抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

2025年のJリーグの話をしよう

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 いよいよ、明日バレンタインデーの夜、フライデーナイトJリーグ大阪ダービーで2025年のJリーグが開幕しています。映画メインのブログだろうが、20年一緒に過ごしているJリーグです。今年もやりましょう、順位予想のお時間です。

Jリーグ選手名鑑2025 J1・J2・J3(エルゴラッソ特別編集)

 

鹿島アントラーズ

 まさかのポポヴィッチ監督就任でパスサッカーを目指したはずのアントラーズ'24は案の定ポポヴィッチの解任に終わった。ポポヴィッチと入れ替えで中田浩二を責任者に迎えた今季はフロンターレ黄金時代を築き上げた鬼木監督を招聘。日本代表に持ってかれかねない存在を確保したのは大きい。知念くん、久しぶり、きみボランチになったんだって?と鬼木さんもボランチ魔改造された知念にご機嫌だろう。

 基本的にはフロンターレ時代と同様ボールを握りたがるだろうし、握ってほしいから呼んだはず。風間さんが仕込んだ止める・蹴るがそこまであるのか分からないが、そういう意味では技術力は抜群の柴崎岳がコンディションを万全にできたら怖いったらない。補強としてはまず鈴木優磨に頼りっぱなしだった前線にレオ・セアラを加入させた。15点は見込める。鳥栖からキム・テヒョンを迎えたことでCBの貧弱さも多少解消されたと思うし、FC東京で復活を遂げた荒木遼太郎も帰還。正直、トップ下タイプの選手が多いわりに、布陣的にそこを置くのか良く分からないが、とにかく鬼木さんのサッカーにバックスが耐えきれるかがカギだろう。

注目選手:濃野公人

 内田篤人、常本圭吾と右SBは鹿島から続々と欧州へ旅立っている系譜があるが間違いなくそれに連なることになるだろう。大卒1年目ながらも定位置を確保した昨シーズンは、どうしてそこに?というポジショニング・得点感覚と鋭い振りのシュートでサイドバックなのに9得点を記録。今年もそんなに獲れるとは限らないが、マリノスから小池龍太を取ってきている辺り、フロントも彼の夏の旅立ちを想定していそう。

浦和レッズ

 相変わらず一番フロントが迷走しているせいでどうなんねんコレ、なチーム。折角ヘグモさんを連れてきてどういうサッカーをしたいのかという方向性を定めたと思ったら、スッと首にして前年まで指揮していたマチェイ・スコルジャ監督を再就任させてきた。このパターンの人事で上手くいったことを見たことがない気がするのだが。

 浦和はクラブW杯を夏に控えていることもあって戦力は大きく増強。ショルツの抜けた穴が埋まりきらなかったセンターバックダニーロ・ボザなるブラジル人を補強し、大卒で有力選手の根本健太も控えている。昨年の夏に獲得した長沼・本間・二田に加えて、柏の司令塔マテウス・サヴィオクロアチアからドリブラー金子の帰国、新潟で這い上がった長倉も補強し、上半身はこの半年で恐ろしいことになっている。中島翔哉の出番とかあるんか?そして安部裕葵は想像上の生き物でないことを流石に証明して欲しい。

注目選手:チアゴ サンタナ

 やたらめったら2列目はいるけど、よく見たらそんなに前線はいないのでサンタナの気合が試される。控えだった興梠が引退したので、レンタルバックの高橋と新加入の長倉と争うんだろう。とにかく昨年の国立で目撃したハーフウェイラインからの衝撃的なロングシュートを見せられたら期待せずにはいられないっすわ

柏レイソル

 なかなか瀬戸際に追い込まれ始めている印象がある。何年かに一度J2に落っこちちゃう印象のあるクラブになっている印象があるんだが、今年はどうだ。アジアの壁・井原正巳が退陣し、徳島・浦和で指揮を執ったリカルド・ロドリゲスを連れてきた。文句なしの中心マテウス・サヴィオにいきなり定位置を掴んで代表まで駆け上がったSBの関根の流出など、文字通りの再建を目指すことになる。

 守護神候補として新たに新潟から小島を迎えて足元から繋ぐ気は満々、長崎から帰ってきた田中隼人鳥栖の原田にリカルドチルドレンの渡井、鹿島から仲間に浦和の小泉と、他のチームで控えに甘んじるには勿体ないレベルの選手をかき集めてきた。

注目選手:細谷真大

 何をしているんですか!渡欧してください!

