抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

完全初見で挑む「少女☆歌劇 レヴュー・スタァライト 再生産総集編 ロンド・ロンド・ロンド」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 

 今回は 、ミュージカルとメディアミックスしてアニメが放送された「少女歌劇レヴュー☆スタァライト」の総集編映画の感想。なんか完全初見の人の感想が知りたい、というご要望にお応えするために予習ゼロで行って、大量の?マークを持ち帰ってから慌ててテレビシリーズを見ました。

f:id:tea_rwB:20200901222702j:image

WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

(以下総集編映画にネタバレもくそもない気がする)

 1.情報の濁流。止まらないレビュー

 もうね、端的に言って濃密でした。密です。(1度言ってみたかった)

 頭に入っている情報は、ミュージカル連動型なこと、スタァライト九九組でアニサマに出てたことぐらいですよ。完全にアイドルアニメ枠のつもりですらいましたからね。

 ところが、なんかもう色々起こりすぎています。正直に言いましょう。もはや何が冒頭に起きていたかの整理すら曖昧です。東京タワーから突き落とされたのが最初だったのか、いっけなーい遅刻遅刻が最初だったか、まるでわからない。あらゆる場面に意味とメタファーが詰め込まれまくっていて、完全に脳が2時間の稼働の仕方じゃない。パンクしています。

 まあそんな状況で振り返ると、序盤はとにかく世界観の説明を、しかし台詞ではなく演出と映像で落とし込んでくれた印象。とりあえず宝塚的な歌劇学校の地下でキリンの取り仕切るレヴューが行われている。主人公の華恋がなんかの間違いで参加してしまって…な導入。この時点でレヴューが既に魅力的。そして早速の負け試合。ここらで負けたらダメなバトルロワイヤルなのが分かってくる。キラメキってなんだ!とかスタァライトするってなんだ!字幕が市川崑っぽい!とか思うけど、勢いで持って行く。

 出席番号が20番代までいたから、いったい何人キャラを識別しなきゃいけねぇんだ、と思っていたのも髪色髪型武器髪飾りで割と差別化できていてすぐわかったし。この辺は普段からアニメ見ているおかげか。友人はけいおん!が全員同じ顔に見えると言ってたし。

 んで、こっからはかなり学園パートをカットしたんだろうな、って感じのレヴューの嵐。双葉香子戦はいい百合だ、と思ったし、まひる華恋戦はいい具合にネジ外れてるな…と印象的なレヴューが続く。まひるのとこはいわゆる野球回だったんでしょうね。野球回のあるアニメに外れ無し。

 みたいなことを呑気に考えていたら、ばななさんこと大場ななさんのタイムループに入っちゃってもうびっくりですよ。え、そういう方向行くの!?と。1度の成功体験に囚われ、その再現を追い求める、でもそれは再演とは違くって、一回性がある舞台においては成立しえない。そこに入り込んだイレギュラー華恋が輪廻の輪を崩すとき、どこかばななさんも嬉しそうだし、それを経てのホットバナナ♪とか純那のこんな寒い冬初めてでしょ?みたいな台詞が、ああいいクラスだなと思ったりしていました。ちょっとキャラの掘り下げが薄い気がしないでもないですが、これだけレヴューを詰め込んだらそこは仕方ないかと。レヴュー自体で割と基本的な情報は伝わってきますし。あと、今思い返せば結構キャラとしては単純化されてるというか、ある程度アニメを見てるとああ、知ってるっていうキャラ付けなのもあるかも知れません。

 なんとなくこれで大きな物語の捻りが終わったし、終盤かしらと思いきや、完全に忘れていた2トップの登場、そしてラストに来ると思っていた華恋ひかりの決着。2vs2の勝負もまたカメラが凄い動いて楽しかったですね。そんでもうそっから後はよくわかんない!戯曲『スタァライト』の中に囚われたひかりを助けに行く華恋でハッピーエンドかと思いきや、ひかりの服に血がついていて、と思ったらみんな塔で血まみれだし、ばななさんはまた観測者っぽいこと言ってるし、キリンが寝るときの姿勢になってるし…。誰か助けてくれ!!

 いったん落ち着くと、レヴューでは、アクションをしっかり見せながら結構なカメラワークやカット割りで混乱することなく戦いを見守ることができて、躍動感が抜群。最後の戦いを見守る他のメンバーのように観客席にいるからこそのレヴュー。正直、レヴューがとにかく良いのでアニメを見た結果削られた4話とかはしゃーないな、と思います。

2.もうわからないからとにかくメモ

 どういう意味を持つのか考えていたら、物語の筋を追うことすらままならない情報過多なメタファーが多すぎるので思い出せる限りとりあえず書いておきます。

 塔=東京タワーの強すぎる印象。最終決戦で東京タワーが横になって突っ込んでくるあたり、制作陣が正気とは思えないし、なんなら最後はひっくり返った基礎の部分に立ってた。スタァライトが塔の上の物語であり、なんらかの収束を表している?あとあのキリン自体も東京タワーの形だ。

 イレギュラーとなる転校生のひかりだけ、外れたらダメなやつが違う方の肩にあるし、一人だけ青い。青と赤はこの作品で結構重要な対比になっている印象がある。ひかりと華恋で2人で一つの羽織になる、みたいな意味かと思っていたが、だとしたら他のクラスメイトのがおかしい(双葉香子や外国語コンビもそうなっていていい)し、2人で並んだ時に、華恋右ひかり左だったのにデュエットの時だけ逆だった。

 そもそもレヴューが行われるのも地下だし、この作品においてはこの年代を扱う作品にしては方向的に下への動きが多い。上ではなく下へ進み、上へ積んだら星に崩される。賽の河原。あと落ちるのは華恋ばっかだな。

 99回目の聖翔祭にばななさんは拘ったが、99という数字は永遠の象徴であり、白寿などであらわされるように足りない象徴でもある。99期生なんだし、彼女たちはまだまだトップスターではないんだが、これが100回目の聖翔祭を迎えたことでどうなる?そういえば、99回目の脚本は赤で100回目が青だったかな?

 結局、「アタシ再生産」「キラメキ」「トップスター」「星罪」なんかの言葉が具体的に何を指すのかの言語化が自分の中で出来ていない。

 

 本作はあくまで総集編ということにはなっているが、再生産であり、再放送ではない。舞台において、再演という概念はまるっきり同じものをやることを指すわけでもない。だから、今回のアンコールまで行ってしまった結末のその先の始まりがどこに行くのか見届けねば。1人しかなれないトップスターに2人でなる、というのがゴールなのでダブルキャスト的な話が出てくるかと思ったんだけどなぁ。