どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。
10連休最終日ですね。予定の半分ぐらいしか消化できてないのは何故でしょう。土曜日には物語るカメ@井中カエル (@monogatarukame)さん主催の映画オフ会に参加しました。また性懲りもなくアニゴジを擁護したり、ハルチカに激怒したり、いろんな話をさせていただきましたが、とても楽しかったと同時に、もっと映画見なきゃな、と痛切に感じた次第です。
閑話休題。4月はインファナル・アフェア3部作鑑賞や、平成終わり前に録画してあるジブリぐらいは見ようや特集を決行したりとなんかパッケージングして見ていたものが多い印象。全部で22本です。正直エンドゲーム祭りでそれどころじゃないんじゃ!
ジョーズ
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
前半は余所者にとっての田舎=地獄×危機管理能力ゼロの恐怖。だからこそ市長も食われれば良かったのに。
後半はサメとの戦いだが、逃れられない海上での殺るか殺られるかの勝負で見せ方がうまくてハラハラする。
肝心の対戦相手となるサメ自体が半分ぐらいまで姿すら見せないのが印象的。プロット的には怪獣でも宇宙人でも良いんだけど、それをサメで出来ることを証明したからスピルバーグは凄いんだろう。
倒し方からしても54年版ゴジラの影響下にある気もするし、倒したと思ったら違うサメだったみたいなパターンはシン・ゴジラが逆にその影響下にあるようにも感じる。スピルバーグがゴジラ見てないわけないもんなー。
エターナル・サンシャイン
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
記憶に関する話だが、トータル・リコールのようなアクションや陰謀ネタにせずに恋愛モノにする姿勢と脚本は良くできてると思う。
ただ、ジョエルの記憶の中で一緒に消えないように逃げてくれるクレメンタインはジョエルの中のクレメンタインであって本人ではない。ジョエルはクレメンタインが何故記憶を消したのか、を考える事なく記憶の中のクレメンタインと歴史修正的に過ごしていく。これって結局またうまくいかないんじゃないだろうか。
あと、作業中にふざけ倒してる記憶を扱う会社連中のドラマを見せられてもイライラしかないっす。
ただ、どうしても物申したいのはキルスティン・ダンスト別に普通に可愛いよ!?
猟奇的な彼女
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
うーん、単純に考えれば死んだ元彼忘れられずに暴力的な振る舞いをし、3年という歳月をかけさせた彼女は果たして素敵なキャラクターと言えるのか。キョヌに惚れたポイントのキョヌ側の動機は殴られたくない、という一面もありこれはDVと殆ど変わらん。彼女はカウセリング等に接続されるべきだったのでは。
という馬鹿正直な話は置いておいて、これだけ劇中劇やシナリオネタ、都合のいい現実離れした展開(軍人関係や彼女の父、そしてラスト)、決定打となる「猟奇的な彼女」の作者です、というセリフ。ようはこんな女性いなくて全部キョヌの書いた「猟奇的な彼女」の実写映画化、って事なんだと思うんだけど、それならそれでキョヌ、性癖歪んでない?笑
クヒオ大佐
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
騙されるかよ、今時アニメでもないわ!という設定の結婚詐欺師の話だがまさかの実話物。事実は小説よりも奇なりとはよく言ったもの。
全てがバレてなお口調の抜けない、そして語られる過去と映像の乖離。彼はクヒオ大佐としてしか生きていけない人間だったんだろうな、と。被害者はいるけど、本当の悪人は何処にもいない作品だったのでは。
インファナル・アフェア
WATCHA4.5点
Filmarks4.7点
香港映画は初めてかな?
