抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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ディズニーが描く分断「ラーヤと龍の王国」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 揉めに揉めているディズニーの配信問題。揉めた結果、大手シネコンが見送ってエヴァに全力投球となったディズニー最新作の感想。イオンシネマだけやってくれているのでラクーに見れました。ありがとうイオンシネマ

Art of Raya and the Last Dragon (The Art of)

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

(以下ネタバレ有)

 1.短編「あの頃をもう一度」

雨に唄えば×人生フルーツ。ダンシング・イン・ザ・レイン。
かつてはよく踊った老夫婦。雨の中では体が若返り体が躍動する。夫は雨が止みそうになると激しく降る方へ移動しつづけ、若い自分でいようとするが。
とにかくリズミカルで自分も体を動かしたくなるようなミュージカルでありながら、セリフが無く音楽と動きだけで全てが伝わる。

2.さすがのアニメーション力

 ここから本編感想になります。

 まずもって素晴らしいと思わざるを得ないのが圧倒的なアニメーション力。先日「ナタ転生」で、ディズニー&ピクサーもうかうかしてらんない、なんて言ってたら、もうそこに横綱相撲ですよ。これでもかと水の表現を用いて圧倒的な力を見せつけてくれました。

また、今回はディズニー単独作ということで、ピクサーアニメの質感とも少し違う表現方法であるように感じさせます。

 話としては至極単純。5つに分かれてしまった国をもう一度一つにするために特色の違う各国を回って龍の石の欠片を集めていくというもの。ドラゴンボールでもなんでもいいし、最近なら「トロールズ ミュージック☆パワー」なんかも印象としては近いかもしれません。東アジアをベースとして砂漠や雪国なども描き分け、且つそこに生活を感じる様子はさすがの一言。

 また、冒頭の回想、龍の石が割れてしまったシーンでの周囲の岩が崩れ落ちるような描写などは、一部ストップモーションアニメにも見えるような緻密さと繊細さを感じ、うっそだろ、スタジオライカも潰しに来ているのか、と戦慄しました。

3.信じぬくこと、それが1番大事

 大事MANブラザーズバンドも歌っているように、ダメになりそうなときは信じぬくことetcが一番大事。それが本作のテーマです。単純な欠片集めとそれに伴う中ボス撃破じゃダメなんですね。ここに感じるのは、現在の世界を取り巻く分断の様相。国が今の地球で人の住む大陸の数と同じであり、すべてが海で繋がっている、というのは地球を意味しているとしか思えません。そこで、各国の王を倒すのではなく、最終的には信じぬいて一つの共同体を作る、というのはグローバリズム肯定で、世界にディズニー展開している会社がいうことなのか、と疑問は残れども、現状のメッセージとしては極めて適切。

 ただですね、信じぬくのが大事なのは分かるんですけど、問題はファングのナマーラですよ。あいつ、シスーを射てしまったのもラーヤと2人のせい、って言ってますけど、石が割れたのも、あの場面で先に武器を取り出したのもお前だろ、と。騙す気満々だった癖にそこで「ごめんね」の一言がないのはそれで良いんだろうかな、とちょっと思ってしまいます。まあ後は、そもそも龍だけ復活しなかった最初のルールが良く分からなかったり、石になった人たちが帰ってきても、あの場にいなかった国のトップまで互いを信じぬくことに同意してくれるのだろうか、というとこもちょっとロジックのないまま綺麗ごとを走りすぎた印象。まあ、そういうことをとやかくいわずに信じぬくのが大事なんだ!ってこの映画で言ってるだろ!って話ですが。

それが大事

それが大事

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