 パリオリンピックのあとにでも行くかと思ったらちっともヨーロッパに行かないどころか、このオフは名古屋に移籍するのでは?という報道が出てくる始末。日本代表にも呼ばれるラインまで来ているとはいえ、昨年6ゴールはあまりにも物足りない。いいパスを供給してくれていたサヴィオがいなくなったことで独力での突破性能も含めて真価が問われる。

FC東京

 ピーター・クラモフスキーとの1年半の旅路を終えて、新潟から松橋力蔵監督を迎える新シーズン。何度も挑戦しては失敗してグダグダになってきたボールを握るスタイルへの転換をもう一度挑戦する。

 この数年けん引してきた大エースディエゴ・オリヴェイラの引退に伴い、新たなエースには鳥栖のマルセロ・ヒアンを指名。チームの歴史を知る男として、ロシア・スペインで経験を積んでさらに大きくなったはずの橋本拳人が中盤に帰還したことで中盤は激戦区となり、前線にはパリ五輪代表で明治大即海外だった佐藤恵允を獲得して戦力の拡充を図った。昨年の攻撃のほぼすべてを担ったディエゴ&荒木がいなくなったことで、ロングパスでもなんとかしてくれるヒアンに投げながら、スタイルの完成を目指していくはずだろう。

 バングーナガンデ佳史扶や小柏剛、長友佑都など、怪我していない状態よりも怪我している状態の方が長そうな選手がちょいちょいいるのが悩みどころで、この辺の人たちをどうカウントしていくか、運用も大変だ。っていうか長友はサイレントすぎてマジで元気なのか元気じゃないのか分からない時が多すぎ。

注目選手:木村誠二

 期待のセンターバック鳥栖での修行を終えて帰ってきた。1クラブからオリンピックに選ばれる人数の限界や出場機会なんかも鑑みて鳥栖に移籍したのだと思うが、目論見は成功して鳥栖で定位置を獲得し、オリンピック代表にも選ばれた。満を持しての帰還となる今シーズンは森重・木本といったベテランと昨年出場機会を得た岡・土肥の若武者たちとの競争でエンリケの相方の座を争うことになる。

東京ヴェルディ

 16年ぶりのJ1という舞台で6位!残留が目標になりそうなシーズンで、見事な大成功を収めた。今シーズンはまずはその原動力となった林・山見・染野・木村というレンタル組を漏れなく完全移籍に移行することに成功。山田はポルトガルに行ってしまったが、それ以外も見木が福岡に行ったぐらいで躍進したクラブにとっては大満足と言えるだろう。その上で、世代の旗手でもある磐田の鈴木海音、司令塔候補平川、中盤で運動量を担保できる福田と的確に補強してきた。昨年通りの力を見せられれば残留は固いだろうが、戦力的に出来ることが限られている方が得意と言える城福さんがどこまで無欲でいられるか、が岐路になりそう。

注目選手:平川怜

 そうか、君はその道を行くんだな。FC東京ユース出身で、久保建英と同時に繰り上がりでトップチームに昇格した天才はFC東京で開花できなかったものの、熊本で王となり、そして遂に緑をまとうことになった。FC東京サポーターとして絶対に負けたくない相手となったわけだが、しかし平川だってそんなことは100も承知で移籍しているのだろうし、こうなったからには昨年2分けに終わった東京ダービーの決着を平川の眼前でつけて後悔をさせてやろうじゃあないか。まあポルトガルに行った山田の後釜的な補強だと思うので、セットプレー含めて大事にされるはず。大事にしろよ!

