どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
アカデミー賞のお時間がやって参りました。いつもは12:30に予約投稿してますが、そんな時間に投稿しても時すでに遅し、なので午前8時に投稿するっていう。予約投稿だから、もうなんか発表されてても知らんぞ。全部で37本の映画の感想!大容量!
まずは、一通りノミネートした作品の感想をば。
1.短編ドキュメンタリー賞
今年は短編ドキュメンタリー全部見れた!
オーディブル:鼓動を響かせて
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
なるほど、今年はコーダにドライブマイカー、そして本作とろう者を扱った作品が多いんですね。
スポーツをよく見ている人間からすると、アメフトは門外漢とはいえ、健聴者のチームと同じフィールドで戦い、勝ち続けてきたチームの凄さと重圧に感服する。笛の音とか聞こえないのにプレー止めるの大変だろう。彼らの青春に密着しつつ、スポーツものとして敢えて見せた印象
The Queen of Basketball
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
NBAに唯一指名された女性バスケットボール選手の半生を描く。3度の全米制覇とオリンピック出場を果たした彼女だが、未だ女性バスケのプロリーグは無く、彼女がその後プレーすることは出来なかった。しかし、彼女が語るその顔は決して悲壮ではなく、むしろ確かに自分の足跡、残してきたものを誇っているものだった。
When We Were Bullies
WATCHA2.0点
Filmarks2.0点
ノミネート作品をYouTubeで何日かおきに探していると、公式かどうか極めて怪しいけど見れる作品が毎年必ず出てきます。本作もノミネート発表時は見つからなかったんですが、3月に入って見つけました。多分非公式なので推奨できませんが。
Bulliesというのは、いじめっこ。5年生の時にクラスに4人いたリチャードのうちdickと呼ばれていた子(この時点で気分悪いが)をクラスみんなで取り囲んでイジめ、先生からてめーら動物だ、と怒られた時のことを50年も経ってなお引きづっている監督が当時のクラスメイトや担任の教師にインタビューしたもの。なお、このイジメられた子は本編には登場せず、それはこの映画を作ることで嫌な記憶を思い出すかもしれないから会わないことにした、でもごめんね。それだけは伝えたい。みたいな話なので、いじめの加害者側にスポットを当てた割に、作り手が当事者なので甘いし、気に入らない。勝手にスッキリしてんじゃない。
ベナジルに捧げる3つの歌
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
紛争地域において、自由は存在ない。選択する時点で、それは持てる者なのだ。学校に行きたい、でもそれは無理。なら軍に入る、でもそれは無理。
結局目の前のケシの採集しかない。
閉塞と停滞を感じる無情が凝縮されている。
私の帰る場所
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
アメリカで深刻化しているホームレス問題についての短編ドキュメンタリー。
TBSラジオ「たまむすび」内コーナー「アメリカ流れ者」でも度々大都市圏で家賃が高騰して定職があってもホームレスとなる人の話はされているが、本作はそこより更にもういっこ踏み込んだ路上生活者がメイン。ただ、もっと対象者の語りを通したナラティブなアプローチで見たかった。
風景や彼らの姿を見せようという狙いはわかるが、謝状生活を扱ったノマドランドには勝てない。
長編ドキュメンタリー賞
燃え上がる記者たち
WATCHA4.5点
Filmarks4.6点
インドにはカースト制度が存在する。クシャトリア、バラモン、そんな言葉を学校で習ったのを覚えている。
本作の登場人物たちは、みなそうしたカースト制度の外に置かれた不可触民、被差別民であるダリットと呼ばれる階層の、しかも女性たちだ。彼女たちが自分たち声を届ける為に、作り上げた新聞「カバル・ラハリヤ」に密着したのが本作だ。
まだまだ男尊女卑が厳しく、女性が仕事をしているだけで、怪訝な目をする男たちが多い様子すら描写される中で、支給されたスマホを手に、女性差別にも、カースト差別にも、報道への差別にも、果敢に立ち向かっていくその姿は、まさにヒーローだ。
彼女たちが扱うのは、男社会の記者世界で取り上げられることのないニュースだったりする。少なくとも劇中では、彼女たちは必ずその場所を訪れ、その場の人たちの話を聞いて、それをニュースにしている。被害者が泣き寝入り状態のレイプ事件、マフィアが牛耳る違法採石、選挙戦。彼女たちがニュースに取り上げられたことで、恐らく想定されるよりもかなり速いペースで、改善が行政によって図られたりしていて、正しい意味でmedia的な振る舞いをしている、といえるだろう。
