抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

トムを讃えよver2.1「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はトム・クルーズ最新作。ミッション・インポッシブルは話が酷いのが定番化してきたのでもういいかな…と思っていたんですが、私たちはトムに借りがあります。トップガン マーヴェリックです。あの映画でアメリカの興行、エンタメ大作映画を救ったのは間違いのないこと。どうせ見るんだったら映画館の方がエモーショナルな映画なのも事実ですからね、行ってきました。

 このIMAXポスターのトムかっこいい。

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WATCHA3.5点

FIlmarks3.7点

(以下ネタバレ有)

1.マッカリー頑張った

 ミッション:インポッシブルシリーズの最近は、トム・クルーズがやりたいアクションを先に取っておいて後からそれが出来る脚本を作って、みたいな作りなことを公言しています。それがいくとこまでいっちゃったのが前作のフォールアウトだったと思いますし、それが私はどうにも気に入らなかったんですよね。初代とローグネーションが2トップで好きなもんで。

 で、今回もその作り方は継続。中東の砂漠での銃撃戦、アブダビ空港での追いかけっこ、ローマでのカーチェイス、ベニス・橋の上での死闘、オリエント急行てんやわんや。この辺が楽しいアクション描写で、その間は割と突っ立って説明しまーすのターン。それぞれに凄いな、っていうアクションが散りばめられている印象で、砂漠のとこはアラビアのロレンスやりたいんですか、っていう遠景だったり、アブダビの空港の屋根でのトム走り、オリエント急行ならなにしてもいいんですかっていうぐらいのどんちゃん騒ぎだったり、フォールアウトの時でしたっけ?空からスカイダイビングで潜入する奴を思い出す必要の欠片もないアクションを少し思い出しつつも、一応物語的に必要なことしてて見ていられるので楽しかったですね。いや、空港の屋根でのトム走りは多分必要なかったな。勿論、本音を言えばスパイとは名ばかりのスパイアクションとなっているこのシリーズのような状態、特にローマでの大カーチェイスを見たらいったいなんでイーサン・ハントが極秘扱いなのか意味不明だな、とか思ったりするんですけどね。オリエント急行での成りすまし交渉とかの方が好みなんです。

 さて、結構重要だよね、っていう要素としてはこういうアクションの結構な部分を女性が担っていること。言ったってトムももう還暦。還暦のおじいちゃんが生身で崖から飛び降りているっていう面白さもあるんですけど、007だって時代に合わせて生まれ変わっている中で、アクションで占める割合がトム一辺倒ではなくなっているところ。まあ、チームメイトも動けなくなってるんだろうな、というのもさておいても、ヘイリー・アトウェルポム・クレメンティエフ(超良かった)、レベッカ・ファーガソンに結構な分量のアクションをさせておいてトムは後から到着したり、振り回されたりって感じ。プロデューサーを自らが務めるトムのことですから、この辺の割り振りっていうのは明確に意図したものでしょう。

 っていうモロモロのトムのオーダーをやりたくてやったシーンからくっつけていってひとつの映画になっていくように設計したクリストファー・マッカリーはほんとによく頑張ったと思います。この作り方の映画自体は肯定したくないですが、彼の努力は素晴らしいものでは。

2.今度の敵はAI

 イーサン・ハントの今回の敵はAI、というかそいつが自分を書き換えて"それ"=エンティティっていうことで、めっちゃ面倒ですね。どうやって倒すんでしょう。敵がネットの海に既に存在していることで、すべてのデジタル通信が危険になって冷戦時代の衛星使いだしたり、色んなデータを紙にタイプライターで出力しだす、なんていうちょっと面白い描写もありましたが、正直この敵がAI設定はそんなに好きじゃないんですよねぇ。エンティティの配下として選ばれたガブリエルがその無力化を図る方策をすべて潰そうとしていて、それが2本の鍵。まあ今回のマクガフィン。で、ヴァネッサ・カービーはそれをアメリカ政府に売りたくて集めてる、イーサンはアメリカに言われて集めてる、レベッカ・ファーガソンはMI6及びイギリスが支配するのが嫌で集めてる、あとCIAチームはイーサンを追っかけてる、でもう陣営が多いっていうか変に複雑にしているなぁと。

 それだけのメンバーが、まあとにかくAIを制御して大国になりたいです、っていうゴールなんだが、それって絶対ダメだよね、壊そうで終わるオチが待っているじゃないですか。ただ、個人的にはこういう科学的な発展の結果の産物を壊して無かったことにしよう!はもう無理だと思っているんですよ。名探偵コナン黒鉄の魚影に近い。どうせ一度生まれてしまったらまた生まれてしまうものだし、デジタルが危ない!ってなってからも結構デジタル使ってるし。ベンジーがルート計算しなおしたりマスク作ってたり、キトリッジとホワイトウィドウに送金したり、ああいうのも全部"それ"にはバレてるのでは??みたいなことが気になってしまう。まあこの辺はですね、後編でどうするのか楽しみにしておきましょう。海中にもぐるんだよね、やっぱり。