟)として描かれる面々も決して同一ではなく、彼らの間にも認識の齟齬があり、もはや人種間対立ではなく、思想の対立が問題なのだ、という描き方はBlackLivesMatterに賛同している白人層や、この運動では見守る立場となるアジア系、ラテンアメリカ系にも投げかける。

 その上で、分断された両者に赦しと願いと救いを与えるスパイク・リーの寛大さと容赦なさに心を動かされる。

ヴァスト・オブ・ナイト

ヴァスト・オブ・ナイト

WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

 いや抜群に面白かった。

 舞台はかつてのアメリカ。まだ交換手がいる時代だ。ちいさい町のラジオ番組のDJと交換手が街に訪れた小さな異変を紐解いていく。

 時に画面を絞り、時に画面を真っ暗にしてまでいわゆる当時のラジオで聞くしかない状況を再現しつつ、ワンカットというわけではないが、かなり長めなカットを多用して連続性と臨場感を持たせてくれる。

 オーソン・ウェルズがラジオドラマ「宇宙戦争」をやった際に本当に宇宙戦争が起きたと勘違いされた、なんてエピソードを正当に引き継ぎつつ、SF的、というよりムーっぽい絶妙な勘どころも押さえている。

泣きたい私は猫をかぶる

映画チラシ『泣きたい私は猫をかぶる』5枚セット+おまけ最新映画チラシ3枚

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 本来は劇場公開だったはずが、まさかの機動力でネトフリ独占配信に。確かにこれは劇場で見たかった。

 本当のことを言えない、本性を現さないを意味する「猫をかぶる」「仮面をかぶる」をまさかの文字通りにすることで、人間でいるとき=我慢している自分、猫でいる時=我慢していない自分、という形で書き分ける。

 エンジンがかかるまで随分とかかってしまった印象で、猫の世界(DESTINY鎌倉物語みたいだった)に行く展開が待っているなら、そっちにもっと尺を上げていいというか、そっちの話がだいぶ端折られていた気がする。ただ、そのせいか正直人間パートの方が楽しいんだよね。日之出の悪口言われて校舎からジャンプするとことか、細かい人間の挙動の方にキャラ的にも、アニメーション的にも魅力が詰まっていた。親子関係のとことか、問題提起だけしておいてエンドロールで片づけちゃうのもちょっとな、という気が。

WASPネットワーク

WATCHA3.5点

Filmarks3.3点

 キューバから亡命してアメリカでキューバ亡命民を助けていると思いきや、そいつらキューバ政府が差し向けたスパイだから!!という実話。

 けっこう編集で場面を切ってしまったり、時系列が変わったりでぶつ切り感が否めない。