警察⇔マフィアでスパイがそれぞれ入り込んでいるので、ちゃんと頭を使って追いつかないといけないが、潜入物として2倍おいしい。それでいて善人か、悪人かという問いも成り立つ。そりゃハリウッドが我先にと買い付けるわけだ。
潜入している2人も素晴らしいが、それぞれの上司であるマフィアのボスとウォン警視は印象深いキャラクタに。よく考えたら、潜入の秘密を知ってるのが1人だけに減ったらもう一人追加するリスクマネジメントしときなさいよ、とか言いたいことはあるけれども。
ラストの直接対決で善人になろうとした男の選んだ結末はまさに無間道、修羅の道。2は過去編だと聞いているが、この無間地獄の先を描くという3はどうするんだろう…。
インファナル・アフェアⅡ 無間序曲
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
1の前日譚を描いた続編だが、2としてはかなり良くできているのでは。潜入がバレるバレないは使えないので、香港マフィアと警察を巡る群像劇的展開に。当然事情に詳しそうだったり、重要そうなのに前作にいないやつが死ぬのは見えてる。だからこそどうやってドラマを展開するかが大事だがうまくできていたのでは無いだろうか。
前作以上に潜入してるやつはどっちがどっちか顔がわからんのが難点だが、前作で無間に立ち入った人物がいたが、その以前にもその地獄に行った人物がいたという訳だ。
善人か、悪人か、ということもテーマのシリーズだが、よく考えたら警察=善、マフィア=悪の図式なのでそれでいいのか、潜入してマフィア仕事してたら普通に善とは断言できねぇんでは、とか思考の無間地獄に入りそうにもなる。
インファナル・アフェアⅢ 終極無間
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
第1作を受けての続編としてはたしかにこれしか無い気がする。
善人でいたいラウと善人だったヤン。鏡像的に描かれた2人の潜入者の片方が消えた時、槙島聖護と狡噛慎也のごとく内在化される。その結果はPSYCHO-PASS劇場最新作では飽くなき対話であり、この作品では同一化と終わりなき無間地獄であった。
現在と過去、現実と妄想が目まぐるしく動くため油断すると分からなくなる危険もある。
メカニック
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
いやほんと小難しいことを1mmも考えなくていいタイプの映画って必要よね。
最初は事故や病気に見せかけて殺す仕事人だったはずのステイサムが、弟子取りながらそんなの気にせず街中でもバンバン銃撃爆発の大暴れ。
復讐が絡んでる因縁の弟子なのでオチが予想してた方に進んだけどステイサムなのを忘れてたわ、な感じ。90分ぐらいでこういうの見るとなんかスカッとするね
耳をすませば
WATCHA5.0点
Filmarks4.8点
こーれは、傑作ではなかろうか。ジブリ食わず嫌いを後悔した。
未成熟な上で無限、そして一瞬という青春映画の全てが詰まっていた。
最悪な出会いからの恋という恋愛の定番を抑えながら、中学生という年齢における将来・進路の問題にアイデンティティの話を交えながら大きくアニメだからできる飛躍と創作・挑戦を称える。しかもちゃんと個々人が自立してリスペクトしあってる。いやー完璧。
個人的にベガルタ仙台の応援歌のイメージしかなかったカントリー・ロードが心に残った名曲にランクアップした。
平成狸合戦ぽんぽこ
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
さあ平成を振り返ろうじゃないか、という番組でバブル崩壊から10年程度のことしか振り返ってないことを思い出す。そんな頃の社会問題をたぬきというフィルターを通すだけで一気に可愛く見せることに成功した作品。
平成初期に問題提起されていた自然破壊、食糧難、優生思想と言った問題は今なお解消されてはいない。
一方で、ニュータウンと呼ばれた団地が平成の終わりにはたぬきたちのかつての住処のように荒廃し始めているのも事実。平成を名に冠するだけあって、平成を俯瞰したようなものになった。
風立ちぬ
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
「ぬ」は完了の助動詞ですね(どうでもいい)