FC町田ゼルビア

 台風の目どころの騒ぎでは無かった。初挑戦のJ1で優勝こそ成らなかったが3位と躍進。夏に平河をブリストルに放出しても中山雄太を取ってくる、名古屋に1試合だけ出させてあげて相馬を獲る、みたいな金持ちしか許されないムーブをしていた。圧倒的にシンプルながら強さのあるオ・セフンへのロングボールとフィジカル的な強さを前面に出しながら、PKでボールに水をかけ、ロングスローに時間をかけて、タオルを奪い合ってリーグ屈指の嫌われ者になっている。このオフも札幌から岡村大八、福岡から前寛之マリノスから西村拓真、黒田監督の薫陶を受けている菊池流帆とセンターラインをしっかり拡充。拡充できるほど枠が余っているのか不思議でならないし、エリキに3億5000万、ナ・サンホに1億8000万、デュークに1億も出しているのは凄すぎる。相馬も3億3000万、中山雄太も3億。お金があるなぁ。

 今季はヘッドコーチの金明輝が福岡の監督に就任したため、戦術面でマイナスが出るのでは?という予想をしているが、黒田監督の下、揺らぐことなく今年もいやーなことをしていくんだろうな、と思う。

注目選手:谷晃生

 町田の堅守を支えていたのは間違いなく谷だったと思う。正直海外移籍の時、及び帰って来た時のコメントからすると舐めてんのか、と思うのだが、それはそれとして昨年のリーグ最多クリーンシートだし、もうワンランク上、そして出来るならもう一度海外へ行くことを目指して欲しい。

川崎フロンターレ

 鬼木監督と別れを告げて、新たな時代への航海が始まった。鬼木監督最終戦の様子は公式Youtubeにあがっているのだが、こっちまで泣いてしまう。

 新監督は福岡からやってきた長谷部さん。鬼木さんが古巣に戻ったように、長谷部さんも古巣復帰である。フロンターレとしては特に守備面の整備が喫緊の課題だと思うのだが、そういう意味では最適な監督の一人なのは間違いない。

 前線は猛牛エリソンに昨シーズン大ブレイクの山田新とパワフルではあるのだが、新監督就任に関わらず絶望的に補強が無い。福島で中心になって帰ってきた大関ハンブルグでちょっと輝いただけの伊藤の国内初挑戦が目玉というのは流石に寂しすぎる。長谷部さんは3バックを福岡ではしていたが、明らかにサイドバック適正の選手をどうするのかの整理、CBの枚数不足など編成としての課題は多そうに見える。

注目選手:河原創

 熊本の心臓から鳥栖の中心となったアンカーは昨夏に鳥栖の経営不振もあったか、川崎にやってきた。すぐにビシッと定着したように見えたが終盤はかなり苦戦していたように見受けられる。配球能力に運動量、怪我しない耐性にセットプレーのキッカーとしての能力とめっちゃいい選手なのだがなぁ。

横浜F・マリノス

 キューウェルを連れてくる博打が大失敗に終わってしまい、夏からはハッチンソンコーチが内部昇格。そして新監督はスティーブ・ホーランド。あの!イングランド代表ギャレス・サウスゲイトの右腕である。うーん。あれだけの名選手がいながら塩試合を作り上げた名手・サウスゲイトの右腕がマリノスの標榜するサッカーに合うのか、っていうかマリノスは何故右腕の初監督挑戦ガチャを引き続けるのか。 

 布陣としては後ろが3枚になるらしいが、上島・エドゥアルド・畠中とレギュラークラスのセンターバックはもれなく移籍しており、新加入のトーマス・デン、キニョーネス、そして本当に直前にやってきたウォルシュのフィットが至急要求されることになる。ウォルシュの合流は直前、コロンビア人キニョーネスは未知数すぎるので、昨年に来ているのに未知数なトーゴ人のジャン・クルードが気付けばセンターバックをしている可能性すらある。

 前線のブラジル人3人衆は健在で、アンデルソン・ロペスは今年も得点を量産しそうで、控えにも植中、天野純あたりの実力者がしっかり準備しているところに、川崎から遠野を連れてきた。遠野もどこが適正ポジションなのかよくわかんないんだよなぁ。