映画が後半に入ってくると、モディ首相の掲げたヒンドゥー教政策にかなり懐疑の目が向けられていく。青年隊の男は、3億3千万の神に愛される為に、まずは雌牛を保護するべきだと述べ、地方選挙の立候補者は、我々が政権を取れば、自然とレイプ事件は減る、と根拠なく述べる。政治と宗教が分離していないことが、明確に悪い方に出ている、そんな風に見えてくる。
凄く新鮮なのは、紙媒体から動画へと移行していこう、っていう時に配られたスマホへの彼女たちの反応だ。家庭にではなく、個人に普及させることで、家庭内のバランスのせいで取り上げられてしまうかもしれない。そんな中で、デジタルディバイドとでも言うのだろうか、変なボタンを触ると壊してしまいそう、という方が出てきて、果てはアルファベットが分からないから使えない。カバル・ラハリヤは、それに対してもちゃんと教育・研修をしていく。個人が発信できる時代のおかげで、そういう層でも発信ができるようにカーストのピラミッドを駆け上がっていける。ただ、気をつけたいのは、取材対象だったマフィアや、与党のパレードに参加していた人々など、カメラをスマホで構えだしているのは、彼女たちだけではない。気づけば、動画でニュースを伝えるようになった彼女たちだが、撮る側から撮られる側になっているし、その刃は彼女たちにも向くかもしれない。
月並みだが、本当に見て良かったと思える作品だった。
サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
1969年。人類が月面に着陸した偉大な時、しかしそこにはハーレムで開かれた黒人の黒人による黒人のためのフェスが開かれ、その映像は今日まで封印されていた。
基本的にはフェスの振り返りなのだが、それがそのままアメリカという国の歴史がいかに白人の歴史であって、白人の文化だけである、と言い張ってきたか、を表している。こんなにも多様で、豊かな音楽文化があったのだから。
ただ、アカデミー賞的な目線だけで言えば、アメリカだけの話の本作より、「燃え上がる記者たち」を推したくなる。洋楽聴かないものでね…
短編実写映画賞
Please Hold
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
授賞式直前に見つけて鑑賞したら面白くて困ってしまった。見れてるのがThe Long Goodbyeだけ、且つそれが良かったからそれ一本で行けたのに。
おそらくものすごく低予算で、なんだろう、ロボコップ的に民間に警察権が委託されているのか、公なんだけど無人機に方針が変わっているか、っていう世界。自分が何の罪状なのかも分からないまま逮捕され、そのまま収監されちゃう男性。弁護を求めるが、通話料をこっそり取られていて貯蓄もなくなる。遂に万策尽きた彼は有罪を認めるところまで行ってしまうが…。冤罪の生まれる環境だったり、差別によって非人間的な扱いを受けて構造的に収監されやすくなっている現状のメタファーだったり、戦争における無人機の話だったり、と色んなものへの想像が出来る良くできた作品でした。
The Long Goodbye
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
パキスタン系であるリズ・アーメッドのアルバムについてるショートムービーというか、PVというか、な作品。
イギリスにおける移民差別を見せるショッキングでもある映像。ラッパーでもあるリズ・アーメッドが怒りをぶちまけるシークエンスは、止めながら何を言ってるかを把握するよりも、音としての怒りを聞いた方が伝わる気がした。カメラが揺れるところと動かないところの心象も見事
短編アニメーション賞
ことりのロビン
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
みにくいアヒルの子はほんとうの自分を知る物語としてサプライズが用意されているが、もうそれは古い。本作はネズミの一家に育てられた小鳥が、自分が鳥だと知った上でどう生きるかを自ら選択する。外形的にどうであるか、ではなく、自分がどうなりたいか、の物語。
それをストップモーションアニメでクリスマスの一夜を舞台にミュージカル調にやってて質は高いと感じた。特にストップモーションなのに影絵で表現した何気ない工具が怖い描写は好き。
ってアードマンなの、これ!?エンドロールでびっくりした
The Windshield Wiper
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