うーん流石宮崎駿、流石ジブリと言わざるを得ないアニメーション力。そこには素直に脱帽ですが疑問が2点ほど。
第1に、堀辰雄の「風立ちぬ」を原作としながら堀越二郎を主人公に据え、その半生を描いたがこれは換骨奪胎を超えてないか。どちらも実在の人物なのに融合させ、堀辰雄の存在を抹消しての「風立ちぬ」は「風立ちぬ」ではない気がする。この辺は原作改変をどこまで許すか、本質をどこまでと捉えるかの個人の主観の問題。
第2に、あくまで飛行機が好きで、飛行機を作りたかった純真な若者の姿を描きたかったのはわかる。だが、そこにこれだけの戦争描写やラストの「一機も帰って来なかった」という発言を出すのであれば、戦争や死に対する科学の、そして彼の責任について彼が葛藤していないのにも関わらずの「生きねば。」はあまりにもずるい。背負っている死の数は菜穂子の死だけではないはずだ。
宮崎駿自身が、アニメは子ども向けと言って憚らぬのに説明もなしに戦闘させることを説明しないことと重なって見えた。
紅の豚
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
宮崎駿の思う男らしさ、が詰まってる、すなわちポルコは理想でもあるんだろう。
と同時に風立ちぬでさえも言及しきれなかったように感じた自身の飛行機好きと戦争嫌いの矛盾が具現化した存在でもある。
単純にジブリ的美少女が出てきて、それを巡る飛行機乗りの男同士の決闘、というのは楽しいんだけど、出来れば相手のカーティスをもっと掘り下げるか、イタリア軍関係をもう少し描いてポルコと戦争を描くかが欲しかった。
かぐや姫の物語
WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
高畑勲監督の遺作にして、精魂を注入しまくった結果が画面に出ている。このタッチでこれだけ動いて美しいアニメーションというのは、金銭的にも技術的にも今後は難しいだろう。
話としては1000年前の古典、竹取物語だが、これを現代に再現することで、女性性を超えたお人形さん扱いの女性、もの扱いする天皇、規定された幸せ、最後まで名前で呼ばず姫と呼び続けた祖父母、自己決定権や役割意識、フェミニズムの物語として作る意義がある。「ブラック・クランズマン」や「グリーンブック」と同じような意図だ。
歴史好き的にも、国風文化期の月からのお迎えが聖衆来迎図に近い構図であり、時代的にマッチしていてニンマリ。
レッドタートル ある島の物語
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
ジブリの中でも変わり種。セリフなしの亀の恩返し。
ただ、個人的には食料描写の不足があまりにも目立つので、赤い亀の存在自体を含めて映画の殆どが男の妄想なのではないだろうか、という思いが強い。
セリフがない分絵的な美しさ、音の良さは間違いないし、特に水の表現は良かった。それだけに亀の生っぽさ、違和感があってそれがますます妄想説に拍車をかける。
風の谷のナウシカ
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
映画好きが平成を振り返るならジブリだろう。食わず嫌いで見ないでいた録画リストにあるジブリを見始め、ラストに選んだのがナウシカ。調べたら、まさかのジブリ以前&昭和作品というオチでした。とほほ。
作品自体はジブリのファンタジックな部分が少なくダイレクトに現実と死を突きつけてくる。自然破壊、帝国主義、消費社会。色んなものへのアンチテーゼととれるテーマ性は現代にも通じると同時に、これが古臭いテーマだと笑える日が来ると嬉しい。
マネー・ショート 華麗なる大逆転
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
サプブライムローンを基にしたリーマンショックの陰でその破綻を見抜いていた人物たちによる大儲けの話。
経済学の用語が飛び交う中でユーモラスにシェフやバスタブ美女が解説するあたりは退屈しないように気を使ってくれてるのだろう。
どうしても既有知識の差が映画鑑賞時の感想の差になってしまうとは思うが、アメリカにとってリーマンショックはなぜ起きたのか、サプブライムローンとは何だったのかは常識だとも言えるかもしれない。