 あとは守護神が問題か。一森が去った後にポープを獲得したが不安定で、気付けば飯倉が守っていたゴールマウスに今シーズンはパクイルギュを復帰させている。おじさんがいっぱいである。

注目選手:喜田拓也

 もうマリノスを象徴する選手になったと言っていいだろう。マリノスが誇るキャプテンは、2年連続で監督が代わる苦境だからこそキャプテンシーを求められる。無理を続けた結果、昨シーズン終盤は怪我で欠場になってたようである。山根、渡辺といった相方と頑張ってほしい。多分広大なスペースを管理することになるだろう。いや、サウスゲイトの右腕ならならないのか…

横浜FC

 J1にまたも帰還。エレベータークラブ、と呼ぶと嫌かもしれないが、それだけ上がってくるのはクラブとしての地力がついている証拠ではある。まあとにかく残留を目指すシーズンにと言っていいだろう。狙うはヴェルディの再来だ。

 とはいえしんどい陣容ではある。CBの中心だったガブリエウと7ゴールを記録したカプリーニの助っ人コンビを大宮に引っこ抜かれてしまった。新エースとして鈴木武蔵を指名、後半は調子を上げていたので期待できるだろう。鈴木武蔵と同じく四方田監督の指導を札幌時代に受けている駒井も獲得したことで、新戦力ながらスムーズには進めそう。CBは鳥栖から山崎、磐田から伊藤を連れてはきたがちょい小粒な印象で、GKも昨年が初めてシーズン通してのレギュラーだった市川が務めるのでこれがアビスパの村上みたいな活躍を出来るかどうか。

注目選手:新保海鈴

 プロ入り時から注目されていた逸材が、山口でついに大ブレイクを果たして個人昇格。田中隼磨の息子で、親子対決こそ実現しなかったが、田中隼磨が山雅と揉めているうちに目の覚めるような活躍を見せるのではなかろうか。なんといっても特徴は左足の高精度なのだが、いかんせん横浜FCの左サイドには同じく高精度の左足を持つ福森が鎮座しているため、守備で奔走しないといけない可能性が高い。守備強度をJ1レベルに揚げれればよいのだが。

湘南ベルマーレ

 選手が活躍しては引っこ抜かれてしまうチームでありながら、次々に若手が成長を見せていき湘南スタイルを継承し続けるいいチームになっている湘南。今年も心臓だった田中聡が広島に移籍。まずはその穴をどう埋めるか、ということで川崎でヴェールに包まれたままだった気がするゼ・ヒカルドを獲得。アンカー適性がありそうなのが茨田、奥野ぐらいでしょうか。ここがハマらないと夏の補強をしないといけなくなるか、フォーメーションをいじることになるかもしれない。

 池田や福田といったJ3から獲得してきた選手たちがJ1級にまでしっかり成長しているし、っていうかこの人たちはビックリゴールが怖すぎる。サイドの畑と鈴木雄斗、小野瀬とちょっと枚数が不安だったところに鹿島から藤井も獲得ということで枚数も確保した。チーム鈴木の3人を軸として、着々と育ちつつある石井など、更なる若手の成長に期待である。

注目選手:鈴木章

 せっせと大卒から育てた大橋が覚醒するや否や広島に移籍して新たなエース探しを強いられた湘南を救った新エース。降りてのポストもできるし、何よりも判断が良い。打つと決める判断と思い切り、ここ!という勘所がまさしくストライカーって感じがする。大橋と違って高卒なのでまだまだ若い。まずは2桁得点を達成した昨年同様の活躍を期待したい。

アルビレックス新潟

 松橋さんが退任してFC東京に。アルベルに続いて監督を引き抜いていることは本当に申し訳ない思いである。ただ、いろんな噂で監督が連れて行くんじゃないかと言われていた選手たちも残留し、流出は守護神の小島とエースの長倉に留めた、といっていい気がする。ルヴァンで初タイトルが目の前まで来たとはいえ、リーグは残留争いとなったこともあり、新監督樹森さんの下で仕切り直しとなる。どういうサッカーをするのかは未知数だが、アルベル→松橋路線を継承はしているはず。