浜辺の2人だったり、ホームレスとショウウィンドーの人形だったり、マッチングアプリだったり、とにかくもういろんな形のLoveについての短編映画。アニメーションとしては、ビルから飛び降りるとこが面白いな、と思ったけど全体的に散文的で印象は薄い。
Affairs of the Art
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
原語フランス語の英語字幕でみたので、かなり意味分かってないと思います。
結構過激というか、露悪的に生き物の生死を扱ってるし、それを人間の業として結局Artのために何でもしちゃう人たち、って感じなんだけど、シンプルにサイコパスなだけにも見えた。
国際長編映画賞
ブータン 山の教室
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
首都ティンプーの標高は2200m。中継地ガサは2800m。目的地のルナナは4800m!
着くのに8日間もかかるヒマラヤ山脈の村に派遣されることになった教師をやめたい主人公。ヘッドホンで音楽を聴き続け、ガサではスマホばっかり見てる。
そんな主人公が自然の中で暮らす人々や教育を待ち望んだ子どもたちとふれあい、ヒマラヤの冬が来るまでを過ごす、割とありふれた温かい気持ちになるタイプの映画。無垢であること、純真であることと引き換えに、っていうタイプの映画というよりは、異文化共生に近いかな。村に着くまでに時間をかけることで、異世界感が増すんですけど、ルナナでの生活ももっと見たい、っていう。
幸福の国と呼ばれるブータンだからこそ、ブータン国内での幸福の定義の違いなんかにも思いが馳せるような映画。
ドライブ・マイカー
The Hands of God
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
ナポリがマラドーナに来た。それがナポリにとってどれだけのことか、サッカー知識が無いと分からないかもしれない。劇中でも登場するマラドーナの神の手ゴールはアルゼンチン代表vsイングランド代表の試合であって、セリエAではない。それでもあれだけ熱狂するのは、マラドーナがそういったアイコニックな選手だからだ。
また、マラドーナが来るかも?からメルカルート・カルチョ、そしてシーズンを経てのW杯、クライマックスはカンピオーネ。スクデット獲得だ。サッカーのスケジュールが頭に入ってるだけで時間経過も実に分かる。
以上、長々とサッカーファンの講釈を垂れましたが、まああれですね、私小説的に「♪思春期に少年から大人に変わる」を描いた作品で、思春期・子ども時代の象徴がナポリという街であり、即ちナポリの象徴であるマラドーナってことですね。まあ言及もあるし、フェリーニを目指したんだと思いますけど、フェリーニってもっと面白かった気がする。
あ、子ども時代との訣別がサッカーを見なくなることなら、私は死ぬまで子どもでしょう笑
その他主要部門
ロスト・ドーター
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
すごく私的で散文的な話になるのかな?と思わせる序盤。優雅な教授の休暇ですら美しく見せるオリヴィア・コールマン、と思っていたらふんわり不穏になっていく。オリヴィア・コールマン演じるレダの若き日を演じたジェシー・バックリーが、ともすればオリヴィア・コールマンを食ったのではないか、クラスの名演。
社会的な属性である「母」というものの正体から逃れたがっている過去パートは「タリーと私の秘密の時間」を思い出したが、「母」というものから逃れてしまったことを悔いている現在パートがそれをラストで優しく肯定してくれた。
ドント・ルック・アップ
WATCHA3.3点
Filmarks3.5点
数々のディザスタームービーに敬意を表しつつ、ああいうのは真面目に取り組んでるから泣けるんであって、ふざけるとこうなるよ?っていうコメディ。そうなるとオチは丁寧すぎて読めるが。
息子が補佐官、というどう考えてもトランプなメリル・ストリープなど、ポリティカルな風刺を入れまくってて、ありえねえ、と言いたいけど、どうもそうも言え無さそうに見えて来るこの2年ほど。
なので、くだらなさやバカにしてることは全く問題ない。保守層もバカ、既得権益層もバカ、イーロン・マスクだかビル・ゲイツだか知らないがバカ、メディアもバカ、リベラルはバカで、ハリウッドスターなんてバカしかいない。科学も、資本主義も、宗教のひとつでしかないんだろう。
ただ、流石に演出がクドすぎるか。数字を読み上げてなくても実質上のカウントダウンをしつこくしつこくやりすぎてテンポ悪かった。
あとまあコメディ、やっぱ好きじゃないんだろうな。風刺なら好きなんだけど、冷笑は大嫌い、っていう私のバランスにピタッとハマるのが多くない。「上を向いて歩こう」の国に生まれて。
tick,tick…BOOM!:チック、チック…ブーン!
