抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

ノットエレガント「劇場版 SPY×FAMILY CODE:White」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 昨年の積み残しその2。特にブログを書きたくなるような映画でも無かったんですが、2023年のブログにならなかった映画たちが多すぎた気がするので短くてもいいのでブログにしよう、と思いました。

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WATCHA3.0点

Filmarks2.9点

(以下ネタバレ有)

 さて、大人気コンテンツとなったスパイファミリーの映画化。100億行くぞ、現行のジャンプとしても全年齢向きで行ける貴重なコンテンツでなんなら毎年の定番にしていく気概を感じる訳です。

 で、じゃあ今回の出来はどうだったかというとフツーに退屈、という出来。何度も腕時計を確認しては時間の進まなさに結構絶望しました。自分の中で点数つけている以上低得点なのは仕方ないんですが、良くできているけど嫌いと、フツーにつまんない、の差はどうつければいいのだろうか、などと思いました。

 シンプルに話がクソだな、って思います。脚本クレジットは大河内一楼なんですが、本当にあんた一人でやった?だとしたら腕の落ち方エグいよ??っていうレベル。原作者が口出したせいだと信じたい。

 しゃーないよ?最初の劇場版だし、各キャラクターを紹介しないといけないのは仕方にと思います。ロイド、ヨル、アーニャ、ボンドがそれぞれ違う能力を持っていて、互いのことを隠しているぞ、っていう前提があるから面白いタイプのコンテンツなのでそこを初見向けに説明しないといけないのは分かる。だけどロイドのスパイとしての活躍を描き、ヨルの殺し屋としての活躍を描き、アーニャとボンドの能力を描き、全体のゴールであるオペレーション梟と学園のステラについて説明する。うん、長い。コナン映画みたいな最初のテンプレで説明できるフォーマットができるまでは仕方ないにしてもしんどい。それにしてもせめてそこをスッと旅行の入り口の時点で見せるとかやりようはある気がする。それに、ステラの説明とか必要だったか?いいじゃん調理実習でいい成績取りたいで。エレガント先生とか次男とかベッキーとかキャラを出したいだけだもんなー。

 その上で、オペレーション梟、即ちフォージャー家がピンチ→ステラを獲らなきゃ→調理実習で活躍を→校長の好きな菓子を探ろうと旅行→その材料を探そう、は怠い。流石に面倒すぎる。今やっている行動が何のための行動なのかを直感的に理解できない作劇ははっきり低レベルと言える。そこまで回り道してやったのが、互いの素性をばらさなきゃいけないのにそのピンチを嬉々として迎えに行く航空戦闘に軍との対峙なんだから笑ってしまう。はっきり言って、プロペラ機で飛行船に向かうとこは『トップガン マーヴェリック』を見たからで、アーニャが閉じ込められているとこから音で知らせるのは『パラサイト/半地下の家族』を見たからなんだろ?と問い詰めたくなってしまう敵も敵でしょーもなく、2回も開発途中の新兵器とか言って出してきても興ざめするよ。

 最後に大爆発していれば盛り上がると思ってたり、一家の危機を迎えればいいと思っているあたり、名探偵コナンクレヨンしんちゃんの劇場版のうわべだけをこそぎ取っているだけに思える内容は残念でした。

 唯一、笑えていられたのはアーニャのキャラ力。そもそもテレビシリーズでテニスしていた時にずーっと何週か無表情だったことを思えば、ヨルとロイドにキャラ的な魅力も深みも無い中で、アーニャというキャラクターの強さを思い知らされた劇場版でした。種﨑さんが良くやっているというべきか、早見沙織のコメディ演技がまだ入ってこないというべきか。少なくとも、クレしん的オゲレツギャグでウケを取れているだけでなく、いろんなモノマネをされるキャラクター性を獲得している種崎敦美は本当に素晴らしいと思う。

 多分、コナンやクレしんの要素を入れるよりも、ひみつ道具を出してもらって怒られるのび太のように、がっかりしているアーニャが1番面白いのでそれを軸に次を作ってはどうでしょうか。ぐぬぬなアーニャが1番映える。