 小島が抜けた守護神の座は熊本の荒武者田代と千葉での修行を終えた藤田が戦うことになると思うが、どちらもJ1での経験は乏しい。長倉のところは、藤枝のエースになった矢村を復帰させ、山口から若月を獲得。圧倒的ストロングである宮本と秋山のボランチからいいパスは出るので、あとは決めきれるか。

注目選手:稲村隼翔

 大卒新加入。だが決して青田買いではない。東洋大の4年生だった昨年、特別指定として大学のスケジュールの合間で参戦したトップチームで鮮烈な輝きを放ったセンターバック。大学に無理を言ってルヴァンの決勝にも帯同させることにしたことで東洋大学サッカー部に新潟サポが寄付しまくったのも話題になった。今シーズンは間違いなく新潟のレギュラーとしてやっていくだろうし、なんなら全然もうヨーロッパに見つかっているとは思う。早くて、上手くて、正確に蹴れるのでGKのビルドアップ能力がイマイチでも大きな助けになるはずだ。

清水エスパルス

 1年での復帰を逃してしまい、ようやく、といっていいJ1復帰。なんにもない!This is !みたいな名言製造装置でもあるパッションの男秋葉監督の下、まずは残留を目指すことになるだろう。

 昇格メンバーからは、守護神の権田と原輝綺が離脱。最も、既に退団が決まっていたのか終盤は沖が定位置を確保していたので大きな問題はないはず。蓮川と住吉の守備陣はレンタルから完全移籍への移行を成功させて堅持。原の分の獲得は若手の高木の成長に賭けている感じっぽい。清水は高木いっぱいいたし、育つ気がする。彼は「たかぎ」なのか「たかき」なのか。

 攻撃の両翼を担う存在として逆脚ドリブラーの中原と快足カピシャーバを獲得。復活した北川、ドウグラス・タンキとアフメド・アフメドフの両助っ人の活躍次第で残留は緑信号がともるハズ。

注目選手:乾貴士

 36歳になったサッカー小僧。ドリブラーとして勿論世に放たれた選手だしそのイメージも強いと思うが、ファンタジスタ的な振る舞いを見せる存在にもなっている。スルーパースは極上だし、当然自分で決めきる力も持っている。基本的に秋葉さんのサッカーの前線はアイデアを大事にしていこう、なので乾の持つひらめき・技術は大いに柱になる。プレミアリーグなんかを見ていても36歳という年齢はいつガタっと来てもおかしくないのが不安か。

名古屋グランパス

 長谷川健太3年目はルヴァンカップのタイトルを獲得したことで一定の成功を見せた。ただ、これまで通りなら長谷川健太体制としては成熟していくにつれて人の入れ替えでないとどんどん下降していくフェーズに入っていく可能性がある。

 一番大きな変化は最後尾だ。長年ゴールマウスを守ってきたランゲラックが帰国。代わりにシュミット・ダニエルを獲得。代表級の選手で穴埋めを図ったが、さっそく半月板損傷で長期離脱。合わせて、今年こそは復活のエースとなることを期待しているユンカーもまた負傷してしまった。ちょっと耐える時間から始まるシーズンとなるか。

 補強としてはディフェンスラインに浦和の佐藤、清水の原、福岡の宮を補強。ポカを繰り返しながらもディフェンスラインの中心に成長した三國の脇を固めていく方針だろう。そしてあのマテウスが中東から復帰。ドリブルも上手ければ、とんでもないロングシュートを決めきるキック力も兼ね備えたリーグ屈指の選手だったが、中東移籍後に大けがをしてなかなかプレイタイムは確保できていなかった模様。かつてのマテウスと同じクオリティを見せてくれるなら脅威になるが、果たして。

注目選手:永井謙佑

 ユンカーは怪我がちで、新エースを期待された山岸もやはり負傷離脱を繰り返して福岡時代を期待されたものとはちょっと物足りない成績だった昨季。結局前線で元気に走り回っていたのはこの大ベテランだった。個人的には、FC東京でも全然元気だったのに、名古屋に帰ってからますます上手くなってもいるように見える。アイデンティティとしては名古屋の選手になった感じはある。このおじさん、顔が若いし元気溢れるうるさいキャラだから忘れそうだが35歳である。恐ろしい。パトリックが抜けたのでFWのバックアップを一手で担う結果また出ずっぱりになりそうである。

京都サンガF.C.