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
焦燥。30歳になるのに何も成し遂げちゃいない、人生のタイムリミットだと焦る青年作曲家。
でも彼の周りの人たちは本当にタイムリミットを抱えている。他者を無視して悲劇的にワガママな主人公は、それでもなんか偉い人からのmy sweet home言葉を貰えてやった、頑張るよ!となる。
私の目には、どんな出来事だろうと、どんな友人との悲劇も喜劇も全部創作に使ってしまう業の深い人物に見受けられたが、そいつが優しい周りに受け入れてもらえてラッキー、みたいななんかいい話にされてるのが納得できなかった。
愛すべき夫妻の秘密
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
アーロン・ソーキン!って感じの映画でしたなー。シットコムの撮影をしながらなので、劇中劇やりながらの話なんだけど、メディアの保守性とそこに共通する気持ち悪さのある赤狩りの反省を込めてる感じ。
シットコムの説明とか、赤狩りの背景説明が無いですが、まあある程度映画見る人(っていうか、この映画に辿り着ける人)は分かるでしょう。それよりも、当時の製作陣ヅラして出てくる人たちがフツーにフェイクドキュメンタリーな方がタチ悪い笑
パワー・オブ・ザ・ドッグ
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
西部劇なんだけども、撃たない。
カンバーバッチ演じるいかにも、な男らしさに取り憑かれた男が弟の結婚相手とその連れ子との交流していく流れ。
西部劇に隠されたこの要素を持ち込みつつ、そうきますか!な落とし方は割と好み。カンバーバッチの抱えた秘密の方にスポットは当たるかもしれないけど、カンバーバッチもピーターも既にいなくなった誰か、に支配された人生のように思えて、そういう不在が全体を通して画面に出ていたように思える。
ドリームプラン
ベルファスト
ウエスト・サイド・ストーリー
コーダ あいのうた
DUNE/砂の惑星
ミラベルと魔法だらけの家
ラーヤと龍の王国
あの夏のルカ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
ふ、ふつー…
美しき海岸線、海の中と陸、シーモンスターと人間。未知を超えるにはまず知ること、そして共存へ、というお手本通りのストーリーに、トライアスロンレース(なお走らずパスタを食べる)と家族の物語を入れてる。それぞれのメッセージの普遍性には大いに納得するんだけど、心配から子どもを外の世界に出さない両親から家出していった話とゴールがなんか結びついてない。不便すぎて特殊設定の意味も感じなかった
全体的なクソガキムーブがしんどい。
ミッチェル家とマシンの反乱
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
スパイダーバースの制作陣ということで、いろんな手法を盛り込んでキャッチーかつポップが正直行き過ぎだろ!というぐらいにはっちゃけてる。
中身はAIの反乱に変人一家が立ち向かう!という王道なストーリーではあるのだが、犬と豚の見分けがつかない犬とか、ドライバーとかちょっと都合良すぎる。何より、大学に向かう飛行機を勝手にキャンセルして、それを良きこととして進んでいく話にさっぱりノレず。子離れできてないにも程がある。そんなに家族って素敵ですか?クレしんの方がその説得力あるじゃん?
