抹茶飲んでからマラカス鳴らす

FC東京サポで鷹党のどうでしょう藩士による映画・アニメを中心とした感想ブログ

結構な大ごと「名探偵コナン 黒鉄の魚影」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今年のコナン映画の季節がやってきました。今年はOPが素晴らしかったですね。

小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 黒鉄の魚影 劇場版 名探偵コナン

WATCHA3.5点

Filmarks3.5点

 (以下ネタバレ有)

1.徒然と全部まとまりなく書きます

 凄いですね、ちょっともう何から記録に残せばいいのか分からない。ただもう、ここまで振り切ってやられたらもう笑うしかないですよ、ミステリをやる気が欠片もない!!冒頭から非常に簡単に小学生の侵入を許す、監視社会まっしぐらの地獄のディストピアを作る中枢施設パシフィック・ブイ。八丈島からあんな漁船でたどり着くような場所、地元の漁協との調整が相当大変だったろうな、などと想いを馳せていたのは遥か昔、終盤は赤井さんが米軍兵器を持ち込み、組織の潜水艦がこれまで全く気づかれずに稼働していたという、日米安全保障条約を揺るがす事態が勃発。海上保安庁海上自衛隊などの大失態という点も踏まえると、内閣総辞職どころか日本国憲法を揺るがしかねない事態がそこで発生していました。いやー、すごい。犯人の犯沢さんやったからもう何やっても許されると思っている節があるぞ、小学館。だが敢えて私は言う。許す、と。登場したアクションも、黒の組織によるスナイプ描写(その辺のトラック撃って顔を出させるテクとかみんな好きなやつでしょ?)。蘭とピンガによる直接格闘からの阿笠博士によるカーチェイスwithスケボー。その上で、潜水艦による魚雷攻撃及び水中追尾に最後はちゃんとサッカーボール蹴っ飛ばしまでまんべんなくこなすサービスっぷり。ほんと、全部やっていたのでは??勘違いしないでほしいのは、こうした褒めポイントは、極上の午後ロー映画を見た時に出る感想でしかない。この方向なら、コナンはもう私の中で5点満点ではなくなる。ただ、上限を下げた中では面白かった。そういう評価だ。

 ミステリとしては、やたらコーンロウを押してくるので女性が犯人だろうな、って感じだし、もうピンガの声を聞いた段階で村瀬歩なのはバレバレなので、というか容疑者になりそうな皆様の中に村瀬歩演じる女性がいる時点できな臭いことこの上ないのでもう眠りの小五郎とか意味ないし、決め手の映像はディープフェイクです!って案外あっこの職員ヒマなんだな、っていう。なんでそんなの準備してんのorヨーロッパと繋がる日にこっそり作れるんだよ。ディープフェイクされないように、とかバックドアされないようにどうこうして、みたいな話は一切なく、これをしました!でしたんだから次!という手口、見事すぎる。完全に押し切り方がスパイアクションの映画、それもマーク・ウォルバーグとかが主演してそうなタイプの強引な手法。だからこれは発見です。僕らはあの手のエンドオブ○○とか、そういうの見るときに人名でくくって分かった気になっていましたが、主人公を江戸川コナンにしてもその手の映画に対する許容っていうのが成立するんだ、っていう。繰り返しになりますが、ここ数年ミステリとして、とか思ってましたがそういうのはもういいです。櫻井武晴というちゃんとした人がここまでミステリしたくない脚本にしてくるのなら、10年後のクレしんがもっかいミステリやってくれるのを期待した方がいいです。やりきることの大事さですよ。

 そりゃあね、老若認証とかいう謎システムがあろうとも、人間の成長過程は一直線なので若返りの発想にいたらんだろう、っていうか至るならベルモットさんがもっと早めにこの計画にストップをかけているような気もするし、灰原がバレた!?灰原があぶねぇ、じゃない、同じ危機感を工藤君も持った方がいいですよ、みたいなちょっとした負荷のかけかたのバランス、っていうんですか、そこは見ながら気になってはいました。うーん、でももうこうなったら、そんな不満とかどうでもいいから、敵機の音が聞こえないから黙れとキールに怒られるウォッカとか、また飯はこれか、まあいい、とか言ってるジンとか、潜水艦映画あるあるをぶち込んで黒の組織のコメディやりましょう。FBIがユーロポールに行くとかもうFBIってなんだっけ、っていう疑問のこととかは全部忘れるんで。

 しっかし、いくらディープフェイクでした、とか、信用ならないシステムでした、とか言ってもあの組織にもうあの子らがマークされてない訳ないよね、何度黒の組織絡みの事件に遭遇してるんだよ…情報をスタンドアローンで持つことが極めて困難である象徴といえる防犯カメラ接続システムが舞台の今回を無かったことにして進むのはとても難しい。ピンガが工藤新一を検索したら江戸川コナンが出てきた、みたいな事実はどこかに残るのだから。そういう意味でも、検知されない潜水艦を所持し、世界を股にかけ、シェリーが灰原と看破した刹那八丈島のホテルを襲撃する機動力がありながら、最終的には海中要塞に魚雷をぶち込むという決断をする秘密結社ってなんなんでしょうね。潜水艦から灰原たちが脱出するところもウダウダ言ってましたけど、いや少なくとも逃げられた後は殺せよ。やはりおとりだったかじゃねぇよ。何をエンディングでインターポールの新施設に旅立たせてるんだよ。おまえら面が割れたんだぞ?秘密結社の存在が公にされ、結構な構成員の面が割れているし、おまけにそのうちの一人は水無怜奈なんでしょ?消さなきゃダメじゃん絶対。ジンさん、あんたが一度狙った毛利小五郎と何度邂逅しているか考えた方がええで。

 といった上記の黒の組織がかえってショボくなった点も含めて、なんだろう、台本の上でしか考えてないのかなぁ、っていう印象を受けました。ベルモットが銀杏のブローチをしていて、そうか最初のおばあさんからベルモットだったのか!!ってなるけど、いやじゃあベルモットあっこでなにしてたん?とか(まああいつは大体いつも何してたん?ではある)そもそも灰原ってあんな感じでふらっと消えてアクセサリー欲しがるような子でしたっけ?みたいな、場面のためにやってるよね、みたいなの。佐藤刑事に変なタイミングでコナンがごめんなさいするし、灰原たちの声はジンには届かないのに脱出方法をキールが喋ってるのは聞こえるし。取り敢えず灰原が捕まることしか考えてませんでした!に見える。

 ここ数年のコナン映画こういうの多すぎない?あ、でもいいんです!もうコナンにそういうの期待してませんから!普通に楽しかったんでおーけーです!いや、なんか読み返したらキレてるようにしか読めなくて自分でびっくりしてます。減点で見たらこんなに減点があるみたいですが、基本的には加点でニコニコ見てましたから!