 降格待ったなしな前半戦から怒涛の追い上げを見せて残留を勝ち取った。とにかく大熊GMによる補強が大当たりし、特にラファエル・エリアスが警報級の暴れっぷり。デビューから10戦10発。広島のトルガイといい、紫の夏合流助っ人が凄かった。更にはエリアスの加入でマルコ・トゥーリオも覚醒するし、福田も大活躍と右サイドが大きく活性化された印象である。まずは新シーズンもこの勢いというか、昨年の後半をベースに進められれば中位以上を狙えるはず。心配なのはやはり最終ライン。サイドに須貝、中央には新外国人のパトリック・ウィリアムはしたが、いかんせん昨季の京都の守備は裏を取られれて一点取られるのが決まったな、と覚悟を決めたらアピアタウィアがなぜか追いつけてDOGSOで散っていくイメージだったのでそもそもの裏を取られることを無くすか、裏を取られても追いつけるファン・デ・フェンみたいな選手が吹く数人いないと困るハズ。そこをカバーする意味でもあんま変化しなかった中盤の仕事が改善することも必要だろう。

注目選手:原大智

 日本に帰ってきてからは継続的にアベレージの高い仕事はしているんだけど、爆発はしていない印象がまだある。まあ東京にいた時もまだ爆発していなかったんだけど。京都は大分を満了した長沢を獲得しているので、流石に爆発したら夏にまたヨーロッパ行くんじゃね?の視線を持っているのではなかろうか?と思うし、実際まだやれるんで全然行ってほしい。でも、左WGの控えとなると平賀とかになりそうなので爆発して海外に行かれるとちょい不味い気もする。

ガンバ大阪

 ポヤートス監督、めっちゃ強い、みたいな破壊力の記憶は無いのに気づいたら勝てない強さのあるチームになりリーグ4位、天皇杯も準優勝とかなりいい位置につけている。結実の3年目、目標はもちろんリーグタイトルに定めているだろう。ただ、編成面はそれをバックアップすることはできていない。

 昨年開花した坂本はベルギーに移籍。2桁取るとすぐ海外。そして中盤で見事に効いていたダワンが中国に移籍してしまった。攻守の要を奪われ、そしてその補充はされていない状態。海外行きも示唆された高卒の宝・名和田我空の獲得には成功したが、即戦力とは言ってはいけないだろう。満を持しての個人昇格となった佐々木は期待の戦力だが、千葉時代から左足の高評価と守備面の不安は指摘されており、CBとして中谷を苦労させすぎると左SB起用になってしまうかもしれない。

 もう一人の即戦力は奥抜。大宮から海外に飛び立ち、ニュルンベルクなどで活躍して代表にも選出されたアタッカーを仕入れてきた。破壊力のウェルトン、技術のアラーノ、スピードの山下といった長所が明確なウィンガーたちの新たな選択肢となりたい。

注目選手:南野遥海

 最前線の坂本の穴を埋めることが期待されるのは武者修行から帰った彼だろう。同じく武者修行から戻った唐山と違い、J1は初挑戦のはず。宮崎、栃木とカテゴリーを挙げながらしっかり結果を残してきた訳で、大阪の南野といえばセレッソ、のイメージを塗り替える選手になるポテンシャルを秘めたゴールゲッター。

セレッソ大阪

 小菊さんが退任し、新たにやってきたのはアーサー・パパス新監督。昨年乱立したポステゴクルーチルドレンが今年も、である。ただ、パパスさんは監督初挑戦では無く母国・そしてそれ以外でも経験の豊富だし、日本では鹿児島で経験済み。逆に言うと鹿児島でそんなに成功していないのでは…?と思って調べたらコロナと家族の治療で退任だったので、フットボール面ではなさそう。多分ポステコ派閥としてボールを握るタイプのサッカーをしたいと推測するが、果たして。

