抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

駄菓子菓子「たべっ子どうぶつ THE MOVIE」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 『サンダーボルツ*』にぶつけていったまさかの映画化。でも意外とラストの展開は似ていた、という不思議。

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WATCHA3.5点

Filmakrs3.6点

(以下ネタバレ有)

 原作ギンビスによるアニメ映画。ギンビスはもちろんたべっ子どうぶつや劇中で登場するアスパラガスビスケットなどで知られるお菓子メーカーで、当然意味のわからないクレジットである。マテル社がバービーを映画化するならこっちだってたべっ子どうぶつを映画化しちゃうもんね、という気概なのかは知らないが、生きておくものである。こんなこともあるのか。

 外側が続いて申し訳ないが、目を引いたのは企画・プロデュース。ギンビスが暴挙に打って出た原因とも言える人物が須藤孝太郎。アニメファンなら名前は覚えているかもしれない人物。それもそのはず、放送話数×2回分OPを見る羽目になった劇薬・ポプテピピックの仕掛け人なので何度も名前をそこで刷り込まれている。ポプテピピック同様に上坂すみれキングレコード声優のために1クール地上波でバラエティ番組まで作ってた人でもある。この須藤氏,知らぬ間にキングレコードを退社し、TBSスパークルに入社。本作の企画をキングレコード時点から取り組んでいた中で社を移って実現に漕ぎつけたようである。なんというかアニメ業界の中でもヘンテコな人だと思ってたけどアニメに力を入れ始めているTBSの思わぬ一手。一応蒼井翔太とか水瀬いのりを連れてきたのはキングへの配慮…なのかしら。まあ実力に文句のない方々なので問題なし!

 さて、じゃあ実際の作品はどうだったのでしょうかというと、見事にまとめ上げた優良作と言っていいでしょう。子ども騙しをする気のないルックをきちんと整えた3DCGで、人間が食ったらお菓子のキャラクターが具現化するという世界になんだかなってしまってスイーツ王国が出来てるよーな感じ。人気グループたべっ子どうぶつがツアーを終えて国に帰ると国はわたあめ軍団に占拠されてる!流れで捕まってしまったペガサスちゃんを助けるためにダメリーダーのライオンよ立ち上がれ!とかいうどこに英語が書いてあるビスケットなのだ、というストーリーラインを仕上げてきた。よく考えたら、人間がお菓子を食うたびにそんなもんが生まれてたらお菓子によるインベージョンが起きるのでは…などと思わなくもないのだが、まあとにかくうまい棒うまえもんやタラタラしてんじゃね〜よといったキャラクター、お菓子だけでもココアシガレットや蒲焼さん太郎なんかも登場して社の垣根を飛び越えて日本の駄菓子大集合ユニバースにしている。『だかしかし』にもみんな実名で協力してるし、いい業界だなぁ…と駄菓子を食べてきた人生分の思いが乗っかる。

 で、映画の基本のストーリーはともかく、ペガサスは実は羽を機械で動かしてた、ひよこちゃんはフェニックスになったの2点でたべっ子どうぶつPhoenixとかPegasusっていたっけ!?みたいな確かめたい気持ちを呼び起こすし、基本メッセージみんなでお菓子を仲良く食べよう、だし、お菓子を変に与えないと今回のヴィランが生まれるよ、となるので一緒にきたお父さんお母さんもぐぬぬとおやつを与えざるを得なくなる。販促プロモーション作品としてまずは満点である。

 勝手にユニバース、みたいな側面からしてもそうなのだが全体的にドリームワークスの匂いをすごく感じる作品だったように思える。っていうかドリームワークスにいただろ、今回のヴィラン。自分が不幸だったから周りのみんなも不幸にしてやるためにお菓子を綿菓子だけにするって歪み方。シュレックがどんどん拡大して長ぐつをはいたネコ単独作が出来たように、続編が続いてお菓子ユニバースが拡大した結果ガリガリくんとベビースターワイルドスピードスーパーコンボみたいな映画ができる未来だって否定できないレベルには到達したと思う。思うけど、そうなったらマジでこの世界の人類滅んでる気がしてきた。

 あとは声優陣。まあ本職声優がいつも通りの仕事をしているのは間違いないわけで、水瀬いのり水瀬いのり力が炸裂していたり、立木文彦が本当にいつも通りだったし、関智一スネ夫だった。っていうか悪役2TOPがW大塚なの、普通に夢のようだ。そこに連れてきた芸能人声優、髙石あかりがなんでも出来るのはもはや周知の事実になっていたが、歌も含めて見事にこなしてみせたことは驚嘆であるし、藤森慎吾は相変わらず上手なウザめなキャラだった。彼、本当にうまい。そしてこの映画にとっては1番大事かもしれないポジションであるペロは大野りりあな。勿論トットちゃん。やっぱこの方の演技は凄い。あの愛くるしさと悲しさを舌足らずな滑舌の中に同居させてるのはなかなか出来ないと思う。

 ちょっと途中で幾度か顔を出す声優の中の人ギャグとかネットミーム感のあるやつさえ邪魔をしなければスムーズな気はした。