抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

旅立つ船は「シドニアの騎士 あいつむぐほし」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回はシドニア。U-NEXTが公開記念で1週間アニメを第1期・第2期ともに無料公開してくれたので予習できました。いやー配信少なくて焦ってたから助かりました。ありがとうU-NEXT!

 そしてこの作品は見れば見るほど技術畑の下請けって大変だよね!工期変更ばっかや!と思います。

「シドニアの騎士 あいつむぐほし」 描きおろし設定資料集 (アフタヌーンコミックス)

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

(以下ネタバレ有)

 

1.劇場で見るべし

 本当にこの作品にはかわいそうなのが公開時期。ポンポさんもトゥルーノスもスタァライトも本当に最高の作品なので、スクリーンの奪い合いになってしまっているのだと思いますが、本作もまた絶対にスクリーンで見るべき案件。

 というのも、シドニアの騎士はそもそも人類がシドニアといういわば箱舟で宇宙を旅する話であり、ガッチガチの宇宙戦闘もの。基本的に戦闘は宇宙空間なので、ちゃんと黒が映えるスクリーンで見るのが一番評価が上がると思いますし、やっぱり音響ですよね。出撃、発砲といった戦闘の音響は間違いなく映画館で見るべき案件で、例えば『劇場版 幼女戦記』とかにその辺のクオリティは負けていなかったと思います。クナトと長道が出撃するシーンでかかるAngelaの『シドニア』はもうそりゃ勇ましい出征曲で、これはちゃんと浴びるように聞くことでしか高揚感(勿論、それは悲壮感でもある)を満点で感じることは出来ないのかな、と。

 戦闘の舞台も第8惑星付近だったり、恒星レムだったり、シドニアの居住空間だったりと転々としますが、戦力を分散させるタイプの最終決戦とはいえ、それなりに盛り上がっているように感じました。大シュガフ船と第2期からばら撒いたまんまだった落合っていう2つの敵のどっちがラスボスとして扱うのかの苦慮は見えましたが、悪くない決着かとも思います。そうなんですよ、どうしても悪くない、っていうのが真っ先に出てきちゃうんですよね、申し訳ない。

 まあ何より、これまで見てきたシドニアっていうストーリーには違わぬ出来かと。少なくとも、ポリゴン・ピクチュアズが苦手な私からすると十分。

2.たった15m差のラブストーリーだからこそ

 とまあSFおよび戦闘面の話こそしましたが、本作は完全に主軸はラブストーリーだと思います。キャッチコピーもそうですし、第8惑星でのガウナ殲滅の後の不自然なぐらいしっかりしたデートシーンなんかを考えてもそう。

 これは第2期だった第九惑星戦役から顕著だったことですが、長道くんは完全にハーレムルートに入っていた訳ですが、その中でハードなSFだからできる自分より大きいし、なんなら人間とガウナのハーフであるつむぎというトンデモナイ存在と恋愛という要素(もっといえば、彼女は触手生物のような感情表現をするし、ハーレム相手は雌雄同体だったり、完全クローンだったりなんか凄い)だった訳ですが、美女と野獣的な、2者に差異が大きいからこそ障害が大きく、それを乗り越える愛が確かなものなんだ、的な恋愛観な訳ですよね。それを分かっているから、本作もちゃんと継衛に乗った状態で居住区デートをしたのちに、ちゃんと長道のサイズになって告白、キスっていう段取りを踏んだわけじゃないですか。だったら!!だったらあの状態のままで恋は成就して欲しいというか。かつて恋した星白のハードに、新たに恋したつむぎのソフトを内蔵して、人間同士として幸せになりました、だとせっかく乗り越えたハードル自分で下げてるような。あげく残っちゃったハーレム要員のユハタが性転換して女性化したイザナとカップルになって、長道くんから遠く離れた宇宙へって、何その最終回発情期。そういう処理の仕方嫌い!せめてゆはたは性転換受けてなくていいじゃん、っていう。最も、この辺は映画じゃなくて弐瓶先生に対する文句になってくるとは思うんですが。