 香川真司FC東京移籍という怪情報は流れたが、しっかり残留したりするオフを過ごしたが、エースのレオ・セアラーが鹿島へ。清武・鳥海が古巣に帰還し、カピシャーバも移籍となった。代役のエース候補としてはラファエル・ハットンを迎えた。誰だお前と思ったら新潟にいたラファエルらしい。と思ったら思っていたラファエルでもないらしい。新潟時代は1試合しか出ていない。カピシャーバのところには、チアゴアンドラーデ。両助っ人の活躍が上位進出の最低条件だ。

 もういっこ、埋めないといけなかったAZに昨年途中に移籍した毎熊のところ。ルーキーの奥田が穴を埋める活躍をしたが、ここには中村拓海を横浜FCからを。

注目選手:畠中槙之輔

マリノスから移籍してきたCB。チアゴマルティンスとの名コンビでマリノスを優勝に導いて日本代表にも選出された輝かしい歴史の持ち主だ。当然、マリノスで組んでいるパパス監督からしたら彼のフットボールを実現するために必要だから請われたはず。足元がしっかりしていて配球が出来る選手なので、握って勝つフットボールには重要な存在になるだろう。まだ29歳、輝かしい歴史と形容したことを怒られるような活躍と、まだ若き西尾のメンターになるような側面も求められるかもしれない。

ヴィッセル神戸

なんだかんだ力強く連覇。もはや吉田孝行ヴィッセル神戸も紛れもない強さの象徴である。前線の大迫・武藤・佐々木or汰木の前線に、昨年は新加入の宮代がインサイドハーフというか2列目というかで活躍。とにかく前線に蹴ったら誰かしらがキープできる強度があるし、それに合わせてきちんと連動できるのが強み。

 とはいえ盤石の陣容とは言い難く、キャプテンの山口螢がまさかの長崎に移籍。初瀬もイングランド2部へ挑戦し、菊池も町田に移籍したことで下半身が手薄にはなった印象だ。岡山から本山、マリノスから小池裕太、そして新外国籍のガエターノを獲得したものの正直未知数。控え中心で臨んだとはいえ、フジフィルムスーパーカップサイドバック登録の小池と飯野がウィングで出て、中盤登録の本山と日高がサイドバックで出ていた。山口螢のところは、1年以上ぶりに帰ってきた齋藤未月に担ってもらうつもりかもしれないが、これだけの大けがから回復したばかりのシーズンにフル回転はちょっと期待してはいけない気がする。

注目選手:武藤嘉紀

 MVP。このオフは移籍も噂された中で残留で決着。走力、パワー、シュートテクニック、プレスバック、あらゆるものが最高水準で備わっている。隣で大迫が派手にPKを外すなど全然スーパーなんだけど、でも今まで見たことないぞ?な一面を見せ始める中でまだまだ武藤は衰え知らずだ。いや、しっかしかっこいいなぁ

ファジアーノ岡山

 夢のJ1。遂に岡山がJ1にやってきた。木山監督も水戸で評価されてから、ジェフや仙台で挑戦しては阻まれてきた昇格を遂に達成。無人島キャンプでプレシーズンを賑わせるクラブではもうないのだ。

 昇格の中心選手は神戸に本山が移籍した以外はほぼ残留させることに成功。J1基準を知る選手として江坂を韓国から招聘し、最終ラインに立田と工藤、サイドに加藤聖、司令塔に佐藤龍之介、前線にブラウンノア賢信と拡充にも成功している。オフの動きとしては完璧だろう。J2では強固だったブローダーゼンがJ1再挑戦で通用するのか、岩渕や木村といったJ2屈指のアタッカーたちにも楽しみなシーズンだ