基本的には素晴らしい、が故に気になるところが目立っちゃったパターン。
タミー・フェイの瞳
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
アメリカでテレビ伝道師として活躍したタミーフェイとその夫の栄華と破綻のわかりやすい物語。
カトリックを広める番組なんだけど、教義の解釈が微妙に違っていて、タミーはLGBTQやエイズ患者への理解共感がある人物。神が作った人類に不良品などない、彼らのアメリカでもある、と。そういった側面と、分かりやすい転落物に出来ることで題材に選ばれたのだろうが、個人的にはアンドリュー・ガーフィールドが演じた夫の方がより面白い映画になる気がした。チックチックブーンと合わせ技で賞をあげたいぐらい。ジェシカ・チャステインは寄せてるから凄さは私にはわからん。「女神の見えざる手」の方が好きだし、評価されてほしい。
マクベス
フリー・ガイ
WATCHA3.0点
Filmarks2.8点
グラスをかけて真実を知る。ゼイリブが優れた映画であることは言うまでも無いが、その模倣が上手くいくことは個人的に多くない。
本作もその類に漏れず、真実を知った「私」だけが特別、と主人公はNPCの食い合わせがとことん良くない。脇役だったと気づける設定の時から彼は特別なのだ。決してボンクラ人間たちへの讃歌になっちゃあいない。
その上で逆のことを言うが、結局は特別だったのはガイではなく、キーズだった訳で。完全にガイはモブなんだよ、やっぱり。1番滑稽なモブだ。自分が特別だと思い込まされたんだから。
また、敵となるタイカ・ワイティティが単純にオーバーアクトで見苦しく思えた。またキャラとしては、致命的なバグがあるので、何時間か早くゲームをクローズします、と告知して再起動の方が緊急再起動より企業の信頼落とさない気がするのに、そうしない。価値を認めて盗作する目はあるのにえらく近視眼すぎねえか。そして最終的にああいう行動に出る社長と、ディズニーはライセンス契約していることになるのだが、その描写で本当にいいんですか?
んで、人のIPを買い集めたディズニーさんに金より大事なものはある!言って金で集めたIPを逆転の要素としてサプライズにするのはとても好きじゃない。いや、それメッセージ的に主人公の側が1番使っちゃいけない反撃方法だよ。
スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム
シャン・チー/テン・リングスの伝説
007/ノー・タイム・トゥ・ダイ
ハウス・オブ・グッチ
クルエラ
なんとなくの予想
よく考えたら、ちゃんと全部門予想するの初めてかもしれん。
作品賞
とりあえず、全く知らないリコリス・ピザは無視します。ナイトメア・アリーはまだ見てないけど、オリジナルの悪魔の征く町は見てるので、まいっかと。
前哨戦で強いのはパワー・オブ・ザ・ドッグであることは重々承知なのですが、どうしてもネトフリにあげるとは思えない。会員の中にも、これだったらROMAにあげとけばよかったし、それ級に期待、となってしまう気がする。対抗馬としては、愛すべき夫妻の秘密とコーダ、特にコーダは嫌われない作品に仕上がってて、みんなが喜ぶと思うし、最直前の前哨戦で強かった流れは来ている。たな、両者はAmazonとAppleTVの作品であり、結局配信にあげることになる。ネトフリにあげたくない、のバックラッシュで後発の配信組はあるかもしれないが、素直に推しづらい。となると、多言語なのでドライブ・マイ・カーの芽が出てきそうだから面白い。
