抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

TAAF2021鑑賞記録「ジョゼップ」「カラミティ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回は池袋で開催されていたTAAF(東京アニメアワードフェスティバル)の鑑賞記録。鑑賞したのはコンペティション部門の「ジョゼップ」(アマプラとかではジュゼップ表記)と、オープニング作品の「カラミティ」。コンペティション部門のトゥルーノースは東京国際映画祭で鑑賞済み。正式公開時にブログ更新予定です。面白かったらしいので「ジャン・ズーヤー」も見れれば良かった…

 今年は未体験ゾーンも行きましたし、全部は見れなくてもこういうのに顔出せるようになってきたのは映画ファンとしてまたひとつ一般人の理解を得られないところにいってしまったようにも感じますね…

 

1.ジョゼップ

ジュゼップ (Josep)

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

フランコ政権下、多くの難民がフランスに押し寄せたが、彼らは強制収容所に入れられた。
ナチスやファシスタ党の話ばかりが有名なW.W.Ⅱのエピソードだが、フランスでもこんなことがあったのか。収容された画家とフランス人憲兵の交流を描く。野蛮人だとスペイン難民をいたぶるフランス人憲兵たち。いったいどちらが野蛮人で、難民排斥の動きのある今に通じる。
アニメーションとしては、動くと言うよりも絵画をたくさん見ているような印象。
ただねー、どーも私はフランス語でのアニメーションは眠くなる傾向が…

2.カラミティ

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WATCHA4.5点

Filmarks4.5点

 TAAFオープニング作品として鑑賞。まあ、緊急事態宣言の関係でオープニング作品とはいえ、もう順番は最初じゃないんですけどね。

 本作はあの!『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』を作ったレミ・シャイエ監督が再び同じプロデューサーと組んだ最新作。その時点で期待MAXです。主人公は、平原の女王、カラミティ・ジェーンで、彼女の幼少期を描いたもの。ずっーと頭の片隅でカラミティ・メアリって誰だっけ、と思ってましたが、「魔法少女育成計画」のキャラでした。

 話を戻して、まずは圧倒的なアニメーションですよね。前作同様に輪郭線のない絵で、パステルカラーの彩色。実写やリアルに寄せていくアニメーションは、今回の舞台である開拓時代の大平原にこれまた実に映える。本来はこの時代で移される大平原って、西部劇とかでもそうですけど茶色じゃないですか。タンブルウィードは干し草ですよ。そうじゃないなら緑。ところが、本作は決してそれに限らないし、始まった瞬間の雲とか見たら、あーレミ・シャイエ監督作見てる!!っていう快楽に溺れることができます。起こした火が淡い青だったりするんですよ、それだけであー楽しい。

 さてストーリーとしては、大平原を移動する幌馬車チーム。母を亡くしたマーサ・ジェーンは事故で父も動けなくなってしまう。マーサは父の代わりに投げ縄や乗馬を覚えていくが、その様子は男女問わず集団からは拒絶されちゃう。まあここら辺の話は、西部劇を舞台にやってる野球少女に近いですよね。ズボンを履いただけで拒絶され、男に悪く言われても黙っていることを行儀よくしろ、と言われる。この後の展開にも通じるところですが、ズボンを履いて髪を短くした(=男装化)しただけで自由が広がっている。西部劇の時代だから周りの拒絶が強すぎたり、クソすぎるので多少イラつきますが、それゆえ呪いのパワーも強い。

 そっから今度は仲間たちを騙していったサムソンという第三騎兵隊の男を追う逃走劇に。ここではジョナスという少年とバディムービーになっていき、2人が手錠で繋がれてしまってという展開はまあベタだけど面白い。ここでは、私が野球少女で感じた「お前のオールを任せるな」的なパワーバランスの奪い合いに近いことが最初は行われたり、仲間を騙したサムソンと同じことをマーサはしなくてはいけなくなったり。

 やっとの思いで、サムソンの目的地、ホットスプリングス(ミスター、あなたの犬はただいま6号線に乗りました)に着くと、今度はサムソンの所属部隊の大佐に追われることになって、鉱山開発をしているムスタッシュという夫人の下で働くことに。ちょっと本筋から離れている感じはありますが、彼女がマーサのよき理解者となっているいいキャラでございました。

 長くなりましたが、ここまで来てやっとマーサはサムソン(実はサムソンという名でもないただの洗濯係だった)と再会、決着をし、彼もまたマーサと同じように人間自体ではなく、恰好や肩書で判断されてしまっているだけの人間だったことが分かります。と同時にすべての元凶イーサンにはほんとにクソだと思いましたが。

 まあってな感じで、最終的には幌馬車隊に戻っていったマーサは家族とも再会しつつ、この旅の功績を認められて斥候としての役割を与えられる。これがあの、カラミティ・ジェーンのオリジンだ…ってな具合。ここで特に言っておきたいのは、吹替陣の素晴らしさ。幌馬車隊の隊長の杉田智和には全く気づけませんでしたし、皆さん達者で。素晴らしかったのは、主演となる福山あさきさん。昨年の大激賞した『マロナの幻想的な物語り』で通行人役だったところからの大抜擢だそうですが、その時は声優を始めて数か月とのこと。ってことは、今でも芸歴1年とかじゃないですか。カラミティ・ジェーンにのちになるような強さと、しかし子どもの実直さを持ち合わせた芝居は素晴らしいものがございました。


【重大発表】あさ姉、映画の主演決まりました!

YouTubeの登録者10万人突破してる人やんけ…