抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

籠から飛び立つ鳥たち「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 コロナコロナ言うとりますけども、滑り込んで見た割に感想をすっかり書かずにいた作品の感想となります。なんか、「トップガン」の続編までなさそうな大作洋画、「ハーレイ・クイン」でございます。

追記トップガンも飛んだ…

Birds of Prey

WATCHA3.0点

FIlmarks3.2点

(以下ネタバレ有り)

 1.フレッシュで爽快なアクション!

 本作のアクションシーンは冒頭の逃亡、警察署への乗り込み、囚人とのスプリンクラー噴出バトル、そしてラストの遊園地びっくりバトルからのチェイスシーンとてんこ盛り。

 そして、そのどれもがフレッシュで面白みがありました。逃走中は、ハーレイのキャラとしての魅力を出しながらも偶然を味方につける感じと計算のバランス、そして実は持っている運動能力をある程度披露。

 警察署では、Dinnerの再現かと予告を見てハラハラしていた銃撃が視覚的に愉快なシーン。ちゃんと弾こめた上でアレなので逆にアリ。そこ、警察のセキュリティが緩すぎとか言わない!

 そして囚人とのスプリンクラーバトルは水も滴るいい女とばかりにスローモーションを使いながらかっこいい戦闘。檻の開閉扉なんかも有効活用していて、道具を使った戦闘が好きな人間としては結構お気に入り。そしてその極地がその後の戦闘での金属バットを使った戦闘。思いっきり振り抜いたり、バウンド使って投げたり、回転したりと飛び跳ねながら適切に人間の弱いところを攻撃する、男に対抗できる戦闘がしっかりと練り上げられていてとても良かったですね。

 最終決戦では、ボウガンに格闘にと面々が自分の特徴を生かして戦う中で、ローラースケートとハンマー装備で戦うハーレイがまたgood!足が踏ん張れない中でハンマーはどうなのか、と思ったら意外とそこも考慮してアトラクションの跳ね返りを有効活用しており、アクションとしては本当に良く設計されているな、と感心しました。

 また、こうしたアクションが女性の自立とのしっかり重なってるのも大切なこと。メタ的にも、映画内的にも、ジョーカーの彼女、というアイデンティティから脱却して確固としたハーレイ・クインとして存在するための戦いな訳です。劇中で何度も言われるような、「誰もお前を守ってくれない」という状態、即ち誰かに守られる私、ではなく自分で自分を守れる私を証明するわけです。そういえば、『キャプテン・マーベル』でも証明しろ!といってきた男にそんな必要ねぇわ!とボコすとこがあったのを思い出しましたね。

tea-rwb.hatenablog.com

2.スースク以来の難題

 とまあ、アクションとしては良い映画だったと思うんですよ。

 が。これそもそもハーレイ・クインとして良い映画だったのか、と言われると正直いって疑問というか。彼女の初登場作品にして、まあ正直言って酷い作品だった『スーサイド・スクワット』のデッドショットさんことウィル・スミスが顕著だったのと同様で、悪者が悪者を倒す話のはずが、うん、全然悪そうに見えないんですよね。警察署を襲撃しているのに悪者に見えないって結構致命的な気がするんですよね。多分、カサンドラ・ケインに対してハーレイを始めみんな優しすぎる上に、悪役の設定があまりにも弱そうな街のチンピラレベルなんですよ。大体圧倒的に優位な状況に包囲しておいて中も分からないのに突入してくるバカに、突入してきた奴だけ倒して外に出ていって打たれるバカの戦いのどこにハラハラしろっていうんですか。

 結局、どんなに悪そうにしても、世界観を共有しているジョーカー(特に今回の場合は、『ダークナイト』のジョーカー)と比較しても悪人としては不足しているハーレイだし、何度も繰り返される時系列巻き戻しとそれに伴う第4の壁突破は『デッドプール』ほどノレない。デップーちゃんは基本良い奴だからねぇ。あんなに時間戻しても、正直話が進まないだけだし、だからといって多角的に描く努力をしても、チームとして団結する流れが遅いうえに、動機が緩いのでそこまでチームアップとしての魅力も無かった。素直にやってよかった気がします。

 んで、これはDCEUがいまだにどういう態度なのか分からないが故の疑問でもあるんですが。ゴッサムシティがイマイチ飲み込めないというか。あんな工場の爆発が起きて、警察や検事ですらハーレイが破局したのが重大ニュースなら、自警団コウモリはどうして動かないのでしょう?スーパーマンは?ワンダーウーマンは?

 まあ100歩譲ってあいつらが知らんぷりをしていたとして。ジョーカーも何もしていないのか?あと、『スーサイド・スクワッド』での戦犯ことアマンダ・ウォラーとかあの辺の面々は?脱獄したことまで把握しておいて野放しなのか?バースが違うにしても、なんかその辺がチラついて違和感が最後まで拭えませんでした…。

 え?ジェームズ・ガンの『スーサイド・スクワッド』でもマーゴット・ロビー続投なの?もう訳が分からないよ…。