注目選手:ルカオ

 岡山の誇る重戦車。鹿児島、金沢での活躍は覚えていたが、その後の松本で鳴かず飛ばずだったイメージだったので昇格プレーオフで久々に見て驚いた。後半途中からの切り札としてパワーを存分に発揮。モーゼかよってぐらい推進力で相手のディフェンスラインを押し下げることに成功していた。得点の数字以上に効果はありそうだし、どうやらキャンプでの練習試合で鹿島相手にも猛威を振るったらしい。選手名鑑の一口メモには、プレー原則を木山監督が根気強くレクチャーし続けたとあるので、なかなかスタメンでは厳しいかもしれないが、彼が時間を作れれば豊富な2列目の決定力が行かされるはずだ。

サンフレッチェ広島

 あとわずかで優勝を逃したスキッベ体制。3位、3位、2位と来ている。今年こそ、の想いはどのクラブよりも強いはず。大橋が抜けた穴を補充した外国籍FWとは別れを告げ、ジュビロから覚醒したジャーメインを獲得。明治大卒の中村草太は3,4年で大学のリーグ戦で2年連続得点王&アシスト王とかいう意味の分からない成績を出しており、彼もまた期待大。左サイドに札幌の菅、中盤に湘南の田中聡と横浜FCの井上潮音を獲得し戦力も十分。昨シーズン途中から起用され始めた中島jrもかなりの大器で、佐々木&荒木&新井&中野&塩谷のディフェンスラインも盤石。魔法使いトルガイ・アルスランもまた、フジフィルムスーパーカップでゴールを記録しており、万全の態勢だ。

 不安があるとすれば、スキッベ監督がちっともターンオーバーをする気が無さそうなことだが、その分の戦力を増強したんだから選択肢が増えているはず、である。

注目選手:ジャーメイン良

 覚醒。そうとしかいいようがない。仙台でも横浜FCでも、5点ぐらいとる背負えるFWって感じだったんだけどジュビロで昨年大爆発。19ゴールを記録。序盤に大爆発してそれで終わりかと思ったら、きちんと後半戦にも継続的に点を取り続けた。大橋と同時期に同じブラックバーンへの移籍が取り沙汰されたが、まさかその大橋のポジションに収まるとは。フジフィルムスーパーカップではシャドーの選手とポジションを入れ替えながら裏を取る動きを繰り返し、そこにパスも入っていたし、完全にフィットしているように見えた。フロックじゃなさそうよ

アビスパ福岡

 1時代が終わった。ルヴァンカップをもたらした長谷部監督と別れを告げて、町田のヘッドコーチであった金明輝を監督とした。おとなり鳥栖で、選手だけでなくスタッフ、ユースの選手にまでパワハラを行った人物をこの短いスパンで、このタイミングで呼んでくるという決断は正直賛同できない。

 チームも過渡期。宮、グローリが去り上島、安藤が加入したバックスは誰がでるのだろう。前線の佐藤、中盤の前といった近年の人気選手もまた新天地を求めたが、秋野・見木・名古・藤本と頭数は揃えた。

注目選手:シャハブ・ザヘディ

 昨シーズン急遽加入。イランのFWなんて日本で活躍できるのだろうか?と思ったが早速ゴールを量産し、またザヘディかよ、と脅威を刻み付けた。ただ、終わってみれば9ゴールと序盤の圧倒と比較すると少し物足りない数字に終わった。実際、終盤はほとんど点を取ってない。無事に完全移籍で加入となったことだし、彼が通年ゴールを獲り続けることが出来れば福岡も良いシーズンになるだろう。

 

さて、各チームの概観を述べてきました。順位予想のお時間です!

 流石に首位。町田とヴェルディにはマジで負けんな。

1位FC東京

2位サンフレッチェ広島

3位ヴィッセル神戸

4位FC町田ゼルビア

5位川崎フロンターレ

6位浦和レッズ

7位アビスパ福岡

8位ガンバ大阪

9位柏レイソル

10位湘南ベルマーレ

11位鹿島アントラーズ

12位名古屋グランパス

13位横浜F・マリノス

14位京都サンガF.C.

15位清水エスパルス

16位東京ヴェルディ

17位セレッソ大阪

18位アルビレックス新潟

19位横浜FC

20位ファジアーノ岡山