と、ここまで書いてきたが、アカデミー賞にあまりにも影響の大きい出来事がおきてしまった。ロシアによるウクライナ侵攻である。これに伴って、ウクライナへの連帯を示すようなムーブが起こることが予想され、そうなると対立を描いてるウエストサイド・ストーリーとベルファストが強く、ウエストサイドはアンセル・エルゴートへのバックラッシュでベルファストを予想する。ベルファスト、必須の編集賞ノミネートしてないのが不安だけど。まあとにかく配信にあげない、を最重要視してます。
監督賞
まず間違いなく、ジェーン・カンピオン。コーダ旋風が吹いてもここにはシアン・ヘダーはいないし、監督賞までなら既にネトフリに門戸は開いている。よっぽどベルファストが波に乗れば、ケネス・ブラナーだったが。
主演男優賞
ウィル・スミスかカンバーバッチなんだけど、ウィル・スミスの方が少し勢いがある。スターだし。カンバーバッチはこれじゃなくても感があるし、ウィル・スミス予定で。
主演女優賞
どうやらジェシカ・チャステインで固そうな雰囲気に。本来は英国王室もので実在の人物なので、クリステン・スチュワート一択だったんだけど、どうにもダメっぽい。
助演女優賞
アリアナ・デボーズで決まってる(a.k.a.メラニーさん)のでそんなに調べてない。
助演男優賞
トロイ・コッツァーが人気すぎる。当初はダブルノミネートと言われた「ベルファスト」組に本当にダブルノミネートした「パワー・オブ・ザ・ドッグ」組と有力選手がウロウロしているが、コーダはマーリー・マトリンの演説を含めて、チームとして人気がどんどん増してる。ここは確実に取りそう。
長編ドキュメンタリー
サマー・オブ・ソウルが強すぎる。燃え上がる記者たちが本当に素晴らしかったので受賞して欲しいけど無理だろうな。
長編アニメーション
実は意外と分からなくなってる部門。どうせミラベルだろうと思ってたら、ミッチェル家がアニー賞を持っていった。スパイダーバースでソニーにも上げたことがあるので、全然ありえる。そう思ってたらミラベルの音楽が大流行りしだして、人気はどっちもどっちにも感じる。ただ、その話題の歌曲賞は007が取るに決まってるので、その分がこっちに来そうなんですよねぇ。まぁ、それでも予想はミッチェル家としておきます。
脚本賞
ドントルックアップと聞いています。ここにはそんなに関心がないです。そもそも何が優れた脚本なのか、というのも難しいし。「わたしは最悪。」がここに入っているのは凄い。監督賞に「アナザーラウンド」の人が入っていたのを思い出す北欧パワー。
脚色賞
脚色はかなり濱口竜介が優勢だと思ってたんですが、ここにきてコーダ大躍進。協会の賞を抑えたので、ここはコーダだと思います。濱口さん、大江さんの受賞の可能性も排除は出来ないがかなり厳しくなった気がする。
国際長編映画賞
パオロ・ソレンティーノもつまらなかったし、ドライブ・マイ・カーがほぼ確定だと思ってます。っていうかこれ入るって、ファルハディつまらなかったのかな?少なくとも、ドイツ代表の「アイム・ユア・マン」はソレンティーノより面白かった。
対抗馬はFleeだと思っているんだけど、ドキュメンタリーとアニメーションと国際長編でどれかに入れる人はいても、全部に入れる人はいないだろうから、どうしても散ると思うので受賞は難しそう。
短編ドキュメンタリー賞
5本全部見たけどさっぱり分からない。好みは圧倒的にThe Queen of the Basketball。ただ、マイノリティ×スポーツっていう観点で言うと、女性×バスケと聴覚障害×アメフトで被っているのがどうでるか全くわからない。聴覚障害はコーダに持って行かれる気はしているんだけど。ホームレスっていう点では家の無い「私の帰る場所」と故郷の無い「ベナジル」も被っているけど、ここでロシアのアフガン侵攻が絡んでくるとベナジルに来るパターンもあるのかもしれん。
わかんないから、好みで押し通るわ!The Queen of the Basketballで!
こっからは、本当に雑に!