抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2022年12月に見た過去作の記録

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 新年明けてからあっさりとブログが1週間途絶えました。映画館に行っていないからです。明瞭!そういうタイミングで投下するべきは12月に見た旧作のお話。17本らしいです。

 

いちごの唄

いちごの唄

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 石橋静河の過去を清原果耶が演じる惑星直列!そこは素晴らしい!

 ただ、無邪気な、と言っていいのか、主人公の幼さとか拙さとかそういうところを聖性と結びつけられてるような感じがある。単純に振る舞いが見ていてつらいのに、そういう文脈として出てきてしまうとちょっとしんどい。現実としても彼は浮いてるんだけど、演技としても浮いてる

町田くんの世界

町田くんの世界

WATCHA4.5点

Filmarks4.4点

 いい人すぎる町田くん。誰にでも優しい彼が人を嫌いな猪原さんと出会う。

 桐島的な引力があって、何事にも人のために一生懸命ですごいいいやつの町田くんの異常性を際立たせながら周囲の人間が影響されていく。岩ちゃんの変容だけは唐突な感じはあったが、新海誠的な2人での空中落下も含めての飛躍は、しかし彼の世界の話だからそれでいいんだと思える作り。

 誰にでも優しく自分が後回しなのは、逆に極度に世界を捨ててるわけで、彼が世界を取り戻す物語になっててすごく応援したくなる。

一文字拳 序章-最強カンフー少年対地獄の殺人空手使い-

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 アクションの質はとても高い!だいたい全部に言いたいことは出てくる作品なんだけど、アクションシーンの質は保証されていてその一点で許したくなってしまう。お金がない中でどう工夫するかを考える作品がほとんどだと思うが、お金が無いとかあるとかより、何をしたいかを考えて作ったように思える

 とはいえ、テレビ放映の体をとってのCMははっきりとグルーヴに停滞を生んでいる。

グロリア

グロリア (字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks3.9点

 近所のおばさんが子どもを預かって逃げ回る。とにかく横領した上にFBIにも垂れ込んだせいで一家は大ピンチ。息子だけでもと逃したので、当然終われる羽目になるという逃亡劇。

 最初は息子がちっとも言うことを聞かないで嫌になるが、どんどん育まれていく絆、そして互いに信じる様子はアガらないわけがない

アイガー北壁

アイガー北壁(字幕版)

WATCHA4.5点

Filmarks4.7点

 死の壁、アイガー北壁。ナチスドイツの時代に、プロパガンダとしてアイガー北壁を征した者にオリンピック金メダルを授与すると約束した。

 他国に先を越されるわけにいかない。ドイツの2人組が挑む。オーストリア組も同時に挑むのだが、ドイツ組の2人はあくまで登山家として未知に挑む喜びだったのだ。
ただの野次馬、見るしかない地獄。凄絶な山登り。

何者

何者

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 就職戦線異常あり。就活に臨む学生たちを描きながら、同じコミュニティにいる者たちのマウントの取り合い、人間の醜いところを出していく性のない愛の渦になってる。
とはいえ、システムのおかしさのところと、メインとなるだろうSNS使いの甘さが気になりまくる。ここまでバカな連中はなぁ…。いないっしょ、ここまで本名で正直にやったり、それを笑うやつ。仮面の使い方と建前の部分は分かってるさきっと。

 などと申せば、コイツらにマウント取ってる私も同じ穴のムジナに落ちるのだ

少年と自転車

少年と自転車(字幕版)

WATCHA4.5点

Filmarks4.6点

 親父に捨てられた少年シリル。前半はそのことを受け入れられずにとにかく父を探して暴れ回る。その過程で里親になってくれる女性が現れてからの後半は、悪い友人を見つけてしまって人に害する行為をするようになっていってしまう。

 クソガキムーブがすごいので、途中まではこの子を見放したくなってしまうのだが、しかし彼は最後に自転車を交換する。父親からの執着と新たな家庭へのアタッチメントを示していて実に感動的に思える。幼い時期にショッキングな出来事があったが故の彼の揺らぎはいろんなところに迷惑をかけたが、それも幼さなのだと許せ…るか?微妙なラインだが、私は最後の一連のやり取りでダルデンヌ兄弟もそこに自覚的だと思えた。

SLAM DUNK 全国制覇だ!桜木花道

スラムダンク 全国制覇だ!桜木花道

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 県ベスト8をかけて津久武高校との一戦に臨む湘北。対戦相手の監督は安西先生の教え子、主将は3ポインターでセンターが花道とキャラ被りメッシュ。

 因縁の付け方から試合までスムーズではあるが、試合がもっと見たかったかなー。ファウルトラブルを使いながら、花道の凄さとまだまだなところを併存させている。
それにしても初めてスラムダンクのアニメを見たのでこの声に固執してらしたのかぁと思ってしまう。別段合ってる感じはしないが…

SLAM DUNK 吠えろバスケット魂!!花道と流川の熱き夏

スラムダンク 吠えろバスケットマン魂!!花道と流川の熱き夏

WATCHA3.0点

Filmarks3.0点

 流川を崇拝する中3がバスケを断念せざるを得ないことになったので、その全てをぶつける練習試合をしてあげる話。さすがに話がオリジナルで無理やり作ったすぎて、桜木の流川意識が強い。あと作画はかなり落ちてる

アルプススタンドのはしの方

アルプススタンドのはしの方

WATCHA3.5点

Filmarks3.6点

 高校野球の応援席、アルプススタンドに来てしまったというか、やむなくやってきた生徒たちの会話劇。野球を一切映していないが野球を腐す序盤は今年のハイツ友の会を思い出した。ハイツ友の会が好き。

