抹茶飲んでからマラカス鳴らす

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ついにピカチュウハリウッドデビュー!!「名探偵ピカチュウ」感想

 どうも、抹茶マラカス (@tea_rwB)です。

 今回は日本が世界に誇る「ポケモン」のハリウッド実写化。「名探偵ピカチュウ」の感想になります。元々のSwitchのゲーム、「名探偵ピカチュウ」を買ってないのでスルーするつもりだったんですけど、試写会に当たったので見てきました。まあ、ウルトラサンまで買ってるし、ポケモン知識はかなりある方だと思ってたので。

多分ですが、特にアニメ版のポケモンに慣れ親しんだ層の方は楽しく見られるエンタメに仕上がっているのでは。

 試写会も字幕版だったんですけど、ピカチュウの吹替誰がやるんでしょうね。

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WATCHA3.5点

Filmarks3.7点

(以下ネタバレ有り)

 1.実写化されてカワイイポケモンたち!!

 まあ何といってもまずはキャラクターたちですよ。中身デップーちゃんa.k.a.ライアン・レイノルズピカチュウはいったん置いておきますが、それ以外のポケモンたちがまあ可愛い。舞台となるライムシティはポケモンと人の共生が実現していて、ゲームみたいにポケモンバトルとかしないんですよね。だからポケモンがのびのびしていて表情も豊か。予告編やポスターで見るほど毛皮感は気にならないです。

 長年のアニメファンに嬉しい目配せとしては、やっぱり主人公ティムと行動を共にするルーシーの相棒コダック。頭が痛くなると発動する念力、という設定は初代アニメのカスミのコダックを思い出させる嬉しさ。かといって、ゲッコウガドダイトスといった新しめのポケモンをしっかり見せてポケモンワールドが151の夢とか言ってた頃より拡張しているのもいい感じ。去年のポケモン映画の嫌いなとこはそこだったんでね。

 エンディングも日本のポケモンへの愛をしっかり感じる作り方で、日本市場を意識しているな、という思いと海外原作ものでもちゃんと向き合って作ってくれている嬉しさとを感じました。

 さあそしてピカチュウを演じるライアン・レイノルズピカチュウの声がおっさんなのはそれだけでギャグにはなりますが、元々ゲームでも大谷育江さんじゃなくて、大川透さんが声を当てて明確に喋っていたのでゲームやってた人は抵抗なかったんじゃないでしょうか。個人的にはピカチュウとしては違和感がないとは言いませんが、デップーで慣れてるふざけた感じが少し優しめに続くので安心して見れている感じ。ちなみにピカチュウの声が聞こえるのはティムにだけなので、一般の人からどう見える?を描くギャグシーンでちゃんと大谷さんのピカチュウも聞けるから!安心して!大谷さんは日本語喋らないから!

大谷育江さんのピカチュウが喋ったのはコレ ↓

tea-rwb.hatenablog.com

 あ、後述しますが、ライアン・レイノルズが声を当てる理由もちゃんとしっかりあるのも一発ネタじゃなくて良かった。

2.名探偵としては…?

 キャラものなのはいいのですが、じゃ、肝心のストーリーは、というと。

 探偵だった父が相棒のピカチュウとともに事故で亡くなったと連絡を受けて、ライムシティに来てみたらピカチュウが記憶喪失で父の家に。そこからルーシーと一緒に事故現場近くの施設に潜入、そこで一旦ピカチュウと喧嘩するも、黒幕が分かり全面対決って感じ。

 元も子もないことを言えば、人口のポケモンであり、今夏にリブートを控えるミュウツーを捕まえてきたティムの父が、ミュウツーを悪用しようとしていることに気づいて逃がしたら消されかけたので、ミュウツーの力で魂をピカチュウにぶち込まれた、という話。よくある気がするストーリーラインではあるものの、そこにポケモンの特性とかを取り込んでいるので十分楽しく見れる内容。特に放送局のトップとナンバー2(親子だったか兄弟だったか忘れちゃった)が悪いと思いきや、片方はメタモンだったあたりは事前にメタモンのへんしんもちゃんと見せた上でなのでそこまで後出し感もなく。

 ただまあ、既視感が否めないのも事実なんですよね。ポケモンが我を忘れるガスがある時にミュウツーの力でポケモンに人の意識をぶち込んで人類を一歩先に進化させるという発想自体はまあ人類補完計画という言葉が浮かぶのはしょうがないっすよね。そんでパレード中にそのガスの入ったバルーンを割るっていうのも、どことなくティム・バートン版「バットマン」のジョーカーを思い出させます。ずーっと冒険してきた相棒が実は自分の父親だったパターンは、KUBOでやってました。

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 んで、既視感以上に問題なのがミュウツーの有用性。割となんでもアリな能力を駆使する。ほぼ未来予知に近い能力(エスパータイプ技にみらいよちがあるからめんどくさい)やポケモンと人の精神を混ぜちゃうトンデモ技。当然の浮遊。まあミュウツーなんで、強いのは問題ないんですよ。じゃ、ティムのお父さんはどうやってそれを捕まえたの…?というシンプルな疑問が。そこまで凄い能力のある探偵なのに、ミュウツーが悪用されることは想定していない上に、それを探り出したら消されかけるというなんとも情けない顛末。

 こうしたことは、おそらくベースとなるゲーム版から膨らませた部分のあれこれをミュウツー頼みにしたせいで生まれたひづみだと思います。ちらっとゲーム版のストーリーラインを調べたんですが、どうやらピカチュウが喋れる理由もわからないし、父親も会えないまま終わるわりとしっかりキャラものの印象。そこをクロスさせるためにミュウツーを強くしてみたら、ティムのお父さんがダメダメになった感じですかね。