明確な悪として、癒着の為に格付けを下げない格付け会社や証券会社、金融制度を描いてこそいるが、人の人生の破綻に賭け、大儲けする彼らは決してヒーローではないし、ヒロイックに描いてもいない。無論悪でも無いと思うが。邦題の「華麗な大逆転」に漂う勧善懲悪感は捨て去るべきだろう。
ゲーム
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
流石のフィンチャー。現実と虚構の境界線がどんどん曖昧になり、次に何が来るんだ!?というサスペンスはすごい。凄いんだが。
観客を騙すことが主目的化していて、ドラマとして成立していないように思える。
数々のそれ偶然に頼りすぎだろ的な計画は言うに及ばず、単純にコレされて嬉しいと思って金銭面を度外視して準備した側はどうかしてるし、喜んでる本人もおかしい。自分がされたら周りのやつ全員と縁を切って田舎で誰とも会わない隠遁生活に入るよ。
ブラック・スワン
WATCHA4.0点
Filmarks4.2点
バレエという世界のエリートが潰されそうになりながら現実と虚構の区別がつかなくなっていく、と言えば簡単。
イメージしたのはまず、デミアン・チャゼルの「セッション」。勿論時代的にはセッションがフォロワーですが。そこに親の抑圧とか入ってる感じ。あとは去年公開された「タリーと秘密の時間」。そして言わずもがな「ファイト・クラブ」。
ついでに言えば鏡や笑う絵なんかはJホラーに近い表現だなぁと思ったのですが、聞けば今敏監督の影響下にあるらしくて、なるほどと納得。そういう表現方法も内包するよね。
交渉人
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
面白かった。
冒頭で主人公の交渉人としての手腕と突入したがりなそれ以外の面々をしっかり紹介した上で、主人公が立てこもり犯となる状況でもその土台を生かしてる。
交渉相手のケヴィン・スペイシーとの相思相愛ぶりもたまらないが、互いに、そして真犯人に対してもはったりのかましあいだし、それが出来るのが提示された上でなので説得力がある。
欲を言えば、もっと敵が大きいと思ってたのと舞台移動なしで解決まで行って欲しかった。
星を追う子ども
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
新海誠作品かと確認しないと間違えてしまうほどジブリみが凄い。風景なんかは「君の名は」にも通じるダイナミックさはあるのだが。
メインの男女の心情がイマイチ描けてないので何をしたいの?が続き、目的を持って冒険しているモリサキが推進力をかろうじて保っている状態。次から次にファンタジーの謎要素をぶち込んだんならそれなりに説明とか解説をちゃんとしないと置いてけぼりよ
見知らぬ乗客
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
平成最後の劇場鑑賞は新文芸坐で初めてのヒッチコック。カメオ出演のシーンでは爆笑が。流石みなさんヒッチコック映画リテラシー高い…。
偶然知り合った男が持ちかける交換殺人…という粗筋で勝手に勘違いしてたが共謀というより、サイコパスにつきまとわれて男が困り続ける映画だった。
遊園地でのデートが退屈だと思ってたところからの殺人で一気に加速し、そこからまた停滞。話が進まないところからのそれを忘れさせるようなメリーゴーランドが凶器と化すラストは最高。
ただ、結局共謀でないことを証明するのに必要なのは現場の証言だけであって、それすらもしてなかった警察ェ…
ダイヤルMを廻せ!
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
犯人・手法を全て見せておいて、その通りには進まないタイプのサスペンスの王道というべき作品。コロンボや古畑への影響は如実と言うべき。
ほぼ会話劇の中で机上の空論が成立したところから、今度は現実に起きたことを机上の空論として成立させようとし、真実が露見する。警察官として捜査手法が違法なので、冤罪を食い止めるのは無理じゃないか、とかここまで緻密な計画を立てられるのに疑われるの分かってて大金使っちゃうところだけバカになってるのとかツッコミ入れたいところはある。
あと、一緒に見た「見知らぬ乗客」もそうだけど、不倫してる側が肯定されるのはそれでええんか、ヒッチコック。