 で、試合展開とリンクさせていくから仕方ないんだけど「しょうがない」を「諦めない」に変えていく物語なのが真面目にちゃんと応援してきた人たちではないところにスポットが当たり変化を描いたことで、勝てそうになった途端に参画してくるミーハーな人、みたいな印象だった。この見方をしたら底意地が悪い人と思われるのが分かっててもそう思ってしまう。最後に見にきた試合もそう。そっちに行くのは勝ち馬に乗ってるだけに見えちゃう…

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 基本的にこの路線のアメリカンコメディは合わない、というのは知っていたがそれを超越すると期待していたのだが。

 バディと共有された自己肯定感抜群の2人が、でも知れずと他者と比較してしまっていた中で、あいつらだけずるいが、あいつらと比べなくてもサイコーに気づく物語。それは良い。

 ただ、そもそも目指す方向のイケ、アゲの至上主義がとても嫌いだった。パーティに行かなくても、最高のバディがいなくても、でも私って最高じゃん、それがクールじゃん、と思ってしまう。この楽しい空気感を共有できないやつは結局イケてるイけてない二元論に取り込まれてしまう気がしてしまう。みんなニックのパーティに結局いるのがな。

ハムレット

ハムレット(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.0点

 シェイクスピアの四大悲劇に今更ネタバレも何も無いとは思うのだが。父である王を叔父に殺され王位も母も奪われる。妃になっちゃう母もどうかとは思うが改心するので、まあ。

 復讐を誓っておきながら、直情的な復讐に走るのではなくまずは演劇を通して反応を確かめ、平常でない自分を演じ機会を伺う。愛するオフィーリアも亡くなり、みんな死んでいく最後は見せ場ではあるが長い。戯曲なのでかなり演劇的に見せてるのでなんやねんそれみたいなとこはまあある。

 とはいえ、殺そうとして一旦思い留まるシーンでのハムレットと彼の影の演出はサイコの萌芽を思い出す映画的な取り組みだ。「オセロ」だけは本当に何も知らんな、見てみないと。というか、シェイクスピア始め古典全般もっとリメイクしていいのではなかろうか。今回はローレンス・オリヴィエだったが、シェイクスピアといえばのケネス・ブラナーの監督版あるもんね。

台風クラブ

台風クラブ

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 台風が来ると気圧の関係で頭が爆発しそうになる。偏頭痛持ち共通の悩み。

 それを思春期の悩みにぶつけてきて、揺らぎを掬い取ったような作品だった。

 ただ、その揺らいだ結果を観客が楽しむために彼らの人生は軽視されてる気はする。この映画の中の人物たちにとっての大きな出来事は、さざなみのように終わってしまった。割と教室に乱入者が出てきた時点で気持ちは離れてたなー

 あともう完全にこの時代の日本映画を信用できてない、という個人的な懸念として役者の皆さんにどれぐらい配慮なされてたのか気になってしまうところは多々ありましたね…。

 未成年の衝動を示すために性をここまで押し出す必要があるのかどうか、あるならどれぐらい配慮されてるのか。ディレクターズカンパニーでしょ、ってことは『太陽を盗んだ男』的なノリの時代とメンツでしょ?と思うとケアがなされていると到底思えないのよね…

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア (字幕版)

WATCHA3.5点

Filmarks3.4点

 その辺の人にインタビューしようとしたらヴァンパイアでした!そんなんあってたまるか!

 という訳でブラピの口から語られる彼の生涯の物語。

 途中、アメリカの地において国家が興り、フランスの純血がいなくなった、みたいなことを言い出した時に吸血鬼の餌としての血という解釈からアメリカや多様性を見るのは確かに面白い!と思ったのだが、なんかあっさりアメリカを出て行って別に吸血鬼の要素を詰め込んだだけになってしまった。

コーヒー&シガレッツ

コーヒー&シガレッツ(字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 コーヒーとタバコを片手に話すだけの短編集。マジでそれだけだったので中身はない。ケイト・ブランシェットが分身したり、アルフレッド・モリーナの話はまだ面白みはあったが、それ以外が割と無だった。タバコ吸わねえからなー。ずーっと同じ人が話してるならまだ乗れるんだけど、離席するたびにリセットされるとちょっとつらい。

ゴースト・ドッグ

ゴースト・ドッグ(字幕版)

WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

 殺し屋の武士道。

 芥川の羅生門が人の手から人の手に渡り、殺す依頼をしてきた奴らが殺しにくる。修羅の道で仁義の道なんだけど、ジム・ジャームッシュがそうはさせてくれない、というか。なんとなーくゆるい雰囲気ではある。でも、異文化同士をクロスさせながらあんたの感想を聞かせてくれよ、とそういう流れはなんだかとても優しいと思う。

パニッシャー

パニッシャー (字幕版)

WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

 FBIの潜入捜査官フランク・キャッスルが家族を皆殺しにされた復讐をする物語。復讐、と言ってしまうとフランクに怒られるか。制裁の物語。

 オリジンを丁寧にやってる物語なので、エンジンかかるまでどうしても時間がかかるのが勿体無いし、制裁の割に私怨が強すぎるやり方でパッとしない。悲しみを背負ってる感じがもっと欲しかったか。

 あとはトラヴォルタ側もロシア人の殺し屋を派遣していて、しかもこいつとの戦闘が1番面白いからパニッシャーアンチヒーローとしての立ち位置が少しぶれてマフィア映画っぽくなっちゃうのよ